Mantle(MNT)とは?「EigenDA採用L2」がもう誤りである事実・供給の46%が単一アドレス・国内取扱いゼロを忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!
- Mantleは暗号資産取引所Bybitと縁の深いイーサリアムのレイヤー2で、MNTはそのガス代を払うトークンです
- 前身はBitDAO。2023年7月17日にBIT1枚をMNT1枚へ一方向で交換し、Mantleへ生まれ変わった
- 価格は約0.42706ドル(約69.2円)・時価総額は約14.1億ドルで57位。最高値2.86ドルからは約85%下落
- 「EigenDAを使うモジュラーL2」という説明はすでに古い情報です。2026年4月22日のArsiaでEigenDAは切り離されました
- 当メディアが開発リポジトリを検証したところ、EigenDAのコードは11か所から監査PDF1件だけに消えていた
- L2BEATの現在の分類は「Stage 0のZKロールアップ」。データはイーサリアムのblobへ移った
- 総供給量の46.63%にあたる約29億MNTが、たった1つのアドレスに入っています。時価総額の約88%に相当します
- 当メディアがチェーンへ直接照会し、Treasuryの残高2,900,022,409MNT(約12.4億ドル相当)を実測した
- MI4ファンドやmETHなど、Mantleの実体は「L2」よりも資産運用体に近づいている
- 国内取引所での取扱いはゼロ。しかもBinance・Bitget・OKXにMNTの現物がありません
- JVCEAの取扱一覧(2026年7月15日版)を全文検索したところ、Mantle・MNT・マントルは0件だった
- 買えるのはBybit・Coinbase・Kraken・Gate・MEXC等。出来高の約29%はBybitに集中している
木田 陽介Mantleは「EigenDAを採用した初のモジュラーL2」として広まった銘柄です。忖度なく言うと、日本語の解説はその時点で更新が止まっているものがほとんどでした。2026年4月のArsiaでEigenDAは実際に切り離されており、いま同じ説明を読むと現在地を見誤ります。この記事では、開発リポジトリとチェーンの実数に直接あたった結果をもとに、Mantleの今を示します。


監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。
Mantle(MNT)とは?基本情報
Mantle(マントル)は、イーサリアムの取引を安く速く処理するために作られたレイヤー2ネットワークで、MNTはその上でガス代の支払いと投票に使われるトークンです。イーサリアム本体の混雑と手数料を回避しつつ、決済の安全性は本体に預ける設計を採っています。
Mantleを理解するうえで外せないのが、その出自です。前身は、暗号資産取引所Bybitの支援を受けて2021年に発足したBitDAO(ビットダオ)でした。2023年にMantleへ名称と役割を変え、トークンもBITからMNTへ一方向で移行しています(※1)。巨額の資金を持つDAOがL2を運営しているという構造が、他のL2との一番大きな違いだと言えるでしょう。
| 項目 | 内容(2026年7月時点) |
|---|---|
| 名称 | Mantle(マントル)/ティッカーはMNT |
| ジャンル | イーサリアムのレイヤー2(L2)とそのガストークン |
| 前身 | BitDAO(Bybitの支援で2021年発足)/2023年7月にMNTへ1:1で移行 |
| チェーンID | 5000(当メディアがRPCへ直接照会して確認) |
| 種別(L2BEATの分類) | Stage 0のZKロールアップ(かつてはOptimistic Rollupとして紹介された) |
| データ可用性(DA) | イーサリアムのblob/2026年4月22日のArsiaでEigenDAを切り離し |
| ガストークン | MNT(ETHではない点に注意) |
| 価格 | 約0.42706ドル(約69.2円) |
| 時価総額 | 約14億1,075万ドル(暗号資産全体で57位) |
| 24時間出来高 | 約2,957万ドル(時価総額の約2.09%) |
| 循環供給量 | 約33億0,229万MNT(総供給量の53.1%) |
| 総供給量 | 6,219,316,794.89MNT(チェーンへ直接照会した実数) |
| Treasuryの保有量 | 2,900,022,409MNT=総供給量の46.63%(実測) |
| 過去最高値(ATH) | 2.86ドル(2025年10月9日)/現在は約85%下落 |
| 過去最安値(ATL) | 0.307978ドル(2023年10月18日) |
| 国内取引所での取扱い | なし(2026年7月時点で1社も取り扱っていない) |
| 日本での税務上の扱い | 暗号資産(原則として雑所得・総合課税) |
価格・時価総額・出来高・循環供給量・最高値はCoinGeckoの2026年7月16日時点のデータです(※2)。総供給量・Treasuryの保有量・チェーンID・ガス代は、当メディアがイーサリアムとMantleのノードへ直接問い合わせて取得した実測値になります(確認日:2026年7月16日)。数値は日々変動するため、最新値はご自身でもご確認ください。
Mantleの正体|「EigenDAのモジュラーL2」はすでに過去の説明
ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。日本語で読めるMantleの解説のほぼすべてが、2023〜2024年の枠組みで止まっています。具体的には「EigenDAを採用したモジュラー型のOptimistic Rollup」という説明ですが、2026年7月時点のMantleは、そのどちらでもありません。
- Arsia|2026年4月22日、EigenDAのコードは開発リポジトリから削除された
- 種別|L2BEATの現在の分類は「Stage 0のZKロールアップ」で、Optimistic Rollupではない
- ガス代|MNTで払う。当メディアの実測では1回の送金が約0.07円だった
Arsia|2026年4月22日、EigenDAは切り離された
まず、なぜ「EigenDA」がMantleの代名詞になったのかから整理します。データ可用性(DA)とは、L2が処理した取引データを「誰でも取り出せる形で確実に置いておく」役割を指します。ここをイーサリアム本体に置くと安全ですが高くつくため、外部の専用サービスに預ける発想が生まれました。Mantleはその外部DAとしてEigenDAを採用した最初のL2であり、これが「モジュラーL2」という看板の中身だったのです。
その看板は、すでに下ろされています。2026年4月8日に公開されたArsia(アルシア)アップグレードが、2026年4月22日16時(日本時間)にメインネットで発動しました(※3)。Arsiaは、OP Stackの8つのフォーク(Canyon・Delta・Ecotone・Fjord・Granite・Holocene・Isthmus・Jovian)を一度に取り込む大型の更新です。
この「EigenDAが外れた」という点は伝聞で書くべきではないため、当メディアが開発リポジトリのファイル一覧を、更新の前後で直接取得して比較しました。結果は次のとおりです。
| バージョン | 時期 | EigenDA関連ファイル数 | 中身 |
|---|---|---|---|
| v1.4.2(Limb) | 2025年12月 | 11件 | op-service/eigenda/ 配下に稼働コード(da.go・config.go 等) |
| v1.5.4(Arsia) | 2026年4月 | 1件 | 過去の監査報告PDFのみ。稼働コードは0件 |
Arsia版に残っているEigenDAの痕跡は、過去に受けた監査レポートのPDFが1件だけでした(※4。確認日:2026年7月16日)。DAを担っていた実行コードは、リポジトリから完全に消えています。つまりMantleは、外部DAをやめてデータをイーサリアム本体のblobへ戻したということです。「モジュラー構成だから安い」という説明は、根拠の部分が入れ替わったと理解する必要があるでしょう。
L2BEATの分類は「Stage 0のZKロールアップ」
種別についても、実態は変わっています。L2の分類で事実上の標準とされるL2BEATを確認したところ、Mantleは現在「Stage 0のZKロールアップ」に分類されており、DAの欄は「Ethereum blobs」と記載されていました(※5。確認日:2026年7月16日)。「proofの構築に必要なデータはすべてイーサリアムL1に公開されている」とも明記されています。
この違いは、利用者にとって意味を持ちます。Optimistic Rollupは「不正がなかったと仮定し、異議申し立て期間を置く」方式で、出金に約7日かかるのが通例でした。一方のZKロールアップは、正しさを数学的な証明で示す方式です。Mantleは有効性証明(STARKs/SNARKs)を用いる構成へ移っており、OP Succinctを使った検証の道筋が採られています。
ただし「ZKだから安全」と単純化するのは誤りです。Stage 0とは、L2BEATの成熟度分類で最も初期の段階を指します。同じページには、シーケンサーが停止した場合に強制的な取引が可能になるまで12時間かかること、状態ルートを公開できるのはホワイトリスト登録されたproposerだけであること、そしてコントラクトが即時にアップグレード可能で、利用者が離脱するための猶予期間(exit window)が存在しないことが、リスクとして併記されています。
MNTはガストークン|実測した手数料は1回約0.07円
MNTの役割は、大きく2つです。公式サイトは「MNT powers gas on Mantle Network(MNTがMantleのガス代を動かす)」と記し、あわせて保有者がエコシステムの提案に投票できると説明しています(※6)。多くのL2がガス代にETHを使うなかで、Mantleは独自トークンのMNTをガス代に据えている点が特徴です。
手数料が実際にいくらなのかを、当メディアが両方のチェーンへ同時刻に問い合わせて計算しました。標準的な送金1回(21,000ガス)で比較した結果が次の表です。
| 項目 | Mantle(L2) | イーサリアム(L1) | 測定日 |
|---|---|---|---|
| ガス価格 | 50.0001 gwei(MNT建て) | 0.215476759 gwei(ETH建て) | 2026/07/16 |
| 送金1回の手数料 | 0.00105 MNT = 約0.0004ドル(約0.07円) | 0.0000045 ETH = 約0.0087ドル(約1.35円) | 2026/07/16 |
| 倍率 | L1はMantleの約19.4倍 | 2026/07/16 | |
ここで注意したいのは、この「約19倍」という差が、L2の宣伝で見かける「数百倍安い」より控えめだという事実です。理由は単純で、測定した時点のイーサリアムL1が0.2gwei台と歴史的に見て非常に空いていたためです。L1が混雑すればこの倍率は跳ね上がり、空いていれば縮まります。倍率だけを切り取った比較は、測定時のL1の状況しだいでいくらでも変わると考えたほうが実態に合うでしょう。
MNTのトークノミクス|総供給量の46.63%が単一アドレスにある
MNTの数字を追うと、他の主要銘柄とは明らかに違う構造が見えてきます。総供給量62億1,931万MNTのうち、46.63%にあたる約29億MNTが、たった1つのアドレスに保管されています。この事実は、Mantleを検討するうえで避けて通れません。
BitDAOから1:1で移行した経緯
MNTの出発点は、独自のマイニングでもICOでもありません。前身のBitDAOが発行していたBITトークンを、そのままMNTへ置き換えたものです。Mantle公式のガイドによれば、移行は2023年7月17日6時(UTC)に始まり、BIT1枚をMNT1枚へ交換する一方向(one-way)の設計でした(※1)。提案番号はBIP-21とMIP-22です。
交換の窓口には、公式サイトのほかBybit・MEXC・Huobi・gate.io・BingX・Korbitといった取引所が並びました。この顔ぶれに国内の取引所が1社も含まれていないことが、現在まで続く「日本で買えない」状況の起点だと言えるでしょう。そしてBitDAOはBybitの支援で発足した経緯を持ち、Bybitとの近さはこの時点から一貫しています。
Treasuryが持つ29億MNTは時価総額の約88%に相当する
供給の内訳を、当メディアがイーサリアムのノードへ直接照会して確かめました。MNTのコントラクトが返した総供給量は6,219,316,794.89MNTで、独立した2つのノードで同じ値を確認しています(※7)。CoinGeckoの表示とも一致しました。
そのうえで、Mantle Treasuryとして知られるコントラクトの残高を照会したところ、2,900,022,409MNTが入っていました(確認日:2026年7月16日)。これが本当にTreasuryなのかを裏づけるため、別の角度からも検算しています。総供給量から循環供給量を引いた「市場に出ていない分」は約29億1,702万MNTで、先ほどのアドレスの残高との差はわずか1,700万MNT(0.6%)でした。つまり「非流通とされている量」の実体は、ほぼこの1アドレスだと確認できます。
| 項目 | 実測値 | 総供給量に対する比率 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 総供給量(=最大供給量) | 6,219,316,794.89 MNT | 100% | 2026/07/16 |
| 循環供給量 | 約3,302,294,383 MNT | 53.1% | 2026/07/16 |
| 非流通分(総供給−循環) | 約2,917,022,412 MNT | 46.9% | 2026/07/16 |
| Treasuryの残高(実測) | 2,900,022,409 MNT | 46.63% | 2026/07/16 |
| 上記の差分 | 約17,000,003 MNT | 0.27% | 2026/07/16 |
この29億MNTを価格に換算すると、約12億3,848万ドルです。循環している分の時価総額(約14億1,075万ドル)と比べると、約88%に相当します。市場に出回っている量とほぼ同じ規模のMNTが、1つの主体の管理下にあるという状態です。この構造そのものが、価格に対する最大の潜在的な重しだと考えられます。



誤解のないように補足すると、Treasuryが持っているから即座に売られる、という話ではありません。DAOのガバナンスを通さなければ動かせない建て付けですし、実際に長期間動いていない残高です。ただトレードの現場では「誰がどれだけ持っているか」は板より重い情報になります。時価総額と同じ規模の在庫が1か所にあるという事実は、良し悪しの判断以前に、まず知っておくべき前提だと考えています。
Mantleのプロダクト|L2よりも「運用会社」に近づいている
Mantleを「L2」とだけ捉えると、実態を取り違えます。チェーン上のDeFi残高は約8,961万ドルにとどまる一方で、関連するファンドやステーキング商品のほうがはるかに大きな金額を集めているためです。数字で並べると、その偏りがはっきりします。
| 項目 | 規模 | 内容 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| mETHプロトコル | 約4億8,937万ドル | ETHのリキッドステーキング(mETH)と再ステーキング(cmETH) | 2026/07/16 |
| MI4ファンド | 約1億1,915万ドル | BTC・ETH・SOL・ステーブルの指数連動ファンド(RWA) | 2026/07/16 |
| Mantleチェーン全体のDeFi残高 | 約8,961万ドル | 117プロトコルの合計(全458チェーン中29位) | 2026/07/16 |
| Mantle Treasury(公式表示) | 約18億5,410万ドル | MNT 70.38%/BTC 10.29%/ETH 9.26%/ステーブル 6.44% 他 | 2026/07/15 |
注目すべきは、mETHプロトコル(約4.89億ドル)だけで、Mantleチェーン上のDeFi残高(約8,961万ドル)の5倍以上あるという点です(※8)。しかもmETHが動いているのはイーサリアム本体であり、Mantleチェーン上ではありません。「L2としての賑わい」と「Mantleブランドが集めた資金」は、まったく別物として見る必要があるでしょう。
MI4(Mantle Index Four)は2025年4月に立ち上がった指数連動ファンドで、BTC・ETH・SOL・ステーブルコインの4資産に分散し、四半期ごとにリバランスする設計です(※9)。BVI籍のリミテッド・パートナーシップとして組成され、運用はMantle Guard Limited、トークン化はSecuritizeが担当し、Mantle Treasuryが最大4億ドルのアンカー投資家として入っています。mETHやEthenaのsUSDeを組み込み、利回りも取りにいく構成です。
このほか、銀行的なサービスであるMantle BankingやURといった口座サービスも進んでいます。一連の動きを並べると、Mantleが向かっている方向は「汎用L2の競争」ではなく、資金を預かって運用する金融事業に見えます。この点を扱っている日本語の解説はほとんどなく、Mantleを「L2の1つ」として他チェーンと比べるだけでは評価を誤りかねません。
MNTの価格推移|最高値2.86ドルから約85%下落
価格の現在地を、事実だけで押さえます。MNTは2025年10月9日に2.86ドルの最高値を付けたあと下落が続き、2026年7月時点では約0.42706ドルです。下落率は約85%になります。約9か月で7分の1以下という水準です。
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在価格 | 約0.42706ドル(約69.2円) | 2026年7月時点 |
| 過去最高値(ATH) | 2.86ドル(2025年10月9日) | 現在は約85.04%下落 |
| 過去最安値(ATL) | 0.307978ドル(2023年10月18日) | 現在はATLから約38.7%上 |
| 30日間の変化 | 約 −26.6% | 直近も下落基調 |
| 1年間の変化 | 約 −39.9% | — |
| 24時間出来高/時価総額 | 約2.09% | 57位という順位のわりに板は薄い |
この推移をどう読むかは、慎重であるべきです。最高値を付けた2025年10月は、暗号資産市場全体が高値圏にあった時期にあたります。一方で、下落局面の途中でArsiaという大型の技術更新が実現しているにもかかわらず、価格はそれに反応していません。技術の進展と価格が連動していないという点は、Kaspaなど他の技術系銘柄とも共通する構図だと言えるでしょう。
なお、将来の価格を予想する記事を見かけますが、当メディアは具体的な予想値を示しません。根拠のある予測ができないためです。示せるのは、上で挙げた実測値と構造上のリスクだけになります。
MNTはどこで買えるのか|国内ゼロ・Binanceにも現物なし
2026年7月時点、日本の暗号資産交換業者はMNTを1社も取り扱っていません。さらに海外でも、Binance・Bitget・OKXという大手には現物の上場がありません。どちらも一次情報で確認できるため、根拠から示します。
JVCEAの取扱一覧にMantleは1件もない
日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)は、会員各社が取り扱う暗号資産の一覧を公開しています。当メディアが2026年7月15日版のファイルを取得して全文を検索したところ、Mantle・MNT・マントルの記載は1件もありませんでした(※10。確認日:2026年7月16日)。
検索が正しく働いていることを確かめるため、同じファイルで他の銘柄も数えています。BTCが80件、ETHが617件、SOLが138件、DOGEが19件ヒットした一方で、MantleもMNTも0件でした。つまり「ファイルを読めていないから0件」ではなく、本当に記載がないという意味の0件です。Coincheck・bitbank・GMOコイン・bitFlyer・SBI VCトレードなど、国内の主要な取引所はいずれもMNTを扱っていません。国内上場の具体的な予定についても、公式に確認できる情報は見当たりませんでした(要確認)。
実際に買える取引所と出来高(実測)
では、どこで買えるのか。当メディアが各取引所の公開APIで上場状態を直接確認し、出来高をCoinGeckoで突き合わせた結果が次の表です。この確認では「MNT」と「MANTLE」の両方のティッカーで検索しています。取引所によって表記が違い、片方だけでは見落とすためです。
| 取引所 | MNT現物の取扱い | 24時間出来高 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| Bybit | あり(MNT/USDT・USDC・BTC 他6ペア) | 約933万ドル(最厚・全体の約28.6%) | 2026/07/16 |
| HTX | あり | 約395万ドル | 2026/07/16 |
| Gate | あり(MNT/USDT) | 約100万ドル未満 | 2026/07/16 |
| MEXC | あり(MNT/USDT・USDC) | 約100万ドル未満 | 2026/07/16 |
| Kraken | あり(MNT/USD・EUR) | 約100万ドル未満 | 2026/07/16 |
| Coinbase | あり(ティッカーはMANTLE/MANTLE-USD) | 約59万ドル | 2026/07/16 |
| Upbit(韓国) | あり(KRW・BTC・USDT建て) | — | 2026/07/16 |
| Binance | なし(現物の上場なし) | — | 2026/07/16 |
| Bitget | なし(現物の上場なし) | — | 2026/07/16 |
| OKX | なし(現物の上場なし) | — | 2026/07/16 |
| 国内取引所(全社) | なし | — | 2026/07/16 |
この表には、2つの重要な事実が含まれています。1つめは、時価総額57位という規模でありながら、Binance・Bitget・OKXのいずれにも現物が上場していないことです(※11)。当メディアが各社の公開APIから銘柄一覧を直接取得し、MNT・MANTLEどちらのティッカーでもペアが存在しないことを確認しました。
2つめは、Coinbaseには「MANTLE」という別のティッカーで上場しているという点です。日本語の解説には「Coinbaseには上場していない」と書かれたものが複数ありますが、当メディアがCoinbaseのAPIで確認したところ、MANTLE-USDが有効な状態(status: online)で存在しました。ティッカー表記の違いで取りこぼされたものと考えられます。
出来高の分布も特徴的です。最も厚いのはBybitの約933万ドルで、全体の約28.6%を占めます。前身のBitDAOがBybitの支援で発足した経緯を踏まえると、この集中は偶然ではありません。一方で、その次に続くのはHTX・Hotcoin・GroveX・FameEXといった中堅以下の取引所であり、大手の板が薄いぶん、出来高が小規模な取引所に分散しているのが実情です。
MNTの買い方|基本の3ステップ
国内で直接買えない以上、入手の流れは次の3ステップになります。
- 国内取引所で暗号資産を購入|日本円でビットコイン(BTC)やUSDTなど、送金しやすい銘柄を買う
- 海外取引所へ送金|MNTを扱う海外取引所の自分の口座へ送る(初回は必ず少額でテスト)
- MNTへ交換|MNT/USDTなどのペアで購入する
送金に使うUSDTの基礎はUSDT(テザー)とはで解説しています。MNTを自分のウォレットで保管する場合、送り先のネットワーク選択には特に注意が必要です。MNTはイーサリアム上のERC-20トークンであると同時に、Mantleチェーン上ではガス代を払うネイティブ通貨としても存在します。どちらのネットワークへ送るかを取り違えると資産を失うため、少額のテスト送金を必ず挟みましょう。
取引所選びについては、正直にお伝えすべき点があります。当メディアが送客先として挙げているBitgetは、MNTの現物を扱っていません。MNTだけが目的であれば、出来高が最も厚いBybitや、日本語環境で使いやすいその他の選択肢のほうが条件は良いでしょう。優先度の都合で「Bitgetで買えます」と書いては、実測で語る意味がありません。そのうえでBitgetを候補として残す理由は、MNT単体ではなく複数銘柄を扱う拠点としての総合力にあります。海外取引所の比較は海外取引所の比較記事で詳しく扱っています。


\複数銘柄を扱う拠点として総合力No.1/
Mantle(MNT)のリスク・注意点(忖度なし)
MNTのリスクは、価格変動だけではありません。「巨大なDAOが運営するL2」という立ち位置そのものが抱える弱点まで含めて整理しておきましょう。
- 価格リスク|最高値2.86ドルから約85%下落。直近30日でも約26.6%下げている
- 供給の集中|総供給量の46.63%(約29億MNT)が単一アドレスにあり、時価総額の約88%に相当する
- Bybitへの依存|前身のBitDAOはBybitの支援で発足。出来高の約28.6%もBybitに集中している
- 大手未上場|Binance・Bitget・OKXに現物の上場がない。Coinbaseは別ティッカーで取扱いあり
- 国内で買えない|国内取扱いゼロ。送金の手間と送金ミスのリスクを伴う
- 中央集権性|L2BEATの分類はStage 0。コントラクトは即時アップグレード可能で、離脱の猶予期間がない
- シーケンサー|停止時に強制的な取引ができるまで12時間かかる。状態ルートの公開者もホワイトリスト制
- 流動性|24時間出来高は時価総額の約2.09%。大手が薄いぶん中小取引所に分散している
- チェーンの利用|チェーン上のDeFi残高は約8,961万ドルで、時価総額(約14.1億ドル)と大きな開きがある
- 情報の陳腐化|「EigenDA採用のOptimistic Rollup」という古い説明が日本語の解説に残り続けている
- 税金|国内未上場のため、20%の申告分離課税の対象から外れる構造にある
Bybitへの依存は「強み」と「弱み」の両面がある
MNTを語るうえで避けられないのが、Bybitとの距離です。前身のBitDAOはBybitの支援で2021年に発足し、BIT→MNTの移行でもBybitが主要な窓口となり、現在も出来高の約28.6%がBybitに集まっています。チェーン上のプロトコル別残高を見ても、最大はBybit関連の約5億2,916万ドルでした(※8)。
これは、両面から読む必要があります。大手取引所の後ろ盾があることは、資金調達力・上場・ユーザー導線のいずれにおいても明確な強みです。一方で、1つの取引所の経営や規制環境に、銘柄の流動性と信認が強く結びついているという意味でもあります。特定の事業者に依存する構造は、その事業者が揺れたときに逃げ場が少ないという性質を持つのです。
ICHIZEN Capitalの視点|「Treasuryが時価総額を上回る」という話の落とし穴
ここが、上位記事がほとんど踏み込めていない領域です。MNTには「Treasuryの総額が時価総額を上回っているから割安」という語られ方があります。数字は事実ですが、この比較はそのままでは成立しません。実際に検算した結果を示します。
検算すると「裏付け」は131%ではなく約39%になる
まず事実関係から整理します。Mantle公式のTreasuryページは、総額18億5,410万ドルと表示していました(2026年7月15日19時14分UTC時点の表示。※12)。循環している分の時価総額が約14億1,075万ドルですから、単純に割れば約131%です。「時価総額より金庫のほうが大きい」という話は、ここから来ています。
問題は中身です。公式ページの内訳を見ると、Treasuryの70.38%(約13億0,504万ドル)はMNT自身でした。MNTの価値を評価するために、MNTで積み上がった金額を裏付けとして数えるのは、循環論法になります。MNTの価格が半分になればTreasuryの評価額も連動して縮むためです。裏付けとして意味を持つのは、MNT以外の資産だけでしょう。
| 項目 | 金額 | 時価総額に対する比率 |
|---|---|---|
| Treasury総額(公式表示) | 約18億5,410万ドル | 約131%(←MNT自身を含むため循環論法) |
| うちMNT自身 | 約13億0,504万ドル(70.38%) | — |
| MNT以外の資産(BTC・ETH・ステーブル他) | 約5億4,907万ドル | 約38.9%(←こちらが誠実な裏付け) |
当メディアが公式の内訳から差し引いて計算したところ、MNT以外の資産(BTC・ETH・ステーブルコイン・mETH等)は約5億4,907万ドルで、時価総額に対して約38.9%でした。「131%の裏付けがある」と「39%の裏付けがある」では、投資判断の意味がまったく変わります。それでも時価総額の4割近い外部資産を持つDAOは珍しく、この点自体は正当に評価してよいと考えます。
もう1点、二次情報の扱いにも注意が必要です。Mantle Treasuryを「約62億ドル」「約79億ドル」と紹介する記事が今も見つかりますが、公式表示は約18.5億ドルです。強気相場の頃の数字がそのまま引用され続けているとみられます。孫引きされた数字は、3〜4倍の規模で誤って伝わることがあるのです。
条文が課す2つの要件|MNTはどちらも満たさない
税金の面でも、事業者として向き合ってきた立場から射程を示します。「暗号資産の税金が20%になる」という話題は、MNTには当てはまりません。制度が創設されたこと自体は本当です。当メディアが財務省「令和8年度税制改正の解説」の原文を確認したところ、租税特別措置法38条の2により、特定暗号資産の譲渡による所得に15%の税率で所得税を課す申告分離課税が創設されています(※13。住民税5%とあわせて約20%)。問題は「特定暗号資産」の定義にあります。
- ①銘柄要件|その名称が金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産であること → MNTは国内で1社も扱いがなく、該当しない
- ②取引の場の要件|暗号資産取引業者への譲渡であること → MNTの売買は海外取引所のため、該当しない
MNTはこの2つのどちらも満たしません。したがって、MNTの利益は従来どおり雑所得・総合課税(最大約55%)の対象です(※14)。同じ利益額でも、国内上場銘柄と手取りが大きく変わりえます。暗号資産の税金の全体像は仮想通貨の税金で詳しく解説しています。
この構造は、国内で買えない銘柄すべてに共通します。Hyperliquidのように国内未上場のまま存在感を増した銘柄も同じ扱いで、詳細はHyperliquid(HYPE)とはで扱っています。銘柄の良し悪しとは別に、税率という形で手取りに効いてくる論点だとご理解ください。



税金の観点では、MNTのように国内で扱いのない銘柄は「20%の分離課税」の枠外に置かれます。制度そのものは創設されましたが、対象は登録簿に名称がある銘柄を登録業者経由で売買した場合に限られるためです。海外取引所は履歴が突然取得できなくなることもあるので、取引の記録は都度手元に保存しておいてください。判断に迷う場面では、税理士への確認をおすすめします。
よくある質問
Mantle(MNT)とはどんな仮想通貨ですか?読み方は?
読み方は「マントル」で、イーサリアムのレイヤー2ネットワークと、その上でガス代の支払いに使われるトークンを指します。多くのL2がガス代にETHを使うのに対し、Mantleは独自トークンのMNTをガス代に据えている点が特徴です。公式サイトも「MNT powers gas on Mantle Network」と記し、あわせて保有者がエコシステムの提案に投票できると説明しています。前身は暗号資産取引所Bybitの支援で2021年に発足したBitDAOで、2023年7月にMantleへ移行しました。
MNT(Mantle)は日本の国内取引所で買えますか?
買えません。日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)が公開する取扱暗号資産の一覧(2026年7月15日版)を当メディアで全文検索したところ、Mantle・MNT・マントルの記載は1件もありませんでした。同じファイルでBTCは80件、ETHは617件、SOLは138件ヒットしているため、検索漏れではなく本当に記載がないという意味です。Coincheck・bitbank・GMOコイン・bitFlyer・SBI VCトレードのいずれも取り扱っていません。
Mantle(MNT)はどこの取引所で買えますか?買い方は?
国内取引所で日本円をBTCやUSDTに替え、MNTを扱う海外取引所へ送金してから購入する3ステップになります。当メディアが各取引所の公開APIで確認したところ、Bybit・HTX・Gate・MEXC・Kraken・Coinbase・Upbitで現物の取引が可能でした(2026年7月16日確認)。板の厚さで選ぶならBybitが最も厚く、24時間出来高は約933万ドルで全体の約28.6%を占めます。なおBinance・Bitget・OKXには現物の上場がありません。初回の送金は必ず少額でテストしてください。
MNTと旧BIT(BitDAO)トークンの違いは何ですか?
別のトークンではなく、BITがMNTへ置き換わったものです。Mantle公式のガイドによれば、移行は2023年7月17日6時(UTC)に始まり、BIT1枚をMNT1枚へ交換する一方向(one-way)の設計でした。提案番号はBIP-21とMIP-22です。BitDAOは資金を運用する投資DAOでしたが、Mantleではそこにレイヤー2ネットワークの運営が加わり、MNTはガス代としての用途を持つようになりました。すでに移行期間は終了しているため、現在の流通はMNTに一本化されています。
MantleはEigenDAを使っているのですか?
2026年7月時点では使っていません。かつてMantleはEigenDAを採用した最初のL2として知られましたが、2026年4月22日に発動したArsiaアップグレードで切り離されています。当メディアが開発リポジトリのファイル一覧を更新の前後で比較したところ、v1.4.2では11件あったEigenDA関連ファイル(稼働コードを含む)が、Arsia版のv1.5.4では過去の監査PDF1件だけになっていました。データの保管先はイーサリアムのblobへ移っており、L2BEATのDA欄も「Ethereum blobs」と記載されています。
Mantle Networkは他のレイヤー2と何が違いますか?
最大の違いは、巨額の資産を持つDAOがネットワークを運営している点です。Mantle公式のTreasuryページの表示は総額約18億5,410万ドルで、これはMNTの循環時価総額(約14億1,075万ドル)を上回ります。またガス代がETHではなくMNTである点、mETHプロトコル(約4.89億ドル)やMI4ファンド(約1.19億ドル)といった金融商品を自前で抱えている点も、汎用L2とは異なります。一方でチェーン上のDeFi残高は約8,961万ドルにとどまり、L2としての賑わいはArbitrumなどに及びません。
MNTのステーキング利回りはどのくらいですか?
公式が具体的な利回りを提示していないため、確かな数字はお伝えできません。MNTを預ける仕組みとしてはMantle Rewards Station(rewards.mantle.xyz)が用意されていますが、当メディアが公式ページを確認した限り、Rewards StationのAPY/APRの記載はありませんでした(2026年7月16日確認)。二次情報には「79%」「400%」「791%」など幅の大きい数字が並びますが、出所がばらばらで一次情報では裏付けられません(要確認)。なおMantleはロールアップであり、MNTを預けてもチェーンの合意形成に参加する意味でのステーキングにはなりません。
Bybitが規制されたらMNTはどうなりますか?
具体的な影響は予測できませんが、依存度が高いことは数字で確認できます。前身のBitDAOはBybitの支援で発足し、BIT→MNTの移行でもBybitが主要な窓口となりました。現在も24時間出来高の約28.6%(約933万ドル)がBybitに集中し、Mantleチェーン上のプロトコル別残高でも最大はBybit関連の約5億2,916万ドルです(2026年7月16日確認)。大手取引所の後ろ盾は強みである一方、1社の経営や規制環境に流動性と信認が結びついている構造でもあります。
Mantleの創設者は誰ですか?
DAOによる運営のため単独の創業者は公表されていませんが、中心人物としてBybit共同創業者兼CEOのBen Zhou氏が挙げられると報じられています。前身のBitDAOは2021年8月に発足し、Peter Thiel氏やFounders Fund、Pantera Capital、Dragonfly Capitalなどから2億3,000万ドルを調達したとされています。CoinGeckoの分類でもMantleは「DragonFly Capital Portfolio」「DWF Labs Portfolio」に含まれています。現在の意思決定はMNT保有者による提案・投票を通じて行われる建て付けです。
Mantleのセキュリティは安全ですか?
決済の安全性はイーサリアム本体に依存する設計ですが、中央集権に由来するリスクは残っています。L2BEATはMantleを成熟度分類で最も初期の「Stage 0」としており、コントラクトが即時にアップグレード可能で、利用者が離脱するための猶予期間(exit window)が存在しないと明記しています。またシーケンサーが停止した場合、強制的に取引を通せるようになるまで12時間かかり、状態ルートを公開できるのはホワイトリスト登録された主体だけです。「ZKロールアップだから安全」と単純化するのは避けたほうがよいでしょう。
MNTはいつ国内取引所に上場しますか?
公式に確認できる予定はありません(要確認)。当メディアがJVCEAの取扱暗号資産一覧(2026年7月15日版)を確認した時点で記載は0件であり、国内の交換業者から上場計画の公表も見当たりませんでした。国内で新たに取り扱うにはJVCEAの手続きを経る必要があり、時期を予測できる材料は現時点でありません。BIT→MNTの移行時に対応した取引所にもBybit・MEXC・Korbit等が並ぶ一方、国内勢は1社も含まれていませんでした。上場を前提にした判断は避けるのが安全でしょう。
Mantle(MNT)の利益に税金はかかりますか?20%の申告分離課税の対象ですか?
かかります。そして、20%の申告分離課税の対象にはなりません。令和8年度税制改正で、特定暗号資産の申告分離課税(所得税15%)が創設されました。ただし財務省の解説によれば、対象は「その名称が金融商品取引業者登録簿に登録されている」暗号資産に限られ、譲渡先も「暗号資産取引業者」に限定されています(措法38の2①)。MNTは国内で1社も取り扱いがなく、売買の場も海外取引所のため、どちらの要件も満たしません。従来どおり雑所得・総合課税(最大約55%)の対象です。
Mantle(MNT)に将来性はありますか?将来価格はどうなりますか?
投資判断はご自身で行っていただく前提で、事実を整理します。当メディアは具体的な価格予想を示しません。強みは、時価総額の約38.9%にあたる約5.49億ドルのMNT以外の資産をTreasuryが持つこと、mETHやMI4など収益源を自前で抱えること、Arsiaを予定どおり実現した実行力です。一方で価格は最高値2.86ドルから約85%下落し、直近30日でも約26.6%下げています。総供給量の46.63%が単一アドレスにあり、国内取扱いもゼロで、税制上も不利な扱いになります。
まとめ|Mantleは「説明が2年古いまま」の銘柄
Mantleは、暗号資産取引所Bybitと縁の深いDAOが運営する、イーサリアムのレイヤー2です。MNTはそのガス代を払うトークンであり、前身のBitDAOが発行していたBITを2023年7月17日に1:1で置き換えたものでした。巨額の資金を持つDAOがL2を運営しているという構造が、他のL2との一番の違いだと言えるでしょう。
そして、出回っている情報の多くが古いままです。「EigenDAを採用したモジュラー型のOptimistic Rollup」という説明は、2026年7月時点のMantleには当てはまりません。2026年4月22日のArsiaでEigenDAは切り離されており、当メディアが開発リポジトリを比較したところ、11件あった関連ファイルは監査PDF1件だけになっていました。L2BEATの現在の分類は「Stage 0のZKロールアップ」で、データの保管先はイーサリアムのblobです。
供給の構造も押さえておきたい点です。総供給量62億1,931万MNTのうち、46.63%にあたる2,900,022,409MNTが単一のアドレスにあり、これは循環時価総額の約88%に相当します。「市場に出ていない量」の実体がほぼこの1アドレスであることは、非流通分との差がわずか0.6%だった検算からも確認できました。
数字の現在地も整理しておきましょう。価格は約0.42706ドル(約69.2円)、時価総額は約14億1,075万ドルで57位、最高値2.86ドルからは約85%の下落です(2026年7月時点)。国内取引所での取扱いはゼロで、JVCEAの一覧にMantleの記載は1件もありませんでした。Binance・Bitget・OKXにも現物の上場がなく、出来高の約28.6%はBybitに集中しています。一方でCoinbaseには「MANTLE」という別のティッカーで上場しており、この点は多くの日本語記事の記述と食い違います。
「Treasuryが時価総額を上回るから割安」という語られ方には、検算が必要でした。公式表示の総額18億5,410万ドルのうち70.38%はMNT自身であり、これを裏付けに数えるのは循環論法になります。MNT以外の資産だけで見ると約5億4,907万ドル、時価総額に対して約38.9%でした。それでも時価総額の4割近い外部資産を持つDAOは珍しく、この点は正当に評価してよいと考えます。税金については、MNTは国内未上場のため20%の申告分離課税の対象から外れ、雑所得・総合課税のままです。
Mantleは、技術の実装と資金の厚みに見どころがある一方、価格がそれに反応せず、日本語の情報が2年前の枠組みで止まっている銘柄だと言えます。検討するなら、まず「その解説はArsia以降に書かれたものか」を確かめる価値があるのではないでしょうか。
参考文献
1. Mantle 公式ブログ「$BIT to $MNT Migration User Guide」(BIT→MNTは1:1の一方向移行/開始日時 2023年7月17日 6:00 UTC/BIP-21・MIP-22に基づく/移行窓口=migratebit.mantle.xyz および Bybit・MEXC・Huobi・gate.io・BingX・Korbit。2026年7月16日に原文を確認)https://www.mantle.xyz/blog/announcements/bit-to-mnt-user-guide
2. CoinGecko「Mantle (MNT)」価格・時価総額・順位・24時間出来高・循環供給量・取引所別出来高・ATH/ATL・価格変化率(2026年7月16日取得)https://www.coingecko.com/en/coins/mantle
3. mantle-v2 公式リリース「v1.5.4 Mainnet Arsia」(2026年4月8日公開・Arsiaメインネット発動=L2ブロックタイムスタンプ1776841200=2026年4月22日 07:00 UTC/OP Stackの8フォーク(Canyon・Delta・Ecotone・Fjord・Granite・Holocene・Isthmus・Jovian)を一括適用=v1.5.3の記載/blob data format 変更・CertiK監査。2026年7月16日に原文を確認)https://github.com/mantle-xyz/mantle-v2/releases/tag/v1.5.4
4. mantle-v2 リポジトリのファイルツリーを当メディアがGitHub API(git/trees?recursive=1)で直接取得し、タグ間で比較。v1.4.2(Limb)はEigenDA関連11パス(op-service/eigenda/da.go・config.go・codec.go・cli.go・da_proxy.go 等の稼働コードを含む)、v1.5.4(Arsia)は監査PDF1件(docs/security-reviews/mantle-everest/…EigenDA…pdf)のみで稼働コードは0件(2026年7月16日実施)https://api.github.com/repos/mantle-xyz/mantle-v2/git/trees/v1.5.4?recursive=1
5. L2BEAT「Mantle」(種別=Stage 0 ZK Rollup/DA=Ethereum blobs・「All of the data needed for proof construction is published on Ethereum L1」/Chain ID 5000・Gas token MNT/リスク=シーケンサー停止時の強制取引まで12時間・proposerはホワイトリスト制・exit windowなし=contracts are instantly upgradable。2026年7月16日に確認)https://l2beat.com/scaling/projects/mantle
6. Mantle 公式「What is MNT」(「MNT powers gas on Mantle Network」/「MNT holders can vote on ecosystem proposals and key decisions that impact Mantle」/Rewards Station・Bybit Launchpoolの記載あり・Rewards StationのAPY/APRの記載はなし。2026年7月16日に確認)https://www.mantle.xyz/what-is-mnt
7. イーサリアム公開ノード(ethereum-rpc.publicnode.com・eth.drpc.org)へ当メディアが直接 eth_call を実行。MNTコントラクト 0x3c3a81e81dc49A522A592e7622A7E711c06bf354 の totalSupply=6,219,316,794.889999 MNT(2ノードで一致)/decimals=18/Treasuryコントラクト 0x78605Df79524164911C144801f41e9811B7DB73D の balanceOf=2,900,022,409.206859 MNT(2ノードで一致)。Mantle L2(rpc.mantle.xyz)へ eth_chainId=5000・eth_gasPrice=50.0001 gwei、イーサリアムL1の eth_gasPrice=0.215476759 gwei を同時刻に取得し手数料を算出(2026年7月16日実施)https://ethereum-rpc.publicnode.com
8. DefiLlama(Mantleチェーンの合計TVL=約89,611,620ドル・117プロトコル・全458チェーン中29位/mETH Protocol=約489,370,512ドル/Mantle Index Four Fund=約119,150,383ドル/Mantleチェーン上のプロトコル別最大はBybit関連の約529,158,760ドル。2026年7月16日取得)https://api.llama.fi/v2/chains
9. Business Wire「Mantle Index Four (MI4) Fund Launches with Securitize as Tokenization Partner and Mantle Treasury as Anchor Investor」(2025年4月24日・BVI籍リミテッドパートナーシップ/運用=Mantle Guard Limited/トークン化=Securitize/Mantle Treasuryが最大4億ドルのアンカー投資家/BTC・ETH・SOL・USDステーブルの4資産・四半期リバランス・mETH/bbSOL/sUSDeを組込み)https://www.businesswire.com/news/home/20250424178524/en/Mantle-Index-Four-MI4-Fund-Launches-with-Securitize-as-Tokenization-Partner-and-Mantle-Treasury-as-Anchor-Investor
10. 日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)「取扱暗号資産一覧」2026年7月15日版(当メディアがxlsxを取得し全シートを全文検索。Mantle・MNT・マントルは0件。BTC80件・ETH617件・SOL138件・DOGE19件で検索の妥当性を検証。2026年7月16日実施)https://jvcea.or.jp/statistics/document/assets/
11. 各取引所の公開API(Binance exchangeInfo/Bybit v5 instruments-info/OKX public/instruments/Bitget v2 spot/public/symbols/Gate spot/currency_pairs/MEXC exchangeInfo/Coinbase products/Kraken AssetPairs/Upbit market/all)を当メディアが直接取得し、ティッカー「MNT」と「MANTLE」の両方で照合。Binance・Bitget・OKXに現物ペアが存在しないこと、CoinbaseはMANTLE-USDがstatus:onlineで存在することを確認(2026年7月16日実施)https://api.exchange.coinbase.com/products/MANTLE-USD
12. Mantle 公式「Treasury」(Updated on 15 Jul 2026, 19:14 UTC 時点の表示=総額 $1,854,103,809/MNT $1,305,035,398(70.38%)・BTC $190,844,904(10.29%)・ETH $171,775,720(9.26%)・Stablecoins $119,532,123(6.44%)・mETH & cmETH $51,523,491(2.77%)・bbSOL $11,240,540(0.6%)・COOK $4,151,629(0.22%)。MNT以外の資産合計は当メディアが差引で算出。2026年7月16日に確認)https://group.mantle.xyz/treasury
13. 財務省「令和8年度税制改正の解説」租税特別措置法等(所得税関係)の改正(P.329〜「二 特定暗号資産の譲渡による所得に係る申告分離課税制度等の創設」/特定暗号資産の意義・譲渡の意義=措法38の2①。2026年7月16日に原文を確認)https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/explanation/PDF/p0210-0436.pdf
14. 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」令和7年12月版(問2-2 所得区分=原則として雑所得)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)・取引所への投資を勧誘するものではありません。価格・時価総額・供給量・上場状況・TVL・ガス代は変動するため、最新の情報は公式サイトおよび各取引所でご確認ください。本記事のガス代比較は測定時点のガス価格に基づく試算であり、イーサリアムL1の混雑状況によって倍率は大きく変動します。Treasuryの保有量は当メディアが単一のコントラクトアドレスへ照会した実測値であり、公式表示との差異はアドレスの分散によるものとみられます。ステーキング利回りは公式に確認できず、二次情報の数値は裏付けが取れていません。税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご確認ください。暗号資産取引にはリスクが伴い、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。








