ai16z(elizaOS/ELIZAOS)とは?暴落の理由・将来性・買い方|2025年11月にティッカーごと消滅して移行期限も終了、残った旧AI16Zはスワップ価値の約15%で放置という実測を忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!
- ai16zというトークンは、もう存在しません
- 2025年11月6日にelizaOS(ELIZAOS)へ移行しました。AIエージェントを作るための開発基盤で、a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)からの改名要請が発端です
- 交換比率は1 AI16Z→6 ELIZAOS。Binanceなど主要取引所は自動で処理済みで、保有者側の作業は原則不要でした
- 誰も書かない実測|移行ポータルは閉鎖済み。旧AI16Zは今も動いている
- 公式ポータルは90日限定(2026年2月4日まで)でした。編集部が実際に接続すると証明書エラーで開けず、事実上終了しています
- 一方で旧AI16Zのコントラクトはチェーン上で生きたままで、24時間出来高は約3,566ドル。買っても移行できない「亡霊」です
- 「1:6スワップ」の裏で、供給は1:10に増えている
- 公式の表現は「リデノミは1:10、保有者への交換は1:6」。差分の4/10=44億枚は財団の運用資金(Generative Treasury)へ回りました
- 価格は約0.00043328ドル、時価総額は約324万ドル(約5.2億円)で1,862位前後です(2026年7月時点)
- 開発は生きている。死んでいるのはトークンのほう
- GitHubのelizaOS/elizaは18,748スターで、更新は2026年7月時点でも継続中。一方トークンは1:6換算で最高値から約99.9%下です
- 国内取引所の取扱いはゼロでJVCEA一覧にも記載なし。20%分離課税の対象外で、雑所得・総合課税のままです
木田 陽介ai16zは2025年初めのAIエージェント相場で主役だった銘柄です。忖度なく言うと、いま「ai16zとは」を解説している日本語記事の多くは、2025年11月の移行を反映しないまま止まっています。古い記事を読んで旧AI16Zを買ってしまうと、移行期限はとうに切れているので回収できません。編集部はチェーンと取引所APIに直接聞いて、いま何が起きているのかを測りました。結論から言えば、開発は元気で、トークンだけが置き去りになっています。


監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。
ai16z(elizaOS/ELIZAOS)とは?基本情報
ai16zは、AIエージェントを作るための開発基盤「elizaOS」を支えていたトークンの旧名です。開発を担うのはEliza Labsで、創設者はShaw Walters氏になります。最初に押さえるべき点はここが過去形だということです。
2025年11月6日、ai16zはelizaOS(ティッカー:ELIZAOS)へ移行しました。単なるプロジェクト名の変更ではなく、コントラクトごと入れ替わるトークンスワップです。交換比率は1 AI16Z → 6 ELIZAOSでした(※1)。ティッカー「AI16Z」を持つ資産は、もう主要な取引所のどこにも存在しません。
| 項目 | 内容(2026年7月時点) |
|---|---|
| 現在の名称 | elizaOS/ティッカー:ELIZAOS(旧:ai16z/AI16Z) |
| 種別 | AIエージェント開発基盤のトークン(ガバナンス・エコシステム用途) |
| 開発 | Eliza Labs(創設者:Shaw Walters氏) |
| 改称の経緯 | a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)側からの改名要請。プロジェクトは2025年1月にelizaOSへ |
| トークン移行日 | 2025年11月6日 18:00 UTC |
| 交換比率 | 1 AI16Z → 6 ELIZAOS |
| 供給のリデノミ | 1:10(差分の4/10=44億枚はGenerative Treasuryへ) |
| 移行ポータル | 90日間(2025年11月6日〜2026年2月4日)/終了済み・接続不可(実測) |
| スナップショット | 2025年11月11日 11:40 UTC(以降に買った旧AI16Zは対象外) |
| チェーン | Solana(SPL)/Ethereum・Base・BNBチェーン(Chainlink CCIP) |
| コントラクト(Solana) | DuMbhu7mvQvqQHGcnikDgb4XegXJRyhUBfdU22uELiZA |
| コントラクト(EVM共通) | 0xea17Df5Cf6D172224892B5477A16ACb111182478 |
| 価格 | 約0.00043328ドル(約0.0702円) |
| 時価総額 | 約324万ドル(約5億2,504万円)/1,862位前後 |
| 24時間出来高 | 約179万ドル(時価総額比 約55%) |
| 循環供給量 | 7,482,200,000枚(※公式の2025年11月11日時点の値のまま) |
| 総供給量 | 110億枚(4チェーン合計で10,999,985,446.78枚を実測) |
| 過去最高値 | 旧ai16zで2.47ドル(2025年1月2日)=1:6換算で約0.4117ドル相当 |
| 最高値からの下落 | 約99.9%下(回復には約950倍が必要) |
| 日本での取扱い | 国内取引所はゼロ(JVCEA一覧に記載なし・実測) |
| 日本での税務上の扱い | 暗号資産(雑所得・総合課税/20%分離課税の対象外) |
| GitHub | elizaOS/eliza:18,748スター・更新継続中 |
価格・時価総額は日々変動します。ここから先は「なぜai16zという名前が消えたのか」と「いま旧AI16Zを持っている場合どうなるのか」を切り分けて解説します。改名が2段階に分かれて進んだため、日本語の解説記事でも両者が混同されているのが実情だからです。
ai16zはもう存在しない|2段階で進んだ改名とトークン移行
この銘柄を理解するうえで最大のつまずきポイントが、ここにあります。改名は1回ではなく、2025年1月と2025年11月の2段階で起きました。この2つを分けて捉えないと、「名前が変わっただけならトークンはそのままのはず」という誤解に直結します。
- 第1段階(2025年1月)|a16zからの要請で「名前だけ」変えた
- 第2段階(2025年11月)|ティッカーごと入れ替わったトークンスワップ
- 「1:6スワップ」と「1:10リデノミ」の違い|差分の4枚はどこへ行ったのか
第1段階(2025年1月)|a16zからの要請で「名前だけ」変えた
そもそも「ai16z」という名前は、著名ベンチャーキャピタルのa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)をもじったものでした。プロジェクトの発端は2024年10月、daos.fun上に作られたAI主導型の投資DAOです。「Marc AIndreessen」というAIエージェントが投資判断を担うという建て付けで、名前もその冗談の延長線上にありました。
ところがプロジェクトがAIエージェント分野で最大級の存在になると、冗談では済まなくなります。a16z cryptoのマネージングパートナーであるChris Dixon氏が、混同を招くとして改名を要請しました(※2)。同氏は「私たちはAI16zとは関係がない。改名を求めた。少し混乱を生んでいたからだ」という趣旨の説明をしています。これを受けてプロジェクト名は2025年1月にelizaOSへ変わりました。
ここで重要なのはこの時点ではティッカーが変わっていない点です。創設者のShaw Walters氏は当時、リブランドにあたって新しいトークンは発行しないと明言していました(※3)。つまり2025年1月の改名は「看板の掛け替え」にとどまり、AI16Zというトークンはそのまま残ったということになります。日本語の解説記事の多くが止まっているのは、まさにこの段階です。
第2段階(2025年11月)|ティッカーごと入れ替わったトークンスワップ
状況が決定的に変わったのが2025年11月です。2025年11月6日18:00(UTC)、ai16zはelizaOS(ELIZAOS)へのトークンスワップを実施しました。今度は名前だけでなく、コントラクトもティッカーも入れ替わる本物の移行です(※1)。
公式の説明によれば、この移行にはSolanaに加えてEthereum・Base・BNBチェーンへ展開する狙いがありました。Chainlinkのクロスチェーン規格(CCIP)を使い、複数チェーンで同じトークンを流通させる設計に切り替えたということです。交換比率は1 AI16Z → 6 ELIZAOSで、Binance・Kraken・Crypto.comなど主要取引所は保有者に代わって自動で処理しました(※4)。
| 時期 | できごと | ティッカー |
|---|---|---|
| 2024年10月 | daos.fun上のAI主導型投資DAOとして開始。トークン発行 | AI16Z |
| 2025年1月2日 | 過去最高値2.47ドル(AIエージェント相場の頂点) | AI16Z |
| 2025年1月 | 第1段階:a16zの要請でプロジェクト名をelizaOSへ。トークンは据え置き | AI16Z |
| 2025年10月21日 | 移行ポータル開設(90日間) | AI16Z |
| 2025年11月6日 | 第2段階:トークンスワップ実施。Binance無期限先物は同日決済 | → ELIZAOS |
| 2025年11月11日 | スナップショット取得(11:40 UTC)。以降に買った分は対象外 | ELIZAOS |
| 2025年11月19日 | 移行後の高値0.01034554ドル | ELIZAOS |
| 2026年2月4日 | 移行ポータルの受付終了 | ELIZAOS |
| 2026年7月14日 | 移行後の安値0.00040694ドル(ごく直近) | ELIZAOS |
注目すべきはスナップショットの日付です。2025年11月11日11:40(UTC)以降に取得したAI16Zは、ELIZAOSの配布対象になりません。Krakenは「スナップショット時点の残高のみが対象」と明記しています(※4)。いま出回っている「ai16zの買い方」を紹介する記事の導線は、この一点で実害になりうるということです。
「1:6スワップ」と「1:10リデノミ」の違い|差分の4枚はどこへ行ったのか
ここが本記事で最も丁寧に読んでいただきたい箇所です。交換比率が1:6だと聞くと、供給量も6倍になったと考えたくなります。しかし実際の供給量は11億枚から110億枚へ、ちょうど10倍になりました。6倍と10倍——この差はどこから来るのでしょうか。
答えは公式の発表文にはっきり書かれています。elizaOSは移行の条件を「Total supply: network redenomination 1:10」「Holder swap: 1 $ai16z → 6 $elizaOS」と併記したうえで、こう続けました(※1)。
「残りの4 elizaOSは働きに出される(The other 4 $elizaOS are put to work)」——つまりネットワーク全体では旧1枚あたり10枚が発行され、そのうち保有者が受け取るのは6枚、残りの4枚は財団側の「Generative Treasury」へ入るという設計です。公式はこれを、流動性の確保・取引所への上場費用・エコシステムの育成に充てると説明しています。
| 旧AI16Z 1枚あたり | ELIZAOS | 供給量に換算 | 行き先 |
|---|---|---|---|
| 保有者への交換分 | 6枚 | 66億枚(60%) | 既存のAI16Z保有者 |
| 「働きに出される」分 | 4枚 | 44億枚(40%) | 財団のGenerative Treasury |
| ネットワーク全体(リデノミ) | 10枚 | 110億枚(100%) | — |
言い換えれば、移行後の総供給110億枚のうち、旧保有者の取り分は60%にとどまり、40%は新たに財団側へ割り当てられたということになります。「1:6で交換された」という説明だけを読むと、この40%が視界から消えます。保有者にとっては、持ち分の比率が薄まる話です。
公式の発表文は供給量の拡大を「6.6Bから11Bへ(+40%)」と記載しています。ただし66億枚から110億枚への増加率は、計算すると+66.7%です。「+40%」は増加率ではなく、移行後の総供給110億枚に占める追加分44億枚の割合(44÷110=40%)を指しているとみられます。この2つは意味がまったく違うため、「供給が40%増えた」と理解すると希薄化の度合いを小さく見積もることになります。本記事では誤解を避けるため、増加率ではなく「総供給に占める割合」として40%という数字を扱っています。
チェーンに直接聞いて分かったこと|移行ポータルは閉鎖、旧AI16Zは今も動いている
ここからが本記事の中心です。「ai16zとは」と検索する方の一部は、まだ旧AI16Zを持っているはずです。その方にとって唯一重要なのは「いまからでも交換できるのか」という一点でしょう。編集部はここを実際に測りました。
2026年7月、編集部が公式の移行ポータルへ実際に接続し、あわせてSolana・Ethereum・Base・BNBチェーンの公開ノードへ直接照会して取得した数値です。取引所の取扱いは、CoinGeckoの表記に頼らず各取引所自身の公開APIを全銘柄走査して判定しました(取引所名の取り違えを避けるため)。国内の取扱いはJVCEAの原本と国内4社のAPIで確認しています。各数値に取得時点を併記しています。
移行ポータルへ実際に接続した結果|証明書エラーで開けない
公式が案内していた移行ポータルのURLはmigrate.elizafoundation.aiです。受付期間は2025年11月6日18:00(UTC)から2026年2月4日までの90日間と明記されていました(※1)。編集部はこのURLへ実際に接続を試みました。
結果は接続不可です。ドメイン名は今もホスティング事業者のサーバーを指していますが、返ってくる証明書がこのホスト名に対応しておらず、ブラウザでは証明書エラーになります。サーバー自体は応答するため「アプリの配備が取り下げられ、ドメインだけが残った状態」と読み取れます(2026年7月時点・※5)。
| 試した項目 | 実測結果(2026年7月) | 読み解き |
|---|---|---|
| DNSの名前解決 | 成功(ホスティング事業者を指す) | ドメイン自体は生きている |
| 443番ポートへの接続 | 成功 | サーバーは応答する |
| HTTPSでの閲覧 | 失敗(証明書がホスト名と不一致) | ポータルは事実上終了 |
| 公式の受付期限 | 2026年2月4日 | すでに5か月以上前に経過 |
正確を期すために書き添えると、「ポータルを閉鎖した」という公式告知そのものは、編集部が確認した範囲では見つかりませんでした。したがって未交換分の救済措置があるかどうかは不明です。ただし公式が定めた受付期限を5か月以上過ぎており、ポータルも開かないという事実は動きません。「いまからでも交換できる」と期待できる材料は、現時点で見当たらないというのが編集部の判断です。
旧AI16Zの現在地|24時間で3,566ドルしか動かない「板」
では旧AI16Zのトークンそのものは消えたのでしょうか。ここが直感に反するところです。旧AI16Zのコントラクトはチェーン上で今も生きており、発行枚数もスワップ前と1枚も変わっていません。
編集部がSolanaの公開ノードへ照会したところ、旧AI16Zの発行枚数は1,099,897,292.02枚でした(2026年7月時点・※5)。これはCoinGeckoが報告する循環供給量とぴったり一致します。スワップは「旧トークンを焼却して新トークンを配る」形ではなく、「旧トークンを放置したまま新トークンを別に配る」形で行われたということです。だから旧AI16Zは、いまも売買できてしまいます。
| 項目 | ELIZAOS(現行) | 旧AI16Z(残骸) |
|---|---|---|
| 24時間出来高 | 約179万ドル | 約3,566ドル |
| 時価総額 | 約324万ドル | 約42万ドル |
| CoinGecko順位 | 1,862位 | 3,779位 |
| 主要取引所の取扱い | Bybit・Gate・Kraken・MEXC・KuCoin | 実質なし(Krakenは手仕舞い専用) |
| 移行の可否 | — | ポータル終了・期限切れ |
24時間の出来高が約3,566ドル——日本円にして50万円台です。これは市場として機能している水準ではありません。象徴的なのがKrakenの対応で、旧AI16Zの3つのペアはいずれも「cancel_only」(注文の取り消しのみ可能)という状態で残っています(※5)。新規の売買はできず、既存の注文を引き上げるためだけに残された枠ということです。
市場はすでに「交換できないこと」を織り込んでいる
ここで編集部が興味深いと感じた検算を紹介します。もし旧AI16Zをいまも1:6で交換できるなら、その価値はELIZAOS 6枚分と等しくなるはずです。実際に計算してみます。
| 計算 | 値(2026年7月時点) |
|---|---|
| ELIZAOS 1枚 | 約0.00043328ドル |
| 交換できる場合の理論値(6枚分) | 約0.0026ドル |
| 旧AI16Zの実際の気配値 | 約0.00038473ドル |
| 理論値に対する比率 | 約15%(約6.8分の1) |
旧AI16Zは、交換できると仮定した場合の価値の約15%でしか取引されていません。もし本当に交換可能なら、買って交換するだけで6倍以上になる裁定機会が放置されていることになります。そんな機会が半年近く残るとは考えにくいでしょう。この価格差自体が、市場が「もう交換できない」と判断している傍証だと編集部は読んでいます。
ただしこの気配値を「AI16Zの現在価格」として扱うのは適切ではありません。1日あたり3,566ドルしか動かない板の値段は、価格として意味を持たないためです。日本語の記事やアプリのなかには、いまも「AI16Zの価格」を淡々と表示しているものがあります。その数字は、すでに中身のない器の値札だと理解しておく必要があります。
総供給量は4つのチェーンに散っている|CoinGeckoの数字は実態と合わない
もう1つ、数字を追うときに間違えやすい点を挙げておきます。ELIZAOSは4つのチェーンに存在するため、1か所だけを見ると総供給量を取り違えます。編集部は4チェーンすべての公開ノードへ直接照会しました。
| チェーン | 実測した発行枚数 | 構成比 |
|---|---|---|
| Solana | 9,326,084,616.83枚 | 約84.8% |
| BNBチェーン | 1,613,543,615.85枚 | 約14.7% |
| Base | 41,384,724.09枚 | 約0.4% |
| Ethereum | 18,972,490.01枚 | 約0.2% |
| 合計 | 10,999,985,446.78枚 | ≒110億枚(上限と一致) |
4チェーンの合計は10,999,985,446.78枚——上限の110億枚とほぼ完全に一致しました。差はわずか14,553枚(0.0001%)です。これはCCIPが「片方のチェーンで焼却し、もう片方で発行する」方式を採り、全チェーンの合計が保存されていることを示します。したがってELIZAOSの場合、各チェーンの発行枚数は足し算して良いということになります。
ここで注意が必要です。ブリッジで持ち込まれたトークンは足すと二重計上になるため、「多チェーンの供給量は足してはいけない」というのが一般的な原則になります。ELIZAOSはその例外で、合計が上限とぴったり一致することが、足し算してよい根拠です。判断を数字の一致で裏付けたうえで足しているとご理解ください。
そのうえで指摘しておくべき点があります。CoinGeckoが表示するELIZAOSの総供給量は9,325,838,132枚で、これはSolana分だけを数えた値です。実際にはBNBチェーンなどに約16.7億枚が存在しており、その分がまるごと抜け落ちています。その結果、同サイトが示すFDV(時価総額の希薄化後の想定値)約404万ドルも過小です。上限110億枚で計算し直すと約477万ドルになります(2026年7月時点)。大手サイトの数字であっても、チェーンで裏を取ると食い違うことがあるという一例です。



実務の感覚で言うと、トークンスワップで一番怖いのが今回のような「旧トークンが焼却されずに残るケース」です。板が薄いまま生き残るので、チャートアプリには価格が出続けます。事情を知らない方が古い記事を見て買ってしまう温床になるわけです。しかも今回は期限が切れていて交換できません。誤解のないように言うと、これは運営が悪意で放置したという話ではなく、Solanaのトークン設計上、他人が持っている残高を勝手に消すことはできないからです。だからこそ、期限のあるスワップは自分で日付を管理するしかありません。
ELIZAOS(旧ai16z)の価格推移|最高値から約99.9%下、回復には約950倍
物語より、投資判断に必要なのは現在の数字です。ELIZAOSの価格は約0.00043328ドル(約0.0702円)、時価総額は約324万ドル(約5億2,504万円)で、順位は1,862位前後です(2026年7月時点・※6)。AIエージェント相場の主役だった銘柄が、時価総額5億円台まで縮んだということになります。
最高値との比較は「1:6」で調整しないと間違える
下落率を語るにはひと手間必要です。スワップを跨いで単純に価格を比べると、比率の分だけ答えがずれるためです。旧AI16Zの過去最高値は2.47ドル(2025年1月2日)でした。1枚が6枚になった以上、比較すべきは「2.47ドル÷6=約0.4117ドル」という1枚あたりの換算値になります。
| 時点 | 価格 | 現在との比較 |
|---|---|---|
| 過去最高値(2025年1月2日・旧AI16Z) | 2.47ドル | 1:6換算で約0.4117ドル相当 |
| スワップ調整後の下落率 | — | 約99.9%下/回復には約950倍 |
| 移行後の高値(2025年11月19日) | 0.01034554ドル | 約95.8%下 |
| 移行後の安値(2026年7月14日) | 0.00040694ドル | 約6.5%上(ごく直近) |
| 現在(2026年7月時点) | 約0.00043328ドル | — |
整理すると、最高値2.47ドルの時点で1枚持っていた方は、いま6枚を持っていて、その合計額は約0.0026ドルです。約99.9%下、元の水準へ戻るには約950倍が必要という計算になります。
ここでもう1つ注意点があります。CoinGeckoの旧AI16Zの欄には「最高値から約99.98%下」と表示されますが、これは交換されなかった残骸の気配値を基準にした数字です。スワップに応じた方の実態を表すのは、1:6で調整した約99.9%のほうになります。似た数字でも、意味する対象がまったく違うということです。
移行後も約95.8%下げている|「暴落」は移行前で終わっていない
「ai16z 暴落」は実際によく検索されている言葉です。ただし暴落を「2025年前半のAIエージェント相場の崩壊」だけの話だと捉えると、現在地を見誤ります。
編集部が価格の推移を取得したところ、ELIZAOSは移行直後の2025年11月7日に0.01015757ドルで始まり、11月19日に0.01034554ドルを付けたあと、そこから約95.8%下げています(2026年7月時点・※6)。つまり新しいトークンになってからの8か月余りでも、価値は20分の1以下になりました。
さらに見落とせないのが安値の日付です。移行後の安値0.00040694ドルを付けたのは2026年7月14日——本記事の執筆時点から、わずか数日前になります。下落局面を抜けたと判断できる材料は、値動きの上では見当たりません。
なぜここまで下げたのか|3つの要因
下落を1つの原因に帰することはできませんが、構造として指摘できる要因は3つあります。
- テーマ相場の終焉|最高値を付けた2025年1月2日は、AIエージェントというテーマが最も加熱した時期でした。物色の対象が移れば、業績のような支えを持たない銘柄は水準を保てません
- 供給の希薄化|移行で総供給の40%にあたる44億枚が新たに財団側へ割り当てられました。保有者の持ち分比率は相対的に下がります
- 取引の場の縮小|Binanceは現物ペアを持たずAlpha扱いにとどまり、無期限先物は2025年11月6日に決済されました。Bitgetは移行時に上場を告知しながら、2026年7月時点では取扱いがありません(実測・※5)
3つ目は特に軽視できません。取引所の取扱いが減ることは、新しい資金の入り口が閉じることを意味します。時価総額が約324万ドルまで縮むと、大手取引所にとって上場を維持する妙味が薄れる——流動性の低下がさらに流動性を細らせるという循環に入っているのが現状だと言えるでしょう。
日本でELIZAOS(旧ai16z)は買える?|国内取引所の取扱いはゼロ
2026年7月時点、日本の暗号資産交換業者でELIZAOSまたはAI16Zを取り扱っているところはありません。編集部は日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が公表する取扱暗号資産の一覧(2026年7月15日付)の原本を直接取得し、「AI16Z」「ELIZAOS」「eliza」「エリザ」のいずれも記載がないことを確かめました(※7)。
検索が正しく働いていることを確かめるため、掲載されているはずの銘柄で対照実験も行っています。「ビットコイン」「イーサリアム」「ソラナ」はいずれも正しくヒットしました。したがって0件という結果は、検索の失敗ではなく不掲載の裏付けになります。
| 国内取引所 | 取扱い | 確認方法(2026年7月時点) |
|---|---|---|
| bitFlyer | なし | 公開APIの全マーケットに該当なし |
| GMOコイン | なし | 公開APIの全30銘柄に該当なし |
| bitbank | なし | 公開APIでペアが存在しない旨を返却 |
| Coincheck | なし | レート照会が不可(BTC等は取得可) |
| JVCEA一覧 | 記載なし | 2026年7月15日付の原本を全文検索(対照実験済み) |
ELIZAOSが買える取引所|大手はほとんど扱っていない
海外に目を向けても、状況は決して良くありません。編集部が各取引所自身の公開APIを全銘柄走査して照合した結果が下記です。CoinGeckoに表示される取引所名は実体と食い違うことがあるため、必ず取引所側で確認しています。
| 取引所 | ELIZAOS現物 | 備考(2026年7月時点・実測) |
|---|---|---|
| Gate | あり(USDT建て) | 出来高が最も大きい |
| Bybit | あり(USDT建て) | 無期限先物の取扱いはなし |
| Kraken | あり(USD・EUR建て) | 米国の規制下の大手。旧AI16Zは手仕舞い専用 |
| MEXC | あり(USDT建て) | — |
| KuCoin | あり(USDT建て) | — |
| Binance | 現物ペアなし | Alpha扱いのみ。無期限先物は2025年11月6日に決済済み |
| Bitget | なし | 移行時に上場を告知したが現在は取扱いなし |
| OKX | なし | 現物・先物とも全件走査で該当なし |
| Coinbase | なし | — |
| 国内取引所(全社) | なし | JVCEA一覧に記載なし |
この表から読み取れることは明確です。世界最大手のBinanceとCoinbaseは現物を扱わず、日本語対応で知られるBitgetもすでに取扱いをやめています。取引の場は中堅の取引所に限られるということです。「どこで買えるか」を調べる前に、「買う価値があるか」を考えるべき局面だと編集部は考えます。
旧AI16Zは、いま買ってもELIZAOSへ交換できません。配布の対象は2025年11月11日11:40(UTC)のスナップショット時点の残高に限られており、それ以降に取得した分は対象外とKrakenが明記しています(※4)。移行ポータルの受付期限も2026年2月4日に過ぎ、編集部が接続した限りポータル自体が開きません。それでも旧AI16Zはチェーン上に残っているため、DEXなどで売買できてしまいます。「ai16zの買い方」を案内する古い記事に従うと、交換できない残骸をつかむ結果になりかねません。購入を検討する場合は、必ずティッカーがELIZAOSであること、コントラクトが公式のもの(Solanaは DuMbhu7mvQvqQHGcnikDgb4XegXJRyhUBfdU22uELiZA)であることをご確認ください。
日本から買う場合の基本の3ステップ
それでも購入を検討する場合、次の3ステップが基本の流れになります。国内取引所が扱っていない以上、海外取引所を経由する以外の方法はありません。
- 国内取引所で暗号資産を購入|日本円でビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、送金しやすい銘柄を買う
- 海外取引所へ送金|ELIZAOSを扱う海外取引所の自分の口座へ送る。初回は必ず少額でテスト送金する
- ELIZAOSへ交換|USDTなどに替えたうえで、ELIZAOS/USDTのペアで購入する
国内取引所の選び方は国内取引所ランキングを、送金に使うUSDTの入手手順はUSDTの買い方もあわせてご覧ください。


なお編集部が主に使っている海外取引所はBitgetですが、前掲のとおりBitgetは2026年7月時点でELIZAOSを扱っていません。この銘柄の購入には使えないということです。忖度なく書けば、日本語で使える主要な取引所が扱いをやめている事実そのものが、この銘柄に対する市場の評価だと受け止めています。Bitgetは主要銘柄を日本語環境で取引する用途では選択肢の1つになりますが、ELIZAOS目当てで口座を開いても目的は果たせません。
\日本語対応・主要銘柄の取引はこちらから/
ICHIZEN Capitalの視点|係争中の訴訟と、「開発は生きている」の読み方
ここからは、上位の解説記事がほとんど触れていない論点を扱います。米国で係属している集団訴訟、日本の税務、そして「開発は活発なのにトークンだけが下げ続けている」という構図の読み方です。どれも日本語の情報がほぼ存在しない領域になります。
米国で集団訴訟が係属中|日本語圏でほぼ報じられていない
最も重要な論点から書きます。2026年4月20日、創設者のShaw Walters氏らを被告とする集団訴訟がニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所へ提起されました。編集部は米国の裁判所記録の検索サービスで、事件の実在を直接確認しています(※8)。
| 項目 | 内容(2026年7月時点) |
|---|---|
| 事件名 | Pikabea v. Walters |
| 事件番号 | 1:26-cv-03238 |
| 裁判所 | ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所(S.D.N.Y.) |
| 提訴日 | 2026年4月20日 |
| 被告 | Shaw Walters氏、Sebastian Quinn-Watson氏、Eliza Labs Inc.、AI16Z DAO ほか |
| 状態 | 係争中(主張は認定された事実ではない) |
原告側の主な主張は、AIエージェントが自律的に動いているとされていたが実際には人間が操作していた、a16zのブランドを不当に利用した、スワップによって既存保有者の持ち分が薄められたといった内容だと報じられています(※9)。本記事で検算した「保有者60%・財団側40%」という配分構造は、訴状が問題視する数字と一致します。
ただしここは慎重に扱うべきです。これらはあくまで原告の主張であり、裁判所が認定した事実ではありません。提訴された事実と、主張が正しい事実は別物です。編集部が確認できたのは「訴訟が実在し、係争中である」という点までになります。投資判断においては、結論が出ていない不確実性が存在すること自体をリスクとして数えるのが妥当でしょう。
あわせてEliza Labs自身が原告となっている訴訟も存在します。同社はX社(旧Twitter)を相手取り、2025年8月にカリフォルニア州北部地区、同年10月にテキサス州北部地区でそれぞれ提訴しています(※8)。攻守どちらの立場でも法廷に立っているという状況です。
税金|話題の「20%分離課税」の対象にならない
「暗号資産の税金が20%になる」という話を耳にした方は多いはずです。しかしELIZAOS(旧ai16z)は、その20%分離課税の対象にならない公算が大きい銘柄です。ここは手取り額が大きく変わりうるポイントになります。
令和8年度税制改正の大綱では、金融商品取引法等の改正を前提に、「特定暗号資産」の譲渡等による所得へ20%(所得税15%・住民税5%)の申告分離課税を適用する措置が示されました。ただし対象となるには、次の2つを満たす必要があります(※10)。
- (a) その暗号資産が金融商品取引業者登録簿に登録されていること
- (b) 譲渡等が暗号資産取引業(仮称)を行う者に対するものであること
ELIZAOSは国内で1社も取扱いがないため(a)を満たしません。さらに売買の場が海外取引所やDEXになるため、(b)も満たしません。つまり2つの要件を両方とも外すことになり、従来どおり雑所得・総合課税の対象です。他の所得と合算して5〜45%、住民税を含めると最大約55%の税率が適用されます。
この銘柄に固有の注意点として、スワップの税務上の扱いがあります。暗号資産どうしの交換は、日本では原則として課税対象の取引に当たります。AI16ZからELIZAOSへの移行が「交換」に当たると判断されれば、移行した時点で損益を認識する必要が生じうるということです。取引所が自動で処理したため、本人に取引した意識がないまま処理が済んでいる点が厄介になります。今回のような銘柄固有の事例は個別性が高いため、判断は必ず税理士へご相談ください。暗号資産の税金の全体像は仮想通貨の税金の記事で詳しく解説しています。



税務・事業者の視点で補足します。この銘柄でいちばん見落とされやすいのが、取引所が自動でスワップを処理した点です。ご自身では何もしていないのに、口座の中でAI16Zが6倍の枚数のELIZAOSに入れ替わっています。暗号資産どうしの交換は日本では原則として課税対象の取引に当たりますから、これが「交換」と判断されれば、その時点で損益を認識する必要が生じえます。売っていないのに申告が必要になりうる、という話です。しかも国内未上場なので20%の分離課税は使えず、雑所得のまま最大約55%になります。海外取引所には年間取引報告書もありません。移行の履歴が残っている方は、いま取引所から取引明細をダウンロードしておいてください。時間が経つほど取り出しにくくなります。判断に迷う場合は税理士へのご相談をおすすめします。
開発は今日も動いている|それでも編集部が慎重な理由
ここまで厳しい数字を並べてきましたが、公平に評価すべき点もはっきり書いておきます。elizaOSの開発は、止まっていません。
編集部がGitHubを確認したところ、中核のリポジトリ「elizaOS/eliza」は18,748個のスターと5,576件のフォークを集めており、最新の更新は本記事の調査当日に行われていました(2026年7月時点・※11)。ライセンスはMITで、公開が停止された形跡もありません。「AIエージェントを作るためのオープンソースの基盤」としては、実際に使われ、開発が続いているということです。
つまりこの銘柄で起きているのは「プロジェクトの消滅」ではありません。起きているのは、製品開発とトークン価格の乖離です。ソフトウェアが評価されることと、トークンの保有者が報われることは、別の話だという構図になります。実際、公式サイトを見てもトークンやコントラクトアドレスの記載は見当たりません(2026年7月時点)。製品とトークンを切り離す方向に動いているようにも読めます。
- 開発が継続している|GitHubは18,748スター・5,576フォーク。調査当日にも更新があり、MITライセンスで公開が続く(実測)
- マルチチェーン化を実装済み|Solana・Ethereum・Base・BNBチェーンへ展開。4チェーンの合計が上限110億枚と一致し、設計どおり動いている(実測)
- スワップの条件を事前に開示|比率1:6・リデノミ1:10・差分の使途を公式が明記していた
- 主要取引所が自動処理した|Binance・Kraken・Crypto.comなどが保有者に代わって交換を実施し、多くの保有者は作業不要だった
- スワップ調整後で約99.9%下|回復には約950倍が必要。移行後の8か月余りでも約95.8%下げ、安値は2026年7月14日とごく直近(実測)
- 持ち分の40%が希薄化|移行後の総供給110億枚のうち、旧保有者の取り分は60%にとどまる
- 取引の場が細っている|Binance・Coinbaseは現物を扱わず、Bitgetは取扱いを終了。時価総額は約324万ドル(実測)
- 集団訴訟が係争中|2026年4月提訴・S.D.N.Y.。結論は出ていない(主張は未認定)
- 旧AI16Zの残骸が流通し続けている|交換できないトークンを誤って買う導線が、古い記事とともに残っている(実測)
- 国内取引所の取扱いはゼロ|20%分離課税の対象外で、雑所得・総合課税のまま最大約55%
編集部の結論を忖度なく書きます。「ai16zとは」で検索してこの銘柄にたどり着いた方にとって、いま最も価値がある情報は買い方ではなく、「そのティッカーはもう存在しない」という事実です。すでに旧AI16Zをお持ちなら、期限が切れている以上できることは残念ながら多くありません。これから投資対象として検討する場合は、時価総額約324万ドル・大手取引所の取扱い縮小・係争中の訴訟という3点を、価格の安さと同じ重さで見るべきだと考えます。



数字だけ見れば、最高値から950倍の回復が必要という銘柄です。正直なところ、値幅取りの対象として編集部が積極的に勧められるものではありません。ただ、この銘柄が残した教訓には価値があります。テーマ相場の主役だったトークンが、1年半でこうなるという実例だからです。開発が続いていても、トークンの価格がそれに連動する保証はどこにもありません。AIエージェント関連に投資するなら、「そのトークンは製品の成長を受け取れる設計になっているのか」を必ず確認してください。今回は、そこが切り離されていました。
よくある質問
ai16zとは何ですか?
AIエージェントを作るためのオープンソース基盤「elizaOS」を支えていたトークンの旧名です。2024年10月にdaos.fun上のAI主導型の投資DAOとして始まり、「Marc AIndreessen」というAIエージェントが投資判断を担う建て付けで注目を集めました。開発主体はEliza Labsで、創設者はShaw Walters氏です。重要なのは、これがすでに過去形だという点になります。2025年11月6日にelizaOS(ティッカー:ELIZAOS)へトークンスワップが実施され、AI16Zというティッカーは主要な取引所から姿を消しました。
ai16zとelizaOS(ELIZAOS)は同じものですか?
元は同じプロジェクトですが、トークンとしては別物です。混乱しやすいのは改名が2段階で進んだためになります。2025年1月にプロジェクト名だけがai16zからelizaOSへ変わり、このときティッカーはAI16Zのまま据え置かれました。その後2025年11月6日に、コントラクトごと入れ替わる本物のトークンスワップが行われ、ティッカーがELIZAOSになっています。「名前が変わっただけでトークンは同じ」という説明は、2025年1月の第1段階までしか正しくありません。
今持っているai16zはどうなりますか?交換の手続きは必要ですか?
Binance・Kraken・Crypto.comなどの取引所に預けたままだった場合は、取引所が自動で1 AI16Z→6 ELIZAOSの比率で交換済みのため、手続きは原則不要でした。口座の残高がELIZAOSに変わっているかご確認ください。問題は自分のウォレットで保管していた場合です。公式の移行ポータルは2026年2月4日で受付を終え、編集部が2026年7月に接続を試みたところ証明書エラーで開きませんでした。編集部が確認した範囲で期限後の救済措置は公表されておらず、いまから交換できると期待できる材料は見当たりません。
今からai16z(AI16Z)を買っても大丈夫ですか?
おすすめできません。ELIZAOSの配布対象は2025年11月11日11:40(UTC)のスナップショット時点の残高に限られ、それ以降に取得したAI16Zは対象外だとKrakenが明記しています。つまり今から買っても交換できません。にもかかわらず旧AI16Zのコントラクトはチェーン上に残っているため、DEXなどで売買できてしまいます。24時間の出来高は約3,566ドルで、市場として機能している水準ではありません。購入するならティッカーがELIZAOSであることを必ず確認してください。
ai16zはなぜ暴落したのですか?
単一の原因ではなく、3つの要因が重なっています。第一にテーマ相場の終焉です。最高値2.47ドルを付けた2025年1月2日はAIエージェント相場が最も加熱した時期で、物色対象が移ると支えを失いました。第二に供給の希薄化で、移行後の総供給110億枚のうち40%にあたる44億枚が新たに財団側へ割り当てられています。第三に取引の場の縮小です。Binanceは現物ペアを持たず、Bitgetは取扱いを終了しました。なお暴落は移行前で終わっておらず、移行後の8か月余りでも約95.8%下げています。
ai16zの最高値(ATH)はいくらですか?チャートはどこで見られますか?
旧AI16Zの過去最高値は2.47ドルで、2025年1月2日に記録しました。現在のチャートはCoinGeckoやCoinMarketCapで「ELIZAOS」として確認できます。ただし比較には注意が必要です。1枚が6枚になったため、最高値と現在価格を単純に比べると下落率がずれます。1:6で調整すると最高値は1枚あたり約0.4117ドル相当で、現在の約0.00043328ドルは約99.9%下、回復には約950倍が必要な計算です。なおCoinGeckoのELIZAOS欄に表示される最高値は明らかな異常値で、参考になりません。
ai16z(ELIZAOS)は日本の取引所で買えますか?
買えません。2026年7月時点で、JVCEAが公表する取扱暗号資産の一覧(2026年7月15日付)の原本に「AI16Z」「ELIZAOS」「eliza」「エリザ」のいずれも記載がないことを編集部が確認しました。bitFlyer・GMOコイン・bitbank・Coincheckのいずれも取り扱っていないことも公開APIで実測しています。購入するには国内取引所でビットコイン等を買って海外取引所へ送金し、ELIZAOSに交換する流れになります。国内未上場のため、20%の申告分離課税の対象にもなりません。
ai16z(ELIZAOS)はBinanceやBitgetで買えますか?
どちらも現物では買えません。編集部が各取引所自身の公開APIを全銘柄走査した結果、Binanceに現物ペアは存在せず、Alpha扱いにとどまります。無期限先物のAI16ZUSDTは2025年11月6日に決済されました。Bitgetは移行時に上場を告知しましたが、2026年7月時点では現物・先物とも取扱いがありません。OKXとCoinbaseも扱っていません。2026年7月時点で現物を扱うのはGate・Bybit・Kraken・MEXC・KuCoinで、出来高が最も大きいのはGateです。
ai16zとa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)は関係がありますか?
関係ありません。「ai16z」という名前は著名ベンチャーキャピタルのa16zをもじった冗談で、AIエージェント「Marc AIndreessen」が投資判断を担うという建て付けに由来します。両者に資本関係や提携はありません。むしろ改名の原因がa16z側でした。a16z cryptoのマネージングパートナーであるChris Dixon氏が「私たちはAI16zとは関係がない。改名を求めた。少し混乱を生んでいたからだ」という趣旨の説明をしており、これを受けて2025年1月にelizaOSへ改称されています。なおelizaOSという名は1960年代のチャットボット「ELIZA」に由来します。
ai16z(ELIZAOS)に訴訟リスクはありますか?
係争中の集団訴訟が存在します。2026年4月20日、創設者のShaw Walters氏らを被告とする訴訟がニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所へ提起されました(Pikabea v. Walters、事件番号1:26-cv-03238)。編集部は米国の裁判所記録で事件の実在を直接確認しています。原告はAIエージェントの自律性に関する説明やスワップによる持ち分の希薄化などを問題として主張していると報じられています。ただしこれらは原告の主張であって、裁判所が認定した事実ではありません。結論が出ていない不確実性がある、という理解が正確です。
ai16z(ELIZAOS)の利益に税金はかかりますか?20%になりますか?
かかります。20%にはならない公算が大きい銘柄です。令和8年度税制改正の大綱が示す20%の申告分離課税は「特定暗号資産」に限られ、①金融商品取引業者登録簿に登録されていること、②譲渡等が暗号資産取引業を行う者に対するものであること、の2要件が必要になります。ELIZAOSは国内取扱いがなく売買も海外のため、どちらも満たしません。雑所得・総合課税で最大約55%です。加えてAI16ZからELIZAOSへの移行が「交換」に当たると判断されれば、移行時点で損益を認識する必要が生じうる点にご注意ください。具体的な判断は税理士へご相談ください。
ai16z(ELIZAOS)の将来性は?今後どうなりますか?
断定はできませんが、数字は厳しい状況を示しています。時価総額は約324万ドル(約5億2,504万円)で1,862位前後、移行後の安値を付けたのが2026年7月14日とごく直近です(2026年7月時点)。BinanceやCoinbaseは現物を扱わず、Bitgetは取扱いを終了しました。一方で公平に見るべき点もあります。GitHubのelizaOS/elizaは18,748スターを集め、調査当日にも更新がありました。開発は続いています。ただし製品が評価されることと、トークン保有者が報われることは別の話です。実際、公式サイトにトークンの記載は見当たりません。
まとめ|ai16zというティッカーは、もう存在しない
ai16zは、AIエージェントを作るためのオープンソース基盤「elizaOS」を支えていたトークンの旧名です。2024年10月にdaos.fun上のAI主導型の投資DAOとして始まり、a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)をもじった名前で注目を集めました。ただしその名前は、すでに使われていません。
本記事で最も伝えたいのは、改名が2段階で進み、2025年11月6日にティッカーごと入れ替わるトークンスワップが完了しているという点です。2025年1月の第1段階では名前だけが変わり、トークンはAI16Zのまま据え置かれました。日本語の解説記事の多くは、ここで更新が止まっています。交換比率は1 AI16Z→6 ELIZAOSで、供給のリデノミは1:10——差分の4枚は財団のGenerative Treasuryへ入り、移行後の総供給110億枚のうち旧保有者の取り分は60%にとどまりました。
実測から見えたのは厳しい現在地です。移行ポータルは2026年2月4日に受付を終え、編集部が接続を試みると証明書エラーで開きません。それでも旧AI16Zのコントラクトはチェーン上で生きており、発行枚数もスワップ前と1枚も変わっていません。24時間の出来高はわずか約3,566ドル。交換できると仮定した場合の価値の約15%でしか取引されておらず、市場はすでに「交換できないこと」を織り込んでいます。Krakenが旧AI16Zのペアを手仕舞い専用として残していることも、その裏付けになります。
価格は1:6で調整すると最高値2.47ドル(2025年1月2日)から約99.9%下、回復には約950倍が必要です。移行後の8か月余りでも約95.8%下げ、安値を付けたのは2026年7月14日とごく直近でした。4チェーンの発行枚数を合計すると10,999,985,446.78枚となり、上限110億枚とほぼ完全に一致します。CoinGeckoの総供給量はSolana分しか数えておらず、FDVも過小でした。大手サイトの数字でも、チェーンで裏を取ると食い違うことがあるという一例です。
日本の投資家にとっては国内取引所の取扱いがゼロで、20%申告分離課税の対象にならず雑所得・総合課税で最大約55%のままになる公算が大きいと考えられます。米国では集団訴訟が係争中で、結論は出ていません。一方でGitHubの開発は今日も動いています。この銘柄が示しているのは「プロジェクトの消滅」ではなく、製品開発とトークン価格の乖離です。AIエージェント関連に投資するなら、そのトークンが製品の成長を受け取れる設計になっているのかを確かめること——それが、この銘柄から得られる最も実用的な教訓ではないでしょうか。
参考文献
1. elizaOS 公式「The Breakdown: $ai16z → $elizaOS」(移行の一次資料。「Migration portal go-live: 90 days, from 18:00 UTC November 6th 2025 – February 4th 2026」「Whitelist snapshot : 11:40 UTC November 11th 2025」「Total supply: network redenomination 1:10」「Holder swap: 1 $ai16z → 6 $elizaOS. The other 4 $elizaOS are put to work.」「These tokens are a direct contribution to the new Generative Treasury」「the $elizaOS total supply will gradually expand from 6.6B to 11B (+40%), with circulating supply increasing by 882M, from 6.6B to 7.4B (approx. +13%) immediately」「移行ポータル=https://migrate.elizafoundation.ai/」である旨を2026年7月16日に確認。なお「6.6B→11B」の増加率は検算すると+66.7%であり、+40%は新総供給に占める追加分の割合に当たる)https://paragraph.com/@elizaos/the-breakdown-ai16z-elizaos
2. Unchained「ai16z Is Rebranding as ElizaOS After Request From Venture Firm a16z」(a16z cryptoのChris Dixon氏が改名を要請した経緯と「We were not connected with AI16z…We’ve asked them to. It just was creating a little bit of confusion.」との発言。2026年7月16日確認)https://unchainedcrypto.com/ai16z-is-rebranding-as-elizaos-after-request-from-venture-firm-a16z/
3. The Block「Eliza Labs migrating from ‘experimental’ ai16z token to elizaOS for AI agent platform」(2025年1月の第1段階では名称のみ変更しティッカーは据え置き・新トークンを発行しないと創設者が明言していた旨、および第2段階の1:6スワップ、Shaw Walters氏の「With ElizaOS v2, we’ve moved from an experimental sandbox to production-ready infrastructure」との発言。2026年7月16日確認)https://www.theblock.co/post/371639/eliza-labs-ai16z-elizaos-token-migration
4. Kraken「Notice of AI16Z migration」(交換比率「1 AI16Z : 6 ELIZAOS (based on snapshot balances only)」、スナップショット「Nov 11, 2025 @ 11:40 UTC」、配布「Friday, Dec 19 @ 3:00 PM UTC」、およびスナップショット後に取得したAI16Zは配布対象外である旨。2026年7月16日確認)https://support.kraken.com/articles/ai16z-migration
5. 編集部による実測(2026年7月16日)。①移行ポータル migrate.elizafoundation.ai:DNSは解決し443番ポートも応答するが、TLS証明書がホスト名と一致せずHTTPSで閲覧不可。②Solana JSON-RPC(getTokenSupply):旧AI16Z(HeLp6NuQkmYB4pYWo2zYs22mESHXPQYzXbB8n4V98jwC)=1,099,897,292.02枚/ELIZAOS(DuMbhu7mvQvqQHGcnikDgb4XegXJRyhUBfdU22uELiZA)=9,326,084,616.83枚。③EVM eth_call(totalSupply/symbol=elizaOS/decimals=9、コントラクト 0xea17Df5Cf6D172224892B5477A16ACb111182478):BNBチェーン=1,613,543,615.85枚/Base=41,384,724.09枚/Ethereum=18,972,490.01枚。Ethereum・Baseは publicnode と drpc の2ノードで同一値を再現。4チェーン合計=10,999,985,446.78枚(上限110億枚との差は14,553枚=0.0001%)。④各取引所の公開APIを全銘柄走査:Bybit spot=ELIZAOSUSDT(Trading)・linearに該当なし/Gate=ELIZAOS_USDT(tradable・24時間出来高約74万ドル)/Kraken=ELIZAOS/USD・ELIZAOS/EUR(online)、AI16Z/USD・AI16Z/USDC・AI16Z/USDT(いずれも cancel_only)/MEXC=ELIZAOSUSDT/KuCoin=ELIZAOS-USDT/Binance=現物に該当なし・先物AI16ZUSDTは status=SETTLING(deliveryDate=2025年11月6日9時UTC)/Bitget=現物1,190件・USDT建て先物702件に該当なし/OKX=現物・SWAPとも該当なし/Coinbase=該当なし。⑤国内4社:bitFlyer `v1/markets`/GMOコイン `public/v1/ticker`(全30銘柄)/bitbank `ai16z_jpy`・`elizaos_jpy`=ペア不存在/Coincheck `rate/ai16z_jpy`・`rate/elizaos_jpy`=Invalid pair(いずれも btc_jpy は取得可=対照実験)
6. CoinGecko「ElizaOS (ELIZAOS)」および「ai16z (AI16Z)」(価格・時価総額・順位・出来高・循環供給量・総供給量・過去最高値。2026年7月16日にAPIで取得。ELIZAOS=0.00043328ドル/時価総額3,239,349ドル/1,862位/24時間出来高1,796,944ドル/循環供給7,482,200,000枚。旧AI16Z=0.00038473ドル/時価総額424,855ドル/3,779位/24時間出来高3,566.61ドル/過去最高値2.47ドル〈2025年1月2日〉。価格はBybit〈ELIZAOSUSDT 0.0004314〉・Gate〈ELIZAOS_USDT 0.000431〉の公開APIとも整合を確認。日次チャートAPIにより移行後の始値=0.01015757ドル〈2025年11月7日〉・高値=0.01034554ドル〈2025年11月19日〉・安値=0.00040694ドル〈2026年7月14日〉を確認。※CoinGeckoが表示するELIZAOSの総供給量9,325,838,132枚はSolana分のみの計上であり、4チェーン実測合計〈約110億枚〉と一致しない。同サイトのELIZAOSの過去最高値〈10,859,692ドル〉は移行初日の価格フィードの異常値であり、本記事では採用していない)https://api.coingecko.com/api/v3/coins/elizaos
7. 日本暗号資産取引業協会(JVCEA)「取扱い暗号資産に関する情報」(2026年7月15日付の原本〈20260715.xlsx〉を直接取得し、「AI16Z」「ai16z」「ELIZAOS」「elizaOS」「eliza」「エリザ」「イライザ」のいずれも記載が無いことを確認。既知の掲載銘柄〈ビットコイン13件・イーサリアム26件・リップル・ソラナ〉がヒットすることで検索方法の妥当性も検証済み=陽性対照。2026年7月16日確認)https://jvcea.or.jp/statistics/document/assets/
8. CourtListener(米国の裁判所記録データベース)(「Pikabea v. Walters」事件番号1:26-cv-03238/ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所/2026年4月20日提訴の実在をAPIで直接確認。あわせて「Eliza Labs, Inc. v. X Corporation」3:25-cv-07243〈カリフォルニア州北部地区・2025年8月27日〉および4:25-cv-01208〈テキサス州北部地区・2025年10月28日〉の実在も確認。2026年7月16日確認)https://www.courtlistener.com/?q=%22Pikabea+v.+Walters%22
9. Cryptopolitan「ai16z/elizaOS creators sued over fake AI hype」(集団訴訟における原告の主張の概要。AIエージェントの自律性に関する説明、a16zブランドの利用、スワップによる持ち分の希薄化等を争点として原告が主張している旨。いずれも未認定の主張。2026年7月16日確認)https://www.cryptopolitan.com/ai16z-elizaos-creators-sued-fake-ai-hype/
10. 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(p.23「特定暗号資産」の譲渡等に係る20%〈所得税15%・個人住民税5%〉の申告分離課税の創設/「金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等に限る」「暗号資産取引業(仮称)を行う者に対して」譲渡等をした場合という要件/適用は「金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日」以後である旨。2026年7月16日に原文を確認)https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/20251226taikou.pdf
11. GitHub「elizaOS/eliza」(スター18,748・フォーク5,576・MITライセンス・archived=false・説明「Open source agentic operating system」・作成2024年7月9日・最終更新2026年7月16日であることをAPIで取得。2026年7月16日確認)https://github.com/elizaOS/eliza
12. elizaOS 公式ドキュメント「Tokenomics」(循環供給量「7,482,200,000 (as of November 11, 2025)」、コントラクトアドレス〈SVM: DuMbhu7mvQvqQHGcnikDgb4XegXJRyhUBfdU22uELiZA/EVM: 0xea17Df5Cf6D172224892B5477A16ACb111182478〉、対応チェーン〈Solana・Ethereum・Base・BSC/CCIP enabled day one〉、追加供給の使途〈607M tokens for liquidity & listings/275M of Protocol Owned Liquidity/残りはFoundation・Treasury〉およびベスティング条件。2026年7月16日確認)https://docs.elizaos.ai/tokenomics
13. 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(暗号資産同士の交換を含む所得区分および収入金額の計算の考え方。2026年7月16日確認)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)・取引所への投資を勧誘するものではありません。価格・時価総額・出来高・各取引所の取扱い銘柄・スマートコントラクトの仕様・トークン移行の受付状況は変動し、制度・税務の取扱いは変更される場合があるため、最新の情報は公式サイトおよび金融庁・国税庁の情報でご確認ください。本記事で触れた訴訟に関する記述は、原告が提起した未認定の主張および事件の係属状況を示すものであり、被告の責任を認定するものではありません。税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。暗号資産取引にはリスクが伴い、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。








