DePIN(分散型物理インフラ)とは?仕組み・注目銘柄・将来性をプロが徹底解説【2026年最新】

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • DePINは「現実世界のインフラをブロックチェーンで分散管理する」新しい仕組み
    • 個人がGPU・ストレージ・通信帯域などを提供し、トークン報酬を受け取るモデル。650以上のプロジェクトが稼働中
    • AWSやGoogle Cloudより60〜75%低コストのGPU提供など、AI需要を追い風に実収益が拡大している
  • 注目銘柄はBittensor(TAO)・Render・Filecoin・Helium。2026年7月にBinance・Coinbase上場も
    • DePINカテゴリ全体の時価総額は約79億〜189億ドル(データソースにより幅あり、2026年7月時点)
    • Aethirは年間売上1.28億ドル、Helium Mobileは月間収益250万ドルと実需が証明されつつある
  • 日本からの買い方と税金|国内取引所→海外取引所のルートが基本
    • 多くのDePIN銘柄は海外取引所でのみ取引可能。Bitgetなら主要銘柄を網羅
    • 利益は雑所得(最大55%)。2028年から申告分離課税20%への移行が見込まれる
  • リスクと日本の法規制|トークノミクスの持続性・電波法・改正資金決済法に注意
    • トークン報酬が実需に見合わない「デス・スパイラル」リスクがある。投機依存プロジェクトも多数
    • 日本ではワイヤレス系DePINに電波法、エネルギー系に電気事業法の規制が関わる
木田 陽介

DePINは「ブロックチェーンで現実のインフラを作る」という壮大なコンセプトですが、2026年に入ってAethirやHeliumのように実収益を出すプロジェクトが出てきました。一方で、トークンをばらまくだけで実需がないプロジェクトも山ほどあります。この記事では仕組みから銘柄分析、日本の税制・法規制まで、投資判断に必要な情報を忖度なく整理します。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

DePIN(分散型物理インフラネットワーク)とは?基本情報

DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network)とは、ブロックチェーンのトークンインセンティブを活用して、個人や企業が保有するハードウェアやリソースをネットワーク化し、現実世界のインフラを分散的に構築・運営する仕組みです。日本語では「分散型物理インフラネットワーク」と訳されます。

従来のインフラ(通信ネットワーク、データセンター、電力網など)は、大企業や自治体が数百億円単位の設備投資を行い、中央集権的に管理してきました。DePINはこの構造を根本から変え、世界中の個人が持つ遊休リソース(GPU、ストレージ、無線帯域幅、センサーなど)を共有・活用することで、低コストかつ耐障害性の高いインフラを実現します。

身近な例で言えば、「Uber」や「Airbnb」に近い発想です。UberやAirbnbが個人の車や部屋をシェアリングで活用したように、DePINは個人のGPUやストレージ、通信帯域をシェアリングして「分散型のAWSやAT&T」を作ろうとしていると考えるとイメージしやすいでしょう。

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項目内容(2026年7月時点)
正式名称Decentralized Physical Infrastructure Network(DePIN)
日本語名分散型物理インフラネットワーク
概要トークン報酬で個人のハードウェアをネットワーク化し、現実インフラを分散構築する仕組み
プロジェクト数650以上(2026年3月時点、Messari)
セクター時価総額約79億〜189億ドル(データソースにより幅あり)
アクティブデバイス数約880万台(DePINScan、2026年3月時点)
主な基盤チェーンSolana、Ethereum、Cosmos(Akash)、独自チェーン(Filecoin)
代表プロジェクトBittensor(TAO)、Render、Filecoin、Helium、Aethir、Akash

次の章では、DePINの「トークンインセンティブ」の仕組みと、なぜネットワークが拡大し続けるのかを掘り下げます。

DePINの仕組み|トークンインセンティブとフライホイール

DePINの核心は「トークンインセンティブ」にあります。ハードウェアやリソースを提供した個人に暗号資産(トークン)を報酬として配布し、ネットワークの成長を加速させる仕組みです。この循環を「DePINフライホイール」と呼びます。

DePINフライホイール|好循環が回る4ステップ

  1. プロジェクトがトークン報酬を設定|GPU提供者やホットスポット設置者にトークンを配布する仕組みを用意する
  2. 個人がハードウェアを提供|報酬を期待して、世界中の個人がGPU、ストレージ、通信機器などをネットワークに接続する
  3. ネットワークの規模・品質が拡大|参加者が増えるほどカバレッジや処理能力が向上し、サービスとしての価値が高まる
  4. 需要側のユーザーが増加|AI企業がGPUを借りる、通信ユーザーがデータプランを契約するなど、実際の利用が生まれる。利用料がトークンで支払われ、価値がさらに高まる

この循環がうまく回ると、供給と需要が相互に強化し合い、ネットワークが自律的に拡大していきます。たとえばHeliumの場合、ホットスポット設置者がHNTトークンを受け取り、ワイヤレスカバレッジが拡大するほど、T-Mobileより安価なプランを求めるユーザーが増え、さらにカバレッジが広がるという好循環が生まれています。

需要側と供給側の「2面マーケットプレイス」

DePINは本質的に需要側と供給側の2面マーケットプレイスです。供給側(ノードオペレーター)がリソースを提供してトークン報酬を受け取り、需要側(ユーザー・企業)がサービスを利用してトークンで対価を支払います。

ここで重要なのは、フライホイールが回るかどうかは「実需」にかかっている点です。トークン報酬だけで供給者を集めても、需要(実際にサービスを使う顧客)がなければ、トークン価格は下落し、供給者も離脱します。2026年の市場では、この「実需があるかどうか」がプロジェクトの明暗を分ける基準になっています。

DePINの種類|8つのカテゴリと代表プロジェクト

DePINプロジェクトは、提供するリソースの種類に応じて大きくPRN(Physical Resource Network=物理リソース型)とDRN(Digital Resource Network=デジタルリソース型)の2つに分けられます。さらに細分化すると、8つのカテゴリに整理できます。

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分類カテゴリ内容代表プロジェクト
PRN(物理リソース型)ワイヤレス/通信分散型無線ネットワークの構築Helium(HNT)
センサー/マッピング地図データ・環境データの収集Hivemapper(HONEY)
エネルギー分散型エネルギー管理Starpower等
モビリティ分散型交通インフラDIMO
DRN(デジタルリソース型)コンピュート/GPU分散型の計算処理・AI推論Render、Akash、Aethir
ストレージ分散型データ保存Filecoin(FIL)、Arweave
AI/データAI学習データ・帯域幅共有Bittensor(TAO)、Grass
IoTIoTデバイスインフラIoTeX(IOTX)

PRNは「位置依存型」で、特定の場所にハードウェアを設置する必要があります。Heliumのホットスポットや、Hivemapperの車載カメラがその例です。一方、DRNは「位置非依存型」で、インターネットに接続できればどこからでもGPUやストレージを提供できます。

2026年時点で最も成長しているのはコンピュート/GPU領域です。AI需要の爆発により、分散型GPUプロトコルの年間オンチェーン収益は2億ドルを超える水準に達しています(※1)。AWSやGoogle Cloudの容量不足がDePINに追い風となっているのです。

注目のDePIN銘柄一覧|時価総額・特徴・最新動向

DePINカテゴリには650以上のプロジェクトがありますが、ここでは時価総額・実績・話題性の観点で特に注目すべき主要銘柄を整理します。価格は日々変動するため、最新値は各取引所やCoinMarketCap等で確認してください。

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プロジェクトティッカーカテゴリ時価総額目安特徴・最新動向
BittensorTAOAI/コンピュート約19億ドル分散型AIネットワーク。DePIN時価総額で最大級
RenderRENDERGPU/レンダリング約7.8億ドル2026年7月にCoinbase上場。AI/3Dレンダリング向け分散GPU
IoTeXIOTXIoT/DePIN基盤約6.4億ドルVodafone等と提携。IoT向けDePINの基盤チェーン
FilecoinFILストレージ約6億ドル2EB超の分散ストレージ。Onchain Cloudでプログラマブルストレージに進化
HeliumHNTワイヤレス約2.6億ドル2026年7月にBinanceスポット上場。Mobileサインアップ70万超
AethirATHGPU/AI要確認FY2025売上1.28億ドル。94カ国43.5万GPUコンテナ展開
AkashAKTコンピュート要確認利用率80%超、YoY+428%成長。分散型クラウドの先駆者
GrassGRASSAI/帯域幅要確認PCの帯域幅を共有してAI学習データ収集に貢献。初期費用ゼロで参加可能

2026年7月の注目ニュースとして、BinanceがHelium(HNT)のスポット取引を開始(7月9日)し、CoinbaseがRender(RENDER)のサポートを発表(7月10日)しています。世界最大級の取引所への上場は、DePINトークンの流動性と認知度を大きく押し上げるイベントです(※2)。

「実収益」で選別する時代に|注目すべき3つの指標

2026年の市場では、投資家がDePINプロジェクトに「実際の収益・利用率」を求める段階に入っています。トークン価格だけでなく、以下の3指標をチェックすることが重要です。

  1. オンチェーン収益|トークン補助金ではなく、実顧客からのサービス利用料。Aethirは年間1.28億ドル、Helium Mobileは月間250万ドルの実収益を記録
  2. ネットワーク利用率|提供されたリソースのうち、実際に使われている割合。Akashは利用率80%超で「製品と市場の適合」を実証
  3. 有料顧客数|実際にサービスに対価を払っている企業・ユーザー数。Aethirは150社以上のアクティブ顧客を抱えている

これらの指標が乏しいプロジェクトは、トークンばらまきだけで実需がない可能性があります。「実収益があるか」で選別する目を持つことが、DePIN投資で失敗しないための第一歩です。

DePINの将来性|AI需要と実収益が示す成長シナリオ

DePINの将来性を語るうえで、2026年は「コンセプト実証」から「稼働インフラ」への移行年と位置づけられています。これまで「トークンをばらまいてノードを集めるだけ」だった段階から、実際の顧客が付き、サービス収益が生まれる段階に入ったのです。

AI × DePIN|2026年の最大成長ドライバー

DePINの成長を最も強力に後押ししているのがAI需要の爆発です。AI学習・推論に必要なGPUリソースの需要は急拡大していますが、AWS・Google Cloudなど従来型クラウドだけでは供給が追いつかなくなっています。

ここにDePINコンピュート系プロジェクト(Aethir、Akash、Render、io.net等)が入り込み、中央集権クラウドの60〜75%のコストでエンタープライズグレードのGPUを提供しています。GPU市場全体は830億ドル(2025年)から3,530億ドル(2030年予測)への拡大が見込まれ、DePINコンピュート系にとって大きな追い風です。

市場規模の推移|2024年の52億ドルから急拡大

DePINセクターの時価総額は、2024年末の約52億ドルから2025年9月にはATH(過去最高値)の約192億ドルに達しました。YoY(前年比)で約265%の成長です(※3)。

2026年7月時点ではCoinGeckoベースで約79億ドル、CoinMarketCapベースで約189億ドルと、データソースにより幅があります。対象銘柄の定義や算出方法の違いによるもので、「セクター全体の正確な時価総額」を一つの数字で示すのは難しいのが実情です。いずれにせよ、2024年対比で大きく成長していることは確かです。

「トークン補助金」から「実顧客収益」へのピボット

2026年のDePINセクターで最も重要な構造変化は、収益源が「トークン補助金」から「実際の顧客からのサービス収益」に移行しつつある点です。

たとえばHelium Mobileは、キャリアオフロード(通信事業者との帯域共有)が全収益の57%を占め、B2B収益が主軸になっています。AT&TやTelefónicaといった大手通信事業者との提携も報じられています。Aethirも150社以上のAI企業・ゲーム企業から実際のGPU利用料を得ており、トークンファーミングではない「本物の収益」です。

この「実収益への移行」は、DePINが投機的なナラティブから抜け出して持続可能な産業になれるかどうかの分水嶺と言えるでしょう。

DePIN関連トークンの買い方|日本からの3ステップ

DePIN銘柄の多くは国内取引所では直接購入できません。Filecoin(FIL)やRender(RENDER)は一部国内取引所で取扱いがありますが、TAO、HNT、ATH、AKT、GRASSなどは海外取引所でのみ取引可能です。日本から購入する基本ルートを整理します。

  1. 国内取引所で暗号資産を購入|日本円でビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、送金しやすい銘柄を買う
  2. 海外取引所へ送金|購入した暗号資産を、DePIN銘柄を扱う海外取引所の自分の口座へ送る
  3. DePINトークンを購入|送った暗号資産をUSDTに交換し、目当てのDePIN銘柄を購入する

海外取引所は取扱銘柄の豊富さで選ぶのが実務的です。Bitgetなら主要なDePIN銘柄(TAO、RENDER、FIL、HNT、ATH、AKT、IOTX等)を網羅しており、日本語対応もあるため使いやすい選択肢です。海外取引所の選び方は、海外取引所おすすめランキングもあわせてご覧ください。

海外取引所Bitgetの紹介画像

\主要DePIN銘柄を幅広く取引できる/

公式サイトはこちら

なお、海外取引所は金融庁に未登録のケースが多く、利用は自己責任です。まずは少額から始め、送金時はネットワーク(チェーン)の選択を間違えないよう注意しましょう。初回は必ず少額でテスト送金してください。

DePINのリスクと注意点

DePINの主なリスク
  • トークノミクスのデス・スパイラル|実需が伴わなければ報酬の原資が枯渇する
  • 価格変動リスク|暗号資産市場全体の暴落に巻き込まれる可能性がある
  • 品質管理の困難さ|分散ノードのサービス品質を均一に保つのが難しい
  • ハイパースケーラーとの競合|AWS・Google Cloudとの価格・品質競争
  • 規制リスク|各国の電波法やデータ保護法との整合性に課題がある

トークノミクスの持続性|「実需なき報酬」の限界

DePINの最大リスクはトークノミクスの持続性です。プロジェクトは初期段階でトークンを大量に配布してノード提供者を集めますが、サービスの実需(実際にGPUやストレージを使う顧客)が伴わなければ、報酬の原資が枯渇します。

トークン価格が下落→報酬の実質価値が低下→ノード提供者が離脱→ネットワーク品質が低下→さらにユーザーが離れるという「デス・スパイラル」に陥るリスクがあります。Messariの調査によれば、650以上あるDePINプロジェクトの平均年間収益は約11万ドルに過ぎず、大半のプロジェクトは実需が乏しいのが現実です(※4)。

詐欺プロジェクトの見分け方

DePINブームに便乗した怪しいプロジェクトも存在します。以下の特徴がある場合は注意が必要です。

  • 開発チームの経歴・実績が不透明|匿名チームでプロダクトが動いていない
  • トークン排出のみで実際のサービス利用がゼロ|ノードは増えているがユーザーがいない
  • コードがオープンソースでなく、第三者監査もない
  • 「月利◯%保証」のような過大な利益を約束する

投資する前に、そのプロジェクトの「オンチェーン収益」「利用率」「有料顧客数」を必ず確認しましょう。前章で挙げた3指標が判断基準になります。

ICHIZEN Capitalの視点|日本の税金・法規制とDePIN

多くの競合記事はDePINの仕組みと銘柄紹介で終わりますが、日本から投資・参加する場合に避けて通れないのが税金と法規制です。この領域は上位記事が最も手薄なため、事業者・税務の視点で正確に整理します。

DePINトークンの税金|現行は雑所得・最大55%

DePINトークン(TAO、RENDER、FIL、HNT等)は日本の税務上「暗号資産」として扱われ、売却益は原則「雑所得」として総合課税されます。税率は他の所得と合算して最大55%(所得税45%+住民税10%)です。

重要なのは、日本円に換えていなくても、暗号資産同士の交換(例:BTC→TAO)で利益が確定すれば課税対象になる点です。DePINトークンの購入・売却・他トークンへの交換のたびに損益が発生しうるため、取引記録は必ず残しておきましょう。

2028年からの申告分離課税20%|DePIN投資にどう影響するか

2026年度税制改正大綱には、暗号資産の申告分離課税(税率20.315%)への移行と、3年間の損失繰越控除の新設が盛り込まれました。金商法改正の施行を経て、2028年1月1日からの適用が見込まれています(※5)。

現行の最大55%から約20%への大幅な減税は、DePINを含む暗号資産投資全体にとってポジティブなニュースです。ただし施行時期は確定していないため、現時点では現行税制に基づいた申告が必要です。暗号資産の税金の詳細は、仮想通貨の税金の記事で解説しています。

DePINと日本の法規制|電波法・改正資金決済法に注意

DePINプロジェクトに参加(ノード運営など)する場合、日本の法規制との整合性にも注意が必要です。

  • 電波法|ワイヤレス系DePIN(Helium等)の機器を日本で使う場合、総務省の技術基準適合証明(技適)が必要。技適のない海外製機器は原則使用不可
  • 電気通信事業法|通信インフラ系DePINは、電気通信事業の届出・登録が求められる場合がある
  • 改正資金決済法(2026年6月施行)|暗号資産交換業の規制が強化され、海外事業者への国内資産保有命令等が導入された
  • 個人情報保護法|センサー系DePIN(Hivemapper等)はデータ収集が個人情報に該当しないか確認が必要

トークン投資だけなら税制の知識で足りますが、ノード運営で日本国内のインフラに関わる場合は、業法の規制も視野に入れる必要があります。不明点は法律の専門家への相談をおすすめします。

木田 陽介

DePINに限らず、暗号資産の税務は「円に換えてなければ非課税」という誤解が根強いですが、暗号資産同士の交換でも課税されます。2028年の分離課税移行は大きな朗報ですが、それまでは現行のルールで申告が必要です。ノード運営も含めた参加を考えている方は、税金と業法の両面を押さえてから動きましょう。

日本国内のDePIN事例|少子高齢化の解決策としても注目

DePINは海外だけの話ではありません。日本でもインフラ維持人員の不足という社会課題を背景に、DePINの実証実験が進んでいます。

PicTrée(ピクトレ)|東京電力のインフラ点検DePIN

最も注目される国内事例が東京電力パワーグリッドとDEA社による「PicTrée(ピクトレ)」です。市民がスマートフォンで電柱やマンホールを撮影し、画像データをインフラ保守点検に活用するプロジェクトで、報酬としてAmazonギフト券またはDEAPcoin(DEP)が付与されます。

2026年4月には東京都(千代田区・中央区・港区)で「カラスの巣・ツル巻き付きの早期発見」をテーマに新たな実証試験が開始されました。NTT-ME × DEAによる東京・神奈川・千葉での約30万本の電柱を対象とした大規模実証や、沖縄電力への横展開も進行中です(※6)。

なぜ日本でDePINが注目されるのか

CoinDesk Japanの分析によると、日本でDePINが注目される最大の理由は「少子高齢化によるインフラ維持人員の不足」です。老朽化する電柱・橋梁・上下水道の点検負担が年々増大するなか、市民参加型の分散インフラは現実的な解決策の一つです。

また、災害大国としてのレジリエンス(耐障害性)の観点からも、中央管理に頼らない分散型インフラは注目されています。単一障害点(SPOF)がないネットワークは、自然災害で一部が損壊しても全体が停止しない設計になっています。

よくある質問

DePINとは何ですか?わかりやすく教えてください

DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network)は、ブロックチェーンのトークン報酬を使って、個人のGPUやストレージ、通信機器などをネットワーク化し、従来は大企業が独占していたインフラを分散的に構築する仕組みです。「個人のリソースを集めて分散型のAWSを作る」とイメージすると理解しやすいでしょう。

DePINの代表的な仮想通貨銘柄はどれですか?

時価総額で見ると、Bittensor(TAO)、Render(RENDER)、IoTeX(IOTX)、Filecoin(FIL)、Helium(HNT)が主要銘柄です。実収益ではAethir(ATH)やAkash(AKT)も注目されています。2026年7月にはHNTがBinance、RENDERがCoinbaseに上場し、流動性が向上しています。

DePINの将来性は?市場規模はどのくらいですか?

DePINセクターの時価総額は2024年末の約52億ドルから2025年9月に約192億ドル(過去最高)に達しました。AI需要の拡大がコンピュート系DePINの成長を後押ししており、GPU市場全体が2030年に3,530億ドルに成長する予測があります。ただし暗号資産市場全体の変動に左右されるため、過度な期待は禁物です。

DePINは日本から投資できますか?始め方は?

はい、日本からでも投資できます。国内取引所でBTCやETHを購入し、海外取引所(Bitget等)へ送金してDePIN銘柄を購入するのが基本ルートです。FilecoinやRenderは一部国内取引所でも取扱いがあります。まずは少額から始め、送金時のネットワーク選択に注意しましょう。

DePINは怪しいですか?リスクはありますか?

DePINの仕組み自体は正当な技術ですが、すべてのプロジェクトが信頼できるわけではありません。トークンばらまきだけで実需がないプロジェクトや、開発チーム不透明なプロジェクトも多数存在します。投資前にオンチェーン収益、利用率、有料顧客数を確認しましょう。Aethir、Helium、Akashなど実収益を出しているプロジェクトとそうでないものの差は大きいです。

DePINの税金はどうなりますか?確定申告は必要ですか?

DePINトークンの利益は日本では「雑所得」として総合課税され、最大55%の税率がかかります。給与所得者は雑所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。円に換えていなくても、暗号資産同士の交換で利益が出れば課税される点に注意してください。2028年から申告分離課税20%への移行が見込まれています。

DePINとDeFiの違いは何ですか?

DeFi(分散型金融)はブロックチェーン上で金融サービス(貸し借り、取引所など)を分散化する仕組みです。対してDePINは「現実世界の物理インフラ」(通信、GPU、ストレージなど)を分散化する仕組みです。DeFiが「デジタルの金融」を対象にするのに対し、DePINは「現実のハードウェア」を対象にしている点が根本的な違いです。

DePINで稼ぐ方法はありますか?マイニングのように参加できますか?

はい、いくつかの方法があります。初期費用ゼロではGrass(PCの帯域幅共有)が代表的です。ハードウェア投資が必要な方法としては、Heliumのホットスポット設置、Hivemapperのドラレコ装着、遊休GPUのRenderやAkashへの接続などがあります。ただし、トークン価格下落で投資回収できないリスクもあるため、収支計算をしてから参加しましょう。

DePINはなぜSolana(ソラナ)チェーンが多いのですか?

Solanaが選ばれる主な理由は、高速トランザクション(Ethereumの約3,800倍の処理能力)と低手数料です。DePINはノードからの大量の小額トランザクションを処理する必要があるため、手数料が安くスループットの高いSolanaとの相性が良いのです。Helium、Render、io.net、Hivemapper、GrassなどがSolana基盤で稼働しています。

日本でDePINを活用した事例はありますか?

はい。代表例は東京電力パワーグリッドとDEA社の「PicTrée(ピクトレ)」です。市民がスマホで電柱やマンホールを撮影し、インフラ保守点検に活用するプロジェクトで、Amazonギフト券やDEAPcoinが報酬として付与されます。2026年4月には東京都心での新たな実証試験が開始され、NTT-ME、沖縄電力への横展開も進んでいます。

まとめ|DePINは「実需」で選別する段階に入った

DePIN(分散型物理インフラネットワーク)は、ブロックチェーンのトークンインセンティブで個人のハードウェアをネットワーク化し、現実世界のインフラを分散構築する仕組みです。650以上のプロジェクトが稼働し、DePINカテゴリ全体の時価総額は約79億〜189億ドル規模に成長しています(2026年7月時点)。

2026年はAI需要の爆発がコンピュート系DePINを後押しし、Aethirの年間売上1.28億ドル、Helium Mobileの月間収益250万ドルなど「トークン補助金ではなく実顧客からの収益」が生まれる段階に入りました。一方で、トークンばらまきだけで実需がないプロジェクトも多数存在します。

投資を検討する際は「オンチェーン収益」「利用率」「有料顧客数」の3指標でプロジェクトを選別し、日本の税制(現行は雑所得・最大55%)と法規制も理解したうえで判断しましょう。2028年の申告分離課税移行は追い風ですが、それまでは現行ルールでの申告が必要です。DePINは壮大なコンセプトですが、冷静にデータで判断することが、このセクターで失敗しないための鍵です。

参考文献

1. BlockEden.xyz「DePIN Revenue Pivot: From Token Subsidies to AI Compute」(2026年4月)https://blockeden.xyz/blog/2026/04/12/depin-revenue-pivot-token-subsidies-ai-compute-akash-render-ionet/
2. NewsBTC「Binance Helium Listing Gives DePIN Tokens Another Liquidity Boost」(2026年7月)https://www.newsbtc.com/news/binance-helium-listing-gives-depin-tokens-another-liquidity-boost/
3. BlockEden.xyz「DePIN March 2026 Reality Check: 650+ Projects, $19B Market Cap, Revenue」(2026年3月)https://blockeden.xyz/blog/2026/03/21/depin-march-2026-reality-check-650-projects-19b-market-cap-revenue/
4. Messari「DePIN Tokens」https://messari.io/assets/depin
5. Coincheck「2026年度税制改正|暗号資産の申告分離課税」https://coincheck.com/ja/article/654
6. 東京電力パワーグリッド「PicTrée実証試験プレスリリース」(2026年4月)https://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/information/2026/pdf/26×0401.pdf

※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)・プロジェクトへの投資を勧誘するものではありません。DePINプロジェクトのトークン価格・時価総額・収益データは日々変動します。税制・法規制の最新情報は金融庁・国税庁の公式サイトでご確認ください。暗号資産取引にはリスクが伴い、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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