オプション取引のストラドルとは?仕組み・損益図・計算例とストラングルとの違いを忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!
- ストラドルは同じ権利行使価格のコールとプットを同時に売買する戦略
- 「買い」は大変動を狙い、「売り」はレンジ相場で利益を得る。方向を当てる必要がない
- 損益図はV字(買い)と逆V字(売り)。損益分岐点=権利行使価格±プレミアム合計
- ストラドルとストラングルの違いは「ATMか OTMか」
- ストラドルはATM(現在値付近)で組むためプレミアムは高いが感度が高い
- ストラングルはOTMで組むためコストが安い代わりに損益分岐点が遠い
- IVとタイムディケイの理解が勝敗を分ける
- ロングストラドルはガンマが味方・セータが敵。満期が近づくほど時間的価値が加速減少する
- IV(インプライドボラティリティ)がHVより低いときが買いの好機、高いときが売りの好機
- 日経225ミニオプションなら少額(数万円〜)でストラドルを実践できる
- ビットコインオプション(Deribit等)でもストラドルは活用可能。暗号資産はボラティリティが大きく相性が良い
- ストラドル売りの証拠金は数十万〜百万円規模。損失は理論上無限大のためリスク管理が必須
木田 陽介ストラドルは「相場が動くかどうか」に賭ける戦略で、上下どちらに動いても利益が出る構造が魅力です。ただし買いはタイムディケイとの戦いで、売りは損失無限大のリスクがある。仕組みと損益計算をきちんと理解しないと使いこなせません。この記事では損益図・計算例・IVの判断基準まで、忖度なしで解説します。


監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。
ストラドルとは?オプション取引の基本戦略
ストラドル(Straddle)とは、同一の原資産・同一の限月・同一の権利行使価格のコールオプションとプットオプションを、同時に買うまたは売る戦略です。オプション取引における代表的なボラティリティ戦略の1つで、相場の方向(上か下か)ではなく「動くか動かないか」に着目してポジションを組みます。
ストラドルには「買い(ロングストラドル)」と「売り(ショートストラドル)」の2種類があります。買いは相場が大きく動けば利益になり、売りは相場が動かなければ利益になるという、まったく逆の性質を持つ戦略です。いずれもATM(アットザマネー=現在の原資産価格に最も近い権利行使価格)のオプションを使うのが基本です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 戦略名 | ストラドル(Straddle) |
| 構成 | 同一権利行使価格のコール+プットを同時に売買 |
| 買い(ロング) | コール買い+プット買い → 大変動で利益 |
| 売り(ショート) | コール売り+プット売り → レンジ相場で利益 |
| 使用する権利行使価格 | ATM(アットザマネー)が基本 |
| 損益図の形 | 買い=V字型、売り=逆V字型 |
| 方向性の予測 | 不要(ボラティリティに賭ける) |
ストラドルが使われる典型的な場面は、決算発表・重要経済指標・金融政策の発表など、相場が大きく動く可能性が高いイベント前後です。「上がるか下がるかは分からないが、大きく動きそうだ」と判断した場合にロングストラドルを組み、「しばらくレンジ相場が続きそうだ」と見るならショートストラドルを使います。次の章から、買いと売りそれぞれの仕組みを損益図付きで解説します。オプション取引の基礎についてはオプション取引とは?の記事もあわせてご覧ください。
ストラドルの買い(ロングストラドル)の仕組みと損益図
ロングストラドルは、同一権利行使価格のコールとプットを同時に「買う」戦略です。相場が上下どちらに大きく動いても利益が出る一方、動かなければプレミアム(オプション料)の分だけ損失になります。
ロングストラドルの仕組み
ロングストラドルのポジションは、次の2つで構成されます。
- ATMのコールオプションを1枚買う(上昇で利益)
- 同じ権利行使価格のプットオプションを1枚買う(下落で利益)
コストは「コールのプレミアム+プットのプレミアム」の合計額です。この合計額が最大損失となり、損失は支払ったプレミアムに限定されます。原資産価格が権利行使価格から大きく離れるほど片方のオプションが利益を生み、プレミアムの合計額を超えた分が純利益になります。
損益図|V字型の構造
ロングストラドルの損益図はV字型になります。権利行使価格を底にして、原資産価格が上下どちらに動いても損益が改善する形です。
- 最大利益:理論上無限大(上方向)/原資産が0に近づくほど大きい(下方向)
- 最大損失:支払ったプレミアムの合計額(原資産が権利行使価格ちょうどで満期を迎えた場合)
- 損益分岐点(上側):権利行使価格 + プレミアム合計
- 損益分岐点(下側):権利行使価格 − プレミアム合計
つまり、原資産価格が損益分岐点の外側に出れば利益、内側にとどまれば損失というシンプルな構造です。V字の底が浅い(=プレミアムが安い)ほど利益が出やすくなるため、IVが低い=オプションが割安なタイミングで仕掛けるのがセオリーです。
計算例|日経225オプションで具体的に
日経225オプション(取引単位1,000倍)を使った具体例を見てみましょう。
| 条件 | 数値 |
|---|---|
| 権利行使価格 | 40,000円 |
| コールのプレミアム | 500円 |
| プットのプレミアム | 400円 |
| プレミアム合計 | 900円(コスト:90万円 = 900円 × 1,000倍) |
| 上側の損益分岐点 | 40,900円(40,000 + 900) |
| 下側の損益分岐点 | 39,100円(40,000 − 900) |
たとえばSQ値(満期の清算値)が41,500円なら、コールの利益は(41,500 − 40,000)× 1,000 = 150万円、プットは0円。コスト90万円を引いた純利益は60万円です。逆にSQ値が38,000円なら、プットの利益は(40,000 − 38,000)× 1,000 = 200万円で、純利益は110万円になります。一方、SQ値が40,000円ちょうどなら両方とも無価値で、90万円の損失(最大損失)です(※1)。



ロングストラドルは「損失限定・利益無限大」なので一見お得に見えますが、実際はプレミアム分を超える動きがないと利益にならない。決算やFOMCなどイベント前はIVが跳ね上がっていてプレミアムが高いことも多いので、コストに見合う動きが期待できるかを冷静に判断するのがポイントです。
ストラドルの売り(ショートストラドル)の仕組みと損益図
ショートストラドルは、同一権利行使価格のコールとプットを同時に「売る」戦略です。ロングストラドルの逆で、相場が動かなければプレミアムをまるごと受け取れますが、大きく動くと損失が膨らみます。
ショートストラドルの仕組み
ポジションは次の2つです。
- ATMのコールオプションを1枚売る(上昇で損失)
- 同じ権利行使価格のプットオプションを1枚売る(下落で損失)
受け取るプレミアムの合計額が最大利益です。原資産価格がそのまま動かなければ、両方のオプションが無価値で満期を迎え、プレミアム全額が利益になります。一方で、原資産が大きく動くとコール売り・プット売りの片方(または両方)で損失が出て、損失は理論上無限大になるのが最大のリスクです。
損益図|逆V字型の構造
ショートストラドルの損益図は逆V字型です。権利行使価格を頂点にして、原資産が離れるほど損失が拡大します。
- 最大利益:受け取ったプレミアムの合計額(原資産が権利行使価格ちょうどのとき)
- 最大損失:理論上無限大(上方向)/原資産が0に近づくほど大きい(下方向)
- 損益分岐点:ロングストラドルと同じ位置(権利行使価格 ± プレミアム合計)
ショートストラドルは「利益限定・損失無限大」という構造で、勝率は高い(動かなければ勝ち)反面、一度の大変動で大きな損失を被るリスクがあります。売りの証拠金は一般にSPAN証拠金額 × 1.2 − ネットオプション価値で計算され、日経225オプションでは数十万〜百万円規模が必要です(※2)。
計算例|売りの利益と損失
先ほどと同じ条件(権利行使価格40,000円、コール500円・プット400円)でショートストラドルを組んだ場合を見ます。
受取プレミアムは900円 × 1,000倍 = 90万円。SQ値が40,000円ちょうどなら両オプションが無価値となり、90万円がそのまま利益です。SQ値が39,500円なら、プット売りの損失は(40,000 − 39,500)× 1,000 = 50万円、コール売りは0円。プレミアム90万円 − 損失50万円 = 純利益40万円です。
しかしSQ値が42,000円に急騰すると、コール売りの損失は(42,000 − 40,000)× 1,000 = 200万円で、90万円 − 200万円 = 110万円の損失になります。相場が急変する局面では損失がさらに膨らむため、損切りラインの事前設定が不可欠です。
ストラドルのメリット・デメリット
ストラドルの買い・売りそれぞれの長所と短所を整理します。どちらが優れているという話ではなく、相場環境とリスク許容度に合わせて使い分けることが重要です。
ロングストラドルのメリット・デメリット
- 上下どちらに動いても利益チャンスがある(方向予測が不要)
- 損失は支払ったプレミアムに限定される(リスクが明確)
- 利益は理論上無限大。急騰・急落の恩恵を最大限に受けられる
- プレミアム(コスト)が高い。ATMのコールとプット両方を買うため資金負担が大きい
- タイムディケイ(時間的価値の減少)が常に不利に働く。満期が近づくほど損失が加速する
- IVが高い局面で仕掛けると、動いてもIV低下(ボラクラッシュ)でプレミアムが減る
ショートストラドルのメリット・デメリット
- 相場が動かなければプレミアム全額が利益。勝率が比較的高い
- タイムディケイが味方になる。時間の経過だけで利益が積み上がる
- IVが高い局面で仕掛けると、IV低下でプレミアムが縮小し早期利確が狙える
- 損失は理論上無限大。相場の急変で一度に大きな損失を被るリスクがある
- 証拠金が大きい(日経225オプションで数十万〜百万円規模)
- 追証(追加証拠金)が発生する可能性があり、資金管理が高度に求められる
ストラドルとストラングルの違い【比較表付き】
ストラドルと並んでよく出てくるのがストラングル(Strangle)です。どちらも「コール+プットの同時売買」ですが、使う権利行使価格が異なります。
| 比較項目 | ストラドル | ストラングル |
|---|---|---|
| 権利行使価格 | コールもプットも同じ(ATM) | コールとプットが異なる(OTM) |
| プレミアム(コスト) | 高い(ATMは時間的価値が最大) | 安い(OTMは時間的価値が小さい) |
| 損益分岐点の幅 | 狭い(動きが小さくても利益圏に届きやすい) | 広い(より大きな動きが必要) |
| 最大損失(買い) | プレミアム合計(高め) | プレミアム合計(安め) |
| 最大利益(売り) | プレミアム合計(多め) | プレミアム合計(少なめ) |
| 感度 | デルタ変化への反応が大きい | デルタ変化への反応がやや小さい |
| 向いている場面 | 大きな動きを確信しているとき | 動くと思うがコストを抑えたいとき |
要するに、ストラドルは「コストが高い代わりに感度が高い」、ストラングルは「コストが安い代わりに損益分岐点が遠い」というトレードオフです(※3)。「必ず大きく動く」と確信があればストラドル、「動くかもしれないが外れた場合の損失を抑えたい」ならストラングルを選ぶのが実践的な使い分けです。
IV・タイムディケイとストラドルの関係
ストラドルで安定して利益を出すには、IV(インプライドボラティリティ)とタイムディケイ(セータ)の影響を正しく理解する必要があります。上位の多くの解説はこの点を省略していますが、実践ではここが勝敗を分けます。
- IVの高低で「買い時」と「売り時」が変わる
- タイムディケイは買いの敵・売りの味方
- グリークス(ガンマ・セータ・ベガ)の影響まとめ
IVで売買タイミングを判断する
IV(インプライドボラティリティ)は、オプション価格から逆算される「市場が織り込んでいる将来の変動率」です。IVが高いほどプレミアムは高く、IVが低いほどプレミアムは安くなります。
ストラドルにおけるIVの使い方はシンプルです。
- IV < HV(過去の実現ボラティリティ)のとき:市場はまだ変動を過小評価している → ロングストラドル(買い)の好機
- IV > HV のとき:市場が変動を過大評価している → ショートストラドル(売り)の好機
ただし注意が必要なのは、決算や重要指標の前はIVが跳ね上がる「イベントIV」が存在することです。イベント通過後にIVが急低下(ボラクラッシュ)すると、たとえ原資産が動いてもプレミアムが縮小して利益が出ないことがあります。IVが「すでに高い」状態でロングストラドルを組むのは、買値が高い商品を掴むのと同じです(※4)。IVについてさらに詳しく知りたい方は、IV(インプライドボラティリティ)の記事をご覧ください。
タイムディケイ(セータ)の影響
タイムディケイとは、時間の経過とともにオプションの時間的価値が減少する現象です。ATMのオプションは時間的価値が最も大きいため、ストラドルはタイムディケイの影響を強く受けます。
ロングストラドルでは、セータ(1日あたりの時間的価値の減少額)が毎日コストとして積み上がります。残存期間が短くなるほどセータの絶対値は大きくなるため、満期まで持つと急速に価値が溶けていきます。実務的には、満期の2〜3週間前にはポジションを閉じるか、残存期間の長い限月で組むのがリスク管理の定石です。
逆にショートストラドルでは、セータが毎日味方になります。何もしなくても時間が経てばプレミアムが縮小し、利益に近づいていくのです。ただし、この「時間が味方」という安心感は、急変時の損失無限大リスクと表裏一体であることを忘れてはいけません。
グリークスまとめ|ストラドルへの影響
| グリークス | ロングストラドル | ショートストラドル |
|---|---|---|
| デルタ(方向性) | エントリー時ほぼ0(中立) | エントリー時ほぼ0(中立) |
| ガンマ(デルタの変化率) | +(味方)原資産が動くほどデルタが傾き利益拡大 | −(敵)原資産が動くほど損失拡大 |
| セータ(時間減衰) | −(敵)毎日プレミアムが減少 | +(味方)毎日プレミアムが減少=利益 |
| ベガ(IV感応度) | +(味方)IVが上がるとプレミアム増加 | −(敵)IVが上がるとプレミアム増加=含み損 |
このグリークスの関係が頭に入っていれば、「いつ買うべきか・いつ売るべきか・いつ閉じるべきか」の判断基準が明確になります。オプションのグリークスについてはさらに詳しくギリシャ指標(グリークス)の記事で解説しています。
ICHIZEN Capitalの視点|暗号資産オプションとストラドルの相性
多くの解説記事はストラドルを日経225オプションだけで語りますが、ボラティリティが大きい暗号資産のオプション市場とストラドルは本来相性が良い戦略です。ここでは事業者視点から、暗号資産でのストラドル活用に触れます。
ビットコインオプションでのストラドル
ビットコインのオプション市場はDeribitを中心に急成長しており、BTC・ETHのバニラオプション取引が可能です。BTCは日経225に比べてHV(実現ボラティリティ)が数倍高いため、ストラドルの損益分岐点を超える動きが起きやすいという特徴があります。
2026年7月時点では、BTCオプション市場でプットがコールより高いプレミアムで取引される防御的な傾向が見られるとの報道もあります(※5)。こうした環境では、IVが実際の変動に対して高すぎないかを見極めた上でのストラドルの売り(ショートストラドル)も選択肢に入ってきます。
日経225ミニオプションで少額からストラドルを始める
「ストラドルに興味はあるが、90万円のプレミアムは出せない」という方には、日経225ミニオプション(2023年取引開始)が選択肢になります。取引単位が通常オプションの1/10(100倍)のため、先ほどの計算例ならプレミアム合計はわずか9万円です。
手数料も楽天証券で1枚あたり19.8円(税込)と低水準で、少額資金でストラドルの損益構造を体験するには適した商品です(※6)。ただし板が薄い(流動性が低い)場合はスプレッドが広がるため、約定価格が不利になる可能性がある点は注意が必要です。
ストラドルの損切り・利確ルール
上位記事が触れていない実践的なポイントとして、ストラドルの損切り・利確ルールがあります。
ロングストラドルの場合、残存期間が短くなるほどタイムディケイで損失が加速するため、満期2〜3週間前を目安にポジションを閉じる(または限月を乗り換える)のが基本です。片方のオプションの含み益がプレミアム合計を超えたら利確を検討するのも一案です。
ショートストラドルの場合は、損失が無限大のため損切りルールが生命線です。一般的には、原資産価格が損益分岐点に達した時点で機械的に損切りする方法が推奨されます。「もう少し戻るかもしれない」と損切りを先送りすると、大変動の場面で取り返しのつかない損失になりかねません。



ストラドルの売りは勝率が高いため「勝てる戦略」と錯覚しやすいですが、1回の急変で数十回分の利益を吹き飛ばすことがあります。暗号資産のように24時間取引で突然動く市場では特に危険。必ず損切りラインを決めてからポジションを組んでください。
よくある質問
ストラドルとは何ですか?わかりやすく教えてください
ストラドルとは、同じ権利行使価格のコールオプションとプットオプションを同時に買う(または売る)戦略です。相場の方向ではなく「大きく動くか動かないか」に賭ける点が特徴で、買い(ロングストラドル)は大変動で利益、売り(ショートストラドル)はレンジ相場で利益になります。
ストラドルの買いと売り、どちらが初心者向きですか?
初心者にはロングストラドル(買い)が向いています。損失がプレミアムに限定されるため、最大損失が事前に分かるからです。ショートストラドル(売り)は損失が理論上無限大であり、追証や大損のリスクがあるため上級者向けです。
ストラドルとストラングルの違いは何ですか?
最大の違いは使用する権利行使価格です。ストラドルはATM(同一価格)のコールとプットを使い、ストラングルはOTM(異なる価格)を使います。ストラドルはコストが高い代わりに損益分岐点が近く、ストラングルはコストが安い代わりに損益分岐点が遠いというトレードオフの関係です。
ストラドルの損益分岐点はどう計算しますか?
損益分岐点は2つあります。上側は「権利行使価格 + プレミアム合計」、下側は「権利行使価格 − プレミアム合計」です。原資産価格がこの範囲の外に出れば利益、内側にとどまれば損失になります。買いも売りも損益分岐点の位置は同じで、損益の方向が逆になります。
ストラドルの売り(ショートストラドル)のリスクは無限大って本当ですか?
はい、理論上は本当です。原資産価格が上方向に無限に上昇すればコール売りの損失も無限に拡大します。下方向も原資産価格が0まで下がる可能性があり、その場合の損失は「権利行使価格 × 取引単位 − プレミアム」になります。このため、ショートストラドルでは損切りラインの設定と十分な証拠金管理が不可欠です。
ストラドルに必要な資金(証拠金)はいくらですか?
ロングストラドル(買い)はプレミアム合計が必要資金です。日経225オプションの場合、ATMのコールとプットの合計で数十万〜100万円前後が目安です。ショートストラドル(売り)は証拠金が必要で、SPAN証拠金額 × 1.2 − ネットオプション価値で計算され、同じく数十万〜百万円規模になります。日経225ミニオプションなら、取引単位が1/10のため約1/10の資金で始められます。
ストラドルはどんな相場のときに使えばいいですか?
ロングストラドルは、決算発表・重要経済指標・金融政策発表など、大きな値動きが予想される場面で有効です。ショートストラドルは、材料出尽くし後のレンジ相場が見込まれるときに適しています。いずれもIVの水準を確認し、買いはIVが低いとき、売りはIVが高いときに仕掛けるのがセオリーです。
タイムディケイ(時間的価値の減少)はストラドルにどう影響しますか?
ロングストラドルではタイムディケイが毎日コストとして積み上がり、満期に近づくほど加速します。残存期間が長い限月を選ぶか、満期2〜3週間前に閉じるのが基本の対策です。逆にショートストラドルではタイムディケイが味方になり、時間の経過だけでプレミアムが縮小し利益に近づきます。
日経225ミニオプションでもストラドルはできますか?
はい、できます。日経225ミニオプションは取引単位が通常の1/10(100倍)のため、プレミアムも約1/10で済み、少額からストラドルを組めます。手数料も楽天証券で1枚19.8円(税込)と低水準です。ただし流動性が通常オプションより低いため、板が薄い場合はスプレッドが広がる点に注意してください。
ビットコイン(仮想通貨)オプションでストラドルを使えますか?
使えます。Deribitなどの暗号資産オプション取引所でBTC・ETHのバニラオプションが取引可能です。ビットコインは日経225に比べてボラティリティが数倍高いため、ロングストラドルの損益分岐点を超える動きが起きやすいという特徴があります。ただし暗号資産オプションは海外取引所での利用が前提で、税金は雑所得として総合課税される点に注意が必要です。
まとめ|ストラドルは「ボラティリティに賭ける」戦略
ストラドルは、同一権利行使価格のコールとプットを同時に売買し、相場の方向ではなくボラティリティ(動くか動かないか)に賭ける戦略です。買い(ロングストラドル)は損失限定・利益無限大のV字型、売り(ショートストラドル)は利益限定・損失無限大の逆V字型という対称的な構造を持ちます。
実践で重要なのは、IVの水準を見てエントリータイミングを判断し、タイムディケイの影響を管理することです。ロングストラドルはIVが低いときに仕掛け、満期前にポジションを閉じるのが基本。ショートストラドルはIVが高いときに仕掛け、損切りラインを必ず設定します。ストラングルとの使い分け、日経225ミニオプションでの少額実践、暗号資産オプションへの応用まで視野に入れて、自分のリスク許容度に合った使い方を選びましょう。
参考文献
1. 松井証券「ストラドルの買い」https://www.matsui.co.jp/fop/options/useful/straddle-long/
2. ゆたか証券「ストラドルの売り・証拠金計算」https://www.yutaka-sec.co.jp/product/derivative/nikkeioption/staraddle-short.php
3. Quant College「ストラドルとストラングルの違い」https://quantcollege.net/glossary-difference-between-straddle-and-strangle
4. Quant College「ストラドルとは?IVとHVの関係」https://quantcollege.net/option-strategy-what-is-straddle
5. CoinPost「BTCオプション市場の動向」https://coinpost.jp/?p=720245
6. 楽天証券「日経225ミニオプション手数料」https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20230728-04.html
※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)への投資を勧誘するものではありません。オプション取引には元本を超える損失が生じるリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。








