オプション取引のホイール戦略とは?仕組み・やり方・必要資金・リスクと暗号資産での活用を忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • ホイール戦略はCSP(プット売り)とカバードコールを繰り返す「プレミアム回収マシン」
    • 安く買いたい価格でプット売り → 割り当てられたらカバードコール → 売却後またプット売りの循環
    • 米国では「Triple Income Strategy」とも呼ばれ、年率15〜20%が現実的な目安とされる
  • 必要資金と銘柄選びが成否を分ける
    • 株式なら最低5,000ドル〜、意味のある月次収入には25,000ドル以上が目安
    • ブルーチップ・高配当・株価30〜300ドル帯の銘柄が適しており、低位株やボラティリティ過大な銘柄は避ける
  • 暗号資産でもホイール戦略は実行可能、ただしリスクは株式の比ではない
    • Deribit(世界シェア85%超)やBybit・BitgetでBTC/ETHオプション取引が可能
    • ボラティリティが極端に大きいため、資金管理とポジションサイズの厳格なルールが不可欠
  • 税金は種類と市場で大きく異なる
    • 国内株オプションは申告分離課税20.315%、海外株・暗号資産オプションは雑所得で最大55%
    • 利益が出た年の確定申告は必須、損益通算のルールも市場ごとに異なる
木田 陽介

ホイール戦略は「欲しい株を安く仕込みながらプレミアムを稼ぐ」仕組みなので、投資初心者から中級者の方にもイメージしやすい戦略です。ただし暗号資産に持ち込む場合はボラティリティが桁違いなので、株式で感覚をつかんでから移行するのが現実的。無理にレバレッジを効かせず、資金管理を最優先にしてください。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

ホイール戦略(Wheel Strategy)とは?基本情報

ホイール戦略とは、キャッシュ・セキュアード・プット(CSP)とカバードコールを交互に繰り返し、プレミアム(オプション料)を継続的に回収するオプション取引戦略です。日本では「ターバイカバコホイール戦略」とも呼ばれ、大阪取引所(JPX)の学習コンテンツでも紹介されています(※1)。

名前の由来は、CSP → 株式取得 → カバードコール → 株式売却 → 再びCSPという流れが「車輪(Wheel)」のように循環することにあります。米国では「Triple Income Strategy」とも呼ばれ、プット売りプレミアム・コール売りプレミアム・保有中の配当金という3つの収入源を同時に狙える点が特徴です。

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項目内容
戦略名ホイール戦略(Wheel Strategy)/ターバイカバコホイール戦略
構成要素キャッシュ・セキュアード・プット(CSP)+ カバードコール
収入源プット売りプレミアム・コール売りプレミアム・配当金(株式の場合)
適した市場環境レンジ相場〜緩やかな上昇相場
年率の目安15〜20%(銘柄・市場環境による)
必要資金(株式)最低5,000ドル〜、意味のある収入には25,000ドル以上
対象資産個別株・ETF・暗号資産(BTC/ETHオプション)
難易度中級(CSPとカバードコールの理解が前提)

ホイール戦略の仕組み|4ステップの循環

ホイール戦略は4つのステップで構成されます。1周が終わるとまたステップ1に戻り、車輪のように回し続けるのが基本的な運用方法です。

この章の内容
  • ステップ1:キャッシュ・セキュアード・プット(CSP)を売る
  • ステップ2:プットが行使されたら株式を取得
  • ステップ3:カバードコールを売る
  • ステップ4:コールが行使されたら株式を売却、ステップ1に戻る

ステップ1:キャッシュ・セキュアード・プット(CSP)を売る

まず、保有したいと思える銘柄のプットオプションを、現在価格よりやや低い行使価格(OTM)で売ります。このとき、行使されて100株を買い取ることになっても対応できるだけの現金を口座に確保しておきます。これが「キャッシュ・セキュアード」の意味です。

プット売りの時点でプレミアムを受け取れます。満期までに株価が行使価格を下回らなければ、オプションは消滅し、受け取ったプレミアムがそのまま利益になります。その場合はステップ1に戻り、新たなプットを売ります。

ステップ2:プットが行使されたら株式を取得

株価が行使価格を下回って満期を迎えた場合、プットが行使(アサイン)され、行使価格で100株を買い取る義務が発生します。ただし、すでにプレミアムを受け取っているため、実質的な取得コストは「行使価格 − 受取プレミアム」になります。

たとえば行使価格50ドルのプットを1.50ドルで売った場合、実質取得コストは48.50ドルです。これは「もともと欲しかった株を割安で仕込めた」状態であり、ホイール戦略のメリットの一つです。

ステップ3:カバードコールを売る

株式を保有したら、次は保有株に対してコールオプションを売ります(カバードコール)。行使価格は取得コスト以上、かつOTMに設定するのが基本です。ここでもプレミアムを受け取れます。

コールが行使されなければプレミアムを受け取って再びカバードコールを売り、保有株からの配当も受け取り続けます。満期ごとにプレミアムが積み上がるため、株価が横ばいでも収益が発生するのが特徴です。

ステップ4:コール行使で株式を売却 → ステップ1に戻る

株価が行使価格を上回って満期を迎えると、コールが行使されて100株を行使価格で売却します。売却益+プレミアム+配当が手元に残ります。

株式がなくなったら再びステップ1に戻り、CSPを売って次のサイクルを回します。この一連の流れを繰り返すことで、相場が大きく動かなくてもプレミアムと配当で収益を積み上げていけるのがホイール戦略の本質です。

ホイール戦略に必要な資金と銘柄選び

ホイール戦略で最も重要なのは「どの銘柄に、いくらの資金で仕掛けるか」です。銘柄と資金の選定を誤ると、プレミアム収入ではカバーしきれない損失が発生します。

必要資金の目安

ホイール戦略はCSPの時点で100株分の現金担保が必要です。たとえば株価50ドルの銘柄なら5,000ドル(約75万円)、200ドルの銘柄なら20,000ドル(約300万円)が1ポジションあたりの担保として拘束されます。

実用的な目安としては、最低5,000〜10,000ドル(約75〜150万円)でスタートし、意味のある月次収入を得るには25,000ドル(約375万円)以上が推奨されます(※2)。25,000ドルあれば2〜4銘柄に分散しながらホイールを回せるため、1銘柄の急落リスクを分散できます。

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投入資金月間プレミアム収入の目安運用の現実感
10,000ドル(約150万円)70〜130ドル(約1〜2万円)学習・練習向き。1銘柄のみ
25,000ドル(約375万円)180〜300ドル(約2.7〜4.5万円)2〜3銘柄に分散可能。副収入として実感できる
100,000ドル(約1,500万円)700〜1,200ドル(約10〜18万円)本格運用。セクター分散も可能

上記は月利1〜3%をベースにした概算です。実際の収益はIV(インプライド・ボラティリティ)や銘柄の流動性、行使価格の選び方で大きく変動します。

銘柄選びの5つの基準

ホイール戦略の銘柄選びは「値下がりしても保有したい銘柄」を選ぶのが鉄則です。プレミアムの高さだけで選ぶと、急落時に塩漬けになるリスクがあります。以下の5つの基準で絞り込みましょう。

  1. 株価30〜300ドル帯:資金効率と分散のバランスが良い。5ドル未満の低位株はスプレッドが広く、ファンダメンタルズも不安定
  2. オプションの流動性が高い:売買のスプレッドが狭く、約定しやすい銘柄を選ぶ。S&P500構成銘柄やメジャーETF(SPY・QQQ・IWMなど)が代表例
  3. 配当がある:保有期間中に配当を受け取れるため、プレミアムに加えた「第3の収入」になる
  4. ファンダメンタルズが健全:15〜20%下落しても長期で回復が期待できる大型株が最適。ミーム株や赤字企業は避ける
  5. 決算期を意識する:決算直後はIVが急落するため、決算をまたぐ期間のオプションはプレミアムが歪みやすい

ホイール戦略のメリット・デメリット

ホイール戦略のメリット
  • 3つの収入源(プット売りプレミアム・コール売りプレミアム・配当)で複合的に収益を得られる
  • 相場が横ばい〜緩やかな上昇でも利益が出る(方向性に依存しにくい)
  • CSPにより実質的に「割安で株を仕込む」形になり、取得コストを下げられる
  • ルールが明確で再現性が高く、機械的に運用しやすい
  • グリークス(デルタ・ガンマ等)の深い理解がなくても始められる
ホイール戦略のデメリット・リスク
  • 株価が急落した場合、プレミアムではカバーしきれない含み損を抱える
  • カバードコール中に株価が急騰すると、利益がキャップされ大きな上昇益を逃す
  • 100株単位の現金担保が必要なため、資金拘束が大きい
  • 暴落相場では「CSPで高値掴み → カバードコールが機能しない」の悪循環に陥る
  • 売買タイミングの判断は裁量が入るため、完全な「放置運用」にはならない

最大のリスクは原資産の急落です。たとえば株価が20〜30%下落した場合、受け取ったプレミアムではとても補填できず、カバードコールの行使価格を取得コスト以上に設定できなくなります。この「塩漬け」状態を避けるためにも、銘柄選びの段階で「下がっても保有し続けたい銘柄」を選ぶ原則が重要です。

逆に、大きな上昇局面ではカバードコールの行使価格で利益がキャップされるため、買い持ち(バイ・アンド・ホールド)に劣後する場面もあります。ホイール戦略は「爆発的なリターンより、安定的なプレミアム収入を重視する方に向いている戦略」と言えるでしょう。

ホイール戦略の具体的なやり方|実践ステップ

ここでは米国株オプションを例に、ホイール戦略を実際に始めるための手順を解説します。日本の個別株オプション(かぶオプ)でも基本の流れは同じです。

手順1:証券口座を開設しオプション取引を有効化

まずオプション取引に対応した証券口座を開設します。米国株オプションならサクソバンク証券やインタラクティブ・ブローカーズ(IB)、日本の個別株オプション(かぶオプ)ならSBI証券が代表的です。

口座開設時にオプション取引の承認(レベル1〜2)を申請します。CSPとカバードコールは「保守的な戦略」に分類されるため、承認のハードルは比較的低い傾向です。

手順2:銘柄を選定し、CSPの行使価格と満期を決める

前述の5つの基準で銘柄を選んだら、CSPの条件を決めます。行使価格はATM(現在値付近)から5〜10%下のOTMが基本です。満期は30〜45日が主流で、時間的価値の減衰(セータ)が加速するゾーンをうまく取る設計になっています。

行使価格を深いOTMにするほどアサインされにくくなりますが、プレミアムも小さくなります。「この価格なら100株買って保有しても構わない」と思える水準を行使価格にするのがホイール戦略の基本姿勢です。

手順3:アサインされたらカバードコールに切り替え

プットが行使されて100株を取得したら、今度はその株に対してカバードコールを売ります。行使価格は実質取得コスト以上に設定するのが原則です。取得コスト以下で売ると、差額が損失になるためです。

満期はCSPと同じく30〜45日が一般的ですが、7〜14日の短期で回す手法もあります。短期のほうがプレミアムの時間単価は高くなりますが、管理の手間が増えるため、ライフスタイルに合った期間を選びましょう。

手順4:コール行使で売却 → サイクルを繰り返す

カバードコールが行使されて株式が売却されたら、売却代金を使って再びCSPを売ります。この一連のサイクルを繰り返すことで、プレミアム収入を積み上げていきます。

もしカバードコールが行使されない場合は、プレミアムを受け取ってそのまま次のカバードコールを売ります。保有中は配当も受け取れるため、コールが行使されない期間も「無駄」にはなりません

暗号資産(仮想通貨)でのホイール戦略

ホイール戦略は株式だけでなく、暗号資産のオプション取引でも実行可能です。ただし、ボラティリティ・流動性・決済方式が株式とは大きく異なるため、単純にやり方をコピーするだけではうまくいきません。

暗号資産オプションが取引できるプラットフォーム

2026年7月時点で暗号資産オプションを取引できる主要なプラットフォームは以下の通りです。

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プラットフォーム特徴対応銘柄
Deribit暗号資産オプション世界最大手。OI(未決済建玉)シェア85%超。流動性が最も高いBTC・ETH・SOL等
Bybitヨーロピアンスタイル、USDC決済。UIが日本語対応BTC・ETH
Bitget簡易オプション(ライト版)を提供。初心者向けUIありBTC・ETH
SBI VCトレード国内唯一の暗号資産オプション提供(カバードコール・ターゲットバイイング)BTC

中でもDeribitは世界の暗号資産オプション取引の大半が集中しており、本格的にホイール戦略を回すなら流動性の面で最有力です(※3)。ただし、Deribitは日本の金融庁に未登録であり、利用は自己責任となります。

株式との違いと注意点

暗号資産でホイール戦略を実行する場合、株式との違いを理解しておく必要があります。

  • ボラティリティが桁違い:BTC/ETHは1日で10%以上動くことも珍しくありません。CSPのプレミアムは高くなりますが、急落時の含み損もその分大きくなります
  • 100株単位ではない:暗号資産オプションは1BTC=1枚単位など、株式の100株ルールとは異なります。必要資金はBTC価格に直結するため、BTC価格が高いと1枚あたりの担保も大きくなります
  • 現物受け渡しと差金決済:Deribitは差金決済(現金決済)のため、プット行使時に実際にBTCを受け取るのではなく差額がBTCで精算されます。「株式を保有してカバードコール」のフローとはやや異なります
  • 配当がない:暗号資産には配当がないため、ホイール戦略の「第3の収入源」がありません。収益はプレミアムのみに依存します
木田 陽介

暗号資産オプションでホイール戦略を回す場合、株式の感覚そのままでは火傷します。BTC/ETHのボラティリティは株式の3〜5倍ある前提で、ポジションサイズを小さめに調整するのが生き残るコツです。

ホイール戦略の注意点|失敗しないためのポイント

この章の内容
  • 暴落時に「塩漬け」になるリスクの回避策
  • 行使価格と満期の選び方
  • ホイール戦略が向かない場面

暴落時の塩漬けリスクへの対処

ホイール戦略最大のリスクは、CSPでアサインされた後に株価がさらに下落し、カバードコールが機能しなくなることです。行使価格を取得コスト以上に設定できなくなると、プレミアムの小さいコールしか売れず、回復に長い時間がかかります。

対処としては、①そもそも急落リスクの低い大型株を選ぶこと、②1銘柄に全資金を集中させないこと、③CSPの行使価格を深めのOTMに設定してアサイン確率を下げること、の3つが基本です。「プレミアムを多く取りたい」という誘惑に負けて、ATM付近のプットを売るのは初心者が陥りやすい失敗パターンです。

行使価格と満期の選び方

多くのホイールトレーダーが採用するのは満期30〜45日・デルタ0.2〜0.3のOTMという組み合わせです。この設定は時間的価値の減衰が加速し始めるゾーンに位置し、アサインされる確率を適度に抑えながらプレミアムを確保できます。

満期が長すぎると資金拘束が長引き、短すぎるとプレミアム単価が下がるうえに管理負担が増えます。最初は30〜45日で始めて、慣れてから短期(ウィークリー)も試すのが堅実な進め方です。

ホイール戦略が向かない場面

強い上昇トレンドの市場では、ホイール戦略は買い持ちに劣後します。カバードコールの行使価格で利益がキャップされるため、大きな上昇の恩恵を受けられないのです。2020〜2021年のような急騰相場では、単純に保有し続けたほうがリターンは大きくなります。

逆に、暴落相場ではCSPが次々とアサインされて含み損が拡大します。ホイール戦略はレンジ相場〜緩やかな上昇相場で最も威力を発揮する戦略であり、相場環境を見極めたうえで運用する判断力が求められます。

ICHIZEN Capitalの視点|ホイール戦略を暗号資産に持ち込む際のリアル

ICHIZEN Capitalは暗号資産歴8年以上のメンバーで構成された事業者です。ここでは、暗号資産の実運用を通じて感じるホイール戦略の現実的なポイントを整理します。

暗号資産のオプション市場はまだ発展途上です。株式市場のように銘柄が数千あるわけではなく、流動性のあるオプションが存在するのは実質的にBTCとETHの2銘柄だけ。Deribitの板を見ても、満期やストライクによっては注文が薄く、意図した価格で約定しないこともあります。

また、Deribitのオプションは差金決済(現金決済)のため、株式のホイール戦略のように「プット行使で現物を取得 → カバードコール」という流れを完全に再現することはできません。差金決済の場合、CSPの損益は差額で精算されるため、「割安で仕込む」というニュアンスが株式とは異なります。

それでも暗号資産のIVは株式より遥かに高いため、プレミアムの絶対額は大きくなります。BTC価格10万ドル超の状況下で30日満期のOTMプットを売ると、数百〜数千ドル単位のプレミアムが発生することも珍しくありません。高いプレミアムに相応のリスクが伴う点を理解したうえで、ポジションサイズを厳格に管理することが大前提です。

国内ではSBI VCトレードがBTCのカバードコール・ターゲットバイイング(CSPに相当)を提供しており、日本の規制内でホイール戦略に近い運用ができる唯一の選択肢です(※4)。ただし銘柄・満期の選択肢は限られるため、柔軟な戦略設計を求めるなら海外プラットフォーム(Deribit等)も視野に入れることになります。

ホイール戦略の税金|株式と暗号資産で異なる課税

ホイール戦略で得た利益には税金がかかります。課税方式は「どの市場でオプション取引をしたか」によって大きく異なるため注意が必要です

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市場課税方式税率損益通算
国内株オプション(かぶオプ・日経225)申告分離課税20.315%先物・オプション等と通算可、3年繰越
海外株オプション(米国株等)雑所得(総合課税)最大55%(所得税45%+住民税10%)他の雑所得と通算可、繰越不可
暗号資産オプション雑所得(総合課税)最大55%暗号資産同士の損益通算可、繰越不可

国内の株式オプション(日経225・かぶオプ)は申告分離課税20.315%で、先物と損益通算でき3年繰越も可能です(※5)。一方、海外株オプションや暗号資産オプションの利益は「雑所得」として総合課税され、所得が高いほど税率が上がります。

ホイール戦略は小さな利益を頻繁に積み上げる戦略であるため、年間の利益を把握しやすい反面、確定申告の取引明細は煩雑になりがちです。海外プラットフォーム(Deribit・Bybit等)を利用する場合は取引履歴のエクスポートが重要になります。税金に関する詳細は仮想通貨の税金ガイドも参考にしてください。

よくある質問

ホイール戦略はいくらから始められますか?

株式の場合、最低5,000ドル(約75万円)から始められます。ただし実用的な月次収入を得るには25,000ドル(約375万円)以上が推奨されます。暗号資産の場合はBTC価格に依存し、Deribitでは0.1BTC単位から取引できるケースもあります。

ホイール戦略の年利はどれくらいですか?

銘柄・市場環境により異なりますが、年率15〜20%が現実的な目安です。月利で換算すると1〜3%程度になります。ただし暴落相場では含み損が膨らみ、年間ではマイナスになるリスクもあります。

ホイール戦略に適した銘柄は何ですか?

株価30〜300ドル帯で、オプションの流動性が高く、ファンダメンタルズが健全な大型株・ETFが適しています。SPY・QQQ・AAPL・MSFTなどが代表例です。ミーム株や低位株はリスクが高く推奨されません。

ホイール戦略とカバードコールの違いは何ですか?

カバードコールは「すでに保有している株にコール売りをする」単体の戦略です。ホイール戦略はこれにCSP(プット売り)を組み合わせ、株の取得→売却→再取得のサイクルを繰り返す複合戦略になります。ホイール戦略はカバードコールを「部品」として含む上位概念です。

暗号資産(仮想通貨)でもホイール戦略はできますか?

できます。DeribitやBybitでBTC/ETHオプションの売買が可能です。ただし暗号資産はボラティリティが株式の3〜5倍あり、差金決済のため株式のように「プット行使で現物取得→カバードコール」のフローを完全には再現できません。ポジションサイズを小さめにする工夫が必要です。

ホイール戦略の利益に税金はかかりますか?

はい。国内株オプション(日経225・かぶオプ)は申告分離課税20.315%、海外株オプションや暗号資産オプションは雑所得として総合課税(最大55%)されます。年間20万円を超える利益がある場合は確定申告が必要です。

ホイール戦略は初心者でもできますか?

CSPとカバードコールの仕組みを理解していれば、中級者からでも取り組めます。グリークス(デルタ・ガンマ等)の深い知識がなくても実行可能ですが、少なくとも「プット売り」と「コール売り」の損益構造を図で説明できるレベルの理解は必要です。まずはデモトレードや少額で練習することを推奨します。

ホイール戦略で大損することはありますか?

あります。最大のリスクはCSPでアサインされた後の株価急落です。プレミアムで多少は緩和されますが、暴落時にはカバーしきれません。たとえば株価が30%下落した場合、受取プレミアム(通常2〜5%程度)では到底補填できず、含み損を抱えたまま長期間カバードコールを売り続ける状況になります。

まとめ|ホイール戦略は「プレミアム収入型の堅実な手法」

ホイール戦略は、CSP(プット売り)とカバードコールを循環させてプレミアムを継続的に回収する、安定収入型のオプション戦略です。「爆発的なリターン」は狙えませんが、レンジ相場〜緩やかな上昇相場で月利1〜3%、年率15〜20%を現実的な目標として設計できます。

成功のカギは銘柄選び(下がっても持ちたい銘柄)、資金管理(1銘柄に集中しない)、市場環境の見極め(暴落・急騰相場では見送る判断)の3点です。暗号資産に持ち込む場合は、ボラティリティの大きさと差金決済という構造的な違いを理解したうえで、ポジションサイズを控えめに設定しましょう。

オプション取引の基礎から学びたい方はオプション取引とは?の記事も併せてご覧ください。カバードコールの詳細はカバードコールの解説記事、CSPについてはCSPの解説記事で詳しく解説しています。暗号資産でオプション取引を始めたい方はBitgetのオプション取引ガイドもご参考ください。

参考文献

※1 大阪取引所(JPX)北浜投資塾「ターバイカバコホイール戦略」https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/movie/kabuop/kabuop_2025_03.html
※2 Charles Schwab「Three Things to Know About the Wheel Strategy」https://www.schwab.com/learn/story/three-things-to-know-about-wheel-strategy
※3 Deribit 公式サイト(オプション取引データ、2026年7月時点)https://www.deribit.com/
※4 SBI VCトレード「SBI暗号資産オプション」https://www.sbivc.co.jp/columns/content/lre5ypjzp
※5 国税庁「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」https://www.nta.go.jp/

※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)への投資を勧誘するものではありません。暗号資産取引にはリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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