自民ブロックチェーン推進議連が米国視察を報告|DeFiの法的位置づけ・予測市場・暗号資産の財産権はどうなる

「忙しい人向け」ニュース要約


  • 10月27日、自民党ブロックチェーン推進議連が8月の米国視察を報告
  • 米SEC委員の「アクセスの確保こそ投資家保護」が議員に刺さった
  • JBAはDeFiの法的位置づけと、暗号資産の「財産権」の明確化を提言
  • 予測市場は賭博罪が壁。金融庁は2027年初に中間整理の予定

※相場やニュースの日々の見方は、水野のX(@mizuno_ichizen)で発信中です。

水野 倫太郎

日本は「触らせない」が投資家保護でした。
米国は「触れるようにする」が保護。この差が議論の出発点です。

水野 倫太郎
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

慶應義塾大学経済学部卒。2017年米国留学時にブロックチェーンと出会い、Web3の業界に足を踏み入れる。2018年、仮想通貨メディアCoinOtakuに入社。2019年には同社のCMOに就任し、2020年に東証二部上場企業とM&Aを行い、様々なクリプト事業を展開。2022年に現在代表取締役社長を務めるICHIZEN HOLDINGSを立ち上げ様々なWeb3事業を手がける。複数のWeb3系事業に出資を行いながら有識者として活動。

監修 水野 倫太郎
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

慶應義塾大学経済学部。2017年米国留学時にブロックチェーンと出会い、Web3の業界に足を踏み入れる。2018年には、日本有数の仮想通貨メディアCoinOtakuに入社。2019年には同社のCMOに就任し、2020年に東証二部上場企業とM&Aを行い、様々なクリプト事業を展開する。2022年に現在代表取締役社長を務めるICHIZEN HOLDINGSを立ち上げ様々なWeb3事業を手がける。複数のWeb3系事業に出資を行いながら有識者として活動。

目次

何が起きたのか|議連の第37回会合で、8月の米国視察を報告

この章のポイント
  • 視察は8月23〜29日、ワシントンDCとニューヨーク
  • 財務省・SEC・CFTC・JPモルガン・Kalshi・Polymarketなどを訪問
  • 会合には金融庁・デジタル庁・経産省も出席

2026年10月27日、自民党のブロックチェーン推進議員連盟(会長・木原誠二衆院議員)が第37回会合を開き、8月に実施した米国視察の内容を報告しました。視察には会長代行の平将明衆院議員、事務局長の神田潤一衆院議員と、日本ブロックチェーン協会(JBA)の幹部が参加。報告はJBA代表理事の加納裕三氏(bitFlyer代表)が行い、金融庁・デジタル庁・経済産業省の担当者も出席しました。

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都市訪問先
ワシントンDC米財務省、SEC(証券取引委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)、世界銀行、IMF
ニューヨークCircle、JPモルガン、ブラックロック、Kalshi、Polymarket、Chainalysis
出所:NADA NEWS(2026年9月18日・10月27日)、CoinPost(2026年10月27日)より作成。視察期間は2026年8月23〜29日

この視察は単発ではなく、2026年に入ってから党と政府が交互に進めてきた「オンチェーン金融」の流れの一部です。5月に党のPTが提言、6月に議連が財務相に提言、7月に金融庁が金融戦略でDEX・DeFi・ウォレットを検討課題に挙げ、9月と10月に政府側の会議体が動き出しました。

  1. 自民党2026年5月19日次世代AI・オンチェーン金融構想PTが提言(8項目)。トークン化預金・ステーブルコインの活用拡大など
  2. 自民党2026年6月1日ブロックチェーン推進議連が片山財務相に提言(税制・ETF・レバレッジ規制・DeFiの規律)
  3. 政府2026年7月21日金融庁「成長投資を促進するための金融戦略」。DEX・DeFi・ウォレットのリスク低減策を検討課題に
  4. 議連2026年8月23〜29日米国視察。財務省・SEC・CFTC・JPモルガン・Kalshi・Polymarketなど
  5. 政府2026年9月30日オンチェーン金融フォーラム初会合(金融庁・財務省・日銀・デジタル庁など)
  6. 政府2026年10月20日金融庁の研究会が初会合。DEX・DeFi・ウォレットを含む法制度の論点を整理へ
  7. 今回2026年10月27日議連第37回会合で米国視察を報告。JBAがDeFiの法的位置づけ・デジタル資産の財産権などを提言
  8. 予定2027年初フォーラム第2回で中間整理と官民ロードマップを取りまとめ

出所:自民党・金融庁の公表資料、CoinPost・NADA NEWSの報道より作成(ICHIZEN作成)

米国で何を見てきたのか|「アクセスの確保こそ投資家保護」

この章のポイント
  • 米財務省はマネロン対策と同時にイノベーションを後押し
  • SECピアース委員「アクセスを確保することが投資家保護」
  • 米当局は日本のステーブルコイン法制を高く評価

加納氏によると、米財務省はマネーロンダリング対策の面から暗号資産に関わりつつ、イノベーションを後押しする姿勢が明確でした。CBDC(中央銀行デジタル通貨)を支持しないトランプ政権の方針も一貫していたといいます。民間では、MMF(マネー・マーケット・ファンド)をトークン化したJPモルガンが他の金融機関より先行しているとの見方を示しました。Chainalysisからは、2025年の不正取引額の84%をステーブルコインが占める一方、全取引に占める不正取引は1%未満との説明を受けています。

平氏が最も印象に残ったと述べたのは、SECのヘスター・ピアース委員の言葉です。日本では「アクセスさせないこと」を投資家保護とみなしがちですが、ピアース氏は「アクセスを確保することこそが投資家保護」だと明確にしていたといいます。平氏は9月のインタビューで、これを「自己責任の国」と表現しました。なお、ピアース氏は10月2日にSECを退任しています。

神田氏は、米側が日本の暗号資産・ステーブルコイン法制を高く評価し参考にしていたこと、議連が春に議論したオンチェーン金融の内容が米国でも通用すると感じたことを挙げました。一方で、米国は民間の取り組みが進み当局がそれを妨げない姿勢だったとして、日本にはまだ見習う点があると述べています。

予測市場をどう見たか|CFTCは「賭博ではなくデリバティブ」、日本は賭博罪が壁

この章のポイント
  • 米国はイベント契約をCFTC管轄のデリバティブと解釈
  • 日本で同じ型をやるには賭博罪の見直しが必要との弁護士見解
  • 神田氏は「スポーツ・選挙はハードルが高い」と慎重

KalshiとPolymarketの訪問を踏まえ、加納氏は、CFTCが予測市場を賭博ではなく「イベント契約を扱うデリバティブ市場」と解釈して自らの管轄に置いていると報告しました。日本で同じ解釈をとってもできることは少なく、米国型の予測市場には賭博罪の見直しが必要になるとの弁護士の見解も紹介しています。

神田氏は、天候デリバティブのような商品は分かりやすい一方、スポーツはヘッジ目的でない参加者が多く、選挙は「そもそも認めてよいか」という議論と公正さへの影響があるとして、ハードルが高いとの印象を述べました。ただし、日本のスポーツや選挙の結果が海外の予測市場で取引され、日本人が参加するケースは考えられるとして、ポイント制の国内予測サービスの広がりとあわせ今後の課題に挙げています。米国では同じ10月27日、CFTCがユタ州を提訴し、予測市場の管轄をめぐる州と連邦の対立が続いています。

JBAの提言|DeFiの法的位置づけと、暗号資産の「財産権」

この章のポイント
  • DEXを含め「何ができて何ができないか」を明確に
  • 自分で鍵を持つ暗号資産を法律上の財産権に(英国の立法例)
  • 納税へのステーブルコイン活用、バーゼル規制の見直しも

JBAは視察を踏まえた提言を示しました。柱の1つがDeFi(分散型金融)の法的な位置づけの明確化で、DEX(分散型取引所)を含めて何ができて何ができないかを示せばイノベーションにつながるとしています。AIが投資運用業のような業務を担う場合に、どこまで関与すれば業規制の対象になるかの整理も求めました。

加納氏が特に重視したのが、暗号資産を法律上の財産権の対象として明確にすることです。取引所に預けたビットコインは取引所への返還請求権(債権)として守られますが、秘密鍵で自ら管理する資産は法的な性質がはっきりせず、盗まれても損害賠償を求めるしかありません。英国の立法例を挙げ、「電子的財産権」として権利を定義するよう求めました。あわせて、第三者に権利を主張する根拠となる「正本」をブロックチェーン上の記録で定めるルールづくりも盛り込み、政府が特定のチェーンを法律で指定するのではなく、改ざん耐性などの要件を法令で定めるか認定制度を設ける方法を示しています。

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提言中身誰に効くか
DeFiの法的位置づけDEXを含め、できること・できないことを明確化国内でDEX・DeFiを使う人、事業者
AIと業規制AIが運用・助言を担う場合、どこから業規制の対象かを整理AIエージェントで資産を動かすサービス
電子的財産権自己管理の暗号資産を法律上の財産権の対象に(英国の立法例)ハードウェアウォレット等で自分で鍵を持つ人
正本のルールブロックチェーン上の記録を権利主張の根拠に。要件の法定か認定制度トークン化資産の発行者・保有者
納税・バーゼル・CBDC納税へのステーブルコイン活用、暗号資産のリスクウェイト1,250%の見直し、日本でのCBDC推進銀行、ステーブルコインの発行者と利用者
出所:CoinPost「自民ブロックチェーン推進議連、米国視察を報告」(2026年10月27日)より作成。提言の原文は本記事の執筆時点で公開されていない

金融庁の動き|研究会がDEX・DeFi・ウォレットを論点に、2027年初に中間整理

この章のポイント
  • 10月20日に研究会が初会合。論点にDEX・DeFi・ウォレット
  • フォーラムは2027年初に中間整理と官民ロードマップ
  • 決定事項はまだなく「論点の整理」の段階

会合で金融庁の担当者は、10月20日に初会合を開いた「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」で、DeFi・ウォレット・資産のトークン化の論点を検討していくと説明しました。事務局資料は、7月の金融戦略で掲げた「①ステーブルコインの制度的枠組み ②資産のトークン化の制度 ③DEXをはじめとするDeFiやウォレット提供業者に関するリスク低減策」を再掲し、法制度上の課題として優先すべき分野を委員に問うています。

金融庁の研究会(2026年10月20日)事務局説明資料の「ご議論いただきたい事項」。オンチェーン金融を発展させる環境整備として、ステーブルコインの制度的枠組み、様々な資産のトークン化に関する制度、分散型取引所(DEX)をはじめとする分散型金融(DeFi)やウォレット提供業者に関するリスク低減策の在り方の点検・検討の3点を再掲し、優先すべき分野を問うている
金融庁の研究会(10月20日)の事務局説明資料「ご議論いただきたい事項」。DEX・DeFi・ウォレット提供業者のリスク低減策が検討課題として明記されている。出所:金融庁「事務局説明資料」(2026年10月20日)

上位の会議体である「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」は、2027年初めの第2回で中間整理と官民ロードマップを取りまとめる予定です。つまり、JBAの提言のうちDeFiの位置づけは、まさに今この研究会で論点整理が始まった段階にあります。

木原会長の見立て|「一気には変えられない」、まずは「ほふり」と投信法から

この章のポイント
  • 財産権の整理は民法を所管する法務省との調整で時間がかかる
  • 先にほふりの制度と投信法の「券面」の扱いを見直す
  • ステーブルコインでドルが流通すれば国内で信用創造が起きにくい

党の次世代AI・オンチェーン金融構想PTで座長を務める木原氏は、提言を一気に実現しようとすれば民法を所管する法務省との調整が必要になり時間がかかると指摘しました。まずは証券保管振替機構(ほふり)の制度や、投資信託法上の券面の扱いの見直しから進める考えで、NFTや暗号資産について「そもそもそれが物なのか何なのかというのは、いずれ決めなければいけない」と述べています。

木原氏はブラジルの事例にも触れ、ステーブルコインを通じて米ドルが流通すれば国内で信用創造が起きにくくなると指摘。日本でも貿易決済などがUSDCやトークン化預金で行われれば資金はそちらに流れるとして、率先して取り組む考えを示しました。この路線は、5月にPTがまとめた8項目の提言の延長線上にあります。

平将明衆院議員の公式サイトに掲載された、自民党次世代AI・オンチェーン金融構想PTの提言(2026年5月19日了承)。金融分野を成長投資分野に位置づける、トークン化預金やステーブルコインの活用拡大、資産トークン化、公的主体のオンチェーン活用、決済高度化プロジェクトの拡大、アジア諸国との政策対話枠組み、AI活用のルール整備、量子コンピュータのリスクへの備えの8項目
PTの提言(2026年5月19日・自民党政調審議会で了承)の8項目。今回の視察報告と木原氏の発言は、この提言を前提に進んでいる。出所:平将明衆議院議員公式サイト「次世代AI・オンチェーン金融構想PT 提言」

日本の投資家に何が変わるのか|今すぐは何も変わらない、動くのは年末と年明け

この章のポイント
  • 今回は報告と提言で、制度の決定はゼロ
  • 税制(分離課税)・ETF・レバレッジは6月の議連提言が先行
  • 次の節目は年末のPT提言と2027年初の中間整理

今回の会合で決まった制度はありません。個人投資家に直接関わる税制(申告分離課税の導入)、暗号資産ETF、レバレッジ上限(現行2倍)の見直しは、6月1日に議連が片山財務相に提出した提言で扱われており、税制は関連法の成立を前提に2028年1月の開始を念頭に検討が進んでいます(暗号資産の税金の記事も参照)。今回の報告は、その先にある「DeFiをどう扱うか」「自己管理の資産をどう守るか」の議論を党側から押す位置づけです。

次の節目は2つです。平氏は9月のインタビューで、年末までに資産サイド(証券・投資信託)に焦点を当てたPTの追加提言が必要だと述べています。政府側は2027年初めのフォーラム第2回で中間整理とロードマップをまとめます。DEX・DeFi・ウォレットの扱いが具体的に動くとすれば、この2つの後です。

ICHIZEN Capitalの視点|「触らせない保護」から「触れる保護」へ、争点は自己管理の資産

この章のポイント
  • 投資家保護の定義そのものが議論の対象になった
  • 自己管理の暗号資産に「財産権」が付くかが最大の実務論点
  • 予測市場は制度より先に、海外市場への参加が現実に起きる

この報告で一番大きいのは、与党の議員が「投資家保護とは何か」の定義を持ち帰ったことだと考えます。日本の制度は、海外取引所やDEXに「アクセスさせない」ことで利用者を守ってきました。米国の規制当局が「アクセスの確保が保護」と言い切るなら、前提から違います。どちらが正しいかではなく、日本の議論がこの前提の違いを自覚したうえで進むことに意味があります。

水野 倫太郎

自分で鍵を持つ資産は、いま法的には「債権ですらない」状態です。
ここが決まると、保管の設計が変わります。

実務で効くのは「電子的財産権」です。先週、iPhoneの攻撃ツールがウォレットを狙う記事で、自己管理の資産を分けて守る方法を書きました。ただ、盗まれた資産の法的な扱いがはっきりしない以上、守り方は自衛に頼るしかないのが現状です。財産権として定義されれば、保険や回収の道が広がります。予測市場については、制度が整う前に、日本の選挙やスポーツが海外市場で取引され、日本人が参加する状況が先に来ると見ています。Polymarketは日本から利用できない点は変わりません。

決まっていることと、決まっていないこと

期待先行になりやすいテーマなので、事実と提言を分けておきます。

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区分内容
決まっている議連が10月27日に視察を報告(訪問先・期間)。金融庁の研究会が10月20日に初会合を開き、DEX・DeFi・ウォレットを論点に含めた。フォーラムは2027年初に中間整理の予定
提言(未決定)JBAのDeFi法的位置づけ、電子的財産権、正本のルール、納税へのステーブルコイン活用、バーゼル規制の見直し、CBDC推進。いずれも政府の決定ではない
示されていないJBA提言の原文(執筆時点で未公開)。予測市場の国内制度化の時期や方向性。財産権の整理に着手する時期(木原氏は「時間がかかる」と説明)
出所:CoinPost・NADA NEWSの報道、金融庁の公表資料より作成(2026年10月時点)

よくある質問

自民党のブロックチェーン推進議連とは何ですか?

2021年に設立された自民党の議員連盟で、会長は木原誠二衆院議員、会長代行は平将明衆院議員、事務局長は神田潤一衆院議員です。毎年この時期に政府へ政策提言を行っており、2026年は6月1日に片山財務相へ税制・ETF・レバレッジ規制などの提言を提出しました。

今回の会合で何か決まったのですか?

いいえ。8月の米国視察の報告と、JBAによる提言の提示が内容で、制度の決定はありません。金融庁の担当者が研究会の検討状況を説明し、木原会長が優先順位(ほふり・投信法の見直しから)を示した段階です。

「アクセスの確保こそ投資家保護」とはどういう意味ですか?

投資家を守るために商品やサービスへのアクセスを禁じるのではなく、アクセスできる状態を確保し、情報開示と自己責任で判断させる考え方です。SECのピアース委員(10月2日に退任)が平氏に語った内容で、平氏はこれを「自己責任の国」と表現しています。日本では無登録業者へのアクセス遮断が保護の中心でした。

日本で予測市場はできるようになりますか?

現時点では見通しが立っていません。米国はイベント契約をCFTC管轄のデリバティブと解釈していますが、日本で同じ型を実現するには賭博罪の見直しが必要との弁護士見解が紹介されました。神田氏はスポーツや選挙を対象にすることにハードルが高いとの印象を述べています。

「電子的財産権」とは何ですか?

暗号資産などのデジタル資産を、法律上の財産権の対象として定義する考え方です。取引所に預けた資産は取引所への債権として守られますが、秘密鍵で自ら管理する資産は法的な性質が不明確で、盗まれても損害賠償請求しかできません。JBAは英国の立法例を挙げて定義を求めました。

DeFiやDEXは日本で規制されるのですか?

検討が始まった段階です。金融庁の研究会が10月20日の初会合で、DEXをはじめとするDeFiやウォレット提供業者のリスク低減策を論点に挙げました。JBAは「何ができて何ができないか」の明確化を求めています。2027年初めの中間整理で方向性が示される見込みです。

暗号資産の税金はどうなりますか?

今回の会合の主題ではありません。申告分離課税の導入は令和8年度税制改正で方針が示され、議連は6月の提言で着実な実施と選択制の検討を求めました。関連法が成立すれば、2028年1月の開始を念頭に検討が進むと神田氏が説明しています。

JBAの提言は政府の方針になるのですか?

いいえ。JBAは業界団体で、提言は議連への要望です。木原会長は、全提言を一気に実現するには法務省との調整が必要で時間がかかるとし、金融庁やデジタル庁で対応できるものから進める考えを示しました。提言の原文は本記事の執筆時点で公開されていません。

次に何を見ればよいですか?

2つです。年末までに予定される党PTの追加提言(証券・投資信託などの資産サイド)と、2027年初めのオンチェーン金融フォーラム第2回での中間整理・官民ロードマップです。DEX・DeFi・ウォレットの扱いが具体化するのは、その後になります。

まとめ

この記事のまとめ
  • 議連が10月27日、8月の米国視察(財務省・SEC・CFTC・Kalshi等)を報告
  • SECピアース委員の「アクセスの確保こそ投資家保護」が議論の軸に
  • JBAはDeFiの法的位置づけと電子的財産権を提言。決定ではない
  • 予測市場は賭博罪が壁。金融庁の研究会はDEX・DeFiを論点に
  • 次の節目は年末のPT提言と2027年初の中間整理

今回の報告は、制度を変えるものではなく、議論の前提を持ち帰ったものです。「アクセスさせないこと」を保護と見てきた日本に対し、米国は「アクセスを確保すること」を保護と定義していました。JBAの提言のうち、DeFiの位置づけは金融庁の研究会で論点整理が始まり、自己管理の暗号資産の財産権は法務省との調整が要る長い話です。投資家としては、年末のPT提言と2027年初めの中間整理を待ちながら、自分の資産の保管設計を見直しておくのが現実的です。

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水野倫太郎 水野倫太郎|株式会社ICHIZEN HOLDINGS 共同代表@mizuno_ichizen

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参考文献
・CoinPost「自民ブロックチェーン推進議連、米国視察を報告 DeFiや予測市場を議論」(2026年10月27日)
・NADA NEWS「自民党ブロックチェーン推進議連、米国視察を報告──JBAがオンチェーン金融の実装へ8項目提言」(2026年10月27日)
・NADA NEWS「「方向性は正しかった」──自民・平将明議員が語った米国視察と「オンチェーン金融」の未来」(2026年9月18日)
・平将明衆議院議員公式サイト「次世代AI・オンチェーン金融構想PT 提言」(2026年5月19日)
・金融庁「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会 事務局説明資料」(2026年10月20日・PDF)
・CoinPost「自民ブロックチェーン推進議連、片山財務相にオンチェーン金融の国家戦略提言」(2026年6月)
・あたらしい経済「米CFTC、予測市場への州規制巡りユタ州を提訴。連邦法の優先を主張」(2026年10月28日)

※本記事は2026年10月時点の情報です。議連の会合の内容はCoinPostとNADA NEWSの報道に基づくもので、JBAの提言の原文は執筆時点で公開されていません。発言の引用は報道の要約であり、文言そのものは各記事をご確認ください。金融庁の検討は論点整理の段階で、制度として決まった事項はありません。

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