オプション取引は暴落でどうなる?買い手と売り手で明暗が分かれる仕組みと過去の暴落実例

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!
- 暴落時のオプションは「買い手」と「売り手」で天と地ほど明暗が分かれる
- 2024年8月5日の暴落ではプット買いが約18倍のリターン。同じ暴落でプット売り手には巨額の追証が発生した
- 両者を分けるのはIV(インプライド・ボラティリティ)の急騰。暴落時はオプション価格が一変する
- 過去の主要暴落は、いつも同じ構図を繰り返してきた
- コロナショックでは9円のプットがSQで2,448円(約272倍)、東日本大震災ではプット売りで追証約1,278万円の計算例が報じられた
- プット買い手が大きく勝ち、プット売り手が壊滅する「非対称」が暴落の核心
- オプション市場は暴落の「恐怖」を数字で映す
- VIX(恐怖指数)やIVスキュー、プットの需要を見れば、市場がどれだけ下落を警戒しているかを読み取れる
- コロナではVIXが82.69、令和のブラックマンデーでは65.73まで急騰した
木田 陽介暴落はオプション取引の本領が試される場面です。プット買いで資産を守れた人がいる一方、売りポジションで一夜にして追証を抱えた人もいます。この記事では、なぜ買い手と売り手で明暗が分かれるのかを損益図と過去の数字で示したうえで、オプション市場から暴落の兆しを「読む」視点まで整理します。


監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。
オプション取引と暴落|なぜ買い手と売り手で明暗が分かれるのか
暴落時のオプション取引は、同じ相場を見ていても買い手と売り手で結果が正反対になります。プット(売る権利)を買っておけば、下落幅が大きいほど利益が膨らみます。株式や先物では暴落は損失を意味しますが、プット買いにとって暴落は「保険が大当たりする瞬間」です。
一方で、暴落はオプションの売り手にとって最大の脅威です。相場が平穏なときに安定的なプレミアム収入を得ていた売り手が、暴落一発で破綻するケースが歴史上繰り返されてきました。下の損益図のように、プット買いとプット売りは暴落方向でちょうど鏡のように真逆の損益になります。
この明暗を生む最大の要因が、IV(インプライド・ボラティリティ)の急騰です。IVは市場が織り込む将来の変動率で、暴落時には恐怖心理から急上昇します。VIX指数(恐怖指数)はS&P500のオプション価格から算出されるIVの指標で、2024年8月5日には一時65.73まで急騰しました(※1)。IVが上がればプレミアム(価格)も急騰するため、暴落時はプット買い手に大きなリターンをもたらし、プット売り手に壊滅的な損失をもたらすのです。
過去の主要暴落とオプション市場|数字で見る買い手と売り手の明暗
暴落時にオプション市場で何が起きるのか、過去の実例を具体的な数字で確認します。歴史的な暴落のたびに、プットオプションの価格は数十倍〜数百倍に急騰し、その裏側で売り手の破綻事例が報告されてきました。
ブラックマンデー(1987年10月19日)|オプション市場の原点
1987年10月19日、ダウ工業株平均は1日で22.61%下落しました(※2)。プログラム取引による売りの連鎖が暴落を増幅させ、市場全体がパニックに陥りました。この暴落がきっかけで、米国ではサーキットブレーカー制度が導入されています。
当時のオプション市場ではプット価格が急騰し、多くのプット売り手が破綻に追い込まれました。この経験が「テールリスク(極端な暴落リスク)への備えとしてのプット買い」という発想を広めるきっかけになりました。VIX指数の前身であるVXO指数は、この暴落時に150を超える数値を記録しています。
東日本大震災(2011年3月)|プット売りで追証1,278万円
2011年3月14日、東日本大震災の翌営業日に日経平均は約10,600円から約7,800円へと約26%の暴落を記録しました。このとき日経225プットオプション(権利行使価格9,000円)のプレミアムは12円から1,490円へ急騰しました(※3)。
証拠金300万円で10枚を売っていた場合、損失は(1,490−12)×1,000×10枚=約1,478万円。証拠金を差し引いても約1,178万円の追証が発生する計算です。「数十万円のプレミアム収入を得るために、千万円単位の借金を背負う」という構図が現実に起きました。
コロナショック(2020年2〜3月)|プット9円が243万円の利益に
2020年2月から3月にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大により世界同時株安が発生しました。日経平均は約24,000円から約16,500円まで約31%下落し、米国ではS&P500が約33%急落、VIX指数は一時82.69に達しています(※4)。
2020年2月14日に9円で購入した日経225プットオプションが、3月13日のSQで2,448円の本質的価値を持つにいたりました(※5)。実際の投資額9,000円に対して約243万円の利益です。暴落の「保険」としてプットを買っていた投資家には、掛け捨ての保険料が数百倍になって返ってきた計算になります。
令和のブラックマンデー(2024年8月5日)|プット買いは18倍・売り手は壊滅
2024年8月5日、日経平均は前日比−4,451円(−12.4%)という過去最大の下落幅を記録しました(※6)。海外投機筋のデリバティブ取引が値動きを増幅させたと分析されています。
日経225ETFのプットオプション(権利行使価格40,000円)のプレミアムは400円から7,170円へと約18倍に急騰しました(※7)。プット買い手にとっては「暴落保険が大当たりした日」ですが、プット売り手には巨額の追証が発生しました。楽天証券のレポートでは、プット売りの影響が暴落を増幅させた可能性が指摘されています(※8)。
| 暴落イベント | 下落率 | プット買い手(プレミアム) | プット売り手 |
|---|---|---|---|
| ブラックマンデー 1987/10/19 | ダウ −22.61% | 急騰(数値不詳) | 多数が破綻 |
| 東日本大震災 2011/3/14 | 日経 約−26% | 12円→1,490円(約124倍) | 追証 約1,278万円の例 |
| コロナショック 2020/2〜3 | 日経 約−31% | 9円→SQ2,448円(約272倍) | 巨額の含み損・追証 |
| 令和ブラックマンデー 2024/8/5 | 日経 −12.4% | 400円→7,170円(約18倍) | 追証・強制決済が続出 |
すべての暴落に共通するのは、「プット買い手が大きなリターンを得て、プット売り手が壊滅的な損失を被る」という非対称の構図です。この非対称性こそが、暴落とオプション取引の核心と言えます。
なぜ暴落で売り手は「飛ぶ」のか|IV急騰→証拠金急増→追証の連鎖
暴落で売り手が飛ぶ根本原因は、原資産の下落そのものではなく、IV急騰でプレミアムと証拠金が同時に膨らむ連鎖にあります。平常時は「確率の高い小さな利益を積み重ねる」売り戦略が、暴落一発で数年分の利益を吹き飛ばすリスクを抱えています。
プットの売り手は、相場が下がらなければプレミアムがそのまま利益になります。統計的にOTMのプットは満期で価値ゼロになる確率が高く、毎月コツコツとプレミアム収入を得ている売り手は少なくありません。しかしこれは「大半の月で小さく勝ち、暴落の月に大きく負ける」という構造です。先述の東日本大震災の例では、毎月数万円の収入を得ていた売り手が、一度の暴落で1,000万円以上の追証を背負いました。年間の収入が数十万円だとすれば、一度の暴落で20〜30年分の利益が消える計算です。
ポイントは、暴落時にIV(インプライド・ボラティリティ)が急騰することです。IVの上昇はオプションの時間的価値を押し上げるため、原資産の下落以上にプットのプレミアムが膨らみます。同時にSPAN証拠金の基準額も急増し、翌営業日までに追加入金を求められます。2024年8月5日の暴落では証拠金基準額が一気に引き上げられ、追証対応に追われた投資家が続出しました。追証が払えなければ強制決済され、それでも不足すれば借金として残ります。
暴落で退場しないための売り方には、スプレッドで最大損失を確定させる、証拠金に十分な余裕を持たせる、といった鉄則があります。裸売り(ネイキッド)の危険性や追証・破産を避ける具体的な手順は、オプション取引の地獄(追証・破産の回避法)とオプション取引の損失限定で詳しく解説しています。
オプション市場から暴落の「サイン」を読む|VIX・IVスキュー・プット需要
オプション市場は、暴落が来る前から「どれだけ下落が警戒されているか」を数字で映します。暴落そのものは予測できませんが、市場の恐怖の度合いはオプションのデータから読み取れます。ここが、暴落に対してオプションを「保険」として使うだけでなく、相場の地合いを測る道具として使う視点です。
VIX(恐怖指数)で暴落の「温度」を測る
VIX指数は、市場が今後30日間に見込む変動の大きさを表す指標で、暴落時に急騰します。平常時はおおむね10〜20で推移し、20を超えると警戒、40を超えると「暴落・パニック」の領域です。下の目安を頭に入れておくと、ニュースでVIXの数値を見たときに相場の緊張度を一目で判断できます。
VIXが跳ねるほどプットのプレミアムも跳ね上がるため、VIXは「これからプットが高くなる/すでに恐怖が織り込まれている」を測る温度計になります。VIX指数そのものの見方や売買タイミングへの活かし方は、オプション取引のVIX指数の記事で詳しく解説しています。
IVスキュー・プット需要で「下方向への警戒」を読む
株式のオプションでは、下落に備えたプット買いの需要が高いため、下方向(低い権利行使価格)のプットほどIVが高くなるという偏りがあります。これをIVスキューと呼びます。このスキューが平常時より急になっているときは、市場が下落を強く警戒しているサインです。「保険料(プットのIV)が上がっている=みんなが暴落を恐れ始めている」と読めるわけです。
あわせて、プットの建玉(未決済残高)やプット・コール・レシオ(プットとコールの取引量の比率)を見れば、下落へのポジションがどれだけ積み上がっているかもわかります。こうしたIVの歪みの読み方は、ボラティリティスキューの記事で図解しています。オプションのデータから相場の天井・底の目星をつける分析は、ICHIZEN Capitalが最も重視している領域です。
暴落に「守り」で備えるなら|プロテクティブプットは選択肢の一つ
暴落に備える「守り」のオプション戦略はいくつかありますが、基本は保有資産にプット買いを組み合わせる考え方です。ここでは暴落での使いどころだけを簡潔に押さえ、各戦略の詳しい仕組みは専用記事に譲ります。
- プロテクティブプット|保有株+プット買い。下落損失をプットの利益で相殺する「掛け捨て保険」。コストはプレミアムのみ
- ベアプットスプレッド|高い権利行使価格のプットを買い、低いプットを売る。保険料を抑えつつ暴落に賭ける
- VIX関連商品|暴落時に急騰するVIXのETF/ETNやオプションでヘッジ。ただしコンタンゴによる減耗に注意
最もよく使われるのがプロテクティブプットです。たとえば日経平均40,000円のときに権利行使価格38,000円のプットを買えば、いくら下がっても38,000円以下の損失はプットの利益でカバーされ、コストはプレミアム(掛け捨ての保険料)だけに限定されます。上昇すればプレミアムは無駄になりますが、損失はその保険料分で済みます。仕組みの詳細はオプション取引のヘッジの記事を、コストを抑えたい場合のベアプットスプレッドもあわせてご覧ください。
コスト感の目安として、機関投資家は「年間のポートフォリオ価値の1〜3%をプット購入に充てる」とされます。2024年8月の暴落前は、日経平均40,000円の時点で権利行使価格40,000円のプットが400円(=40万円/枚)、さらにOTMの35,000円なら数十円〜100円程度(数万円〜10万円/枚)で買えるケースもありました。
暴落に備える実践チェックリスト|個人投資家がやるべきこと
暴落はいつ来るか予測できません。だからこそ、事前の備えが重要です。以下は、オプション取引で暴落に備えるための実践的な手順です。
- 保有株に対して「プロテクティブプット」を検討する(権利行使価格は現在値の5〜10%下が目安)
- プット購入コストはポートフォリオ価値の1〜3%に抑える
- オプション売りポジションにはスプレッドを組み、最大損失を事前に確定させる
- 証拠金はSPAN最低額の2〜3倍を確保しておく
- 損切りラインを数値で決め、暴落時は感情で判断しない
- 暴落後のプットは利食いが重要(翌日にプレミアムが急落するケースがある)
特に重要なのは「暴落後の利食い」です。2024年8月5日の暴落後、翌日の8月6日には日経平均が3,217円高と過去最大の上げ幅を記録しました。プットのプレミアムは一日で数分の1に急落するケースが珍しくなく、利食いのタイミングを逃すと利益が大きく減ります。
ICHIZEN Capitalの視点|仮想通貨市場の暴落とオプション
上位記事の多くは日経225オプションの暴落事例で完結していますが、仮想通貨市場でも暴落とオプションの関係は同じ構造で再現されています。事業者として実際にトレードしてきた立場から、株式では語られにくい2つの盲点に触れておきます。
ビットコイン暴落時のオプション市場|2022年のFTX破綻が典型例
2022年11月、FTX取引所の破綻によりビットコインは約21,000ドルから約15,500ドルへ約26%暴落しました。このとき暗号資産オプション市場ではビットコインのプット出来高が急増し、IVが急騰しています。株式市場と同様に、暴落時にはプット買い手が利益を得てプット売り手が損失を被る構図が、そのまま再現されました。ビットコインは株式以上にボラティリティが大きく、暴落時のプレミアム変動も激しいため、戦略の設計にはより慎重な判断が求められます。
ただし、日本居住者が実際に使えるビットコインオプションの選択肢は極めて限定的です。世界最大手のDeribitは日本居住者の新規利用が実質的に難しく、アクセスできるのはDerive(旧Lyra/イーサリアムのレイヤー2上のオンチェーンDEX)などに限られ、しかも板が薄く約定しづらいのが実情です。暗号資産デリバティブを扱う取引所の状況は暗号資産取引所の比較記事も参考にしてください。
暴落で利益が出た場合の税金|取引の場所で課税が変わる
同じ「暴落でプット買いが100万円の利益」でも、取引の種類で税金がまったく異なります。国内取引所の日経225オプション等は申告分離課税で一律20.315%、他の先物・FXとの損益通算と3年間の損失繰越も可能で、100万円の利益なら税金は約20万円です。一方、海外業者経由や仮想通貨のオプションは総合課税(雑所得・最大55%)で、給与所得と合算した累進税率が適用され、損益通算や繰越も限られます。暴落で大きな利益が出た年ほど、この差が手取りを大きく左右します。仮想通貨の税金の詳細は仮想通貨の税金の記事で解説しています。



暴落で利益が出ると嬉しいですが、税金を考えずに使ってしまうと確定申告で痛い目にあいます。特に仮想通貨オプションは総合課税なので、利益が大きいほど税率が上がる構造です。大きな利益を得た年は、早めに税理士に相談して納税資金を確保しておきましょう。
暴落相場を「読む」力を身につけるには


ここまで、暴落で買い手と売り手の明暗が分かれる仕組み、過去の暴落の数字、そしてVIXやIVスキューから暴落の恐怖を読む視点を見てきました。暴落を「保険で守る」だけでなく、オプションのデータから相場の緊張度を読めるようになると、暴落の前後で落ち着いて動けるようになります。
とはいえ、建玉やIV、ガンマの節目を実際のトレードでどう組み合わせて読むかは、独学ではなかなか掴みにくい領域です。ICHIZEN Capitalが運営する無料の「天底のわかるトレードスクール」では、この記事で触れた需給の読み方——オプションデータから相場の天井・底の目星をつける分析——を、基礎から順を追って学べます。
- 建玉(OI)や過熱感を示すIV、ガンマの節目といったオプションデータから、相場がどのあたりで天井や底をつけやすいのかの目星をつける分析を学べます。
- コール・プットの基礎からプレミアム(本質的価値と時間的価値)、損益図(ペイオフ)の読み方、そして建玉や満期から天底を見立てるところまで、4つのステップで段階的に積み上げる構成です。
- この記事で扱ったVIXやIVスキューを、実際の相場でどう組み合わせて暴落の警戒度を読むかという実践的な使い方も学べます。
- 予想が外れたときに損失をどう限定するかというリスク管理の考え方まで含めて学べます。
- 受講料は0円(メールアドレスの登録のみ)で、無料のウェビナーも用意されています。
無料なので、まずは中身をひととおり見て、自分に合いそうかを確かめてから続けるかどうかを決めれば大丈夫です。
よくある質問
暴落時にオプション取引はどうなりますか?
暴落時はプットオプションの価格が急騰し、プット買い手は大きな利益を得ます。一方でプット売り手には巨額の追証が発生し、証拠金を超える損失を被る可能性があります。2024年8月5日の暴落ではプットが約18倍に急騰しました。買い手と売り手で結果が正反対になるのが暴落時の特徴です。
暴落に備えてプットオプションを買うといくらかかりますか?
コストは権利行使価格と満期日により変わります。現在の株価から10%離れたOTMのプットなら数万円〜10万円程度で1枚購入できるケースがあります。ポートフォリオ価値の1〜3%を目安にプット購入に充てるのが機関投資家の一般的な手法です。
オプション取引で暴落は儲かりますか?
プットオプションの買い手であれば、暴落時に大きなリターンを得られます。コロナショックでは9円のプットがSQで2,448円(約272倍)になった実例があります。ただしプット買いは暴落が来なければプレミアムを失う「掛け捨て保険」であり、毎回儲かるわけではありません。逆にプット売り手は暴落で壊滅的な損失を被ります。
暴落時にオプションの売り手はどうなりますか?
プット売り手は暴落で壊滅的な損失を被るリスクがあります。東日本大震災では証拠金300万円に対し追証が約1,278万円発生した計算例が報じられています。IV急騰で証拠金基準額も急増するため、追証が払えなければ強制決済され、不足分が債務として残ります。
プロテクティブプットとは何ですか?
保有株に対してプットオプションを買い付ける戦略です。株価が下落しても、権利行使価格以下の損失はプットの利益で相殺できます。上昇時は株の値上がり益をそのまま受け取れるため、「暴落に対する掛け捨て保険」として機能します。
VIX指数と暴落の関係は?オプション取引にどう影響しますか?
VIX指数はS&P500のオプション価格から算出される「恐怖指数」で、暴落時に急騰します。平常時は10〜20ですが、コロナショックでは82.69、2024年8月5日には65.73に達しました。VIXが上がるとプットのIVも上昇しプット価格が跳ね上がるため、市場がどれだけ暴落を警戒しているかを測る温度計として使えます。
暴落でオプション取引の利益が出た場合、税金はいくらですか?
国内取引所取引(日経225オプション等)なら申告分離課税で一律20.315%です。海外業者経由や仮想通貨オプションの場合は総合課税(最大55%)が適用されます。同じ利益でも課税方式が異なるため、取引前にどの税制が適用されるかを確認しましょう。
暴落後にプットオプションはすぐ売るべきですか?
暴落後は利食いのタイミングが重要です。2024年8月5日の暴落翌日には日経平均が3,217円高を記録し、プットの価格が急落しました。暴落翌日にプレミアムが数分の1に下がることも珍しくないため、一部または全部を早めに利益確定する判断が必要です。
ビットコインなど仮想通貨の暴落にもオプション取引は使えますか?
仮想通貨にもオプション取引は存在し、暴落時にはプット価格が急騰します。ただし日本居住者が実際に使える選択肢は限定的で、世界最大手のDeribitは新規利用が実質的に難しく、アクセスできるDerive(旧Lyra)などのオンチェーンDEXも板が薄いのが現状です。株式のオプションに比べて実行のハードルは高くなります。
まとめ|暴落はオプション取引の「味方」にも「敵」にもなる
- 暴落はポジション次第で明暗が真逆。プット買い手には「保険が大当たりする瞬間」、プット売り手には「数年分の利益が消え追証を背負う瞬間」。
- 過去の暴落ではプットが数十〜数百倍に急騰(コロナ約272倍・震災約124倍・令和BM約18倍)。裏で売り手は追証で壊滅した。
- 売り手が飛ぶ真因はIV急騰→SPAN証拠金急増→追証の連鎖。証拠金ギリギリの売りは暴落1回で退場。
- VIX・IVスキュー・プット需要を見れば、市場がどれだけ暴落を警戒しているかを事前に読める。
- 守りはプロテクティブプットが基本(コストはポートフォリオの1〜3%目安)。暴落で利益が出たら課税方式(国内20.315%/仮想通貨・海外は最大55%)の確認を忘れない。
過去の暴落データが示しているのは、暴落は必ず来るが、いつ来るかは誰にも予測できないということです。だからこそ、プロテクティブプットやスプレッド戦略で「事前に備えておく」ことと、オプション市場から恐怖の度合いを「読む」ことの両方が、暴落時に冷静な判断を支えてくれます。オプション取引の全体像はオプション取引とは?もあわせてご覧ください。
参考文献
1. 三井住友DSアセットマネジメント「株式市場の急変時に注目されるVIX指数」https://www.smd-am.co.jp/market/naruhodo/2024/naruhodo_vol215/
2. Wikipedia「ブラックマンデー」https://ja.wikipedia.org/wiki/ブラックマンデー
3. マネーボイス「東日本大震災後のオプション市場」https://www.mag2.com/p/money/406278
4. IG証券「株価暴落の歴史や原因を解説」https://www.ig.com/jp/trading-strategies/the-worst-stock-market-crashes-of-all-time-210604
5. JPX 北浜投資塾「株の保険としてのプットオプション〜コロナショックの事例」https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/seminar/movie/l7idl20000000cm7-att/20200828.pdf
6. 金融庁「2024年8月の相場変動分析」https://www.fsa.go.jp/common/about/kaikaku/fsaanalyticalnotes/20250108/02.pdf
7. JPX 北浜投資塾「プットオプションの買い戦略」https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/column/putoption/01.html
8. トウシル 楽天証券「令和のブラックマンデー続報、歴史的暴落にプット売りが影響」https://media.rakuten-sec.net/articles/-/46328
9. 国税庁 No.1522「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1522.htm
※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。オプション取引にはリスクが伴い、投資額を超える損失が発生する可能性があります。税制は変更される場合がありますので、最新の情報は国税庁・各証券会社の公式情報でご確認ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。









