オプション取引はNISAでできない|理由・代替手段・税制比較と暗号資産オプションまで忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • NISAでオプション取引はできない。制度上、先物・オプションは対象外
    • NISA対象は上場株式・ETF・投資信託のみ。デリバティブ取引は非課税制度の枠外
    • 2024年の新NISAでも対象商品に変更なし。2026年度改正(こどもNISA等)でも追加予定なし
  • NISAで「オプション的な値動き」を取る代替手段はある
    • カバードコール型ETF(QYLD・JEPQ等)は成長投資枠で購入可能。分配利回り重視の戦略
    • ただしオプション取引そのものの損益構造とは別物。代替とは言い切れない点に注意
  • オプション取引をやるなら証券口座(特定口座)か暗号資産取引所
    • 日経225オプションは申告分離課税20.315%。NISAの非課税とは税率が大きく異なる
    • 暗号資産オプション(Bitget等)は雑所得・総合課税で最大約55%。制度を理解して使い分けることが重要
水野 倫太郎

「NISAでオプションができたら非課税で最高なのに」という声はよく聞きます。結論から言えば制度上できませんし、今後追加される見込みもありません。ただ、NISAとオプションは「どちらか一方」ではなく、税制の違いを理解したうえで併用する設計が実務では有効です。この記事では制度の壁だけでなく、代替手段と税金の比較まで正直にお伝えします。

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • NISAでオプション取引はできない。制度上、先物・オプションは対象外
    • NISA対象は上場株式・ETF・投資信託のみ。デリバティブ取引は非課税制度の枠外
    • 2024年の新NISAでも対象商品に変更なし。2026年度改正(こどもNISA等)でも追加予定なし
  • NISAで「オプション的な値動き」を取る代替手段はある
    • カバードコール型ETF(QYLD・JEPQ等)は成長投資枠で購入可能。分配利回り重視の戦略
    • ただしオプション取引そのものの損益構造とは別物。代替とは言い切れない点に注意
  • オプション取引をやるなら証券口座(特定口座)か暗号資産取引所
    • 日経225オプションは申告分離課税20.315%。NISAの非課税とは税率が大きく異なる
    • 暗号資産オプション(Bitget等)は雑所得・総合課税で最大約55%。制度を理解して使い分けることが重要
水野 倫太郎

「NISAでオプションができたら非課税で最高なのに」という声はよく聞きます。結論から言えば制度上できませんし、今後追加される見込みもありません。ただ、NISAとオプションは「どちらか一方」ではなく、税制の違いを理解したうえで併用する設計が実務では有効です。この記事では制度の壁だけでなく、代替手段と税金の比較まで正直にお伝えします。

水野 倫太郎
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

慶應義塾大学経済学部卒。2017年米国留学時にブロックチェーンと出会い、Web3の業界に足を踏み入れる。2018年、仮想通貨メディアCoinOtakuに入社。2019年には同社のCMOに就任し、2020年に東証二部上場企業とM&Aを行い、様々なクリプト事業を展開。2022年に現在代表取締役社長を務めるICHIZEN HOLDINGSを立ち上げ様々なWeb3事業を手がける。複数のWeb3系事業に出資を行いながら有識者として活動。

監修 水野 倫太郎
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

慶應義塾大学経済学部。2017年米国留学時にブロックチェーンと出会い、Web3の業界に足を踏み入れる。2018年には、日本有数の仮想通貨メディアCoinOtakuに入社。2019年には同社のCMOに就任し、2020年に東証二部上場企業とM&Aを行い、様々なクリプト事業を展開する。2022年に現在代表取締役社長を務めるICHIZEN HOLDINGSを立ち上げ様々なWeb3事業を手がける。複数のWeb3系事業に出資を行いながら有識者として活動。

目次

NISAでオプション取引はできない|制度上の理由

結論として、NISA口座ではオプション取引を行うことはできません。これは2024年にスタートした新NISAでも変わっておらず、つみたて投資枠・成長投資枠のいずれにもオプション取引は含まれていません。

NISAは「少額投資非課税制度」として、個人が長期的な資産形成を行うことを支援する制度です(※1)。そのため、対象商品は比較的リスクの低い金融商品に限定されています。具体的には上場株式、ETF(上場投資信託)、公募株式投資信託、REITなどが対象で、先物取引やオプション取引などのデリバティブ(金融派生商品)は対象外です。

この制度設計の背景には、デリバティブ取引のレバレッジ性があります。オプション取引では、売り手が理論上無限大の損失を被る可能性があり、制度の趣旨である「安定的な資産形成」とは性格が異なります。金融庁もNISAの対象商品の選定基準として、長期・積立・分散投資に適した商品であることを重視しています

NISA有価証券のオプション代用も不可

もう1つ知っておくべきポイントがあります。NISA口座で保有している株式やETFを、先物・オプション取引の「代用有価証券」として差し入れることもできません。通常の特定口座で保有する株式であれば、証拠金代わりに差し入れてオプション取引の証拠金にすることが可能ですが、NISA口座の資産にはこの仕組みが適用されないのです。

つまり、NISAとオプション取引は完全に「別の財布」として管理する必要があります。NISAは非課税の長期投資、オプション取引は課税口座でのアクティブ運用と、役割を分けて設計するのが実務的な考え方です。

新NISA(2024年〜)の対象商品を正確に整理する

「新NISAでオプションが解禁されるかもしれない」という期待もありましたが、2024年1月にスタートした新NISAでもオプション取引は対象に含まれていません。ここで改めて、NISAの対象商品を正確に整理します。

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投資枠 年間投資枠 対象商品 非課税保有限度額
つみたて投資枠 120万円 金融庁が指定する一定の投資信託・ETF(長期・積立・分散に適したもの) 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
成長投資枠 240万円 上場株式・ETF・REIT・公募株式投資信託(信託期間20年未満・高レバレッジ型・毎月分配型を除く) 同上

表のとおり、どちらの枠にも先物・オプション・FX・暗号資産は含まれていません。2026年度の税制改正大綱では「こどもNISA」(0〜17歳向け、年間60万円、2027年施行予定)の創設やつみたて枠対象商品の拡充が盛り込まれましたが、オプション取引そのものの追加には触れていません(※2)。

ただし注目すべき動きが1つあります。同改正大綱で、カバードコール型やバッファー型など「リスク低減目的でデリバティブを活用する投資信託」を、成長投資枠の対象に加える方針が決定されました(2027年1月施行予定)。これはオプション取引そのものの解禁ではありませんが、オプション戦略を内包した商品がNISAで買えるようになるという意味では前進です。具体的にどの商品が対象になるかは今後の告示・政省令次第のため、最新情報は金融庁・投資信託協会の発表を確認してください。

オプション取引そのものがNISA対象に加わる可能性は、現時点では極めて低いと考えられます。制度の趣旨(安定的な資産形成の支援)を考えれば、レバレッジ性のあるデリバティブ売買が直接NISAに入る余地は構造的にないと理解しておくのが妥当です。

NISAで使える「オプション的」な代替手段

NISAでオプション取引そのものはできませんが、オプション戦略を組み込んだETFや投資信託であれば、成長投資枠で購入できる場合があります。ここでは「カバードコール型ETF」を中心に、NISA内で間接的にオプションの効果を得る方法を整理します。

カバードコール型ETF|QYLD・JEPQなど

カバードコール戦略とは、株式を保有しつつ、その株式のコールオプションを売って「オプション料(プレミアム)」を受け取る手法です。この戦略を組み込んだETFが「カバードコール型ETF」で、代表例として以下があります。

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ETF 対象指数 概要 NISA成長投資枠(2026年7月時点)
QYLD NASDAQ-100 毎月コールオプションを売り、プレミアム収入を分配金として支払う 現行は対象外(毎月分配型・デリバティブ利用)。2027年改正で対象化の可能性あり
JEPQ NASDAQ-100 個別銘柄+ELN(オプション内包ノート)で収益を上げる 同上
XYLD S&P 500 S&P 500のカバードコール。QYLDのS&P版 同上

これらのETFは内部でオプション取引を行っていますが、2026年7月時点では「毎月分配型」「デリバティブ利用型」に該当し、NISA成長投資枠の対象外です。しかし前述のとおり、2026年度税制改正大綱でリスク低減目的のデリバティブ活用商品の対象化が決まったため、2027年1月以降はこれらの一部がNISA対象になる可能性があります。具体的な対象銘柄の確定を待って判断してください。

カバードコール型ETFの注意点|「代替」とは言い切れない理由

カバードコール型ETFは「オプションの代替」として紹介されることがありますが、オプション取引そのものとは損益構造が根本的に異なります。違いを正直に整理しておきましょう。

カバードコール型ETFの注意点
  • 上昇相場での利益が限定される(コール売りで値上がり益を放棄している構造)
  • 下落相場の損失は通常の株式と同程度に受ける(保護がない)
  • 分配金はプレミアム収入であり、元本の取り崩しを含む場合がある
  • レバレッジ効果や方向性を取る自由度はない(自分でポジションを組めない)

オプション取引の魅力が「少額でレバレッジをかけて大きなリターンを狙う」「下落に備えたヘッジをかける」ことにあるなら、カバードコール型ETFはその目的には合いません。あくまで「高めの分配金を非課税で受け取りたい」というニーズへの選択肢として位置づけるのが正確です。

オプション取引の税金|NISAの非課税とどう違うか

NISAでオプション取引ができない以上、オプションをやるなら課税口座で行うことになります。ここで重要なのが、NISAの「非課税」とオプション取引の「課税」の差が実際にどれくらいあるかを正確に把握することです。

日経225オプション・先物の税率|申告分離課税20.315%

日経225オプションや日経225先物などの市場デリバティブ取引は「申告分離課税」が適用され、税率は一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です(※3)。利益がいくら出ても税率は変わりません。

さらにこの税区分は、他の先物取引やFX(店頭・取引所)の損益と通算できるのが大きな特徴です。たとえば日経225オプションで100万円の利益、FXで50万円の損失が出た場合、差引き50万円に対して20.315%が課税されます。損失が出た年は、確定申告で繰越控除(最大3年)も利用可能です。

NISA vs オプション取引|税制の違いを比較

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項目 NISA オプション取引(日経225等)
課税方式 非課税(譲渡益・配当金とも) 申告分離課税 20.315%
年間投資枠 360万円(つみたて120万+成長240万) 制限なし(証拠金の範囲内)
非課税保有限度額 1,800万円 該当なし
損益通算 不可(NISA内の損失は他口座と通算できない) 先物・FXと通算可能
繰越控除 不可 最大3年間
対象商品 上場株式・ETF・投資信託 日経225オプション・先物・FX等

一見するとNISAの「非課税」は圧倒的に有利に見えますが、注意すべき点があります。NISA口座で損失が出ても、他の口座の利益と損益通算ができません。一方、オプション取引は損失が出ても先物やFXの利益と相殺でき、さらに繰越控除もあるため、リスク管理の面では柔軟性があるのです。

つまり、NISAは「利益が出たときの税制メリットが最大」である一方、オプション取引は「損失が出たときに救済策がある」という構造です。どちらが有利かは、運用スタイルとリスク許容度によって変わります

暗号資産オプションの税金|雑所得・総合課税で最大約55%

海外取引所(Bitget・Deribit等)で暗号資産のオプション取引を行った場合、日本の税務上は雑所得として総合課税が適用され、税率は最大約55%(所得税45%+住民税10%)になります。日経225オプションの申告分離課税20.315%と比較すると、税負担の差は非常に大きいのが現状です。

なお、2025年度税制改正大綱では暗号資産への申告分離課税の導入が議論されており、2028年度以降の施行が見込まれていますが、2026年7月時点では未施行です(※4)。暗号資産の税制改正の詳細は、仮想通貨の税金の記事で解説しています。

オプション取引を始めるには?NISA外の選択肢

NISAではできないオプション取引を実際にやりたい場合、どのような選択肢があるのかを整理します。大きく分けて「国内証券会社での伝統的オプション」と「海外取引所での暗号資産オプション」の2つのルートがあります。

国内証券会社|日経225オプション・米国株オプション

日経225オプションを取り扱う主要な証券会社は、SBI証券・楽天証券・松井証券・マネックス証券などです。特定口座(源泉徴収あり)で取引すれば確定申告が不要なケースもあり、税務面での手間は比較的少なくなります。

米国株オプションについては、サクソバンク証券やインタラクティブ・ブローカーズ証券(IBKR)が国内からアクセスできる主要な選択肢です。米国株オプションは個別銘柄を対象にした戦略が組みやすく、カバードコールやCSP(キャッシュ・セキュアード・プット)といった収益戦略の自由度が高い特徴があります。

オプション取引の基本や証券会社の選び方は、オプション取引とは?の記事で詳しく解説しています。SBI証券のオプション取引についてはSBI証券オプション取引の記事もご覧ください。

暗号資産オプション|Bitgetなど海外取引所で24時間取引

暗号資産の世界にもオプション取引があります。Bitgetでは暗号資産のオプション取引に加え、2026年から米国株オプションの提供も開始しています。暗号資産オプションは24時間365日取引可能で、少額から始められるのが特徴です。

ただし前述のとおり、暗号資産オプションの利益は雑所得・総合課税で最大約55%の税率がかかります。税制面では日経225オプションの20.315%と大きな差があるため、この点を理解したうえで取引することが重要です。

海外取引所Bitgetの紹介画像

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公式サイトはこちら

NISAとオプション取引を併用する際の注意点

NISAとオプション取引は「別の制度」ですが、両方を使い分ける際に見落とされがちな注意点があります。

併用時の注意点
  • NISA口座の損失はオプション口座の利益と損益通算できない
  • オプション取引の確定申告を忘れると追徴課税のリスクがある
  • NISA保有株を代用有価証券にすることはできない
  • 暗号資産オプションと日経225オプションは税区分が異なり、互いに損益通算できない

特に重要なのが損益通算の壁です。NISAで100万円の含み損を抱えていても、オプション取引の100万円の利益を相殺することはできません。逆も同様で、オプションの損失でNISAの利益を減らすこともできません。これは意外と見落とされがちなポイントです。

また、日経225オプション(申告分離課税)と暗号資産オプション(雑所得・総合課税)も税区分が異なるため損益通算の対象外です。複数の投資手段を使い分ける場合は、どの口座でどの取引をしているのかを明確に管理することが不可欠です。

ICHIZEN Capitalの視点|NISAとオプションの「使い分け設計」

多くの解説記事は「NISAではオプションはできません」で終わりますが、実務上はNISAとオプションの使い分けこそが資産設計のポイントです。ICHIZEN Capitalでは暗号資産の運用と税務の両方に実務で携わっている立場から、以下の視点を共有します。

「コア+サテライト」で考える

資産運用の世界には「コア・サテライト戦略」という考え方があります。資産の大部分(コア)をインデックス投資などの安定運用に置き、一部(サテライト)をオプション取引のようなアクティブ運用に回す方法です。

この考え方を税制に当てはめると、コア部分はNISAで非課税運用、サテライト部分はオプション取引で課税口座運用という設計が合理的になります。NISAの非課税枠1,800万円は長期の積立投資に使い、それとは別の余裕資金でオプション取引を行うのです。

税負担の差は「実効リターン」に直結する

NISAで100万円の利益が出れば手取りはそのまま100万円です。日経225オプションで同じ100万円の利益が出た場合、手取りは約79.7万円(税引後)。暗号資産オプションなら、所得水準によっては手取りが50万円を切る可能性もあります。

この差は長期で複利運用すると極めて大きくなります。税引後のリターンが低い取引ほど、その分のリスクに見合ったリターンが必要になるということです。「NISAでは物足りないからオプションをやりたい」と考える前に、NISAの枠を最大限に使い切っているかを先に確認すべきでしょう。

水野 倫太郎

NISAの1,800万円の非課税枠を使い切る前に、課税されるオプション取引に資金を回すのは合理的ではありません。まずNISAを埋め切り、それでも余裕資金がある場合に、特定口座でのオプション取引や暗号資産への分散を検討する——この順番が、税金を考慮した資産設計の基本です。判断に迷う場合は税理士への相談をおすすめします。

よくある質問

NISAでオプション取引はできますか?

できません。NISAの対象商品は上場株式・ETF・投資信託などに限定されており、先物・オプション取引は制度上対象外です。2024年の新NISAでも変更はなく、今後の制度改正で追加される見込みも現時点ではありません。

新NISAでオプション取引が解禁される予定はありますか?

2026年7月時点で、オプション取引をNISA対象に追加する改正の予定はありません。2026年度の税制改正大綱ではこどもNISAの創設や対象商品の拡充が盛り込まれましたが、デリバティブ取引の追加には触れていません。

カバードコール型ETF(QYLD等)はNISAで買えますか?

2026年7月時点では、QYLD・JEPQ等のカバードコール型ETFは「毎月分配型」「デリバティブ利用型」に該当し、NISA成長投資枠の対象外です。ただし2026年度税制改正大綱で、リスク低減目的のデリバティブ活用商品の対象化が決定されており、2027年1月以降は一部が対象になる可能性があります。

オプション取引の税金はいくらですか?

日経225オプションなどの市場デリバティブ取引は、申告分離課税で一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。暗号資産オプションの場合は雑所得・総合課税で、所得水準に応じて最大約55%になります。

NISA口座の株をオプション取引の証拠金に使えますか?

使えません。NISA口座で保有する株式やETFを、先物・オプション取引の代用有価証券として差し入れることは制度上認められていません。オプション取引の証拠金には、特定口座や一般口座の資産を使う必要があります。

NISAの損失とオプション取引の利益を損益通算できますか?

できません。NISA口座で発生した損失は、税務上「なかったもの」として扱われます。そのため、他の口座(特定口座・オプション取引口座)の利益と損益通算することはできません。逆も同様です。

暗号資産のオプション取引はNISAの対象ですか?

対象ではありません。暗号資産自体がNISAの対象商品に含まれておらず、暗号資産オプションも同様です。暗号資産オプションは海外取引所(Bitget等)で取引可能ですが、利益は雑所得・総合課税の対象になります。

オプション取引で損失が出たら確定申告は必要ですか?

義務ではありませんが、確定申告をすることで損失の繰越控除(最大3年間)が適用され、翌年以降の先物・オプション・FXの利益と相殺できます。損失が出た年こそ確定申告をしておくのが有利です。

まとめ|NISAとオプション取引は「別の財布」で使い分ける

NISAでオプション取引はできません。これは2024年スタートの新NISAでも変わらず、今後の制度改正で追加される見込みも現時点ではありません。NISAは長期・安定の資産形成、オプション取引はリスクを取ったアクティブ運用と、それぞれ異なる目的の制度です。

NISAの枠内でオプション的な効果を得たい場合は、カバードコール型ETFが選択肢になりますが、損益構造はオプション取引そのものとは異なります。オプション取引をやるなら課税口座で、税制の違い(申告分離20.315% vs NISAの非課税 vs 暗号資産の総合課税最大55%)を把握したうえで、資金を配分するのが合理的です。

まずNISAの非課税枠を使い切り、それでも余裕資金があるならオプション取引に挑戦する——この順番を守るだけで、長期的な税引後リターンは大きく変わります。制度の壁を嘆くのではなく、制度の違いを武器に変える設計を意識しましょう。

参考文献

1. 金融庁「NISAとは」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
2. 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(2025年12月)https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf
3. 国税庁「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」https://www.nta.go.jp/
4. 自由民主党・公明党「令和7年度税制改正大綱」(暗号資産の申告分離課税に関する記述)

※本記事は2026年7月時点の制度・税制に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。NISA・オプション取引・暗号資産の税制は変更される場合があるため、最新の情報は金融庁・国税庁および各証券会社の公式情報でご確認ください。税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。投資にはリスクが伴い、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

NISAでオプション取引はできない|制度上の理由

結論として、NISA口座ではオプション取引を行うことはできません。これは2024年にスタートした新NISAでも変わっておらず、つみたて投資枠・成長投資枠のいずれにもオプション取引は含まれていません。

NISAは「少額投資非課税制度」として、個人が長期的な資産形成を行うことを支援する制度です(※1)。そのため、対象商品は比較的リスクの低い金融商品に限定されています。具体的には上場株式、ETF(上場投資信託)、公募株式投資信託、REITなどが対象で、先物取引やオプション取引などのデリバティブ(金融派生商品)は対象外です。

この制度設計の背景には、デリバティブ取引のレバレッジ性があります。オプション取引では、売り手が理論上無限大の損失を被る可能性があり、制度の趣旨である「安定的な資産形成」とは性格が異なります。金融庁もNISAの対象商品の選定基準として、長期・積立・分散投資に適した商品であることを重視しています

NISA有価証券のオプション代用も不可

もう1つ知っておくべきポイントがあります。NISA口座で保有している株式やETFを、先物・オプション取引の「代用有価証券」として差し入れることもできません。通常の特定口座で保有する株式であれば、証拠金代わりに差し入れてオプション取引の証拠金にすることが可能ですが、NISA口座の資産にはこの仕組みが適用されないのです。

つまり、NISAとオプション取引は完全に「別の財布」として管理する必要があります。NISAは非課税の長期投資、オプション取引は課税口座でのアクティブ運用と、役割を分けて設計するのが実務的な考え方です。

新NISA(2024年〜)の対象商品を正確に整理する

「新NISAでオプションが解禁されるかもしれない」という期待もありましたが、2024年1月にスタートした新NISAでもオプション取引は対象に含まれていません。ここで改めて、NISAの対象商品を正確に整理します。

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投資枠年間投資枠対象商品非課税保有限度額
つみたて投資枠120万円金融庁が指定する一定の投資信託・ETF(長期・積立・分散に適したもの)1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
成長投資枠240万円上場株式・ETF・REIT・公募株式投資信託(信託期間20年未満・高レバレッジ型・毎月分配型を除く)同上

表のとおり、どちらの枠にも先物・オプション・FX・暗号資産は含まれていません。2026年度の税制改正大綱では「こどもNISA」(0〜17歳向け、年間60万円、2027年施行予定)の創設やつみたて枠対象商品の拡充が盛り込まれましたが、デリバティブの追加には一切触れていません(※2)。

今後の制度改正でオプション取引がNISA対象に加わる可能性は、現時点では極めて低いと考えられます。制度の趣旨(安定的な資産形成の支援)を考えれば、ハイリスクなデリバティブがNISAに入る余地は構造的にないと理解しておくのが妥当です。

NISAで使える「オプション的」な代替手段

NISAでオプション取引そのものはできませんが、オプション戦略を組み込んだETFや投資信託であれば、成長投資枠で購入できる場合があります。ここでは「カバードコール型ETF」を中心に、NISA内で間接的にオプションの効果を得る方法を整理します。

カバードコール型ETF|QYLD・JEPQなど

カバードコール戦略とは、株式を保有しつつ、その株式のコールオプションを売って「オプション料(プレミアム)」を受け取る手法です。この戦略を組み込んだETFが「カバードコール型ETF」で、代表例として以下があります。

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ETF対象指数概要NISA成長投資枠
QYLDNASDAQ-100毎月コールオプションを売り、プレミアム収入を分配金として支払う要確認(証券会社により異なる)
JEPQNASDAQ-100個別銘柄+ELN(オプション内包ノート)で収益を上げる要確認
XYLDS&P 500S&P 500のカバードコール。QYLDのS&P版要確認

これらのETFは、内部でオプション取引を行っているものの、投資家が直接オプションを売買するわけではありません。ETFとしての売買は通常の株式取引と同じ扱いのため、NISA成長投資枠の対象になりうるのです。ただし、毎月分配型に該当する場合はNISA対象外となる可能性があるため、利用する証券会社で個別に確認してください

カバードコール型ETFの注意点|「代替」とは言い切れない理由

カバードコール型ETFは「オプションの代替」として紹介されることがありますが、オプション取引そのものとは損益構造が根本的に異なります。違いを正直に整理しておきましょう。

カバードコール型ETFの注意点
  • 上昇相場での利益が限定される(コール売りで値上がり益を放棄している構造)
  • 下落相場の損失は通常の株式と同程度に受ける(保護がない)
  • 分配金はプレミアム収入であり、元本の取り崩しを含む場合がある
  • レバレッジ効果や方向性を取る自由度はない(自分でポジションを組めない)

オプション取引の魅力が「少額でレバレッジをかけて大きなリターンを狙う」「下落に備えたヘッジをかける」ことにあるなら、カバードコール型ETFはその目的には合いません。あくまで「高めの分配金を非課税で受け取りたい」というニーズへの選択肢として位置づけるのが正確です。

オプション取引の税金|NISAの非課税とどう違うか

NISAでオプション取引ができない以上、オプションをやるなら課税口座で行うことになります。ここで重要なのが、NISAの「非課税」とオプション取引の「課税」の差が実際にどれくらいあるかを正確に把握することです。

日経225オプション・先物の税率|申告分離課税20.315%

日経225オプションや日経225先物などの市場デリバティブ取引は「申告分離課税」が適用され、税率は一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です(※3)。利益がいくら出ても税率は変わりません。

さらにこの税区分は、他の先物取引やFX(店頭・取引所)の損益と通算できるのが大きな特徴です。たとえば日経225オプションで100万円の利益、FXで50万円の損失が出た場合、差引き50万円に対して20.315%が課税されます。損失が出た年は、確定申告で繰越控除(最大3年)も利用可能です。

NISA vs オプション取引|税制の違いを比較

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項目NISAオプション取引(日経225等)
課税方式非課税(譲渡益・配当金とも)申告分離課税 20.315%
年間投資枠360万円(つみたて120万+成長240万)制限なし(証拠金の範囲内)
非課税保有限度額1,800万円該当なし
損益通算不可(NISA内の損失は他口座と通算できない)先物・FXと通算可能
繰越控除不可最大3年間
対象商品上場株式・ETF・投資信託日経225オプション・先物・FX等

一見するとNISAの「非課税」は圧倒的に有利に見えますが、注意すべき点があります。NISA口座で損失が出ても、他の口座の利益と損益通算ができません。一方、オプション取引は損失が出ても先物やFXの利益と相殺でき、さらに繰越控除もあるため、リスク管理の面では柔軟性があるのです。

つまり、NISAは「利益が出たときの税制メリットが最大」である一方、オプション取引は「損失が出たときに救済策がある」という構造です。どちらが有利かは、運用スタイルとリスク許容度によって変わります

暗号資産オプションの税金|雑所得・総合課税で最大約55%

海外取引所(Bitget・Deribit等)で暗号資産のオプション取引を行った場合、日本の税務上は雑所得として総合課税が適用され、税率は最大約55%(所得税45%+住民税10%)になります。日経225オプションの申告分離課税20.315%と比較すると、税負担の差は非常に大きいのが現状です。

なお、2025年度税制改正大綱では暗号資産への申告分離課税の導入が議論されており、2028年度以降の施行が見込まれていますが、2026年7月時点では未施行です(※4)。暗号資産の税制改正の詳細は、仮想通貨の税金の記事で解説しています。

オプション取引を始めるには?NISA外の選択肢

NISAではできないオプション取引を実際にやりたい場合、どのような選択肢があるのかを整理します。大きく分けて「国内証券会社での伝統的オプション」と「海外取引所での暗号資産オプション」の2つのルートがあります。

国内証券会社|日経225オプション・米国株オプション

日経225オプションを取り扱う主要な証券会社は、SBI証券・楽天証券・松井証券・マネックス証券などです。特定口座(源泉徴収あり)で取引すれば確定申告が不要なケースもあり、税務面での手間は比較的少なくなります。

米国株オプションについては、サクソバンク証券やインタラクティブ・ブローカーズ証券(IBKR)が国内からアクセスできる主要な選択肢です。米国株オプションは個別銘柄を対象にした戦略が組みやすく、カバードコールやCSP(キャッシュ・セキュアード・プット)といった収益戦略の自由度が高い特徴があります。

オプション取引の基本や証券会社の選び方は、オプション取引とは?の記事で詳しく解説しています。SBI証券のオプション取引についてはSBI証券オプション取引の記事もご覧ください。

暗号資産オプション|Bitgetなど海外取引所で24時間取引

暗号資産の世界にもオプション取引があります。Bitgetでは暗号資産のオプション取引に加え、2026年から米国株オプションの提供も開始しています。暗号資産オプションは24時間365日取引可能で、少額から始められるのが特徴です。

ただし前述のとおり、暗号資産オプションの利益は雑所得・総合課税で最大約55%の税率がかかります。税制面では日経225オプションの20.315%と大きな差があるため、この点を理解したうえで取引することが重要です。

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NISAとオプション取引を併用する際の注意点

NISAとオプション取引は「別の制度」ですが、両方を使い分ける際に見落とされがちな注意点があります。

併用時の注意点
  • NISA口座の損失はオプション口座の利益と損益通算できない
  • オプション取引の確定申告を忘れると追徴課税のリスクがある
  • NISA保有株を代用有価証券にすることはできない
  • 暗号資産オプションと日経225オプションは税区分が異なり、互いに損益通算できない

特に重要なのが損益通算の壁です。NISAで100万円の含み損を抱えていても、オプション取引の100万円の利益を相殺することはできません。逆も同様で、オプションの損失でNISAの利益を減らすこともできません。これは意外と見落とされがちなポイントです。

また、日経225オプション(申告分離課税)と暗号資産オプション(雑所得・総合課税)も税区分が異なるため損益通算の対象外です。複数の投資手段を使い分ける場合は、どの口座でどの取引をしているのかを明確に管理することが不可欠です。

ICHIZEN Capitalの視点|NISAとオプションの「使い分け設計」

多くの解説記事は「NISAではオプションはできません」で終わりますが、実務上はNISAとオプションの使い分けこそが資産設計のポイントです。ICHIZEN Capitalでは暗号資産の運用と税務の両方に実務で携わっている立場から、以下の視点を共有します。

「コア+サテライト」で考える

資産運用の世界には「コア・サテライト戦略」という考え方があります。資産の大部分(コア)をインデックス投資などの安定運用に置き、一部(サテライト)をオプション取引のようなアクティブ運用に回す方法です。

この考え方を税制に当てはめると、コア部分はNISAで非課税運用、サテライト部分はオプション取引で課税口座運用という設計が合理的になります。NISAの非課税枠1,800万円は長期の積立投資に使い、それとは別の余裕資金でオプション取引を行うのです。

税負担の差は「実効リターン」に直結する

NISAで100万円の利益が出れば手取りはそのまま100万円です。日経225オプションで同じ100万円の利益が出た場合、手取りは約79.7万円(税引後)。暗号資産オプションなら、所得水準によっては手取りが50万円を切る可能性もあります。

この差は長期で複利運用すると極めて大きくなります。税引後のリターンが低い取引ほど、その分のリスクに見合ったリターンが必要になるということです。「NISAでは物足りないからオプションをやりたい」と考える前に、NISAの枠を最大限に使い切っているかを先に確認すべきでしょう。

水野 倫太郎

NISAの1,800万円の非課税枠を使い切る前に、課税されるオプション取引に資金を回すのは合理的ではありません。まずNISAを埋め切り、それでも余裕資金がある場合に、特定口座でのオプション取引や暗号資産への分散を検討する——この順番が、税金を考慮した資産設計の基本です。判断に迷う場合は税理士への相談をおすすめします。

よくある質問

NISAでオプション取引はできますか?

できません。NISAの対象商品は上場株式・ETF・投資信託などに限定されており、先物・オプション取引は制度上対象外です。2024年の新NISAでも変更はなく、今後の制度改正で追加される見込みも現時点ではありません。

新NISAでオプション取引が解禁される予定はありますか?

2026年7月時点で、オプション取引をNISA対象に追加する改正の予定はありません。2026年度の税制改正大綱ではこどもNISAの創設や対象商品の拡充が盛り込まれましたが、デリバティブ取引の追加には触れていません。

NISAで買えるカバードコール型ETFはありますか?

QYLD・JEPQ・XYLDなどのカバードコール型ETFは、成長投資枠の対象になりうる商品です。ただし毎月分配型に該当する場合は対象外となるケースがあるため、利用する証券会社で個別に確認してください。

オプション取引の税金はいくらですか?

日経225オプションなどの市場デリバティブ取引は、申告分離課税で一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。暗号資産オプションの場合は雑所得・総合課税で、所得水準に応じて最大約55%になります。

NISA口座の株をオプション取引の証拠金に使えますか?

使えません。NISA口座で保有する株式やETFを、先物・オプション取引の代用有価証券として差し入れることは制度上認められていません。オプション取引の証拠金には、特定口座や一般口座の資産を使う必要があります。

NISAの損失とオプション取引の利益を損益通算できますか?

できません。NISA口座で発生した損失は、税務上「なかったもの」として扱われます。そのため、他の口座(特定口座・オプション取引口座)の利益と損益通算することはできません。逆も同様です。

暗号資産のオプション取引はNISAの対象ですか?

対象ではありません。暗号資産自体がNISAの対象商品に含まれておらず、暗号資産オプションも同様です。暗号資産オプションは海外取引所(Bitget等)で取引可能ですが、利益は雑所得・総合課税の対象になります。

オプション取引で損失が出たら確定申告は必要ですか?

義務ではありませんが、確定申告をすることで損失の繰越控除(最大3年間)が適用され、翌年以降の先物・オプション・FXの利益と相殺できます。損失が出た年こそ確定申告をしておくのが有利です。

まとめ|NISAとオプション取引は「別の財布」で使い分ける

NISAでオプション取引はできません。これは2024年スタートの新NISAでも変わらず、今後の制度改正で追加される見込みも現時点ではありません。NISAは長期・安定の資産形成、オプション取引はリスクを取ったアクティブ運用と、それぞれ異なる目的の制度です。

NISAの枠内でオプション的な効果を得たい場合は、カバードコール型ETFが選択肢になりますが、損益構造はオプション取引そのものとは異なります。オプション取引をやるなら課税口座で、税制の違い(申告分離20.315% vs NISAの非課税 vs 暗号資産の総合課税最大55%)を把握したうえで、資金を配分するのが合理的です。

まずNISAの非課税枠を使い切り、それでも余裕資金があるならオプション取引に挑戦する——この順番を守るだけで、長期的な税引後リターンは大きく変わります。制度の壁を嘆くのではなく、制度の違いを武器に変える設計を意識しましょう。

参考文献

1. 金融庁「NISAとは」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
2. 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(2025年12月)https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf
3. 国税庁「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」https://www.nta.go.jp/
4. 自由民主党・公明党「令和7年度税制改正大綱」(暗号資産の申告分離課税に関する記述)

※本記事は2026年7月時点の制度・税制に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。NISA・オプション取引・暗号資産の税制は変更される場合があるため、最新の情報は金融庁・国税庁および各証券会社の公式情報でご確認ください。税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。投資にはリスクが伴い、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

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