ERCトークンとは?意味・種類・ERC20との違いをわかりやすく解説|代表銘柄・送金の注意点・税金まで忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!
- ERCトークンとは、イーサリアム上で共通規格に沿って発行されるトークンの総称
- ERCはEthereum Request for Commentsの略で、開発の技術標準(規格)を指す
- 独自チェーンを持たず、イーサリアム上のスマートコントラクトで動く
- 「ERCトークン」と「ERC-20」は別。ERCは規格群の総称、ERC-20はその代表格
- ERC-20=代替可能トークン(FT)、ERC-721=NFT、ERC-1155=両対応など種類がある
- USDT・USDC・UNI・LINKなど主要トークンの多くがERC-20規格
- 送金にはガス代(ETH)が必要。ネットワークの取り違えは資産消失につながる
- トークン自体では手数料を払えず、ウォレットにETHがないと送金できない
- ERC-20とTRC-20・BEP-20は互換性がなく、誤送金は原則取り戻せない
- リスクと税金|承認(approve)の悪用・偽トークン、そして利益は原則「雑所得」
- DEX利用時の無制限承認を悪用した資産流出や、詐欺トークンの配布に注意
- 日本ではERCトークンも暗号資産扱い。売却・交換益は原則、総合課税の雑所得
木田 陽介ERCトークンは、暗号資産を触っていれば必ずどこかで出会う言葉です。ただ忖度なく言うと、”ERC=ERC-20″だと思い込んでいる方がとても多い。ここは規格の総称と個別規格を分けて理解するのが第一歩です。加えて、送金時のガス代とネットワーク選択、そして税金まで押さえておけば、実務で失敗しにくくなります。


監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。
ERCトークンとは?基本情報
ERCトークンとは、イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーン上で、共通の技術規格に沿って発行・管理されるトークンの総称です。ERCはEthereum Request for Commentsの略で、開発者どうしが「トークンはこう作ろう」と決めた設計のルールブックにあたります。この共通規格があるため、多くのウォレットや取引所が種類の違うトークンを同じ仕組みで扱えます。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)が「独自のブロックチェーンを持つコイン」だとすれば、ERCトークンは「イーサリアムという土台を借りて発行されるトークン」です。自前のチェーンを一から作らなくても、スマートコントラクトを書けば誰でもトークンを発行できるため、世界中で膨大な種類が生まれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ERCトークン(ERC規格に準拠したトークンの総称) |
| ERCの意味 | Ethereum Request for Comments(イーサリアムの技術標準) |
| 動く場所 | イーサリアムおよびEVM互換チェーン(独自チェーンは持たない) |
| 代表的な規格 | ERC-20(FT)/ERC-721(NFT)/ERC-1155(両対応)ほか |
| 代表的なトークン | USDT・USDC・UNI・LINK・DAI・SHIB など |
| 送金手数料(ガス代) | ネイティブ通貨ETHで支払う(トークン自体では払えない) |
| 日本での税務上の扱い | 暗号資産(利益は原則、雑所得・総合課税) |
この記事では、まず多くの方が混同する「ERCトークン」と「ERC-20」の違いを整理し、続けて規格の種類・代表銘柄・送金の注意点・税金までを順に解説します。まずは言葉の意味から押さえていきましょう。
ERCとERC-20の違い|「規格の総称」と「代表格」
ERCは複数あるトークン規格の「総称」で、ERC-20はその中の代表的な1規格です。「ERCトークン」と言うとき、実際には規格の集まり全体を指し、「ERC-20トークン」と言えばその中の特定の規格に沿ったトークンを指します。多くの主要トークンがERC-20であるため両者が同じものと誤解されがちですが、ERC-20はERCの一部だと理解すると混乱がなくなります。
ERCの正体|EIPというルール提案の1カテゴリ
ERCの背景にはEIP(Ethereum Improvement Proposal=イーサリアム改善提案)という仕組みがあります。イーサリアムに新しい機能や標準を加えたいとき、開発者は提案書(EIP)を公開し、コミュニティのレビューを経て採否が決まります。このEIPは扱う領域ごとにいくつかのカテゴリに分かれており、そのうちアプリケーション層の標準・規約を扱うカテゴリがERCです(※1)。
つまりERCは「トークンやインターフェースなど、アプリ側で共通化すべき決めごと」を担当する分類です。ネットワークの根幹(コンセンサス等)を変える提案はCoreなど別カテゴリで扱われ、ERCはトークンの作り方のような”お約束”を標準化する役割を持ちます。ERC-20は、正式にはEIP-20として提案され、番号をそのまま使って広く呼ばれるようになったものです。
規格には「ステータス」がある|Finalは確定した標準
各EIP/ERCには、Draft(草案)からReview・Last Callを経てFinal(確定)に至るステータスがあります。ERC-20やERC-721、ERC-1155などはすでにFinalとして確定した標準で、世界中の開発が前提にしています。「Finalになっているか」は、その規格が実務で安心して使える標準かどうかの目安になります(※1)。
一方で、提案されたものの普及せずに止まった規格や、後から改良版が出た規格もあります。日本語の解説記事で名前だけ挙がる規格の中には、実際にはほとんど使われていないものもあるため、「提案されている」ことと「広く使われている」ことは別だと捉えておくと実務的です。
ERCトークンの主な種類一覧|代表的な規格と用途
ERCには多くの規格がありますが、実務で押さえるべきものは限られます。まず全体像を一覧で示し、続けて代表的な規格を1つずつ解説します。
- ERC-20|代替可能トークン(FT)の基本規格。ステーブルコイン等の主流
- ERC-721|非代替トークン(NFT)。1点ごとに固有の価値を持つ
- ERC-1155|FTとNFTを1つのコントラクトで扱えるマルチトークン規格
- その他|ERC-4337(ウォレットの利便性)・ERC-4626(利回り運用)など新しい規格
| 規格 | 種類 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ERC-20 | 代替可能(FT) | ステーブルコイン・ガバナンストークン等の一般的な通貨型 |
| ERC-721 | 非代替(NFT) | アート・会員権・ゲームアイテムなど固有性のある資産 |
| ERC-1155 | 両対応 | ゲーム等で多数のトークンをまとめて効率よく管理 |
| ERC-4337 | ウォレット | アカウント抽象化(スマートコントラクトウォレット) |
| ERC-4626 | ボールト | 利回り運用(DeFi)のトークン化ボールトの標準化 |
ERC-20|「代替可能トークン」の基本規格
ERC-20は、最も広く使われている代替可能トークン(Fungible Token=FT)の規格です。代替可能とは「1つひとつが同じ価値で、交換しても区別がつかない」という意味で、1円玉やドル紙幣と同じ性質だと考えると分かりやすいでしょう。USDT・USDC・UNI・LINK・DAIなど、名前を知られたトークンの多くがこのERC-20です。
ERC-20では、残高の確認(balanceOf)・送金(transfer)・他者への引き出し許可(approve)といった共通の機能があらかじめ決められています。この共通ルールのおかげで、取引所やウォレット、DeFiサービスは種類の違うトークンでも同じ仕組みで扱えます。ERC-20が普及の土台になったからこそ、イーサリアム上で無数のトークンが生まれました。
ERC-721|1点物を表す「NFT」の規格
ERC-721は、非代替トークン(Non-Fungible Token=NFT)の代表的な規格です。ERC-20と対照的に、1つひとつが固有のIDを持ち、他と置き換えられない「1点物」として扱われます。デジタルアート・会員権・ゲームのキャラクターなど、「同じものが2つとない」ことに価値がある用途で使われます。
「ERCトークン=通貨のようなもの」というイメージだけを持っていると、NFTもERCの一種だという点が抜けがちです。実際には、通貨型のERC-20も、NFTのERC-721も、同じERCという枠組みの中にある兄弟のような関係です。この点を押さえると、ニュースで見る用語の整理がしやすくなります。
ERC-1155|FTとNFTをまとめて扱う規格
ERC-1155は、1つのスマートコントラクトで、代替可能トークンと非代替トークンをまとめて管理できるマルチトークン規格です。たとえばゲームで、共通アイテム(FT)とレアな1点物(NFT)を1つの仕組みで発行・移動できます。多数のトークンをまとめて処理できるため、ゲームなど大量のアイテムを扱う場面でガス代を節約しやすいのが利点です。
新しい規格|ERC-4337・ERC-4626など
規格は今も増え続けています。近年注目されているのが、ウォレットの使い勝手を高めるERC-4337(アカウント抽象化)です。従来は秘密鍵で管理する形が基本でしたが、この規格によってスマートコントラクトを使った柔軟なウォレットが実現しやすくなり、手数料の代払いや復旧のしやすさなどの改善が進んでいます。
また、DeFiの利回り運用で使われるERC-4626(トークン化ボールト)のように、預けたトークンの運用シェアを標準化する規格も広がっています。古い解説記事はERC-20/721/1155で止まっていることが多いため、新しい規格まで視野に入れておくと、最新の動向を読み解きやすくなります。
コインとトークンの違い|「ビットコインはERC?」への答え
ビットコイン(BTC)はERCトークンではありません。ビットコインは独自のブロックチェーンを持つ「コイン」で、イーサリアム上で発行されるERCトークンとは仕組みが根本的に違います。よくある疑問なので、コインとトークンの違いをここで整理します。
「コイン」は自前のブロックチェーンを持つ暗号資産で、BTCやETHが代表例です。一方「トークン」は既存のチェーン上で発行される暗号資産で、ERCトークンはイーサリアムを土台にしています。同じ「暗号資産」でも、土台を自分で持つか借りるかという違いがあると考えると分かりやすいでしょう。
紛らわしいのがイーサリアムのETHです。ETHはイーサリアムのネイティブ通貨であり、それ自体はERC-20ではありません。ただし、ETHをERC-20と同じ形で扱えるようにした「WETH(ラップドETH)」というトークンは存在します。「ETHはERC-20か」という問いには、ETH本体は違うが、WETHはERC-20と答えるのが正確です。
ERCトークンの送金・入手の注意点|ガス代とネットワーク
ERCトークンを実際に扱ううえで、初心者がつまずきやすいのがガス代(手数料)とネットワークの選択です。ここを理解しておかないと、送金でつまずいたり、最悪の場合は資産を失ったりします。ポイントを整理します。
- ガス代はETHで支払う|ウォレットにETHの残高があるか確認する
- ネットワークを合わせる|送る側と受け取る側で同じチェーンを選ぶ
- 初回は少額でテスト|宛先とネットワークが正しいか小額で確かめる
ガス代はETHで払う|トークンだけでは送れない
ERC-20トークンを送金するとき、手数料(ガス代)はトークン自体ではなく、イーサリアムのネイティブ通貨ETHで支払います。たとえばUSDT(ERC-20)を送るだけでも、別途ETHの残高が必要です。USDTはたっぷりあるのにETHがゼロで送金できない、という詰まり方は初心者に非常に多い失敗です。
イーサリアムのガス代は混雑状況で変動します。ネットワークが混み合う時間帯は手数料が高くなるため、急がない送金は空いている時間を狙うのも一つの方法です。手数料を抑えたい場合は、後述するL2(レイヤー2)や他チェーンの規格も選択肢になります。
ネットワーク取り違えは致命傷|ERC-20とTRC-20・BEP-20
同じ名前のトークンでも、発行されているネットワークが違えば互換性はありません。たとえばUSDTには、イーサリアム版のERC-20のほか、トロン版のTRC-20、BNBチェーン版のBEP-20などがあります。手数料や着金の速さはチェーンごとに異なり、送金コストを抑えたい人はTRC-20を選ぶこともあります。
ここで最も怖いのがネットワークの取り違えです。ERC-20の宛先へTRC-20で送るなど、規格の異なるアドレスへ送ると、資産が届かず原則取り戻せません。取引所から出金する際は、送金画面で選ぶネットワークと、受け取り側が対応するネットワークが一致しているかを必ず確認しましょう。心配なときは、少額で試してから本番の送金を行うのが鉄則です。
ERCトークンの入手|取引所とウォレットへの追加
ERCトークンを手に入れる基本ルートは、取引所で購入するか、DEX(分散型取引所)で交換するかのどちらかです。国内取引所は取扱銘柄が限られるため、幅広いERC-20トークンを扱いたい場合は、銘柄数の多い海外取引所を使うのが実務的な選択肢になります。海外取引所の選び方は、海外取引所おすすめランキングもあわせてご覧ください。


\多彩なERC-20トークンを扱える総合力No.1/
購入したトークンをMetaMaskなどのウォレットへ移すと、自動で表示されないことがあります。その場合は「トークンをインポート」からトークンのコントラクトアドレスを貼り付ければ、正しく表示されます。コントラクトアドレスは各トークンの公式情報やEtherscanで確認できますが、偽の類似トークンを掴まないよう、必ず公式の情報源からアドレスを取得することが大切です。
ERCトークンのリスク・注意点(忖度なし)
ERCトークンは便利な一方で、規格が誰でも使えるからこそのリスクもあります。とくにDeFiやDEXを使う場面では、価格変動とは別の「操作上の危険」があるため、分けて理解しておきましょう。
- 承認(approve)の悪用|無制限の引き出し許可を悪用され資産が抜かれる
- 偽トークン|勝手に送られてくる詐欺トークンや、公式を装った類似トークン
- ネットワーク取り違え|規格違いのアドレスへの誤送金は原則回収不能
- 価格変動|トークン自体の値動きが大きく、無価値化する銘柄も多い
承認(approve)の悪用|DeFi最大の落とし穴
DEXやDeFiでERC-20トークンを使うとき、「approve(承認)」という操作でトークンの引き出し許可を相手のコントラクトに与えます。これは正規の仕組みですが、悪意あるサイトで無制限の承認を与えてしまうと、あとからウォレット内のトークンを勝手に引き出される危険があります。approveを悪用した資産流出は、暗号資産の代表的な被害パターンの一つです。
対策としては、身に覚えのないサイトで安易に承認しないこと、そしてRevoke.cashやEtherscanの承認確認ツールで、過去に与えた許可を定期的に取り消す(revoke)ことが有効です。使っていないサービスへの承認を放置しないだけでも、リスクは大きく下がります。
偽トークン・詐欺|「送られてきた」に触らない
ERC-20は誰でも発行できるため、公式トークンに名前を似せた偽トークンが数多く出回っています。ウォレットに身に覚えのないトークンが突然届くこともありますが、これは詐欺サイトへ誘導するための「撒き餌」であるケースが多く、むやみに交換や承認をしようとすると被害につながります。届いた覚えのないトークンは基本的に触らないのが安全です。
ICHIZEN Capitalの視点|税金と安全性で見るERCトークン
多くの解説記事は「規格の種類」で終わりますが、実際にERCトークンを売買・交換すれば必ず税金が関わります。ここは上位記事が最も手薄な領域なので、事業者・税務の視点で正確に整理します。「トークンの仕組み」だけでなく、使ったあとに何が起きるかまで押さえておきましょう。
税金|ERCトークンの利益は原則「雑所得」
日本の居住者にとって、ERCトークンは暗号資産として扱われ、売却・使用・交換で得た利益は原則「雑所得」として総合課税されます。税率は他の所得と合算した累進課税で、所得税は最大45%(住民税を含めると最大約55%)です。給与所得者は、暗号資産を含む雑所得が年20万円を超えると原則として確定申告が必要になります(※2)。
誤解が多いのが「日本円に換えていなければ課税されない」という思い込みです。実際には、あるERC-20トークンを別のトークンへ交換した時点でも、利益が確定していれば課税対象になります。NFT(ERC-721)を売って利益が出た場合も同様に課税されます(※3)。円に換えたかどうかではなく、損益が確定したかどうかで判断されるため、取引記録は必ず残しておきましょう。暗号資産の税金の全体像は、仮想通貨の税金の記事で詳しく解説しています。
安全性|「規格が同じ」は「安全」を意味しない
事業者・実務の視点でもう一つ強調したいのが、ERC-20という規格に準拠していることは、そのトークンの中身の安全性を保証しないという点です。規格はあくまで「関数の共通ルール」であり、発行体が信頼できるか、コントラクトに危険な仕組みが仕込まれていないかは別問題です。同じERC-20でも、実態は玉石混交だと理解しておく必要があります。
だからこそ、銘柄そのものの信頼性(発行体・流動性・実績)と、操作上の安全対策(承認管理・ネットワーク確認)は、分けて評価するのが実務の基本です。「有名なERC-20だから安心」と一括りにせず、代表的なステーブルコインのように実績のある銘柄でも、送金や承認の手順は丁寧に確認する。この地道さが、資産を守るうえで一番効きます。ステーブルコインの具体例はUSDT(テザー)の記事もあわせてご覧ください。



税務の現場でよく聞くのが「トークン同士の交換は円にしていないから申告不要ですよね?」という誤解です。ERCトークンは日本では暗号資産扱いで、交換のたびに損益が出れば課税対象になります。規格が同じでも税務上の扱いや銘柄リスクは千差万別。取引履歴を残し、判断に迷う場合は税理士に相談するのが安全です。
よくある質問
ERCは何の略ですか?
ERCはEthereum Request for Comments(イーサリアム・リクエスト・フォー・コメンツ)の略です。イーサリアム上のトークンなどに関する技術標準(規格)を指します。改善提案の仕組みであるEIPのうち、アプリケーション層の標準を扱うカテゴリがERCにあたります。
ERCトークンとERC-20の違いは何ですか?
ERCは複数あるトークン規格の総称で、ERC-20はその中の代表的な1規格です。ERC-20は代替可能トークン(通貨型)の規格で、USDTやUNIなど多くの主要トークンが該当します。ERC-721(NFT)なども同じERCの仲間で、ERC-20はあくまでERCの一部です。
ビットコインはERCトークンですか?
いいえ。ビットコイン(BTC)は独自のブロックチェーンを持つ「コイン」で、イーサリアム上で発行されるERCトークンではありません。ERCトークンはイーサリアムを土台に発行されるトークンで、自前のチェーンを持たない点が大きな違いです。
イーサリアム(ETH)はERC-20ですか?
ETH本体はイーサリアムのネイティブ通貨で、それ自体はERC-20ではありません。ただし、ETHをERC-20と同じ形で扱えるようにした「WETH(ラップドETH)」というトークンは存在します。DeFiなどでETHをERC-20として使いたい場面でWETHが利用されます。
ERC-20とTRC-20の違いは何ですか?
ERC-20はイーサリアム上、TRC-20はトロン上のトークン規格です。同じUSDTでもネットワークが異なり互換性はありません。手数料や着金速度も違い、送金コストの安さからTRC-20が選ばれることもあります。規格の異なるアドレスへ送ると資産が失われるため、必ずネットワークを一致させてください。
ERC-20トークンの送金にETH(ガス代)は必要ですか?
はい、必要です。ERC-20トークンの送金手数料(ガス代)は、トークン自体ではなくイーサリアムのネイティブ通貨ETHで支払います。ウォレットにETHの残高がないと、トークンがあっても送金できません。送金前にETHが入っているか必ず確認しましょう。
ERCトークンにはどんな種類がありますか?
代表的なのは、代替可能トークンのERC-20、NFTのERC-721、両方を扱えるERC-1155です。近年はウォレットを柔軟にするERC-4337(アカウント抽象化)や、利回り運用のERC-4626など新しい規格も広がっています。実務でまず押さえるべきはERC-20/721/1155の3つです。
MetaMaskにERCトークンが表示されないのはなぜですか?
MetaMaskは一部のトークンを自動表示しないため、手動で追加が必要な場合があります。「トークンをインポート」からトークンのコントラクトアドレスを貼り付ければ表示されます。アドレスは公式情報やEtherscanで確認し、偽トークンを避けるため必ず信頼できる情報源から取得してください。
ERCトークンの利益に税金はかかりますか?
はい。日本ではERCトークンも暗号資産として扱われ、売却・使用・交換で得た利益は原則「雑所得」として総合課税されます。日本円に換えていなくても、トークン同士の交換やNFTの売却で利益が確定すれば課税対象です。給与所得者は雑所得が年20万円を超えると原則確定申告が必要です。
まとめ|ERCトークンは「規格の総称」、種類と手順を押さえる
ERCトークンとは、イーサリアム上で共通規格に沿って発行されるトークンの総称です。ERCはEthereum Request for Commentsの略で、EIPというルール提案のうちアプリ層の標準を担うカテゴリを指します。よく混同されますが、ERC-20はその中の代表的な1規格で、ほかにNFTのERC-721、両対応のERC-1155などがあります。
実務で失敗しないコツは、ガス代はETHで払うこと、送金時はネットワークを必ず一致させること、そして承認(approve)や偽トークンに注意することの3点です。加えて、日本ではERCトークンも暗号資産扱いで、円に換えていなくても交換で利益が出れば課税される点は使う前に理解しておきましょう。規格の意味・種類・手順・税金までセットで押さえることが、ERCトークンと賢く付き合う第一歩です。
参考文献
1. Ethereum.org「ERC-20 Token Standard/EIP・ERCの分類」https://ethereum.org/developers/docs/standards/tokens/erc-20//Ethereum Improvement Proposalshttps://eips.ethereum.org/
2. 国税庁「タックスアンサー No.1524 暗号資産を売却または使用した場合の課税関係」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1524.htm
3. 国税庁「タックスアンサー No.1525-2 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1525-2.htm
※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)・取引所への投資を勧誘するものではありません。トークン規格の仕様・取扱い・税務の扱いは変更される場合があるため、最新の情報は公式ドキュメントおよび国税庁・金融庁の情報でご確認ください。税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。暗号資産取引にはリスクが伴い、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。









