オプション取引の権利行使価格(ストライクプライス)とは?仕組み・決まり方・ITM/ATM/OTMの違いと選び方を忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • 権利行使価格(ストライクプライス)はオプション取引の損益を左右する最重要パラメータ
    • オプションの買い手が「この価格で売買する権利」を得るためにあらかじめ決められた価格
    • 原資産価格と権利行使価格の位置関係でITM・ATM・OTMの3状態に分かれ、損益構造が変わる
  • 日経225オプションの権利行使価格は125円刻み〜250円刻みで取引所が設定
    • 残存期間3か月以内は125円刻み、3か月超は250円刻みでATMを中心に上下16種類ずつ
    • 株式オプション・暗号資産オプションでは刻み幅や通貨建てが異なるため、原資産ごとの違いを把握する必要がある
  • 権利行使価格の選び方がオプション戦略の成否を決める
    • ATMはデルタ約0.5で方向性の賭け、OTMは低コストで大きなリターン狙い、ITMは本質的価値を確保
    • 初心者はATM〜ややOTMから始め、スプレッド戦略で複数の権利行使価格を組み合わせるのが実践的
  • 暗号資産オプションでも権利行使価格の概念はまったく同じ
    • Deribit・Bybit・Bitgetなどの海外取引所ではBTC/ETHオプションをドル建てで取引可能
    • BTCは1,000〜5,000ドル刻みなど幅広く、ボラティリティの大きさが権利行使価格の選択にも影響
木田 陽介

権利行使価格はオプション取引の「設計図」のようなもの。どの権利行使価格を選ぶかで、リスクもリターンもまったく変わります。初心者の方は「権利行使価格って結局なに?」と感じるかもしれませんが、コール・プットの仕組みとセットで理解すれば意外とシンプルです。この記事では株・指数・暗号資産まで横断的に、権利行使価格の仕組みと選び方を解説します。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

権利行使価格(ストライクプライス)とは?基本を解説

権利行使価格(ストライクプライス/エクササイズプライス)とは、オプションの買い手が権利を行使する際に、原資産を売買できる「あらかじめ定められた価格」のことです。英語ではStrike PriceまたはExercise Priceと呼ばれます。

オプション取引は「ある原資産を、ある価格で、ある期日までに売買する権利」を取引する金融商品です。この「ある価格」にあたるのが権利行使価格であり、オプション契約が成立した時点で固定され、満期まで変更されません(※1)。

コールオプション(買う権利)の場合、権利行使価格は「この価格で原資産を買える権利」を意味します。プットオプション(売る権利)の場合は「この価格で原資産を売れる権利」です。原資産の市場価格が権利行使価格を上回ればコールが有利に、下回ればプットが有利になります。

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項目内容
正式名称権利行使価格(Strike Price / Exercise Price)
日本語別称行使価格、ストライクプライス
決まるタイミングオプション契約成立時に固定(満期まで変更なし)
コールオプションでの意味原資産を「この価格で買える」権利
プットオプションでの意味原資産を「この価格で売れる」権利
対象となる原資産株価指数(日経225等)・個別株・通貨・商品・暗号資産
損益への影響原資産価格との差が損益を直接決定する

権利行使価格とオプションの損益構造|コール・プット別に解説

権利行使価格が損益にどう影響するかは、オプション取引を理解するうえで最も重要なポイントです。コールとプットそれぞれの損益構造を、具体的な数値例を交えて解説します。

この章の内容
  • コールオプションの損益計算
  • プットオプションの損益計算
  • 権利行使価格が変わると損益がどう変わるか

コールオプション買いの損益

コールオプションの買い手の利益は「原資産価格 − 権利行使価格 − プレミアム(購入代金)」で計算されます。原資産価格が権利行使価格を上回った分が利益になり、最大損失はプレミアム(オプション料)に限定されます。

たとえば日経225オプションで権利行使価格40,000円のコールをプレミアム500円で購入した場合を考えましょう。満期時に日経平均が41,000円なら、利益は「41,000 − 40,000 − 500 = 500円」×取引単位(1,000倍)=50万円です。逆に日経平均が40,000円以下なら権利を放棄し、損失はプレミアム500円×1,000倍=50万円に限定されます。

プットオプション買いの損益

プットオプションの買い手の利益は「権利行使価格 − 原資産価格 − プレミアム」です。原資産価格が権利行使価格を下回った分が利益になります。

権利行使価格38,000円のプットをプレミアム400円で購入し、満期時に日経平均が37,000円なら、利益は「38,000 − 37,000 − 400 = 600円」×1,000倍=60万円です。プット買いは相場の下落で利益が出るため、保有株式のヘッジ手段としても活用されます。

権利行使価格が異なると損益はどう変わるか

同じ原資産・同じ満期でも、権利行使価格を変えるとプレミアムと損益の特性が大きく変わります。以下のコールオプションの比較表で確認しましょう(原資産=日経平均40,000円の例)。

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権利行使価格状態プレミアム目安損益分岐点特徴
39,000円ITM(イン・ザ・マネー)高い(1,200円前後)40,200円本質的価値あり・勝率高いがコスト大
40,000円ATM(アット・ザ・マネー)中程度(500円前後)40,500円デルタ約0.5・方向性の賭けに最もバランスが良い
41,000円OTM(アウト・オブ・ザ・マネー)安い(150円前後)41,150円コスト小・大きく動けばリターン大・勝率は低い

権利行使価格が原資産価格に近いほどプレミアムは高くなり、離れるほど安くなります。安いOTMオプションは「宝くじ」的な側面がある一方、ITMオプションは株式に近い値動きをする特徴があります。この性質を理解することが、権利行使価格の選び方の基礎になります。

ITM・ATM・OTMとは?権利行使価格と原資産価格の関係

オプション取引では、権利行使価格と原資産の現在価格の位置関係を3つの用語で表します。ITM(イン・ザ・マネー)・ATM(アット・ザ・マネー)・OTM(アウト・オブ・ザ・マネー)の3状態を理解することが、権利行使価格を選ぶ第一歩です。

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状態コールオプションの場合プットオプションの場合本質的価値
ITM(イン・ザ・マネー)原資産価格 > 権利行使価格原資産価格 < 権利行使価格あり(正の値)
ATM(アット・ザ・マネー)原資産価格 ≒ 権利行使価格原資産価格 ≒ 権利行使価格ほぼゼロ
OTM(アウト・オブ・ザ・マネー)原資産価格 < 権利行使価格原資産価格 > 権利行使価格なし(ゼロ)

たとえば日経平均が40,000円のとき、コールオプションの権利行使価格39,000円はITM(すでに1,000円分の価値がある)、40,000円はATM、41,000円はOTM(まだ価値がない)です。プットオプションではこの関係が逆になります(※2)。

ATMのオプションは時間的価値が最も大きく、満期に向けて最も急速に減価します。一方、ITMのオプションは本質的価値を持つため株式に近い値動きになり、OTMは原資産が大きく動かない限り価値がゼロに収束します。この3つの性質を押さえておくと、後述する権利行使価格の選び方が格段に理解しやすくなります。

権利行使価格はどう決まる?原資産ごとの設定ルール

権利行使価格は投資家が自由に設定するものではなく、取引所やプラットフォームが一定の刻み幅(間隔)であらかじめ設定しています。原資産の種類によって刻み幅・通貨建て・設定数が異なるため、取引する商品のルールを事前に確認することが不可欠です。

この章の内容
  • 日経225オプションの権利行使価格設定
  • 株式オプションの権利行使価格設定
  • 暗号資産オプションの権利行使価格設定

日経225オプションの権利行使価格

日本で最も取引される日経225オプション(大阪取引所上場)では、日本取引所グループ(JPX)が権利行使価格を設定しています(※3)。

残存期間が3か月以内の限月では125円刻み、3か月超の限月では250円刻みで、ATM(現在の日経平均に最も近い価格)を中心に上下16種類ずつ、合計33種類が設定されます。日経平均が変動してATMがずれると、新たな権利行使価格が追加される仕組みです。

たとえば日経平均が40,000円付近のとき、近い限月では39,500円・39,625円・39,750円・39,875円・40,000円…というように125円刻みで並びます。投資家はこの中から自分の相場観に合った権利行使価格を選んで取引します。

株式オプション(有価証券オプション)の権利行使価格

個別株のオプション(大阪取引所の有価証券オプション)では、株価水準に応じて刻み幅が変わります。株価が低い銘柄は刻み幅が小さく、高い銘柄は大きくなるのが一般的です。

米国株オプション(CBOE等)では一般的に2.50ドル〜5ドル刻みで設定されます。アップルやテスラなど出来高が多い銘柄では1ドル刻みの権利行使価格が用意されることもあり、日本の株式オプションよりも権利行使価格の選択肢が豊富です。

暗号資産オプションの権利行使価格

暗号資産オプションでは、Deribit・Bybit・Bitgetなどの海外取引所がドル建て(USDC/USDT)で権利行使価格を設定しています。BTCオプションの場合、ATM付近では1,000ドル刻み、ATMから離れた価格帯では5,000〜10,000ドル刻みと幅広く設定されるのが特徴です。

たとえば2026年7月時点のDeribitでは、ビットコイン価格が約100,000ドル前後で推移する中、80,000ドル〜120,000ドル超の範囲で多数の権利行使価格が設定されています。特に行使価格120,000ドルのコールオプションは未決済建玉が大きく、市場参加者の強気な見通しを反映しています(※4)。

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原資産取引所・市場通貨建て刻み幅の目安決済方法
日経225大阪取引所(JPX)125円〜250円差金決済
米国株CBOE等米ドル1〜5ドル現物決済 or 差金決済
BTCDeribit / Bybit / Bitget米ドル(USDC等)1,000〜5,000ドル現金決済
ETHDeribit / Bybit米ドル(USDC等)50〜500ドル現金決済

権利行使価格の選び方|初心者が押さえるべき判断基準

権利行使価格をどう選ぶかは、オプション取引の戦略そのものです。「相場がどの程度動くと予想するか」「どれだけリスクを取れるか」「コストをどこまで抑えたいか」の3つの軸で判断するのが基本です。

この章の内容
  • ATM・ITM・OTMそれぞれの適した場面
  • 初心者が失敗しやすいOTMの罠
  • スプレッド戦略での権利行使価格の組み合わせ

ATM付近を選ぶ場面|方向性への素直な賭け

ATM(アット・ザ・マネー)のオプションはデルタが約0.5で、原資産価格が1円動くとオプション価格が約0.5円動きます。方向性をシンプルに取りたい場面で最も扱いやすい選択肢です。

ただしATMは時間的価値が最も大きいため、相場が動かなければ日々の時間経過(タイムディケイ)で価値が減少します。「相場が動くと思うが方向はやや不確実」という場面では、ATMのストラドル(コールとプットを同時に買う)という戦略もあります。

OTMを選ぶ場面|低コストで大きな値動きを狙う

OTM(アウト・オブ・ザ・マネー)のオプションはプレミアムが安く、少ない資金で大きなポジションを持てるメリットがあります。原資産が大きく動けばレバレッジが効いて数倍〜数十倍のリターンを得られる可能性があるため、投機的な目的でよく使われます。

しかしOTMは本質的価値がゼロであり、満期までに原資産が権利行使価格に到達しなければ投資額の全額を失います。初心者がOTMばかり買い続けると、小さな損失が積み重なって資金を大きく減らす「OTMの罠」に陥りやすいので注意が必要です。

ITMを選ぶ場面|本質的価値の確保を優先

ITM(イン・ザ・マネー)のオプションはすでに本質的価値を持っているため、原資産の値動きに対する追従性が高いのが特徴です。デルタが0.7〜1.0に近く、株式の現物保有に近い値動きをしつつ、最大損失はプレミアムに限定されるという利点があります。

ディープITM(深くイン・ザ・マネー)のコール買いは、現物株の代替として使われることもあります。ただしプレミアムが高い分、資金効率ではOTMに劣ります。

スプレッド戦略での権利行使価格の組み合わせ

実践的なオプション取引では、異なる権利行使価格のオプションを同時に売買する「スプレッド戦略」が主流です。たとえばブルコールスプレッド(低い権利行使価格のコールを買い、高い権利行使価格のコールを売る)では、最大利益と最大損失の両方が限定されます。

スプレッドの幅(2つの権利行使価格の差)が大きいほど最大利益は大きくなりますが、コストも増えます。初心者は125〜250円幅(日経225)や1,000ドル幅(BTCオプション)など、狭めのスプレッドから始めるのがリスク管理の面でおすすめです。

権利行使価格とプレミアム(オプション料)の関係

オプション価格(プレミアム)は「本質的価値」と「時間的価値」の2つに分解できます。権利行使価格はこの両方に直接影響するため、プレミアムの構造を理解しておくと選び方の精度が上がります。

本質的価値と時間的価値

本質的価値(Intrinsic Value)は、今すぐ権利行使した場合に得られる利益です。コールオプションなら「原資産価格 − 権利行使価格」、プットオプションなら「権利行使価格 − 原資産価格」がプラスの場合にその差額が本質的価値になります。OTMの場合、本質的価値はゼロです。

時間的価値(Time Value)は、プレミアムから本質的価値を引いた残りの部分です。「満期までに原資産価格が有利に動く可能性」に対して市場が付けている値段とも言えます。ATMのオプションは時間的価値が最大で、ITM・OTMともにATMから離れるほど時間的価値は小さくなります。

満期が近づくにつれて時間的価値は減少し、最終的にゼロになります(タイムディケイ)。権利行使価格をATMに近い水準で選ぶと、時間的価値の割合が大きいため、相場が動かない場合の減価が特に大きくなる点に注意しましょう。

注意点|権利行使価格にまつわるよくある誤解とリスク

権利行使価格の注意点・リスク
  • OTMが安いからと大量に買い続けると、小さな損失が積み重なり資金を大きく失う
  • ITMのオプションを売ると、権利行使リスク(割当リスク)が発生する可能性がある
  • 権利行使価格は一度選んだら変更できない。反対売買(転売・買戻し)で手仕舞いする必要がある
  • ヨーロピアン型(日経225等)は満期日にのみ行使可能。アメリカン型(米国株オプション等)は満期前いつでも行使できるため、行使タイミングの違いも考慮が必要
  • 暗号資産オプションはボラティリティが大きいため、ATMの権利行使価格が短期間で大きくずれる(OTMになりやすい)
権利行使価格を正しく選ぶメリット
  • リスクとリターンのバランスを自分の相場観に合わせてカスタマイズできる
  • スプレッド戦略で最大損失を事前に確定できるため、資金管理が容易になる
  • ヘッジ目的なら深いOTMのプット買いでコストを抑えた保険をかけられる
  • 相場の方向だけでなく「どこまで動くか」を予想に組み込める高い柔軟性がある

ICHIZEN Capitalの視点|権利行使価格選びで差がつくポイント

権利行使価格の理論を学んだ後に「結局どれを選べばいいのか」と悩む方は多いでしょう。ICHIZEN Capitalの視点から、実践的なポイントを3つ挙げます。

初心者はATM〜ややOTMの1択から始める

権利行使価格の選択肢が多すぎて迷うのは当然です。最初のうちは「ATMから1〜2段階OTM寄り」のコールまたはプットを1枚買うところから始めるのが現実的です。ATMに近いため値動きへの感応度(デルタ)がそこそこあり、プレミアムもATMより安く抑えられるバランスが良い選択です。

深いOTMに手を出すのは、オプション特有の時間的価値の減り方(セータ)やIVの影響を体感してからでも遅くありません。「安いから」という理由だけでOTMを選ぶのは、長期的に見て資金効率が悪くなるケースが多いです。

暗号資産オプションは権利行使価格の「幅」が桁違い

暗号資産のオプション取引を始める際、日経225オプションの感覚で権利行使価格を選ぶと判断を誤る可能性があります。BTCは1日で5〜10%動くことも珍しくなく、日経225では「深いOTM」にあたる距離の権利行使価格が、BTCでは数日で「ATM」になることも起こり得ます。

DeribitのBTCオプションでは、2026年12月満期の行使価格120,000ドルコールの未決済建玉が大きいことが報じられています(※4)。これは現在価格から20%以上離れたOTMですが、暗号資産のボラティリティを考えれば決して「宝くじ」的な水準ではありません。原資産のボラティリティに応じて権利行使価格の「遠さ」の感覚を調整する必要があります。

権利行使価格は「出口」も含めて選ぶ

多くの初心者が見落としがちなのは、権利行使価格によって「出口のしやすさ」が変わる点です。流動性が低い(出来高が少ない)権利行使価格のオプションを選ぶと、反対売買で手仕舞いする際にスプレッド(売値と買値の差)が広く、不利な価格でしか決済できないことがあります。

日経225オプションならATM付近の権利行使価格、暗号資産オプションなら取引量の多い代表的な権利行使価格(BTCなら1万ドル刻みのキリの良い価格等)を選ぶことで、流動性リスクを抑えられます。

木田 陽介

権利行使価格の選び方は「正解が1つ」ではなく、相場観×リスク許容度×コスト感覚の掛け算です。ただ、経験上もっとも多い失敗は「安いOTMに惹かれて何度も負ける」パターン。OTMは1回の利益が大きくても、勝率が低い分トータルで負けやすい。まずはATM付近のオプションで値動きの感覚をつかみ、その後にOTMやスプレッドに広げていくのが着実なステップです。

よくある質問

権利行使価格(ストライクプライス)とは何ですか?

権利行使価格とは、オプションの買い手が権利を行使する際に、原資産を売買できる「あらかじめ定められた価格」のことです。英語ではStrike PriceまたはExercise Priceと呼ばれます。コールオプションでは買える価格、プットオプションでは売れる価格を意味します。

権利行使価格と原資産価格の違いは?

原資産価格は市場で刻々と変動する「現在の価格」であり、権利行使価格はオプション契約時に固定された「行使時の売買価格」です。この2つの差が、オプションの本質的価値や損益を決定します。原資産価格が変動しても権利行使価格は変わりません。

ITM・ATM・OTMとは何ですか?

ITM(イン・ザ・マネー)は本質的価値がある状態、ATM(アット・ザ・マネー)は権利行使価格と原資産価格がほぼ等しい状態、OTM(アウト・オブ・ザ・マネー)は本質的価値がゼロの状態です。コールではITMは原資産>権利行使価格、プットではITMは原資産<権利行使価格になります。

権利行使価格はどうやって決まるのですか?

権利行使価格は投資家が自由に決めるのではなく、取引所やプラットフォームがあらかじめ設定しています。日経225オプションではATMを中心に125円〜250円刻み、米国株オプションでは1〜5ドル刻み、BTCオプションでは1,000〜5,000ドル刻みが一般的です。

権利行使価格の選び方のコツは?初心者はどれを選べばいい?

初心者はATM〜ややOTM寄りのオプションから始めるのがおすすめです。ATMはデルタ約0.5で値動きへの反応が素直であり、プレミアムも極端に高くありません。「安いから」という理由だけで深いOTMを選ぶと、勝率が低く資金を消耗しやすい点に注意が必要です。

権利行使価格とオプションのプレミアム(価格)の関係は?

プレミアムは「本質的価値+時間的価値」で構成されます。ITMのオプションは本質的価値を持つためプレミアムが高く、OTMは時間的価値のみのため安くなります。ATMは時間的価値が最大になるため、同じITM/OTMの距離でもATMに近いほうがプレミアムは高い傾向があります。

日経225オプションの権利行使価格は何円刻みですか?

日経225オプションでは、残存期間3か月以内の限月は125円刻み、3か月超の限月は250円刻みで設定されます。ATMを中心に上下16種類ずつ、合計33種類の権利行使価格が用意され、日経平均の変動に応じて新たな価格が追加されます。

暗号資産(仮想通貨)のオプション取引でも権利行使価格はありますか?

はい、暗号資産オプションでも権利行使価格の概念はまったく同じです。Deribit・Bybit・Bitgetなどの海外取引所でBTC/ETHのオプションが取引でき、権利行使価格はドル建てで設定されます。BTCはATM付近で1,000ドル刻みなど、株式オプションより刻み幅が大きいのが特徴です。

権利行使と権利放棄の判断基準は?

基本的にITM(本質的価値がある)なら権利行使、OTM(本質的価値がない)なら権利放棄が合理的な判断です。ただし実際には満期前に反対売買(転売・買戻し)で手仕舞いするケースが圧倒的に多く、満期まで保有して権利行使・放棄に至る比率は少ないです。

権利行使価格が損益に与える影響をひとことで言うと?

権利行使価格は「勝率とリターンのトレードオフ」を決めるパラメータです。権利行使価格をATMに近くすると勝率は上がりますがコスト(プレミアム)が高く、OTMにするとコストは下がりますが勝率も下がります。コール買いの利益は「原資産価格 − 権利行使価格 − プレミアム」で計算されます。

まとめ|権利行使価格を理解してオプション取引の精度を上げよう

権利行使価格(ストライクプライス)は、オプション取引の損益構造を根本から決定する最重要パラメータです。コール・プットの違い、ITM・ATM・OTMの3状態、原資産ごとの設定ルールを理解することが、オプション取引の第一歩になります。

権利行使価格の選び方に唯一の正解はありませんが、「相場観×リスク許容度×コスト」の3軸で判断し、まずはATM付近から経験を積むのが着実な方法です。暗号資産のオプション取引では日経225やS&P500とはボラティリティの水準がまったく異なるため、権利行使価格の「距離感」を原資産ごとに調整する意識が大切です。

オプション取引の基本を学びたい方は「オプション取引とは?仕組みから始め方まで一気通貫で解説」、プレミアムの仕組みを詳しく知りたい方は「オプション取引のプレミアムとは?」もあわせてご覧ください。暗号資産でオプション取引を始めたい方は「Bitgetのオプション取引」も参考になります。

参考文献

※1. マネックス証券「権利行使価格」 https://media.monex.co.jp/ud/glossary/66cd5a8b905bd426ef000014
※2. JPX 北浜投資塾「ITM/ATM/OTMとは?」 https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/column/kabuop_knowledge/05.html
※3. JPX 日経225オプション 制度概要 https://www.jpx.co.jp/derivatives/products/domestic/225options/01.html
※4. Bitcoin News「行使価格12万ドルのオプション大量購入」 https://news.bitcoin.com/ja/
※5. 知るぽると「オプション取引の損益」 https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/deriv/deriv304.html

※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)への投資を勧誘するものではありません。暗号資産取引にはリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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