Kaspa(KAS)とは?GHOSTDAGの仕組みと「半減期」が毎月来る事実・発行96%完了・国内取扱いゼロを忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • Kaspaは「ブロックを捨てないPoW」。BlockDAGとGHOSTDAGにより、同時に生まれたブロックを孤児にせず全部つなぐ設計です
    • 2021年11月7日にフェアローンチ。公式Wikiが「プレマインもプレセールもICOもない」と明言している数少ない銘柄
    • 2025年5月のCrescendoで毎秒1ブロックから10ブロックへ。当メディアの実測でも毎秒約10ブロックを確認した
  • 「半減期」は1年に1度ではなく、毎月来ます。毎月約5.6%ずつ減り、12か月かけて正確に半分になる仕組みです
    • 次の減額は2026年8月5日。ただし報酬は2.45KASから2.31KASへ下がるだけで、半分にはならない
    • 当メディアがチェーンの実数で検算したところ、減額の比率は正確に2の12乗根分の1(約0.9439倍)だった
  • 発行はすでに96.07%が完了。上限287億KASのうち、これから採掘される分は3.93%しか残っていません
    • 価格は約0.0289ドル(約4.68円)・時価総額は約7.95億ドルで81位。最高値0.2074ドルからは約86%下落
    • 2026年6月30日のToccataでスマートコントラクトが可能に。当メディアがDAAスコアで発動済みを確認した
  • 国内取引所での取扱いはゼロ。しかもBinance・Coinbase・OKXにも現物の上場がありません
    • JVCEAの取扱一覧(2026年7月15日版)を全文検索したところ、KaspaもKASも0件だった
    • 24時間出来高は約1,082万ドルで時価総額の約1.4%。81位という順位のわりに板は薄い
木田 陽介

Kaspaは「速いPoW」として紹介されることが多い銘柄です。忖度なく言うと、日本語の解説は情報が1年以上古いまま止まっているものが目立ちます。「1秒に1ブロック」「半減期は年1回」という記述はその典型で、どちらも今の実態とは違います。この記事では、Kaspaのノードとチェーンの実数に直接問い合わせた結果をもとに、現在地を示します。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

Kaspa(KAS)とは?基本情報

Kaspaは、ビットコインと同じPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を使いながら、ブロックを一直線につながない設計を選んだ暗号資産です。同時に生まれた複数のブロックを捨てず、すべて台帳に取り込みます。この構造をBlockDAG(ブロックダグ)と呼びます。

もう1つの特徴が、その出自にあります。Kaspaにはプレマインもプレセールもなく、開発者やVCへの事前配分が一切ありません。公式Wikiは「fair launch coin(フェアローンチのコイン)」と明記し、ICOやベスティングの有無を問う項目に対して「No」と答えています(※1)。ビットコインと同じく、すべてのKASが採掘によって生まれているのです。

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項目内容(2026年7月時点)
名称Kaspa(カスパ)/ティッカーはKAS
ジャンルBlockDAG構造のPoW型レイヤー1
コンセンサスGHOSTDAGプロトコル(PoW・kHeavyHash)
考案者Yonatan Sompolinsky(GHOST論文の著者)
メインネット開始2021年11月7日(フェアローンチ・プレマインなし)
ブロック生成毎秒約10ブロック(当メディアの実測値)/2025年5月のCrescendoで1→10へ
価格約0.0289ドル(約4.68円)
時価総額約7億9,517万ドル(暗号資産全体で81位)
24時間出来高約1,082万ドル(時価総額の約1.4%)
循環供給量約275億7,715万KAS(チェーンへ直接照会した実数)
最大供給量約287億0,403万KAS(発行済み比率は96.07%
ブロック報酬2.44997148 KAS(次回減額は2026年8月5日)
減額方式毎月(1/2)の12乗根倍=約5.6%減。12か月で半減
ハッシュレート約317,639 TH/s(約318 PH/s)
過去最高値(ATH)0.207411ドル(2024年8月1日)/現在は約86%下落
国内取引所での取扱いなし(2026年7月時点で1社も取り扱っていない)
日本での税務上の扱い暗号資産(原則として雑所得・総合課税)

価格・時価総額・出来高・最高値はCoinGeckoの2026年7月16日時点のデータです(※2)。循環供給量・最大供給量・ブロック報酬・ブロック生成速度・ハッシュレートは、当メディアがKaspaのノードへ直接問い合わせて取得した実測値になります(確認日:2026年7月16日)。数値は日々変動するため、最新値はご自身でもご確認ください。

Kaspaの仕組み|なぜ「ブロックを捨てない」のか

Kaspaの設計は、「PoWの安全性を保ったまま、どこまで速くできるか」という一点に向かっています。ここを理解すると、なぜBlockDAGという構造が必要だったのかが見えてくるでしょう。

この章の内容
  • BlockDAG|同時に生まれたブロックを孤児にせず、すべて台帳に取り込む
  • GHOSTDAG|取り込んだブロックに「正直な多数派か」で色をつけ、順番を決める
  • Crescendo|2025年5月に毎秒1ブロックから10ブロックへ。実測でも約10を確認

BlockDAG|孤児ブロックを捨てずに全部つなぐ

ビットコインが抱える制約から説明します。ビットコインのブロックは一直線につながっており、同じ高さのブロックが同時に2つ見つかると、片方だけが生き残り、もう片方は孤児ブロックとして捨てられます。せっかく計算した仕事が無駄になるのです。

この制約があるため、ビットコインはブロック間隔を10分と長く取っています。ブロックを速く作るほど同時発生が増え、捨てられる仕事も増えてしまうためです。捨てられる仕事が増えることは、そのままネットワークの安全性の低下を意味します。速度と安全性が正面からぶつかる構造だと言えるでしょう。

Kaspaが選んだのは、この二者択一そのものを崩す方法でした。一直線ではなく、複数の親ブロックを持てる網の目状の構造(DAG=有向非巡回グラフ)を採用します。同時に生まれたブロックは競合させず、どちらも台帳に取り込む。捨てるブロックがなくなれば、速くしても仕事は無駄になりません。

この発想がBlockDAGです。ブロックを速く作っても安全性が落ちないため、ブロック間隔を10分から0.1秒まで縮められたわけです。Kaspaが「PoWの速度問題への回答」と呼ばれるのは、この一点によります。

GHOSTDAG|「正直な多数派」を色で選び出す

ただし、ブロックを全部つなぐと新しい問題が生まれます。取引の順番が決まらないという問題です。同時に取り込んだ2つのブロックに矛盾する取引が入っていた場合、どちらを先とするかを決めなければ二重支払いを防げません。

ここを解くのがGHOSTDAG(ゴーストダグ)です。考え方はシンプルで、「正直に振る舞っているブロックは、お互いをよく参照し合っているはずだ」という性質を使います。互いによくつながっているブロックの集まりを見つけ、それを正直な多数派とみなすのです。

この多数派に選ばれたブロックには青(ブルー)、外れたブロックには赤(レッド)の色がつきます。青のブロックを基準に順番を確定させ、赤のブロックも台帳には残したまま扱うという仕組みです。攻撃者が裏で作ったブロックは、正直なブロックとつながりを持てないため赤に落ちます。

GHOSTDAGを考案したのは、イスラエルの計算機科学者Yonatan Sompolinsky氏です。同氏はGHOSTプロトコルの論文で知られ、その内容はEthereumの初期設計にも影響を与えました。Kaspaは思いつきの派生プロジェクトではなく、査読を経た研究の延長にあるという点は、押さえておく価値があるでしょう。

Crescendo|「1秒に1ブロック」はもう古い情報

ここは、日本語の解説がほぼ例外なく古いまま止まっている論点です。2025年5月5日、KaspaはCrescendo(クレッシェンド)というハードフォークを実施し、ブロック生成を毎秒1回から10回へ引き上げました。「1秒間に1ブロック」という記述は、現在の実態と合いません。

当メディアは開発元の公式リリースノートで原文を確認しました。Crescendoの発動条件はDAAスコア110,165,000で、日時としては2025年5月5日15時(UTC)ごろと記載されています(※3)。Go言語で書かれた旧実装から、Rust実装のRusty Kaspaへ移行したことが、この10倍化を可能にしました。

公称値を信じず、実際に測ってみました。当メディアがKaspaのノードへ90秒間にわたり連続で問い合わせ、循環供給量の増加分をブロック報酬で割って毎秒のブロック数を逆算したところ、約10.4という結果でした(確認日:2026年7月16日)。DAAスコアの増加ペースからも毎秒約11を確認しており、公表どおり毎秒約10ブロックで動いていると言えます。

本記事の検証方法

2026年7月16日、編集部がKaspaの公開ノード(api.kaspa.org)へ直接照会し、循環供給量・最大供給量・ブロック報酬・次回の減額日時・ハッシュレート・難易度・DAAスコア・稼働ノードのバージョンを取得しました。ブロック生成速度は、90秒の間隔をあけて2回取得した循環供給量の増加分(約2,320KAS)をブロック報酬(2.44997148KAS)と経過秒数で割って逆算しています。ハードフォークの発動条件と日時は、開発元のGitHubリリースノートの原文で確認しました。国内の取扱い状況はJVCEAの公開ファイルを取得して全文検索し、海外取引所の上場状況は各社の公開APIを直接叩いて確認しています。価格・時価総額・出来高はCoinGeckoです。各数値に確認日を併記しました。

Crescendoは、単に速くなっただけの変更ではありません。ブロックが10倍の速さで積み上がるため、ノードが保持する履歴の期間も約50時間から約30時間へ短くなりました(※3)。速度を得た代わりに、ノードの運用条件が変わったわけです。速さには必ず代償があるという点は、公平に見ておく必要があるでしょう。

木田 陽介

「2026年最新」と銘打った日本語記事でも、いまだに「1秒に1ブロック」と書かれているものがあります。Crescendoは2025年5月の出来事なので、1年以上更新されていない計算です。この手の記事は半減期の説明も古いままのことが多いので、Kaspaを調べるときは更新日を先に見ることをおすすめします。

Toccata|2026年6月30日、Kaspaは「プログラムできるチェーン」になった

Kaspaにとって直近で最も大きな出来事が、これです。2026年6月30日、Toccata(トッカータ)というハードフォークが発動し、Kaspaはスマートコントラクトを扱える基盤を手に入れました。日本語の解説でこれに触れているものは、現時点でほとんど見当たりません。

当メディアは開発元のGitHubリリースノートで原文を確認しました。Toccataを含むノードv2.0.0は2026年6月5日に公開され、続くv2.0.1が同年6月15日に出ています(※4)。リリースノートには、発動条件と目的が次のように書かれています。

Rusty Kaspa v2.0.0 リリースノートより(原文)

「This release introduces the Toccata Hardfork, marking a major milestone described in KIP16, KIP17, KIP20, and KIP21, bringing native L1 covenant programming and infrastructure for based ZK applications to Kaspa. The hard fork is scheduled to activate on mainnet at DAA score 474,165,565, roughly on June 30, 2026, at 16:15 UTC.」(日本語訳:本リリースはToccataハードフォークを導入する。KIP16・17・20・21で説明される大きな節目であり、L1ネイティブのcovenantプログラミングと、ZKアプリケーションのための基盤をKaspaにもたらす。ハードフォークはDAAスコア474,165,565、およそ2026年6月30日16時15分(UTC)にメインネットで発動する予定である)

ここで重要なのは、「発動予定」と書かれている以上、本当に発動したのかを別途確かめる必要があるという点です。予定は予定にすぎません。そこで当メディアは、チェーンの現在値から発動済みかどうかを判定しました。

判定は単純です。Toccataの発動条件はDAAスコア474,165,565。当メディアが取得した現在のDAAスコアは487,209,685でした(確認日:2026年7月16日)。現在値が発動条件をすでに1,304万ほど上回っているため、Toccataは発動済みです。稼働中のノードのバージョンが2.0.1であることも、あわせて確認しました(※5)。

この数字は、別の検算にも使えます。差分の1,304万を毎秒10ブロックで割ると約15.1日。公式の発動日時である6月30日16時15分(UTC)に15.1日を足すと、7月15日18時35分(UTC)になります。これは当メディアが実際に計測した日時とほぼ一致しました。発動日・毎秒10ブロック・現在のDAAスコアという3つの数字が、互いに矛盾なく噛み合っていることになります。

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項目出所
Toccata発動DAAスコア474,165,565公式リリースノート
現在のDAAスコア487,209,685チェーンへ直接照会
差分13,044,120(毎秒10ブロックで約15.1日分)算出
判定発動済み現在値>発動条件
稼働ノードのバージョン2.0.1(Toccata対応版)チェーンへ直接照会

では、何ができるようになったのでしょうか。Toccataが持ち込んだのは「covenant(コブナント)」と呼ばれる仕組みです。日本語にすると「制約条件」に近く、そのコインを次にどう使えるかをあらかじめ縛っておける機能を指します。これにより、Ethereumのような共通の仮想マシンを持たないまま、契約的な処理を実現しています。

あわせて、ZK(ゼロ知識)証明を検証するための基盤も導入されました(※4)。決済に用途を絞ったチェーンから、アプリケーションを載せられるチェーンへ。Kaspaの立ち位置そのものを変えうる変更だと言えるでしょう。

忖度なく補足すると、発動したという事実と、それが使われるかどうかは別の話です。稼働から日が浅く、実用的なアプリが育つかどうかは現時点で判断できません(要確認)。「機能が入った」ことと「エコシステムができた」ことを混同しないほうが安全でしょう。発動直後の値動きについても、上昇と下落の両方の報道があり、当メディアとして因果を断定できる材料はありません。

KASのトークノミクス|「半減期」は1年に1度ではなく毎月来る

ここが、Kaspaを理解するうえで最も誤解されている部分です。多くの日本語記事が「Kaspaは1年に1度の半減期を迎える」と書いていますが、実際の減額は毎月おこなわれています。結果として1年で半分になるだけで、ある日突然半分になるわけではありません。

発行済みは96.07%|残っているのは3.93%だけ

減り方の話に入る前に、現在地を押さえておきましょう。当メディアがKaspaのノードへ直接問い合わせた結果は、次のとおりです(確認日:2026年7月16日)。

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項目実測値備考
循環供給量約27,577,158,689 KASチェーンへ直接照会
最大供給量約28,704,035,605 KAS同上
発行済み比率96.07%循環供給÷最大供給
未発行の残り約1,126,876,916 KAS(3.93%最大供給−循環供給
年間の新規発行約8億0,589万KAS実測の発行ペースから年換算
年率インフレ約2.9%年間発行÷循環供給

上限287億KASのうち、96.07%にあたる約275億KASがすでに採掘済みです。これから新しく生まれるKASは、全体の3.93%にあたる約11億KASしか残っていません。発行という観点では、Kaspaは終盤に差し掛かっていることになります。

ここで1つ注意しておきたい点があります。「残りが3.93%だから、あと1年半で発行が終わる」わけではありません。報酬は毎年半分になっていくため、発行のペースも同時に落ちていきます。残りの11億KASは、年々細くなりながら十数年かけて配り切られるという形です。

実際、この2つの数字は理屈のうえでも噛み合います。年間発行の約8.06億KASを自然対数の2(約0.693)で割ると約11.6億KASとなり、実測の残り約11.3億KASとほぼ一致します。毎年半減しながら発行を続けた場合の総量が、ちょうど残量に相当するという計算です。数字の辻褄が合っていることを確認できました。

chromatic halving|毎月5.6%ずつ減り、12か月で正確に半分

Kaspaの減額方式には、chromatic halving(クロマチック・ハーヴィング)という名前がついています。公式Wikiの説明はこうです。「ブロック報酬は1年に1度半減するが、それは滑らかにおこなわれる。毎月、ブロック報酬は(1/2)の12乗根の倍率で減少する」(※1)。

「クロマチック」は音楽用語の半音階に由来します。連続する月のブロック報酬の比が、平均律で隣り合う半音の周波数比とちょうど同じになるためです(※1)。1年を1オクターブ、1か月を半音に見立てた命名で、chromatic phaseの最初のブロック報酬が440KASだったのも、音名A4の周波数440Hzにちなんでいます。

この説明が本当かどうか、当メディアはチェーンの実数で検算しました。現在のブロック報酬は2.44997148KAS、次回の減額後は2.31246515KASです(※5。確認日:2026年7月16日)。この2つを割ると、次のようになります。

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項目意味
現在のブロック報酬2.44997148 KASチェーンへ直接照会
次回減額後の報酬2.31246515 KAS同上
減額の比率(実測)0.943874倍2.31246515÷2.44997148
(1/2)の12乗根(理論値)0.943874公式Wikiの記述どおり
1か月あたりの減少率約5.61%1−0.943874
12か月後0.943874の12乗=正確に0.51年でちょうど半減

実測の比率0.943874は、(1/2)の12乗根と小数第6位まで完全に一致しました。公式Wikiの説明が、チェーンの実際の設定値と噛み合っていることになります。Kaspaの「半減期」は、12回に分けて少しずつ効いてくる仕組みだと理解しておきましょう。

「次の半減期は2026年8月5日」という表現は誤解を招く

この仕組みを踏まえると、注意すべき表現が見えてきます。Kaspaの公開APIには「nextHalvingDate(次の半減期の日付)」という項目があり、2026年8月5日という値が入っています(※5)。この項目名だけを見ると、その日に報酬が半分になるように読めるでしょう。

ところが同じAPIは、その日の報酬額として2.31246515KASを返します。現在の2.44997148KASと比べると、減るのは約5.6%だけで、半分にはなりません。「半減期」という項目名でありながら、実際に起きるのは12分の1回分の減額です。

ビットコインの半減期と同じ感覚で捉えると、期待値を大きく取り違えます。ビットコインの半減期は4年に1度、供給が一気に半分になる不連続なイベントです。相場の材料として語られるのは、この不連続さゆえでしょう。一方でKaspaの減額は毎月訪れる連続的な変化であり、1回あたりのインパクトは小さくなります

これは優劣の話ではありません。供給ショックを狙って設計されていないだけです。むしろ毎月少しずつ減らす方式は、マイナーの収益が急落する崖を作らないという利点を持ちます。「Kaspaの半減期に合わせて相場が動く」という前提で語られる話には、一度立ち止まる価値があると言えるでしょう。

最大供給量が資料によって違う理由

Kaspaを調べていると、最大供給量が「287億」「288億」「290億」と資料によって違うことに気づくかもしれません。これには公式の説明があります。

公式Wikiによれば、コード上のハードキャップは290億KASである一方、実際に到達する総供給量は「見積もり」にとどまるとされています(※1)。理由は複数あり、減額のタイミングがDAAスコア基準であること、端数処理が入ること、そして初期の「ランダム報酬期」の存在が挙げられています。

とくに興味深いのが最後の理由です。メインネット開始から最初の2週間ほど、ブロック報酬は1〜1000KASの範囲でランダムに決まっていました。期待値は500KASの想定でしたが、実際の平均は750KAS前後になり、見積もりより約3億KAS多く発行されたと公式Wikiは説明しています(※1)。

当メディアがチェーンから取得した最大供給量は約287億0,403万KASでした。数字が資料ごとに揺れるのは誰かが間違えているからではなく、設計上その程度の幅を持つということです。Kaspaの供給量を語るときは、どの数字を根拠にしているかまで確認しておくのが安全でしょう。

KASの価格推移|最高値0.2074ドルから約86%下落

仕組みの評価とは別に、価格の実績は正面から見ておく必要があります。KASは2024年8月1日に0.207411ドルの最高値をつけ、2026年7月時点では約0.0289ドルまで下げています。下落率は約86%です(※2)。

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項目数値時期
過去最高値(ATH)0.207411ドル2024年8月1日
現在価格約0.0289ドル(約4.68円)2026年7月時点
最高値からの下落率約86.1%
過去最安値(ATL)0.00017105ドル2022年5月26日
時価総額約7億9,517万ドル(81位)2026年7月時点
24時間出来高約1,082万ドル2026年7月時点

最高値をつけた2024年8月という時期に注目してください。Crescendoによる10倍高速化が実現するより、9か月ほど前の出来事です。つまり期待が最も高かったのは、技術が実装される前の局面だったことになります。実装が進んだ後の2年間で、価格は7分の1近くまで下げました。

忖度なくお伝えすると、ここはKaspaにとって都合の悪い事実です。10 BPS化もToccataも予定どおり実現しているにもかかわらず、価格はそれに反応していません。技術的な達成が、そのまま価格に結びついていない銘柄だという現在地は、押さえておく必要があるでしょう。

もう1つ、流動性の面でも指摘しておくべき点があります。時価総額約7.95億ドルに対して、24時間出来高は約1,082万ドル。比率にすると約1.4%にとどまります(※2)。時価総額100位前後の銘柄としては、1日に売買される割合が小さい部類です。まとまった金額を動かす場合、板の薄さが効いてくる可能性があります。

KASはどこで買えるのか|国内ゼロ・Binanceにも現物なし

2026年7月時点、日本の暗号資産交換業者はKASを1社も取り扱っていません。さらに海外でも、Binance・Coinbase・OKXという最大手には現物の上場がありません。どちらも一次情報で確認できるため、根拠から示します。

JVCEAの取扱一覧にKaspaは1件もない

日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)は、会員各社が取り扱う暗号資産の一覧を公開しています。当メディアが2026年7月15日版のファイルを取得して全文を検索したところ、Kaspa・KAS・カスパの記載は1件もありませんでした(※6。確認日:2026年7月16日)。

検索が正しく働いていることを確かめるため、同じファイルで他の銘柄も数えています。BTCが86件、ETHが626件、SOLが174件、DOGEが22件ヒットした一方で、KaspaもKASも0件でした。つまり「ファイルを読めていないから0件」ではなく、本当に記載がないという意味の0件です。

Coincheck・bitbank・GMOコイン・bitFlyer・SBI VCトレードなど、国内の主要な取引所はいずれもKASを扱っていません。国内上場の具体的な予定についても、公式に確認できる情報は見当たりませんでした(要確認)。

実際に買える取引所と出来高(実測)

では、どこで買えるのか。当メディアが各取引所の公開APIでKASの上場状態を直接確認し、出来高をCoinGeckoで突き合わせた結果が次の表です。「上場しているか」と「実際に取引されているか」は別問題なので、出来高もあわせて示します。

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取引所KAS現物の取扱い24時間出来高確認日
HTXあり(KAS/USDT)約258万ドル(最厚)2026/07/16
Gateあり(KAS/USDT)約104万ドル2026/07/16
Bybitあり(KAS/USDT・USDC)約67万ドル2026/07/16
KuCoinあり(KAS/USDT)約58万ドル2026/07/16
MEXCあり(KAS/USDT 他5ペア)約50万ドル2026/07/16
Krakenあり(KAS/USD・EUR・USDT)約35万ドル2026/07/16
Bitgetあり(KAS/USDT)約33万ドル2026/07/16
Binanceなし(現物の上場なし)2026/07/16
Coinbaseなし(現物の上場なし)2026/07/16
OKXなし(現物の上場なし)2026/07/16
国内取引所(全社)なし2026/07/16

この表は、Kaspaの特殊な立ち位置を示しています。時価総額81位という規模でありながら、Binance・Coinbase・OKXのいずれにも現物が上場していません(※7)。当メディアが各社の公開APIで銘柄一覧を直接取得し、KASを基軸とするペアが存在しないことを確認しました。

この事実は、両面から読む必要があります。最大手の上場審査を通っていないという事実は、リスク要因として正直に受け止めるべきでしょう。一方で、フェアローンチでVCの後ろ盾を持たない銘柄は、上場のための働きかけをする主体がそもそも存在しにくいという構造もあります。取扱いの有無だけで銘柄の質を判断するのは、やや乱暴だと言えるかもしれません。

出来高で見ると、最も厚いのはHTXの約258万ドルです。当メディアが送客先として挙げているBitgetは、KASに関しては約33万ドルと薄い部類になります。KASだけを厚い板で売買したいのであれば、現時点では他の選択肢のほうが条件は良いでしょう。優先度の都合で数字を歪めては、実測で語る意味がありません

そのうえでBitgetを候補として残す理由は、KAS単体ではなく総合力(取扱銘柄数・日本語対応・サポート)で選ぶ場合の使いやすさにあります。KASだけが目的なら板の厚い取引所を、複数銘柄を扱う拠点として選ぶならBitgetを、という判断が現実的です。海外取引所の比較は海外取引所の比較記事で詳しく扱っています。

KASの買い方|基本の3ステップ

国内で直接買えない以上、入手の流れは次の3ステップになります。

  1. 国内取引所で暗号資産を購入|日本円でビットコイン(BTC)やUSDTなど、送金しやすい銘柄を買う
  2. 海外取引所へ送金|KASを扱う海外取引所の自分の口座へ送る(初回は必ず少額でテスト)
  3. KASへ交換|KAS/USDTなどのペアで購入する

送金に使うUSDTの基礎はUSDT(テザー)とはで解説しています。KASを自分で保管する場合は、Kaspium などKaspa専用のウォレットが必要になる点にご注意ください。Kaspaは独自チェーンであり、ERC-20のようにEthereumのアドレスへは送れません。送金時のネットワーク選択を誤ると資産を失うため、少額のテスト送金を必ず挟みましょう。

海外取引所Bitgetの紹介画像

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公式サイトはこちら

Kaspa(KAS)のリスク・注意点(忖度なし)

KASのリスクは、価格変動だけではありません。「フェアローンチのPoW」という立ち位置そのものが抱える弱点まで含めて整理しておきましょう。

KASの主なリスク
  • 価格リスク|最高値0.207411ドルから約86%下落。技術の実装は進んだが価格は反応していない
  • 流動性|24時間出来高は時価総額の約1.4%。81位という順位のわりに板が薄い
  • 大手未上場|Binance・Coinbase・OKXに現物の上場がなく、出来高1位はHTX
  • 国内で買えない|国内取扱いゼロ。送金の手間と送金ミスのリスクを伴う
  • 後ろ盾の不在|プレマイン・VC配分がないため、上場や広報を推進する主体が存在しない
  • マイニングの集中|kHeavyHashは専用ASICの世界。GPUでは採算が合わない
  • エコシステムの未成熟|Toccataは発動したが、実用的なアプリが育つかは未知数
  • 情報の陳腐化|「1秒に1ブロック」「半減期は年1回」など、解説の記述が古いまま残っている
  • 税金|国内未上場のため、20%の申告分離課税の対象から外れる構造にある

マイニングは専用ASICの世界|GPUでは採算が合わない

Kaspaは当初、GPUで掘れる通貨として注目を集めました。現在その状況は完全に変わっています。KaspaのアルゴリズムはkHeavyHashと呼ばれ、これに最適化された専用ASICが2023年以降に登場したためです。

当メディアが取得した現在のネットワーク全体のハッシュレートは、約317,639 TH/s(約318 PH/s)でした(※5。確認日:2026年7月16日)。この規模を専用ASICが占めている以上、GPUで参入しても電気代に見合う報酬は得られません。「まだGPUで掘れる」と書かれた解説を見かけたら、更新日を確認したほうがよいでしょう。

この点は、フェアローンチという理念と現実のギャップでもあります。誰でも平等に参加できる状態から始まったにもかかわらず、採掘の現場はすでに設備を持つ事業者の世界になりました。ビットコインが辿った道と同じであり、PoWである以上は避けにくい帰結だと言えます。

ICHIZEN Capitalの視点|KASは20%課税の「対象外」に置き去りにされる

ここが、上位記事がほとんど踏み込めていない領域です。「暗号資産の税金が20%になる」という話題は、KASには当てはまりません。国内で1社も扱っていないという事実が、税率という形で手取りに効いてきます。事業者として税務に向き合ってきた立場から、条文の射程を示します。

条文が課す2つの要件|KASはどちらも満たさない

まず事実関係から整理します。制度が創設されたこと自体は本当です。当メディアが財務省「令和8年度税制改正の解説」の原文を確認したところ、租税特別措置法38条の2により、特定暗号資産の譲渡による所得に15%の税率で所得税を課す申告分離課税が創設されています(※8。住民税5%とあわせて約20%)。問題は「特定暗号資産」の定義にあります。

財務省「令和8年度税制改正の解説」より(措法38の2①)

「本特例の適用対象となる特定暗号資産は、(中略)新金商法第2条第49項に規定する暗号資産のうち、その名称が(中略)金融商品取引業者登録簿に登録されているもの(その取引の状況その他の事情を勘案して定められる一定のものが除かれます。)その他一定のものとされました」/「本特例の対象となる譲渡は、金融商品取引法第2条第9項に規定する金融商品取引業者(暗号資産取引業を行う者に限ります。)への売委託により行うもの又は暗号資産取引業者に対するものに限られます

条文が課している要件は2つです。1つは「その名称が金融商品取引業者登録簿に登録されている」こと。もう1つは「暗号資産取引業者への売委託、または暗号資産取引業者に対する譲渡」であることです。KASを当てはめると、どちらも満たしません。

スクロールできます
要件(措法38の2①)KASの場合判定
名称が金融商品取引業者登録簿に登録国内で1社も取り扱いがない満たさない
暗号資産取引業者への譲渡売買の場は海外取引所満たさない
結論特定暗号資産に該当しない雑所得・総合課税のまま

つまりKASの利益は、20%ではなく従来どおり雑所得・総合課税(住民税を含め最大約55%)の対象にとどまります。国内で買えないという事実は、単に「手間がかかる」だけの話ではありません。同じ利益を出しても、国内上場銘柄との手取りの差が最大で30ポイント以上開きうる論点だと理解しておきましょう。暗号資産の税金の全体像は仮想通貨の税金の記事で詳しく解説しています。

加えて、適用開始の時期も確定していません。この特例は「金商法等改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後」の譲渡に適用されます(改正法附則39①)。その金商法等改正法自体が「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日」から施行とされているためです(※8)。開始年を断定している解説は、施行日が政令待ちである点を飛ばしています(要確認)。

もっとも、この構造は固定ではありません。将来KASが国内の登録業者に上場すれば、登録簿に名称が載り、特定暗号資産に該当する余地が出てきます。国内上場は「買いやすくなる」だけでなく、税率が変わりうる分岐でもあるわけです。なお海外取引所やDeFiの線引きは政令の内容次第の部分が残るため、実際の申告は税理士にご確認ください(要確認)。

「発行が終わりかけている」ことの本当の意味

もう1つ、Kaspa特有の論点を挙げておきます。発行済み96.07%という数字は、単なる進捗ではありません。この銘柄の値動きの性質を規定する材料になります。

年率インフレは約2.9%で、年々下がっていきます。新規発行による売り圧力は、すでに構造的に小さい水準だと言えるでしょう。ロック解除やベスティングによる希薄化も、そもそも配分が存在しないため起こりません。供給サイドの不確実性が、他の銘柄と比べて明らかに少ないのがKaspaの特徴です。

ただし、これを強気の根拠に直結させるのは早計です。供給が絞られても、需要がなければ価格は上がりません。実際、発行済み比率が9割を超えて久しい今も、価格は最高値から約86%下げたままです。「発行が終わる=上がる」という論法は、この2年間の実績によってすでに否定されていると見るのが誠実でしょう。

供給の話が効いてくるのは、需要が戻った場面に限られます。新規発行が細い通貨は、買いが入ったときに価格が動きやすいという性質を持つためです。Kaspaの供給構造は「上がる理由」ではなく「上がるときの増幅装置」として理解するほうが、実態に近いと言えるのではないでしょうか。

水野 倫太郎

税金の観点では、KASのように国内で扱いのない銘柄は「20%の分離課税」の枠外に置かれます。制度そのものは創設されましたが、対象は登録簿に名称がある銘柄を登録業者経由で売買した場合に限られるためです。同じ利益額でも、国内上場銘柄と手取りが大きく変わりえます。海外取引所は履歴が突然取得できなくなることもあるので、取引の記録は都度手元に保存しておいてください。判断に迷う場面では、税理士への確認をおすすめします。

よくある質問

Kaspa(カスパ)とはどんな仮想通貨ですか?

ビットコインと同じPoWを使いながら、ブロックを一直線につながない設計を選んだ暗号資産です。BlockDAGという網の目状の構造を採り、同時に生まれたブロックを孤児にせず全て台帳に取り込みます。捨てるブロックがないため、ブロック間隔を0.1秒まで縮めても安全性が落ちません。GHOSTDAGプロトコルを考案したYonatan Sompolinsky氏が中心となり、2021年11月7日にプレマインなしのフェアローンチで開始しました。

Kaspa(KAS)は日本の国内取引所で買えますか?

買えません。日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)が公開する取扱暗号資産の一覧(2026年7月15日版)を当メディアで全文検索したところ、Kaspa・KAS・カスパの記載は1件もありませんでした。同じファイルでBTCは86件、ETHは626件、SOLは174件ヒットしているため、検索漏れではなく本当に記載がないという意味です。Coincheck・bitbank・GMOコイン・bitFlyer・SBI VCトレードのいずれも取り扱っていません。

Kaspa(KAS)の買い方は?国内取引所からどう送金しますか?

国内取引所で日本円をBTCやUSDTに替え、KASを扱う海外取引所へ送金してから購入する3ステップになります。当メディアが各取引所の公開APIで確認したところ、Bybit・Bitget・Gate・MEXC・Krakenはいずれも現物の取引が可能でした(2026年7月16日確認)。板の厚さで選ぶならHTXが最も厚く、24時間出来高は約258万ドルです。KASは独自チェーンのためEthereumのアドレスへは送れません。初回の送金は必ず少額でテストしてください。

Kaspaの半減期はいつですか?ビットコインと何が違いますか?

Kaspaの減額は毎月おこなわれており、次回は2026年8月5日です。ただし半分になるわけではありません。Kaspaはchromatic halvingという方式を採り、毎月(1/2)の12乗根の倍率で報酬が減ります。当メディアがチェーンの実数で検算したところ、現在の報酬2.44997148KASに対し次回は2.31246515KASで、比率は0.943874倍でした。減るのは約5.6%だけです。4年に1度で一気に半分になるビットコインとは、性質が大きく異なります。

BlockDAG(ブロックDAG)とブロックチェーンの違いは何ですか?

ブロックのつなぎ方が違います。ブロックチェーンは一直線につながるため、同時に2つのブロックが見つかると片方は孤児ブロックとして捨てられます。BlockDAGは複数の親を持てる網の目状の構造で、同時に生まれたブロックを両方とも取り込みます。捨てられる仕事がなくなるため、ブロックを速く作っても安全性が落ちません。ビットコインが10分間隔を選んでいるのに対し、Kaspaが0.1秒間隔を実現できているのはこの違いによります。

GHOSTDAGプロトコルとは何ですか?

BlockDAGで取り込んだブロックの順番を決めるための仕組みです。「正直に振る舞っているブロックは互いをよく参照し合っているはずだ」という性質を使い、よくつながっているブロックの集まりを正直な多数派とみなします。選ばれたブロックには青、外れたブロックには赤の色がつき、青を基準に取引の順番を確定させます。攻撃者が裏で作ったブロックは正直なブロックとつながりを持てないため赤に落ち、二重支払いを防げる設計です。

Kaspaの発行枚数の上限は何枚ですか?

約287億KASです。当メディアがKaspaのノードへ直接照会したところ、最大供給量は約28,704,035,605KASでした(2026年7月16日確認)。資料によって「288億」「290億」と異なる数字を見かけますが、公式Wikiはコード上のハードキャップが290億である一方、実際に到達する総供給量は見積もりにとどまると説明しています。減額がDAAスコア基準であることや、初期のランダム報酬期の存在が理由とされています。

Kaspaはあと何%くらい採掘されていないのですか?

残りは3.93%です。当メディアがチェーンへ直接照会したところ、循環供給量は約275億7,715万KASで、最大供給量約287億0,403万KASに対して96.07%がすでに発行済みでした(2026年7月16日確認)。未発行は約11億2,687万KASです。ただし報酬は毎年半分になるため、残りが1年半で配り切られるわけではありません。年々細くなりながら十数年かけて発行される計算になります。現在の年率インフレは約2.9%です。

Kaspaにプレマインやicoはありますか?

ありません。公式Wikiは「fair launch coin(フェアローンチのコイン)」と明記し、「プレマインもプレアロケーションもない」と説明しています。ICOやベスティングの有無を問う項目に対しても「No。公に宣言されたフェアローンチのみ」と答えています。ビットコインと同じく、すべてのKASが採掘によって生まれている形です。一方で、VCや財団の後ろ盾がないため、取引所への上場や広報を推進する主体が存在しないという裏返しの側面もあります。

Kaspaは1秒間に何ブロック生成されますか?

毎秒約10ブロックです。「1秒間に1ブロック」と書かれた解説を見かけますが、2025年5月5日のCrescendoハードフォークで10倍に引き上げられており、現在の実態とは合いません。当メディアがKaspaのノードへ90秒間にわたり照会し、循環供給量の増加分をブロック報酬で割って逆算したところ、毎秒約10.4という結果でした(2026年7月16日実測)。開発元の公式リリースノートにも、DAAスコア110,165,000で1BPSから10BPSへ移行すると記載されています。

Kaspaでスマートコントラクトは使えますか?

2026年6月30日のToccataハードフォークで、その基盤が導入されました。covenantと呼ばれる「そのコインを次にどう使えるかを縛る」仕組みと、ZK証明を検証するための機能が入っています。当メディアが開発元のリリースノートで発動条件のDAAスコア474,165,565を確認し、チェーンの現在値487,209,685がそれを上回っていることから発動済みと判定しました(2026年7月16日確認)。ただし稼働から日が浅く、実用的なアプリが育つかは現時点で判断できません。

KaspaはBinanceやCoinbaseに上場していますか?

していません。当メディアが各社の公開APIで銘柄一覧を直接取得したところ、Binance・Coinbase・OKXのいずれにもKASを基軸とする現物のペアは存在しませんでした(2026年7月16日確認)。時価総額81位という規模でありながら最大手に上場がないのは、Kaspaの特徴です。実際に取引できるのはHTX・Gate・Bybit・KuCoin・MEXC・Kraken・Bitgetなどで、出来高が最も厚いのはHTXの約258万ドルでした。

Kaspaのマイニングはまだ儲かりますか?GPUでもできますか?

GPUでは採算が合いません。KaspaのアルゴリズムはkHeavyHashと呼ばれ、これに最適化された専用ASICが2023年以降に普及したためです。当メディアが取得した現在のネットワーク全体のハッシュレートは約317,639TH/s(約318PH/s)でした(2026年7月16日確認)。この規模を専用機が占めている以上、GPUで参入しても電気代に見合う報酬は得られません。「まだGPUで掘れる」と書かれた解説は情報が古い可能性が高いため、更新日をご確認ください。

Kaspaは「やめとけ」と言われることがありますが、危険ですか?

プロジェクトが停止しているという意味の危険性は確認できません。10BPS化もToccataも予定どおり実現しています。一方で投資対象としてのリスクは正直に押さえるべきです。最高値0.207411ドルから約86%下落しており、技術の実装が価格に結びついていません。24時間出来高は時価総額の約1.4%と板が薄く、Binance・Coinbaseにも上場がありません。国内取扱いもゼロで、税制上も不利な扱いになります。これらを許容できるかが判断軸になるでしょう。

Kaspa(KAS)の利益に税金はかかりますか?20%の申告分離課税の対象ですか?

かかります。そして、20%の申告分離課税の対象にはなりません。令和8年度税制改正で、特定暗号資産の申告分離課税(所得税15%)が創設されました。ただし財務省の解説によれば、対象は「その名称が金融商品取引業者登録簿に登録されている」暗号資産に限られ、譲渡先も「暗号資産取引業者」に限定されています(措法38の2①)。KASは国内で1社も取り扱いがなく、売買の場も海外取引所のため、どちらの要件も満たしません。従来どおり雑所得・総合課税(最大約55%)の対象です。

Kaspa(KAS)の将来性はありますか?

投資判断はご自身で行っていただく前提で、事実を整理します。強みは、GHOSTDAGという査読を経た研究に基づく設計、プレマインのないフェアローンチ、発行済み96.07%という供給の確実性、そして予定どおり実現してきた開発の実行力です。一方で価格は最高値から約86%下落し、Binance・Coinbaseに上場がなく、出来高も時価総額の約1.4%と薄いままです。Toccataで得たスマートコントラクト基盤が使われるかは、現時点では未知数と言えます。

まとめ|Kaspaは「設計は堅実、情報は要更新」の銘柄

Kaspaは、PoWの安全性を保ったまま速度を得るために、ブロックを捨てないBlockDAGという構造を選んだ暗号資産です。GHOSTDAGで順番を決め、同時に生まれたブロックを全て台帳に取り込むという設計は、今読んでも筋が通っているでしょう。プレマインもICOもないフェアローンチで、公式Wikiがそれを明言しています。

そして、出回っている情報の多くが古いままです。2025年5月のCrescendoで毎秒10ブロックになっており、「1秒に1ブロック」という記述はすでに実態と合いません。当メディアの実測でも毎秒約10ブロックを確認しました。2026年6月30日にはToccataが発動し、スマートコントラクトの基盤が入っています。DAAスコアの現在値が発動条件を上回っていることから、当メディアで発動済みと判定しました。

「半減期」の理解も要注意です。Kaspaの減額は毎月来ます。毎月約5.6%ずつ減り、12か月かけて正確に半分になる仕組みで、実測の比率0.943874は(1/2)の12乗根と完全に一致しました。次の減額は2026年8月5日ですが、報酬は2.45KASから2.31KASへ下がるだけです。ビットコインの半減期と同じ感覚で捉えると、期待値を取り違えます。

数字の現在地も押さえておきましょう。価格は約0.0289ドル(約4.68円)、時価総額は約7億9,517万ドルで81位、最高値0.207411ドルからは約86%の下落です(2026年7月時点)。発行はすでに96.07%が完了し、残りは3.93%にすぎません。国内取引所での取扱いはゼロで、JVCEAの一覧にKaspaの記載は1件もありませんでした。Binance・Coinbase・OKXにも現物の上場がなく、出来高は時価総額の約1.4%と薄いのが実情です。

税金についても、KASは20%の申告分離課税の対象から外れます。条文が求める「登録簿への登録」と「暗号資産取引業者への譲渡」を、どちらも満たさないためです。Kaspaは設計と実行力に見どころがある一方、価格がそれに反応せず、情報の鮮度も追いついていない銘柄だと言えます。検討するなら、公開ノードに問い合わせて自分で検算する価値があるのではないでしょうか。

参考文献

1. Kaspa 公式Wiki「Tokenomics」(フェアローンチ=プレマイン・プレアロケーション・ICOなし/金融政策の2フェーズ=pre-deflationary phase 2021年11月7日〜2022年5月8日・初期はランダム報酬1〜1000KAS/chromatic phase=初期ブロック報酬440KAS・毎月(1/2)^(1/12)倍で減額・半音階の周波数比に由来/総供給量 約287億KAS・ハードキャップ290億と見積もりの差の理由。2026年7月16日に原文を確認)https://wiki.kaspa.org/en/tokenomics
2. CoinGecko「Kaspa (KAS)」価格・時価総額・順位・24時間出来高・取引所別出来高・ATH/ATL(2026年7月16日取得)https://www.coingecko.com/en/coins/kaspa
3. Rusty Kaspa 公式リリース「Mainnet Crescendo Release – v1.0.0」(2025年3月31日公開・Crescendoハードフォーク=1BPSから10BPSへ・発動条件DAAスコア110,165,000・2025年5月5日15:00 UTCごろ・KIP-14・履歴保持期間が約50時間から約30時間へ短縮)https://github.com/kaspanet/rusty-kaspa/releases/tag/v1.0.0
4. Rusty Kaspa 公式リリース「Mainnet Toccata Release – v2.0.0」(2026年6月5日公開・Toccataハードフォーク=KIP16/17/20/21・native L1 covenant programming と based ZK applications の基盤・発動条件DAAスコア474,165,565・2026年6月30日16:15 UTCごろ)/v2.0.1(2026年6月15日公開)https://github.com/kaspanet/rusty-kaspa/releases/tag/v2.0.0
5. Kaspa 公開ノード(api.kaspa.org)へ直接照会。循環供給量・最大供給量(info/coinsupply)/ブロック報酬2.44997148KASと次回減額日時2026年8月5日・減額後2.31246515KAS(info/halving・info/blockreward)/ハッシュレート・難易度(info/hashrate・info/blockdag)/DAAスコア487,209,685(info/blockdag)/稼働ノードのバージョン2.0.1(info/kaspad)を取得。ブロック生成速度は90秒間隔で2回取得した循環供給量の増加分から逆算(2026年7月16日実施)https://api.kaspa.org/info/coinsupply
6. 日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)「取扱暗号資産一覧」2026年7月15日版(Kaspa・KAS・カスパは0件。BTC86件・ETH626件・SOL174件・DOGE22件で検索の妥当性を検証)https://jvcea.or.jp/statistics/document/assets/
7. 各取引所の公開API(Binance exchangeInfo/Bybit・Bitget・OKX・Gate・MEXC・Coinbase・Kraken の銘柄一覧と取引状態を直接確認。Binance・Coinbase・OKXにKAS現物のペアが存在しないことを確認。2026年7月16日実施)https://api.binance.com/api/v3/exchangeInfo
8. 財務省「令和8年度税制改正の解説」租税特別措置法等(所得税関係)の改正(P.329〜「二 特定暗号資産の譲渡による所得に係る申告分離課税制度等の創設」/特定暗号資産の意義・譲渡の意義=措法38の2①、適用関係=改正法附則39①、金商法等改正法の施行日=同法附則1。2026年7月16日に原文を確認)https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/explanation/PDF/p0210-0436.pdf
9. 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」令和7年12月版(問2-2 所得区分=原則として雑所得)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf

※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)・取引所への投資を勧誘するものではありません。価格・時価総額・供給量・上場状況・ハッシュレートは変動するため、最新の情報は公式サイトおよび各取引所でご確認ください。本記事のブロック生成速度は循環供給量の増加分からの逆算であり、瞬間値には幅があります。税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご確認ください。暗号資産取引にはリスクが伴い、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

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