オプション取引×暴落|プット買いのヘッジ効果・過去の暴落事例・売り手のリスクを忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • 暴落時のオプション取引は「買い手」と「売り手」で天と地ほど違う
    • 2024年8月5日の暴落ではプット買いが約18倍のリターン。一方でプット売り手には巨額追証が発生した
    • 暴落時はIV(インプライド・ボラティリティ)が急騰し、オプション価格が一変する
  • プット買いは「暴落保険」として機能する|プロテクティブプットの仕組み
    • 保有株+プット買いで下値リスクを限定しつつ上昇益を狙える。保険料はプレミアム分のみ
    • コロナショック(2020年)では9円で買ったプットがSQで2,448円の本質的価値に
  • 過去の主要暴落事例|ブラックマンデー・東日本大震災・令和のブラックマンデー
    • 歴史的暴落のたびにオプション市場は劇的な値動きを記録。売り手の破綻事例が繰り返されてきた
    • 2011年の震災ではプット売りで証拠金300万円に対し追証1,278万円の計算例が報じられた
  • 暴落対策のオプション戦略と税金|仮想通貨オプションの盲点
    • 国内取引所取引は申告分離課税20.315%で損失繰越3年可能。海外業者・仮想通貨は総合課税で最大55%
    • ビットコインオプション市場も暴落時にIVが急騰する。仮想通貨オプションの税制は別扱い
木田 陽介

暴落局面はオプション取引の本領が試される場面です。プット買いで資産を守れた投資家がいる一方、売りポジションで一夜にして追証を抱えた投資家もいます。この記事では過去の暴落データを数字で示しながら、暴落に備えるオプション戦略とリスクを正直に整理します。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

オプション取引と暴落の関係|なぜ暴落時にオプションが注目されるのか

オプション取引が暴落時に注目される最大の理由は、プットオプションの買いが「暴落保険」として機能するからです。株式や先物では暴落時に損失を出すだけですが、プット(売る権利)を事前に買っておけば、下落幅が大きいほど利益が膨らみます。

一方で、暴落はオプションの売り手にとって最大の脅威です。相場が平穏なときに安定的なプレミアム収入を得ていた売り手が、暴落一発で破綻するケースが歴史上繰り返されてきました。暴落時のオプション市場は、買い手と売り手の明暗がもっとも鮮明に分かれる局面です。

暴落時にオプション価格が急変動する最大の要因は、IV(インプライド・ボラティリティ)の急騰です。IVは市場が織り込む将来の変動率で、暴落時には恐怖心理から急上昇します。VIX指数(恐怖指数)はS&P500のオプション価格から算出されるIVの指標で、2024年8月5日には一時65.73まで急騰しました(※1)。IVが上がればオプションのプレミアム(価格)も急騰するため、暴落時はプット買い手に大きなリターンをもたらし、プット売り手に壊滅的な損失をもたらすのです。

過去の主要暴落とオプション市場の動き|具体的な数字で振り返る

暴落時にオプション市場で何が起きるのか、過去の実例を具体的な数字で確認します。歴史的な暴落のたびに、プットオプションの価格は数倍〜数百倍に急騰し、売り手の破綻事例が報告されてきました。

この章の内容
  • ブラックマンデー(1987年)とオプション市場
  • 東日本大震災(2011年)の追証事例
  • コロナショック(2020年)のプット急騰
  • 令和のブラックマンデー(2024年8月5日)

ブラックマンデー(1987年10月19日)|オプション市場の原点

1987年10月19日、ダウ工業株平均は1日で22.61%下落しました(※2)。プログラム取引による売りの連鎖が暴落を増幅させ、市場全体がパニックに陥りました。この暴落がきっかけで、米国ではサーキットブレーカー制度が導入されています。

当時のオプション市場では、プットオプションの価格が急騰し、多くのプット売り手が破綻に追い込まれました。この経験が「テールリスク(極端な暴落リスク)への備えとしてのプット買い」という発想を広めるきっかけになりました。VIX指数の前身であるVXO指数はこの暴落時に150を超える数値を記録しています。

東日本大震災(2011年3月)|プット売りで追証1,278万円

2011年3月14日、東日本大震災の翌営業日に日経平均は約10,600円から約7,800円へと約26%の暴落を記録しました。このとき日経225プットオプション(権利行使価格9,000円)のプレミアムは12円から1,490円へ急騰しました(※3)。

証拠金300万円で10枚を売っていた場合、損失は(1,490−12)×1,000×10枚=約1,478万円。証拠金を差し引いても約1,178万円の追証が発生する計算です。「数十万円のプレミアム収入を得るために、千万円単位の借金を背負う」という構図が現実に起きました。

コロナショック(2020年2〜3月)|プット9円が243万円の利益に

2020年2月から3月にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大により世界同時株安が発生しました。日経平均は約24,000円から約16,500円まで約31%下落しました。米国ではS&P500が約33%急落し、VIX指数は一時82.69に達しています(※4)。

2020年2月14日に9円で購入した日経225プットオプションが、3月13日のSQで2,448円の本質的価値を持つにいたりました(※5)。実際の投資額9,000円に対して約243万円の利益です。暴落の「保険」としてプットを買っていた投資家には、掛け捨ての保険料が数百倍になって返ってきた計算になります。

令和のブラックマンデー(2024年8月5日)|プット買いは18倍・売り手は壊滅

2024年8月5日、日経平均は前日比−4,451円(−12.4%)という過去最大の下落幅を記録しました(※6)。海外投機筋のデリバティブ取引が値動きを増幅させたと分析されています。

日経225ETFのプットオプション(権利行使価格40,000円)のプレミアムは400円から7,170円へと約18倍に急騰しました(※7)。プット買い手にとっては「暴落保険が大当たりした日」ですが、プット売り手には巨額の追証が発生しました。楽天証券のレポートでは、プット売りの影響が暴落を増幅させた可能性が指摘されています(※8)。

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暴落イベント日付下落率プットオプションの動き
ブラックマンデー1987年10月19日ダウ −22.61%プット急騰・多数の売り手が破綻
東日本大震災2011年3月14日日経 約−26%プレミアム 12円→1,490円(約124倍)
コロナショック2020年2〜3月日経 約−31%プレミアム 9円→SQ2,448円(約272倍)
令和ブラックマンデー2024年8月5日日経 −12.4%プレミアム 400円→7,170円(約18倍)

すべての暴落に共通するのは、「プット買い手が大きなリターンを得て、プット売り手が壊滅的な損失を被る」という構図です。この非対称性こそが、暴落とオプション取引の核心と言えます。

暴落に備えるオプション戦略|プロテクティブプットと実践的な使い方

暴落に備えるオプション戦略の基本は「プロテクティブプット」です。保有株+プットオプションの買いを組み合わせることで、下落リスクを限定しつつ上昇益を確保できます。機関投資家が日常的に使っている手法であり、個人投資家にも実践可能です。

この章の内容
  • プロテクティブプット(暴落保険)の仕組み
  • プット買いの具体的なコスト感
  • ベアプットスプレッドで暴落に賭ける
  • VIXを活用した暴落ヘッジ

プロテクティブプット|保有株の「掛け捨て保険」

プロテクティブプットとは、保有株(または日経225ETFなどのインデックス)に対して、プットオプションを買い付ける戦略です。株式を保有したまま、一定の価格以下の下落損失をプットの利益で相殺できます。

たとえば日経平均が40,000円のときに、権利行使価格38,000円のプットを買えば、日経平均がいくら下がっても38,000円以下の損失はプットの利益でカバーされます。コストはプレミアム(掛け捨ての保険料)のみです。日経平均が上昇すればプレミアムは無駄になりますが、損失はその保険料分だけに限定されます。

プロテクティブプットの詳しい仕組みについては、オプション取引のヘッジの記事でも解説しています。

プット買いのコスト感|「保険料」はいくらかかるか

暴落保険のコストは、権利行使価格と満期日の選び方で大きく変わります。一般的に、現在の株価から離れた権利行使価格(OTM=アウト・オブ・ザ・マネー)のプットほど安く、逆に近い価格ほど高くなります。

2024年8月の暴落前の事例では、日経平均40,000円の時点で権利行使価格40,000円のプットが400円(=40万円/枚)でした。さらにOTMの権利行使価格35,000円のプットであれば数十円〜100円程度(数万円〜10万円/枚)で購入できるケースもあります。保有資産の規模に対して「年間のポートフォリオ価値の1〜3%をプット購入に充てる」のが、機関投資家の目安とされています。

ベアプットスプレッド|コストを抑えて暴落に賭ける

「暴落が来そうだが、プット買いのコストを抑えたい」という場合に有効なのがベアプットスプレッドです。高い権利行使価格のプットを買い、低い権利行使価格のプットを同時に売ることで、支払うプレミアムを減らせます。

たとえば権利行使価格38,000円のプットを買い、35,000円のプットを売れば、最大利益は(38,000−35,000)×1,000=300万円に限定されますが、コストも大幅に下がります。暴落の深さに上限を設ける代わりに、保険料を節約する合理的な戦略です。

VIX関連商品を活用した暴落ヘッジ

VIX指数は暴落時に急騰する性質があるため、VIX関連のオプションやETF/ETNを保有しておくことも暴落ヘッジの手段になります。2024年8月5日にはVIX指数が一時65.73まで急騰し、VIX関連商品を保有していた投資家は大きなリターンを得ました(※1)。

ただしVIX関連商品には「コンタンゴ(期先が期近より高い状態)」による価値の減耗があり、長期保有すると保険料がかさみます。暴落ヘッジとして持つなら、ポートフォリオの一部にとどめるのが実践的です。VIXオプションの詳細は、VIX指数のオプション取引の記事で解説しています。

暴落時にオプションの売り手が壊滅する理由|構造的リスクを理解する

暴落時にオプションの売り手が壊滅する根本原因は、損失が理論上無限大になる構造と、IV急騰による証拠金の急増にあります。平常時は「確率の高い小さな利益を積み重ねる」売り戦略が、暴落一発で数年分の利益を吹き飛ばすリスクを抱えています。

プット売りの「コツコツドカン」構造

プットオプションの売り手は、相場が下がらなければプレミアムがそのまま利益になります。統計的にOTMのプットは満期で価値ゼロになる確率が高く、毎月コツコツとプレミアム収入を得ている売り手は少なくありません。

しかしこれは「大半の月で小さく勝ち、暴落の月に大きく負ける」という構造です。先述の東日本大震災の例では、毎月数万円のプレミアム収入を得ていた売り手が、一度の暴落で1,000万円以上の追証を背負いました。年間のプレミアム収入が数十万円だとすれば、一度の暴落で20〜30年分の利益が消える計算です。

IV急騰と証拠金の急増|追証が払えなくなるメカニズム

暴落時にはIV(インプライド・ボラティリティ)が急騰します。IVの上昇はオプションの時間的価値を押し上げるため、原資産の下落以上にプットのプレミアムが膨らみます。同時にSPAN証拠金も急増し、翌営業日までに追加入金を求められます。

2024年8月5日の暴落では、日経225オプションのSPAN証拠金基準額が一気に引き上げられ、追証対応に追われた投資家が続出しました。追証が払えなければ強制決済され、それでも不足すれば借金として残ります。オプション売りのリスクを軽く見て証拠金ギリギリで取引している場合、暴落1回で退場を余儀なくされます。

暴落時にオプション売り手がやってはいけないこと
  • 証拠金の最低額ギリギリでポジションを持つ
  • 「ここまでは下がらないだろう」と根拠なく楽観する
  • 損切りラインを決めずにプット売りを継続する
  • スプレッドなしの裸売り(ネイキッド・プット)を大量に持つ
  • 暴落中に「含み損だが戻るだろう」と放置する

暴落に備える実践チェックリスト|個人投資家がやるべきこと

暴落はいつ来るか予測できません。だからこそ、事前の備えが重要です。以下のチェックリストは、オプション取引で暴落に備えるための実践的な手順です。

暴落への備え|実践チェックリスト
  • 保有株に対して「プロテクティブプット」を検討する(権利行使価格は現在値の5〜10%下が目安)
  • プット購入コストはポートフォリオ価値の1〜3%に抑える
  • オプション売りポジションにはスプレッドを組み、最大損失を事前に確定させる
  • 証拠金はSPAN最低額の2〜3倍を確保しておく
  • 損切りラインを数値で決め、暴落時は感情で判断しない
  • 暴落後のプットは利食いが重要(翌日にプレミアムが急落するケースがある)

特に重要なのは「暴落後の利食い」です。2024年8月5日の暴落後、翌日の8月6日には日経平均が3,217円高と過去最大の上げ幅を記録しました。プットのプレミアムは一日で数分の1に急落するケースが珍しくなく、利食いのタイミングを逃すと利益が大きく減ります。

ICHIZEN Capitalの視点|仮想通貨市場の暴落とオプション・税金の盲点

上位記事の多くは日経225オプションの暴落事例で完結していますが、仮想通貨市場でも暴落とオプションの関係は同じ構造で再現されています。そしてオプション取引の税金は取引場所によってまったく異なるにもかかわらず、この点に触れている記事はほとんどありません。

ビットコイン暴落時のオプション市場|2022年のFTX破綻が典型例

2022年11月、FTX取引所の破綻によりビットコインは約21,000ドルから約15,500ドルへ約26%暴落しました。このとき暗号資産オプション最大手のDeribitでは、ビットコインのプットオプション出来高が急増し、IVが急騰しました。

株式市場と同様に、暴落時にはプット買い手が利益を得て、プット売り手が損失を被る構図が再現されています。ビットコインは株式以上にボラティリティが大きく、暴落時のプレミアム変動も激しいため、オプション戦略の設計にはより慎重な判断が求められます。

国内ではSBI VCトレードがビットコインオプションの取扱いを提供しています(※9)。海外のDeribitは日本居住者の利用が原則制限されていますが、日本で利用可能な仮想通貨オプションの選択肢は限定的です。暗号資産取引所の比較は海外取引所おすすめの記事も参考にしてください。

暴落で利益が出た場合の税金|課税方式が3パターンある

暴落時にオプションで大きな利益を得た場合、課税方式の違いが手取りを大きく左右します。同じ「暴落でプット買いが100万円の利益」でも、取引の種類で税金が変わるのです。

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取引の種類課税方式税率損益通算損失繰越
国内取引所取引(日経225オプション等)申告分離課税20.315%FX・先物等と可能3年間可能
海外業者経由のオプション取引総合課税(雑所得)最大55%同じ雑所得内のみ不可
仮想通貨オプション総合課税(雑所得)最大55%同じ雑所得内のみ不可

国内の日経225オプションで暴落時に利益を得た場合、申告分離課税20.315%で一律課税され、他の先物・FX取引との損益通算も可能です(※10)。100万円の利益に対して税金は約20万円です。

一方、仮想通貨オプションで同じ100万円の利益を得ても、給与所得と合算した累進税率が適用されます。年収700万円の方なら所得税率が23%に上がり、住民税10%を合わせて実効税率は約33%になります。同じ利益でも手取りが大きく異なるのです。仮想通貨の税金については仮想通貨の税金の記事で詳しく解説しています。

木田 陽介

暴落で利益が出ると嬉しいですが、税金を考えずに使ってしまうと確定申告で痛い目にあいます。特に仮想通貨オプションは総合課税なので、利益が大きいほど税率が上がる構造です。暴落で大きな利益を得た年は、早めに税理士に相談して資金を確保しておきましょう。

よくある質問

暴落時にオプション取引はどうなりますか?

暴落時はプットオプションの価格が急騰し、プット買い手は大きな利益を得ます。一方でプット売り手には巨額の追証が発生し、証拠金を超える損失を被る可能性があります。2024年8月5日の暴落ではプットが約18倍に急騰しました。

暴落に備えてプットオプションを買うといくらかかりますか?

コストは権利行使価格と満期日により変わります。現在の株価から10%離れたOTMのプットなら数万円〜10万円程度で1枚購入できるケースがあります。ポートフォリオ価値の1〜3%を目安にプット購入に充てるのが機関投資家の一般的な手法です。

オプション取引で暴落は儲かりますか?

プットオプションの買い手であれば、暴落時に大きなリターンを得られます。コロナショックでは9円のプットがSQで2,448円の価値になった実例があります。ただしプット買いは暴落が来なければプレミアムを失う「掛け捨て保険」であり、毎回儲かるわけではありません。

暴落時にオプションの売り手はどうなりますか?

プット売り手は暴落で壊滅的な損失を被るリスクがあります。東日本大震災では証拠金300万円に対し追証が約1,278万円発生した計算例が報じられています。追証が払えなければ強制決済され、不足分が債務として残ります。

プロテクティブプットとは何ですか?

保有株に対してプットオプションを買い付ける戦略です。株価が下落しても、権利行使価格以下の損失はプットの利益で相殺できます。上昇時は株の値上がり益をそのまま受け取れるため、「暴落に対する掛け捨て保険」として機能します。

VIX指数と暴落の関係は?オプション取引にどう影響しますか?

VIX指数はS&P500のオプション価格から算出される「恐怖指数」で、暴落時に急騰します。VIXが上がるとオプションのIV(インプライド・ボラティリティ)も上昇し、プットの価格がさらに跳ね上がります。2024年8月5日にはVIXが一時65.73に達しました。

暴落でオプション取引の利益が出た場合、税金はいくらですか?

国内取引所取引(日経225オプション等)なら申告分離課税で一律20.315%です。海外業者経由や仮想通貨オプションの場合は総合課税(最大55%)が適用されます。同じ利益でも課税方式が異なるため、取引前にどの税制が適用されるかを確認しましょう。

暴落後にプットオプションはすぐ売るべきですか?

暴落後は利食いのタイミングが重要です。2024年8月5日の暴落翌日には日経平均が3,217円高を記録し、プットの価格が急落しました。暴落翌日にプレミアムが数分の1に下がることも珍しくないため、一部または全部を早めに利益確定する判断が必要です。

ビットコインなど仮想通貨の暴落にもオプション取引は使えますか?

はい、仮想通貨にもオプション取引が存在します。世界最大のDeribitではビットコインやイーサリアムのオプションが取引されており、暴落時にはプット価格が急騰します。ただし日本居住者はDeribitの利用が制限されており、国内ではSBI VCトレードが限定的にビットコインオプションを提供しています。

まとめ|暴落はオプション取引の「味方」にも「敵」にもなる

暴落とオプション取引の関係は、ポジション次第で天と地ほど異なります。プットオプションの買い手にとって暴落は「保険が大当たりする瞬間」ですが、プット売り手にとっては「数年分の利益が一瞬で消え、追証を背負うリスクが現実化する瞬間」です。

過去の暴落データが示しているのは、暴落は必ず来るが、いつ来るかは誰にも予測できないということです。だからこそ、プロテクティブプットやスプレッド戦略で「事前に備えておく」ことが重要です。

暴落への備えとして押さえておくべきポイントは3つです。第一に、プット買いは暴落保険として合理的だが掛け捨てコストがかかること。第二に、オプション売りは必ずスプレッドで最大損失を確定させること。第三に、暴落で利益が出ても税金の課税方式が異なるため、手取りの計算を忘れないこと。この3つを理解していれば、暴落時のオプション取引を冷静に判断できるでしょう。

参考文献

1. 三井住友DSアセットマネジメント「株式市場の急変時に注目されるVIX指数」https://www.smd-am.co.jp/market/naruhodo/2024/naruhodo_vol215/
2. Wikipedia「ブラックマンデー」https://ja.wikipedia.org/wiki/ブラックマンデー
3. マネーボイス「東日本大震災後のオプション市場」https://www.mag2.com/p/money/406278
4. IG証券「株価暴落の歴史や原因を解説」https://www.ig.com/jp/trading-strategies/the-worst-stock-market-crashes-of-all-time-210604
5. JPX 北浜投資塾「株の保険としてのプットオプション~コロナショックの事例」https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/seminar/movie/l7idl20000000cm7-att/20200828.pdf
6. 金融庁「2024年8月の相場変動分析」https://www.fsa.go.jp/common/about/kaikaku/fsaanalyticalnotes/20250108/02.pdf
7. JPX 北浜投資塾「プットオプション買い戦略の実例(2024年8月)」https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/column/putoption/03.html
8. トウシル 楽天証券「令和のブラックマンデー続報、歴史的暴落にプット売りが影響」https://media.rakuten-sec.net/articles/-/46328
9. SBI VCトレード「暗号資産オプション」https://www.sbivc.co.jp/columns/content/lre5ypjzp
10. 国税庁 No.1522「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1522.htm

※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。オプション取引にはリスクが伴い、投資額を超える損失が発生する可能性があります。税制は変更される場合がありますので、最新の情報は国税庁・各証券会社の公式情報でご確認ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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