オプション取引のペイオフとは?4つの基本形・計算方法・ペイオフ図の読み方をわかりやすく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • ペイオフとは、オプションの満期時に発生する損益のこと
    • 縦軸に損益・横軸に原資産価格をとった「ペイオフ図」で直感的に把握できる
    • ペイオフ図は満期時点の理論値。期中の損益は時間価値・IV(インプライドボラティリティ)の影響で曲線になる
  • 4つの基本形(コール買い/売り・プット買い/売り)を覚えれば応用が利く
    • 買い手は損失がプレミアムに限定され、利益は理論上無限大(コール買い)または権利行使価格まで(プット買い)
    • 売り手は利益がプレミアムに限定され、損失が理論上無限大になりうる点がリスクの核心
  • ペイオフ図が読めると、ストラドル等の組み合わせ戦略や仮想通貨オプションにも応用できる
    • 日経225オプションだけでなく、Deribitなど仮想通貨オプション市場でもペイオフの考え方は同じ
    • 「ペイオフ図」と「損益図」の違い(プレミアム含むか否か)を混同しないことが初心者のつまずきポイント
木田 陽介

オプション取引を理解するうえで、ペイオフ図は「最初に覚えるべき地図」です。これが読めると、4つの基本ポジションの損益構造が一目でわかりますし、ストラドルやカバードコールのような戦略も「基本形の足し算」として理解できます。教科書的な解説だけでなく、実際に使える計算例まで踏み込みます。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

オプション取引のペイオフとは?基本を押さえる

ペイオフ(payoff)とは、オプション取引において満期時点で発生する損益のことです。もう少し正確に言えば、オプションの権利行使によって生じる「本源的価値」、つまり原資産価格と権利行使価格の差額を指します。

このペイオフを視覚的に表したのがペイオフ図(ペイオフ・ダイアグラム)です。横軸に原資産価格、縦軸に損益をとり、満期時に原資産価格がどの水準にあればいくらの損益になるかを直線で示します。折れ線の形が「くの字」や「逆くの字」になるのが特徴で、オプションの4つの基本ポジション(コール買い・コール売り・プット買い・プット売り)を一目で比較できます。

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用語意味
ペイオフ満期時の損益(権利行使による本源的価値 − プレミアム)
ペイオフ図原資産価格と損益の関係を示したグラフ。折れ線で描かれる
プレミアムオプションの購入代金(権利料)。ペイオフを計算するときのコスト
権利行使価格オプション保有者が原資産を売買できる価格。ペイオフ図の「折れ点」
損益分岐点ペイオフがゼロになる原資産価格。権利行使価格 ± プレミアムで求まる

ペイオフ図が読めるようになると、「この戦略は原資産がどう動いたときに利益が出て、最大損失はいくらか」が瞬時にわかります。次の章で、4つの基本形を具体的な数値例とともに見ていきます。

ペイオフ図の読み方|4つの基本形をマスターする

オプションのペイオフ図には4つの基本形があります。コールの買い・売り、プットの買い・売りです。すべてのオプション戦略は、この4パターンの組み合わせで成り立っています。ここでは「権利行使価格1,000円、プレミアム50円」を共通の前提に、それぞれのペイオフを解説します。

この章の内容
  • コールオプションの買い|損失限定・利益無限大
  • コールオプションの売り|利益限定・損失無限大
  • プットオプションの買い|下落で利益・損失限定
  • プットオプションの売り|利益限定・下落で損失拡大

コールオプションの買い(ロングコール)

「将来、原資産を決められた価格で買える権利」を購入するポジションです。原資産価格が権利行使価格を上回れば上回るほど利益が伸び、下回った場合は権利を放棄するためプレミアム(50円)の損失だけで済みます。

たとえば、満期時に原資産が1,200円なら、1,000円で買える権利を行使して差額200円を得ます。プレミアム50円を差し引くと利益は150円です。逆に原資産が900円なら権利を放棄し、損失はプレミアムの50円のみに限定されます。損益分岐点は1,050円(権利行使価格+プレミアム)です。

ペイオフ図は権利行使価格の左側が水平線(−50円)、右側が45度の右上がり直線になります。「損失は限定、利益は理論上無限大」という非対称性がコール買いの最大の特徴です。

コールオプションの売り(ショートコール)

コール買いの裏側のポジションです。プレミアム(50円)を受け取る代わりに、原資産価格が上昇した場合に損失を被ります。ペイオフ図はコール買いの上下を反転させた形で、権利行使価格の左側が水平線(+50円)、右側が45度の右下がりになります。

原資産が1,000円以下で満期を迎えれば、買い手は権利を行使しないのでプレミアム50円が丸ごと利益になります。しかし原資産が大きく上昇した場合、たとえば1,500円になれば損失は450円(500円−プレミアム50円)です。利益はプレミアムに限定される一方、損失は理論上無限大という構造です。

プットオプションの買い(ロングプット)

「将来、原資産を決められた価格で売れる権利」を購入するポジションです。原資産価格が下落するほど利益が増え、上昇した場合はプレミアムの損失だけに抑えられます。

満期時に原資産が800円なら、1,000円で売れる権利を行使して差額200円を得ます。プレミアム50円を引いて利益は150円です。原資産が1,100円なら権利を放棄し、損失は50円(プレミアム)のみです。損益分岐点は950円(権利行使価格−プレミアム)になります。

ペイオフ図は権利行使価格の右側が水平線(−50円)、左側が45度の左上がり直線です。原資産価格がゼロまで下がった場合の最大利益は950円(1,000円−50円)で、コール買いとは異なり利益にも上限があります。

プットオプションの売り(ショートプット)

プット買いの裏側です。プレミアム(50円)を受け取り、原資産価格が下落した場合に損失を負うポジションです。ペイオフ図はプット買いの上下反転で、権利行使価格の右側が水平線(+50円)、左側が右下がりになります。

原資産が1,000円以上で推移すれば50円のプレミアムが利益になりますが、原資産が大きく下落した場合は損失が拡大します。原資産がゼロになった場合の最大損失は950円(1,000円−50円)です。

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ポジション最大利益最大損失損益分岐点ペイオフ図の形
コール買い無限大プレミアム(50円)行使価格+プレミアム(1,050円)右上がりの折れ線
コール売りプレミアム(50円)無限大行使価格+プレミアム(1,050円)右下がりの折れ線
プット買い行使価格−プレミアム(950円)プレミアム(50円)行使価格−プレミアム(950円)左上がりの折れ線
プット売りプレミアム(50円)行使価格−プレミアム(950円)行使価格−プレミアム(950円)左下がりの折れ線

この4パターンさえ覚えれば、次に解説する組み合わせ戦略のペイオフも「基本形の足し算」で理解できます。

ペイオフの計算方法|具体例でステップを解説

ペイオフ図を「なんとなく形で覚える」だけでは、実際の取引で役立ちません。ここでは日経225オプションを例に、ペイオフの計算ステップを具体的に示します。計算式自体はシンプルで、慣れれば暗算でも損益分岐点が出せるようになります。

計算の3ステップ

  1. 本源的価値を求める|コールなら「原資産価格 − 権利行使価格」、プットなら「権利行使価格 − 原資産価格」。マイナスならゼロ(権利放棄)
  2. プレミアムを差し引く(買い手の場合)|買い手のペイオフ=本源的価値 − プレミアム。売り手はプレミアム − 本源的価値
  3. 取引単位で掛ける|日経225オプションは1枚=1,000倍。プレミアム50円なら実際のコストは50,000円

計算例|日経225コールオプションの買い

以下の条件で計算してみます。

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項目数値
権利行使価格40,000円
プレミアム500円
取引単位1,000倍(日経225オプション)
プレミアムの実コスト500円 × 1,000 = 500,000円

ケース1:満期時の日経平均が42,000円の場合

本源的価値 = 42,000 − 40,000 = 2,000円。プレミアム500円を引いて、1枚あたりのペイオフは1,500円。取引単位を掛けると利益は1,500,000円です。

ケース2:満期時の日経平均が39,000円の場合

本源的価値 = 39,000 − 40,000 = マイナスなのでゼロ(権利放棄)。プレミアム500円の損失のみ。取引単位を掛けて損失は500,000円です。

損益分岐点は40,000 + 500 = 40,500円。日経平均がこの水準を超えて初めて利益が出ます。

木田 陽介

日経225オプションは1枚1,000倍なので、プレミアム500円でも実際には50万円の資金が動きます。この「取引単位の掛け算」を忘れて計算すると、実際の損益と大きくずれるので注意してください。

ペイオフ図と損益図の違い|混同しやすいポイント

「ペイオフ図」と「損益図(損益グラフ)」は似ていますが、厳密には異なる概念です。初心者がつまずきやすいポイントなので、ここで整理しておきます。

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比較項目ペイオフ図損益図(損益グラフ)
表す時点満期時点の損益のみ期中(現在時点)の損益も含む
線の形折れ線(直線の組み合わせ)期中は曲線になる
プレミアムの扱い含む場合と含まない場合がある(文脈次第)通常はプレミアムを含んだ実損益
時間価値の影響考慮しない(満期でゼロ)反映される
主な用途戦略の特性理解・教育リアルタイムのポジション管理

最大の違いは「時間」です。ペイオフ図は満期の姿を折れ線で描きますが、実際のトレード中は時間価値やIV(インプライドボラティリティ)の変動でオプション価格が動くため、損益は曲線で表されます。満期が近づくにつれ、この曲線が徐々にペイオフ図の折れ線に収束していくイメージです。

もう一つ混同しやすいのが「プレミアムを含むかどうか」です。学術的な文脈では、ペイオフ=本源的価値(プレミアム含まず)と定義することがあります。一方、実務や証券会社の解説ではプレミアムを差し引いた「純損益」をペイオフと呼ぶことも多く、どちらの定義かを確認してから読むことが大切です。

組み合わせ戦略のペイオフ|基本形の足し算で理解する

4つの基本形を理解したら、次はオプションを複数組み合わせた戦略のペイオフです。どの戦略も「基本形のペイオフ図を足し合わせたもの」として理解できます。代表的な3つを紹介します。

ストラドル|大きな値動きに賭ける

ストラドルは、同じ権利行使価格のコールとプットを同時に買う戦略です。ペイオフ図は「V字型」になり、原資産が上にも下にも大きく動けば利益が出ます。逆に、原資産がほとんど動かなければ両方のプレミアムが損失になります。

たとえば、権利行使価格1,000円でコール(プレミアム50円)とプット(プレミアム40円)を買った場合、コストは合計90円です。原資産が1,090円を超えるか、910円を下回れば利益が出ます。「方向はわからないが大きく動く」と見たときに有効な戦略です。

ストラングル|ストラドルよりコストを抑える

ストラングルは、異なる権利行使価格のコール(OTM)とプット(OTM)を同時に買う戦略です。ストラドルと同じく大きな値動きに賭けますが、OTM(アウト・オブ・ザ・マネー)のオプションを使うためプレミアムが安く済みます。

ペイオフ図は「幅広のV字型」で、中央の損失区間がストラドルより広い代わりに、最大損失(プレミアム合計)が小さくなります。コストを抑えつつ大きな変動に備えたい場合に使われます

カバードコール|保有株の収益を底上げする

カバードコールは、原資産を保有しながら、コールオプションを売る戦略です。ペイオフ図は「原資産のロング+コール売り」の足し算で、右肩上がりの直線が途中で水平になる形です。

原資産が緩やかに上昇する局面では、原資産の値上がり益に加えてプレミアムも受け取れるため収益が底上げされます。ただし、原資産が権利行使価格を大きく上回った場合、その上昇分の利益を放棄することになります。「大きな上昇は期待しないが、保有コストを下げたい」というスタンスで使われる戦略です。

ペイオフ図を使うときの注意点・よくある誤解

ペイオフ図は強力な分析ツールですが、過信すると実際のトレードで痛い目に遭います。ここではよくある誤解と注意点を整理します。

ペイオフ図の注意点
  • 満期時点の損益しか示さない|期中の含み損益は別物
  • 手数料・税金が反映されていない|実際の損益はさらに目減りする
  • 「損失限定」は買い手だけ|売り手の損失は理論上無限大になりうる
  • 流動性リスクが見えない|ペイオフ通りに決済できるとは限らない
  • プレミアムの定義が文献によって異なる|計算結果がずれる原因になる

とくに注意すべきは「ペイオフ図は満期の姿しか見せない」という点です。期中にIV(インプライドボラティリティ)が急変したり、時間経過でプレミアムが減価したりすると、満期前に想定外の含み損を抱える場合があります。ペイオフ図で戦略を選び、期中のリスク管理はギリシャ指標(デルタ・ガンマ・セータ・ベガ)で行うのが実務の基本です。

また、日経225オプションでは取引手数料やSQ決済手数料がかかり、仮想通貨オプションでもファンディングレートやスプレッドなどのコストが存在します。ペイオフ図に表示されない「隠れたコスト」を無視すると、損益分岐点が実際より甘くなるので注意が必要です。

ICHIZEN Capitalの視点|仮想通貨オプションとペイオフ

ペイオフの基本は伝統金融(株式・指数オプション)でも仮想通貨でも変わりません。しかし、仮想通貨オプション特有の環境を理解していないと、ペイオフ図どおりの損益にならないケースがあります。事業者として実際に仮想通貨オプションに触れてきた視点で、差分を整理します。

仮想通貨オプション市場の特徴

仮想通貨のオプション市場は、Deribitが最大手で世界のBTCオプション取引高の約8割以上を占めます(※1)。ほかにもBitget、OKX、Bybitなどの大手取引所がオプション取引を提供しています。ペイオフの計算方法自体は伝統金融と同じですが、いくつか留意点があります。

第一に、仮想通貨は24時間365日取引されるため、「満期」の概念が伝統金融と異なります。日経225オプションはSQ日(毎月第2金曜日)に一括清算されますが、仮想通貨オプションは日次・週次・月次・四半期と複数の満期が用意されており、短期から長期まで幅広い期間でペイオフ設計が可能です。

第二に、仮想通貨はボラティリティが伝統金融の数倍にもなります。ビットコインのIVが100%を超える局面も珍しくなく、プレミアムが高額になるため、ペイオフ図の損益分岐点が遠くなりやすい傾向があります。逆に言えば、ボラティリティが高い分だけ「ストラドル・ストラングルのような方向不問の戦略」が機能しやすい環境でもあります。

税金への影響|ペイオフが確定したら課税対象

日本の税制上、オプション取引の損益は確定した時点で課税対象になります。伝統金融のオプション(日経225オプションなど)は「先物取引に係る雑所得」として一律20.315%の申告分離課税が適用されます(※2)。

一方、仮想通貨オプションの損益は暗号資産の雑所得として総合課税(最大約55%)になるのが原則です。同じペイオフ構造で同じ利益が出ても、税引き後の手取りは大きく異なります。ペイオフ図を見る際に「この利益から何%引かれるか」まで意識することが、実務上は非常に重要です。暗号資産の税金全般については仮想通貨の税金の記事で詳しく解説しています。

木田 陽介

仮想通貨オプションのペイオフは理屈上は伝統金融と同じですが、実際に手残りが変わるポイントが2つあります。1つはボラティリティの高さ(プレミアムが高い=損益分岐点が遠い)、もう1つは税率の差(分離20%と総合最大55%)。ペイオフ図だけでなく「税引後ペイオフ」まで考える癖をつけると、戦略選択の精度が上がります。

よくある質問

オプション取引のペイオフとは何ですか?

ペイオフとは、オプションの満期時に発生する損益のことです。具体的には、原資産価格と権利行使価格の差額(本源的価値)からプレミアム(権利料)を差し引いた金額を指します。これを原資産価格との関係でグラフにしたものがペイオフ図(ペイオフ・ダイアグラム)です。

ペイオフ図と損益図の違いは何ですか?

ペイオフ図は満期時点の損益を直線(折れ線)で示したものです。一方、損益図は期中の損益も含み、時間価値やIVの影響で曲線になります。また、ペイオフ図はプレミアムを含む場合と含まない場合があり、文脈によって定義が異なる点にも注意が必要です。

コールオプションのペイオフはどう計算しますか?

コールオプション買い手のペイオフは「原資産価格 − 権利行使価格 − プレミアム」です。原資産価格が権利行使価格を下回る場合は権利を放棄するため、損失はプレミアム分に限定されます。損益分岐点は「権利行使価格 + プレミアム」で求められます。

プットオプションのペイオフはどうなりますか?

プットオプション買い手のペイオフは「権利行使価格 − 原資産価格 − プレミアム」です。原資産価格が権利行使価格を上回る場合は権利を放棄し、損失はプレミアムのみです。最大利益は原資産価格がゼロになった場合で「権利行使価格 − プレミアム」となります。

オプションの売り手はペイオフで損失が無限大になりますか?

コールオプションの売り手は、原資産価格が際限なく上昇した場合に損失が理論上無限大になります。プットオプションの売り手は、原資産がゼロまで下落した場合に最大損失(権利行使価格 − プレミアム)となります。いずれの場合も、売り手の利益はプレミアムに限定されます。

ペイオフにプレミアムは含まれますか?

文脈によります。学術的な定義では、ペイオフは本源的価値(プレミアムを含まない)を指すことがあります。一方、実務や証券会社の解説ではプレミアムを差し引いた「純損益」として使われることが多いです。参照する資料がどちらの定義かを確認することが重要です。

ストラドルやストラングルのペイオフ図はどう読みますか?

ストラドルのペイオフ図はV字型で、原資産が大きく上下どちらかに動けば利益が出ます。ストラングルは幅広のV字型で、損失区間がストラドルより広い代わりにプレミアムが安く済みます。どちらも「基本形のペイオフを足し合わせた形」として理解すると読みやすくなります。

日経225オプションでペイオフ図はどう使えますか?

日経225オプションでもペイオフ図の考え方はまったく同じです。ただし取引単位が1,000倍のため、ペイオフ図の数値に1,000を掛けた金額が実際の損益になります。また、SQ(特別清算指数)で自動決済されるため、満期時のペイオフ図が実損益に直結しやすいのが特徴です。

仮想通貨(ビットコイン)オプションにもペイオフ図は適用できますか?

はい、ペイオフの計算方法は伝統金融と同じです。ただし、仮想通貨はボラティリティが非常に高いためプレミアムが高額になりやすく、損益分岐点が遠くなる傾向があります。また、仮想通貨オプションの利益は原則として総合課税(最大約55%)で、分離課税20.315%の日経225オプションとは税率が異なる点にも注意が必要です。

まとめ|ペイオフ図はオプション理解の「最初の地図」

オプション取引のペイオフとは、満期時に発生する損益のことです。ペイオフ図を使えば、コール買い・売り、プット買い・売りの4つの基本形の損益構造が一目でわかります。買い手は損失がプレミアムに限定される一方、売り手は利益がプレミアムに限定され損失が拡大しうるという非対称性が、オプション取引の本質です。

ストラドルやカバードコールなどの組み合わせ戦略も、基本形のペイオフを「足し算」するだけで理解できます。ただし、ペイオフ図は満期時の姿しか示さない点、手数料や税金は反映されない点、期中の損益は曲線になる点には注意が必要です。仮想通貨オプションにもペイオフの考え方はそのまま適用できますが、ボラティリティの高さと税率の違い(総合課税 vs 分離課税)を踏まえたうえで戦略を組むことが重要です。オプション取引全般の基礎はオプション取引とは?の記事でも解説しています。

参考文献

1. Deribit 公式/ビットコインオプション取引高シェア https://www.deribit.com/
2. 国税庁「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」https://www.nta.go.jp/
3. 日本取引所グループ(JPX)「日経225オプション取引の仕組み」https://www.jpx.co.jp/
4. 知るぽると「やさしいデリバティブ 3-4 オプション取引の損益」https://www.shiruporuto.jp/
5. みずほ証券 ファイナンス用語集「ペイオフ」https://glossary.mizuho-sc.com/

※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。オプション取引にはリスクが伴い、元本以上の損失が発生する可能性があります。税制の取扱いは変更される場合があるため、最新の情報は国税庁の公式サイトや税理士等の専門家にご確認ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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