オプション取引をわかりやすく解説|仕組み・コールプット・始め方の要点を初心者向けに総整理

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • オプション取引は「買う権利」「売る権利」を売買するデリバティブ取引
    • コールオプション(買う権利)とプットオプション(売る権利)の組み合わせで、上昇・下落どちらの相場でも利益を狙える
    • 買い手の最大損失はプレミアム(オプション料)に限定される一方、売り手は理論上無限の損失リスクがある
  • 日本では日経225オプションが主流。仮想通貨オプションは海外取引所で可能
    • SBI証券・楽天証券・松井証券などで日経225オプションを取引可能。手数料は約定代金の0.11〜0.198%程度
    • ビットコインのオプション取引はBybitやDeribitなどの海外取引所が対応
  • 税金は申告分離課税で一律20.315%。仮想通貨オプションは雑所得扱い
    • 日経225オプションの利益は先物取引に係る雑所得等として申告分離課税。FXや先物と損益通算可能
    • 仮想通貨オプションの利益は総合課税(最大約55%)。制度の違いを理解して取り組むことが重要
  • 初心者はまず「買い」から。損失が限定されるポジションで仕組みを学ぶ
    • 4つの基本形(コール買い・コール売り・プット買い・プット売り)の損益構造を理解してから始める
    • デモトレードで練習できる証券会社もあり、リスクゼロで体験可能
木田 陽介

オプション取引は「難しそう」と敬遠されがちですが、仕組み自体はシンプルです。要は「将来の売買の権利を取引する」だけ。ただし売り手側に回ると損失が青天井になるリスクがあるので、初心者はまず買いから入るのが鉄則です。この記事では、専門用語を最小限にしてオプション取引の全体像をやさしく整理します。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

オプション取引とは?仕組みをわかりやすく解説

オプション取引とは、ある資産(原資産)を将来の決められた期日に、あらかじめ決めた価格で「買う権利」または「売る権利」を売買する取引です。株式や先物のように資産そのものを売買するのではなく、「権利」を取引対象とする点が最大の特徴です。

日常の例で考えると、住宅購入時の「手付金」に似ています。手付金を払えば、一定期間その物件を購入する権利を確保できます。購入をやめても手付金は戻りませんが、それ以上の損失は発生しません。オプション取引も同じ構造で、「プレミアム」と呼ばれるオプション料を支払って権利を取得し、有利なら行使、不利なら放棄できます。

スクロールできます
項目内容
取引対象将来の売買に関する「権利」(コールオプション/プットオプション)
原資産の例日経225、個別株、通貨、ビットコインなど
コストプレミアム(オプション料)を支払う(買い手)/受け取る(売り手)
買い手の最大損失支払ったプレミアムまで(損失限定)
売り手の最大損失理論上は無限大(損失非限定)
主な市場日経225オプション(大阪取引所)、米国株オプション、仮想通貨オプション
税制(日本・日経225)先物取引に係る雑所得等・申告分離課税20.315%

オプション取引は複雑に見えますが、「権利の売買」という1つの原理を押さえれば、あとは応用です。より網羅的な定義・種類・全体像はオプション取引とは?(基礎ガイド)でも解説しています。次の章で、2つの権利(コールとプット)の違いをやさしく見ていきます。

コールオプションとプットオプション|2つの権利の違い

オプション取引で売買される権利は、「コールオプション(買う権利)」と「プットオプション(売る権利)」の2種類だけです。この2つの違いが理解できれば、オプション取引の半分は理解できたも同然です。

コールオプション|原資産を「買う権利」

コールオプションは、原資産をあらかじめ決められた価格(権利行使価格)で「買う権利」です。原資産の価格が権利行使価格より上がれば、市場価格より安く買える分が利益になります。たとえば、権利行使価格30,000円のコールオプションを100円のプレミアムで購入し、日経平均が31,000円まで上昇した場合、1,000円−100円=900円の利益です。

逆に、日経平均が30,000円を下回ったまま満期を迎えれば、権利を行使する意味がないため放棄します。この場合の損失は、支払ったプレミアム(100円)だけに限定されます。「相場が上がると思うが、下がった場合の損は限定したい」という場面で使えるのがコールオプションの買いです。

プットオプション|原資産を「売る権利」

プットオプションは、原資産をあらかじめ決められた価格で「売る権利」です。コールの逆で、原資産の価格が下がるほど利益が大きくなります。相場の下落に備えたい場面や、下落局面で利益を狙いたい場面で使います。

たとえば、権利行使価格30,000円のプットオプションを150円で購入し、日経平均が28,000円まで下落した場合、市場では28,000円でしか売れないものを30,000円で売る権利があるため、2,000円−150円=1,850円の利益になります。保有株の「保険」としてプットを買っておく使い方は、機関投資家にも広く使われる手法です。

オプション取引の4つの基本形|損益構造をやさしく整理

コールとプットの「買い」と「売り」を組み合わせると、オプション取引には4つの基本形があります。まずは下の表で、それぞれの相場観と損益の上限をつかみましょう。

スクロールできます
基本形相場観最大利益最大損失
コール買い上昇を予想理論上は無限大支払ったプレミアムまで
コール売り横ばい〜下落を予想受け取ったプレミアムまで理論上は無限大
プット買い下落を予想原資産がゼロになるまで支払ったプレミアムまで
プット売り横ばい〜上昇を予想受け取ったプレミアムまで原資産がゼロになるまで

初心者がまず押さえるべきは、「買い」と「売り」でリスク構造がまったく違う点です。買い手は損失がプレミアムに限定される一方、売り手は相場が大きく動くと損失が膨らみます。JPX(日本取引所グループ)も、初心者は損失限定の「買い」から始めることを推奨しています(※1)。4つの基本形それぞれの損益図・使い分けは、オプション取引の4つの基本形とは?で図解付きで詳しく解説しています。

プレミアム(オプション料)の決まり方

オプションのプレミアムは、「本質的価値(今すぐ行使した場合の利益)」と「時間的価値(満期までの可能性の値段)」の2つで構成されます。満期が近づくほど時間的価値は減少し(これをタイムディケイ=時間減衰と呼びます)、買い手に不利・売り手に有利に働きます。「時間の経過だけで価値が減る」のは、株式投資にはないオプション特有の性質です。プレミアムの計算方法や決定要因(ギリシャ指標)は、オプション取引のプレミアムとは?で詳しく解説しています。

オプション取引の始め方|3ステップで整理

日本で個人投資家が始めるなら、最も一般的なのは大阪取引所の日経225オプションです。流れは大きく3ステップです。

  1. 証券口座に先物・オプション口座を追加申請する|通常の株式口座とは別に専用口座の開設が必要です
  2. 証拠金を入金する|買い手はプレミアム相当額(数万円〜)があれば取引可能。売り手は別途証拠金が必要です
  3. 銘柄を選んで注文する|限月・権利行使価格・コール/プット・売買方向を選んで発注します

少額から試したい場合は、取引単位が10分の1の「日経225ミニオプション」も選べます。証券会社ごとの手数料比較や口座開設の具体的な手順は、オプション取引のやり方|始め方の手順で詳しく解説しています。

仮想通貨のオプション取引|海外取引所での始め方

日経225だけでなく、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を原資産としたオプション取引も存在します。日本国内の取引所では仮想通貨オプションは扱われていないため、海外取引所を利用する形になります。

仮想通貨オプションは、日経225オプションと基本的な仕組みは同じです。ただし、ボラティリティ(価格変動率)が株式や為替に比べて格段に大きいため、プレミアムも高くなる傾向があります。大きな値幅が期待できる反面、リスク管理は一段と重要になります。

なお、仮想通貨オプションの利益は日経225オプションとは税制がまったく異なります。日経225が申告分離課税(20.315%)なのに対し、仮想通貨は「雑所得」として総合課税(最大約55%)の対象です。仮想通貨同士の交換でも利益が確定していれば課税されるため、取引記録の管理が欠かせません。詳しくは仮想通貨の税金の記事で解説しています。

オプション取引のメリット・デメリット

メリット
  • 買い手の損失がプレミアムに限定される|予想が外れても最大損失が事前にわかる
  • 上昇・下落どちらでも利益を狙える|コールとプットの使い分けで相場の方向を問わない
  • ヘッジ(保険)として使える|保有資産の下落リスクをプット買いで軽減できる
  • 少額から取引可能|ミニオプションなら数万円程度から始められる
  • 戦略の幅が広い|4つの基本形を組み合わせた多彩な戦略を構築できる
デメリット・注意点
  • 売り手のリスクが大きい|損失がプレミアム以上に膨らむ可能性がある
  • タイムディケイがある|買い手は時間の経過だけで価値が目減りする
  • 仕組みが複雑|権利行使価格・限月・ギリシャ指標など専門用語が多い
  • 流動性リスク|満期が近い限月以外は取引量が少なく、約定しにくい場合がある
  • 追証リスク(売り手)|証拠金が不足すると追加入金を求められる

オプション取引の最大の魅力は「買い手のリスクが限定される」点です。これは先物取引にはない特徴で、「相場の方向性に賭けたいが、損失は限定したい」という場面に適しています。一方で、売り手のリスクの大きさと仕組みの複雑さは、初心者が安易に手を出すべきでない理由でもあります。

ICHIZEN Capitalの視点|先物取引ではなくオプションを選ぶ理由

多くの解説記事は「オプション取引の仕組み」で終わりますが、実際にトレードする場面で必ず出てくるのが「先物とどう使い分けるか」という問題です。ここは上位記事が最も手薄な領域なので、実務の視点で整理します。

先物取引とオプション取引の決定的な違いは、先物は「売買の義務」、オプションは「売買の権利」である点です。先物で買いポジションを持てば、相場が下がっても決済しなければなりません。一方、オプションの買い手は不利なら権利を放棄でき、損失がプレミアムに限定されます。

スクロールできます
比較項目先物取引オプション取引(買い手)
契約の性質売買の義務売買の権利(放棄可能)
最大損失理論上は無限大支払ったプレミアムまで
コスト証拠金を差し入れプレミアムを支払い
向いている場面方向性に自信があるとき方向性は読めるが損失を限定したいとき

実務では、「方向性に強い自信がある → 先物」「方向性は読めるが万が一に備えたい → オプション買い」という使い分けが基本です。保有中の先物や現物のヘッジとしてプットを組み合わせる「プロテクティブ・プット」は、機関投資家にも広く使われる実践的な戦略です。先物とオプションの違いのより詳しい比較は、先物取引とオプション取引の違いで解説しています。

木田 陽介

オプションは「損失を限定しながら相場に賭けられる」のが最大の強みです。だからこそ初心者はまず買いから。売りは受け取るプレミアム以上の損失を負う可能性があるので、仕組みを完全に理解してからにしましょう。まずは全体像をつかんで、気になる項目を個別記事で深掘りするのが近道です。

よくある質問

オプション取引とは何ですか?初心者にもわかりやすく教えてください

オプション取引とは、ある資産を将来の決められた価格で買う権利(コール)または売る権利(プット)を売買する取引です。買い手は権利を放棄できるため損失がプレミアム(オプション料)に限定される点が特徴です。株式や先物のように資産そのものを売買するのではなく、「権利」を取引する点が異なります。

コールオプションとプットオプションの違いは?

コールオプションは原資産を「買う権利」で、相場の上昇時に利益が出ます。プットオプションは原資産を「売る権利」で、相場の下落時に利益が出ます。どちらも買い手の最大損失は支払ったプレミアムに限定されます。

オプション取引は初心者でもできますか?

できます。ただし証券会社の先物・オプション口座の開設には投資経験や資産状況の審査があります。初心者はまず損失が限定される「買い」から始め、デモトレードで練習してから実取引に移るのが安全です。日経225ミニオプションなら数万円から始められます。

オプション取引のリスクはどれくらいですか?

買い手の最大損失は支払ったプレミアム(オプション料)までに限定されます。一方、売り手の損失は理論上無限大で、相場が大きく動いた場合に証拠金を超える損失が発生する可能性があります。初心者がいきなり売り手になるのはリスクが高いため、まずは買いから入ることが推奨されています。

オプション取引はいくらから始められますか?

日経225オプションの場合、買い手はプレミアム×取引単位(1,000倍)の金額が必要で、数万〜数十万円程度です。日経225ミニオプションなら取引単位が100倍と小さいため、さらに少額から始められます。売り手は別途証拠金が必要です。

仮想通貨でもオプション取引はできますか?

できます。ビットコインやイーサリアムのオプション取引は、Deribit・Bybitなどの海外取引所で可能です。ただし日本国内の取引所では仮想通貨オプションは扱われていません。また、利益は総合課税(雑所得)扱いで、日経225オプションの申告分離課税とは税率が異なる点に注意が必要です。

オプション取引の売り手は損失が無限大って本当ですか?

コールオプションの売り手については、理論上は無限大の損失が生じる可能性があります。原資産の価格に上限がないためです。プットオプションの売り手の損失は、原資産の価格がゼロになるまでが上限です。いずれも証拠金制度や追証による管理が行われますが、急激な相場変動では証拠金を超える損失が発生することがあります。

まとめ|まずは全体像をつかみ、次のステップへ

オプション取引は、将来の売買の「権利」を取引するデリバティブです。コール(買う権利)とプット(売る権利)の2種類を軸に、買い手は損失をプレミアムに限定しながら、上昇・下落どちらの相場でも利益を狙えます。まずはこの記事で全体像をつかめば、オプション取引の「地図」は完成です。

より深く知りたいテーマは、以下の個別記事で解説しています。気になるところから読み進めてください。

初心者はまず損失が限定される「買い」から。デモトレードで練習し、少額から実取引に移ることで、リスクを抑えながらオプション取引の感覚を身につけていきましょう。海外取引所の選び方は、海外取引所おすすめランキングも参考にしてください。

参考文献

1. JPX(日本取引所グループ)北浜投資塾「オプション取引初心者は損失限定の『買い』から」https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/column/derivatives/04.html
2. 楽天証券「日経225オプション取引入門」https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fop/special/option_guide/
3. 松井証券「先物・オプション取引の税制・確定申告」https://www.matsui.co.jp/support/tax/futures/
4. 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱い(FAQ)」https://www.nta.go.jp/
5. Bitget「ビットコインオプション取引の基礎と戦略」https://www.bitget.com/ja/wiki/1110474

※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・取引所への投資を勧誘するものではありません。オプション取引にはリスクが伴い、売り手の損失は理論上無限大となる場合があります。手数料・税制等の情報は変更される場合があるため、最新の情報は各証券会社・取引所の公式サイトでご確認ください。税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

目次