ZooMEXに金融庁が警告|無登録で店頭デリバティブ取引を勧誘、日本の利用者が知るべきこと

「忙しい人向け」ニュース要約
- 金融庁(関東財務局)が2026年9月25日付で、海外の暗号資産取引所ZooMEX(Zoomex.com)に警告書を発出した
- 理由は、インターネットを通じて無登録で「店頭デリバティブ取引の勧誘」を行っていたこと(金融商品取引法)
- ZooMEXは金融庁の「無登録業者」一覧に掲載。過去にもBitget・MEXC・LBank・KuCoinが同様に警告されている
- 「警告」はただちに違法確定・資産凍結ではない。ただし無登録業者はトラブル時に国内制度の保護が及びにくいため、登録の有無を確認したい
※相場やニュースの日々の見方は、水野のX(@mizuno_ichizen)で発信中です。
水野 倫太郎まず事実を押さえます。
「警告」は使用禁止ではなく、無登録だと知って選ぶための注意喚起です。


監修 水野 倫太郎
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
慶應義塾大学経済学部。2017年米国留学時にブロックチェーンと出会い、Web3の業界に足を踏み入れる。2018年には、日本有数の仮想通貨メディアCoinOtakuに入社。2019年には同社のCMOに就任し、2020年に東証二部上場企業とM&Aを行い、様々なクリプト事業を展開する。2022年に現在代表取締役社長を務めるICHIZEN HOLDINGSを立ち上げ様々なWeb3事業を手がける。複数のWeb3系事業に出資を行いながら有識者として活動。


何が起きたのか|金融庁がZooMEXに警告
金融庁の地方支分部局である関東財務局は、2026年9月25日付で、海外の暗号資産(仮想通貨)取引所「ZooMEX(Zoomex.com)」に対して警告書を発出しました。関東財務局は、同社がインターネットを通じて、無登録で「店頭デリバティブ取引の勧誘」を行っていたと指摘しています。
これにあわせて、ZooMEXは金融庁が公表する「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」の一覧(警告書を発出した無登録の海外所在業者)に追加されました。ZooMEXはレバレッジや先物といったデリバティブ取引を中心に提供する取引所で、日本語のヘルプページなども用意されていました。


「警告」とは何か|違法確定でも資産凍結でもない
金融庁の「警告書」は、登録が必要な行為を登録なしで行っている業者に対して出される注意喚起です。逮捕や刑事処分、資産の凍結とは段階が異なり、警告が出たことだけで「その取引所が今すぐ違法確定になった」「利用者の資産が凍結された」という意味にはなりません。
ただし、無登録業者との取引にはリスクがあります。金融庁も「無登録業者との取引は高リスク」と注意を呼びかけており、トラブルが起きても国内の制度的な保護(登録業者に求められる財産の分別管理や、当局による監督・行政処分など)が及びにくいのが実情です。だからこそ、取引所を選ぶときは「登録があるかどうか」をまず確認することが大切になります。
なぜZooMEXが対象に|「交換業」でなく「店頭デリバティブ」
今回の警告は、現物の売買を扱う「暗号資産交換業」(資金決済法)ではなく、「店頭デリバティブ取引」(金融商品取引法)の枠での指摘です。ZooMEXがレバレッジ・先物などのデリバティブを主力にしているためです。
海外に所在する業者であっても、日本の居住者を相手に店頭デリバティブ取引を業として行う場合は、原則として金融商品取引法上の登録が必要です。ZooMEXは日本語対応を含めて日本の利用者が使える状態にあり、登録がないままそうした取引の勧誘を行っていた点が、今回の警告につながったとみられます。
ZooMEXを使っている人はどうすべきか
警告が出たからといって、あわてて操作する必要はありません。ただし、無登録の海外業者を使っている前提で、次の点を確認しておくと安心です。
- 金融庁の一覧や取引所の公式発表など、一次情報で状況を確認する
- 取引所に置く資産は必要な分だけに絞り、余剰は計画的に出金・移動する
- 今後の取引所選びでは、金融庁への登録があるかどうかを前提に判断する
- 補填やサポートをかたるフィッシング(偽メール・偽DM)に注意する
- 不安なときは、金融庁 金融サービス利用者相談室や消費者ホットライン(188)に相談する
続く海外取引所への警告|Bitget・KuCoinと同じ流れ
金融庁が海外の無登録取引所に警告を出すのは、今回が初めてではありません。2025年6月20日にはBitget・MEXC・LBankの各サービス提供業者に、2026年3月26日には海外取引所のKuCoinに、いずれも無登録で店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたとして警告書が発出されています。今回のZooMEXは、その延長線上にある一件です。
では、過去に警告を受けた取引所はその後どうなったのでしょうか。たとえばBitgetは、警告を受けたのち2026年8月に日本の居住者向けサービスの終了を発表し、新規口座の開設停止や強制決済のスケジュールを示す形で、事実上の日本撤退へと進みました(詳細はBitgetの日本撤退に関する記事で解説しています)。一方で、MEXCのように複数回の警告を受けながら、無登録のまま日本向けに運営を続けている取引所もあります(MEXCの解説記事)。
このように、警告を受けた取引所がたどる道はさまざまですが、「利用者にとって先行きが読みにくくなる」という点は共通しています。ある日突然の撤退やサービス縮小、出金条件の変更に直面する可能性があるということです。だからこそ、海外取引所を使う人ほど、警告や登録の有無と運営の実績を前提に選ぶ姿勢が求められます。
安全にレバレッジ取引をするには|登録業者と、海外を使う場合の考え方
国内の制度的な保護をいちばん受けたいなら、金融庁への登録がある国内の取引所が第一候補です。GMOコイン・bitFlyer・SBI VCトレード・楽天ウォレットなどが該当し、個人のレバレッジ倍率は法律で最大2倍に制限されています。倍率は控えめでも、分別管理や当局の監督といった仕組みの中で取引できるのが強みです。
一方で、より高いレバレッジや幅広い銘柄を求めて海外の取引所を使う人もいます。その場合は「海外・無登録である前提」でリスクを理解したうえで、運営年数や資産の管理方法、過去の実績を判断材料にすることが大切です。なお、ここで紹介するHyperliquidとBTCCも、日本の金融庁に登録された業者ではない海外のサービスです。この点を理解したうえで、自己責任で検討してください。
この2つは性質が大きく異なります。まずは全体像を整理します。
| Hyperliquid | BTCC | |
|---|---|---|
| 運営形態 | オンチェーン(非中央集権)のDEX | 中央集権(CEX)・2011年設立の老舗 |
| 資産の管理 | 取引所に預けず自分のウォレットで管理 | 取引所に預けて管理 |
| 主な特徴 | 取引がチェーン上で透明・出金停止のリスクが構造的に低い | 設立以来ハッキング被害ゼロ・日本語対応 |
| 日本の登録 | なし(海外サービス) | なし(海外サービス) |
Hyperliquid|資産を預けない「自己管理型」
今回のような「無登録の取引所に資産を預けていて大丈夫か」という不安に対して、考え方が根本から違うのがHyperliquidです。中央集権の取引所のように運営会社へ資産を預けるのではなく、自分のウォレットで資産を管理したまま、ブロックチェーン上で直接取引します。取引所側が出金を止めたり、預かり資産を持ち出したりするリスクが構造的に小さいのが特徴です。
永続先物(パーペチュアル)を中心に高いレバレッジに対応し、板や約定がすべてチェーン上で公開されるため透明性が高い点も評価されています。一方で、ウォレットの管理はすべて自分の責任になるため、秘密鍵の管理やネットワーク手数料といった、DEXならではの基礎知識は必要です。


\資産を預けない・自己管理型のオンチェーン取引所/
BTCC|設立以来ハッキング被害ゼロの老舗
中央集権型の取引所で「実績」を重視するなら、BTCCが候補になります。2011年に設立された世界最古クラスの取引所で、設立以来ハッキングによる資産流出の被害を出していないことで知られています。長く運営が続いていること自体が、ひとつの安心材料です。
日本語に対応し、レバレッジ取引にも幅広く対応しています。中央集権型なので操作感は国内取引所に近く、DEXよりも取っつきやすいのが利点です。ただし資産は取引所に預ける形になるため、余剰資金を置きすぎない、必要な分だけを入金するといった基本は変わりません。


\設立以来ハッキング被害ゼロの老舗/
どちらも日本の金融庁に登録された業者ではありません。国内の制度的な保護を最優先するなら国内の登録取引所を、資産の自己管理や高いレバレッジを重視するなら海外を、という選び方になります。いずれの場合も、取引所に置く資産は必要な分に絞り、一次情報を確認しながら自己責任で判断してください。
あわせて押さえておきたいのは、BTCCやHyperliquidが現時点で金融庁の警告対象になっていないのは、あくまで「今はまだ」であるという点です。これは今後も規制されないことを保証するものではありません。海外の無登録業者である以上、ZooMEXやBitgetと同じように、将来的に金融庁の警告や規制の対象となる可能性は否定できません。海外取引所を使う場合は、この前提を理解したうえで、金融庁の一次情報をこまめに確認し、余剰資産を預けすぎないようにしてください。
よくある質問
金融庁の警告を受けると、ZooMEXは使えなくなりますか?
警告そのもので、ただちに利用停止や資産凍結になるわけではありません。警告は「登録なしで金融商品取引業にあたる行為をしている」ことへの注意喚起です。ただし無登録業者はトラブル時に国内制度の保護が及びにくいため、利用を続けるかどうかはリスクを理解したうえで判断してください。
ZooMEXに預けている資産や出金はどうなりますか?
今回の警告によって、直ちに出金が止まったり資産が凍結されたりするものではありません。ただし無登録の海外業者は、国内業者のような分別管理や補償の仕組みが保証されていません。預ける資産は必要な分に絞り、公式や金融庁の一次情報を確認しながら計画的に対応するのが安全です。
金融庁の「警告」と「行政処分」「逮捕」は何が違いますか?
段階が異なります。警告は「登録が必要な行為を無登録で行っている」ことへの注意喚起で、行政処分(業務改善命令など)や刑事事件としての逮捕とは別のものです。警告が出た事実は重要な判断材料ですが、それ単体で違法が確定したことを意味するものではありません。
無登録の海外取引所を日本から使うと、利用者は罰せられますか?
登録が必要な業を無登録で行った場合の責任は、原則として事業者側にあります。利用した個人が直ちに罰せられるという性質のものではありません。ただし無登録業者との取引は自己責任の度合いが高く、トラブル時の救済が受けにくい点には注意が必要です。
なぜZooMEXは金融庁に警告されたのですか?
インターネットを通じて、無登録で「店頭デリバティブ取引の勧誘」を行っていたと関東財務局に指摘されたためです。海外業者でも、日本の居住者を相手に店頭デリバティブ取引を業として行う場合は、原則として金融商品取引法上の登録が必要になります。
ZooMEX以外にも警告された海外取引所はありますか?
あります。2025年6月20日にBitget・MEXC・LBankの各サービス提供業者、2026年3月26日にKuCoinが、いずれも無登録で店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたとして警告書を発出されています。金融庁は無登録の海外業者への警告を継続しています。
取引所が金融庁に登録済みかどうかは、どこで確認できますか?
金融庁の公式サイトで確認できます。登録業者は「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」に、警告を受けた無登録業者は「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」の一覧に掲載されます。取引所を選ぶ前に、これらで名称を確認するのがおすすめです。
安全に暗号資産のレバレッジ取引をするにはどうすればいいですか?
国内制度の保護を最優先するなら、金融庁への登録がある国内取引所(個人レバレッジは最大2倍)が基本です。より高い倍率や銘柄を求めて海外を使う場合は、海外・無登録である前提でリスクを理解し、運営年数や過去の実績を判断材料にしてください。いずれの場合も、余剰資産を預けすぎないことが大切です。
まとめ|警告の意味を正しく理解して選ぶ
- 関東財務局が2026年9月25日付でZooMEX(Zoomex.com)に警告書を発出
- 理由は無登録での「店頭デリバティブ取引の勧誘」(金融商品取引法)
- 警告=即違法確定・資産凍結ではないが、無登録業者は保護が薄い
- Bitget・MEXC・LBank・KuCoinに続く流れ。登録の有無で選ぶ局面
- 国内登録業者(最大2倍)が基本。海外を使うなら無登録前提でリスク理解
ZooMEXへの警告は、金融庁が続けている「日本の居住者に無登録で勧誘する海外業者」への注意喚起の一環です。警告そのものは違法の確定でも資産凍結でもありませんが、無登録業者はトラブル時に国内制度の保護が及びにくいという事実は変わりません。
大切なのは、警告の意味を正しく理解したうえで、「登録の有無」と「運営の実績」を前提に取引所を選ぶことです。あわてて操作せず、金融庁や取引所の一次情報を確認しながら、自分に合ったリスクの取り方を判断してください。


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※1 金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」(警告書の発出を行った無登録の海外所在業者・2026年9月更新)、関東財務局による警告書(2026年9月25日付)。あわせてNADA NEWS・あたらしい経済ほか各社報道(2026年9月25日)を参照
※本記事は特定業者の違法性を確定的に断じるものではなく、公表された事実と一般的な注意喚起を目的としています。相談先=金融庁 金融サービス利用者相談室、消費者ホットライン(188)
※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)への投資を勧誘するものではありません。暗号資産取引にはリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。









