ビットコインは中間選挙で上がる?予測市場とオプションで読む結果別シナリオ

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!
- 中間選挙で大きく動きやすいのは、予想が外れて共和党が両院を守った場合
- 予測市場は「民主党が上下両院」を6割強と見ており、かなりの部分が織り込み済み
- オプション市場が見込む1週間の値幅は上下5%前後で、選挙への警戒は小さめ
- 「中間選挙の後は急落」は高値から底を測った数字。1年後は3回とも上昇
- 投票日から1か月後は2018年が約46%、2022年が約7%の下落
- 1年後は+25%・+45%・+92%で、同じ期間の米国株も上回った
- 相場の方向を決めるのは選挙より金利。11月4日は開票と金利材料が重なる
- 10月のFOMCは据え置き、12月は利上げというのが市場の見方
- 日本時間11月4日の朝9時から開票が進み、夜には米財務省の国債発行計画
※本記事は2026年10月17日時点の公開情報・市場データにもとづく情報提供であり、特定の暗号資産の売買を勧める投資助言ではありません。予測市場の確率や価格は日々変動します。
木田 陽介「中間選挙でビットコインは下がるの?」「共和党が負けたら仮想通貨はどうなる?」と気になっている方も多いはずです。この記事では、暗号資産の運用やオプション取引を手がける弊社の現役トレーダーチームが、2026年11月3日の米中間選挙がビットコインに与える影響を、結果のパターン別に紹介します。予測市場とオプション市場の数字に加えて、過去3回の値動きを同じ基準でそろえたデータや、株の中間選挙アノマリーとの比較も載せました。
▼ビットコインと中間選挙の関係|完全版


監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
2016年から仮想通貨トレードを開始。2018年に仮想通貨メディアCoinOtakuに入社し、2019年に代表取締役に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。Bitgetのトレード大会では、2025年11月に取引高部門で日本勢1位・世界4位、2026年9月の「KCGI 2026」ではチーム戦で世界7位・日本1位、個人部門で世界10位。


監修 水野 倫太郎
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
慶應義塾大学経済学部。2017年米国留学時にブロックチェーンと出会い、Web3の業界に足を踏み入れる。2018年には、日本有数の仮想通貨メディアCoinOtakuに入社。2019年には同社のCMOに就任し、2020年に東証二部上場企業とM&Aを行い、様々なクリプト事業を展開する。2022年に現在代表取締役社長を務めるICHIZEN HOLDINGSを立ち上げ様々なWeb3事業を手がける。複数のWeb3系事業に出資を行いながら有識者として活動。
2026年の米中間選挙はいつ?何が決まる?
- 中間選挙の日程と改選される議席
- 選挙で変わるのは議会の多数派
- 仮想通貨に効く4つの経路
2026年の米中間選挙は、11月3日(火)に投票が行われます。日本時間では、11月4日(水)の朝から開票結果が出始める見込みです。
中間選挙の日程と改選される議席
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投票日 | 2026年11月3日(火) |
| 開票(日本時間) | 11月4日(水)朝から |
| 下院 | 435議席すべて |
| 上院 | 100議席のうち35議席 |
| 今の多数派 | 上下両院とも共和党 |
下院は2年ごとに全議席が入れ替わり、上院は6年任期のうち約3分の1が改選されます。2026年の上院は、オハイオ州とフロリダ州の補欠選挙を含めて35議席が対象です。
上院の現在の勢力は共和党53議席、民主党47議席(民主党と会派を組む無所属2人を含む)です。改選35議席のうち22議席は共和党が守る側にあり、民主党が上院の多数派になるには差し引きで4議席を上積みする必要があります。
選挙で変わるのは議会の多数派
中間選挙は、4年ごとの大統領選挙のちょうど中間にある議会の選挙です。大統領は選ばれないため、トランプ大統領の任期(2029年1月まで)は変わりません。
変わるのは、法律を作る議会でどちらの党が多数を握るかです。仮想通貨にとっては「法律が通るか」「規制当局の人事が承認されるか」が、議会の顔ぶれで変わる点が重要になります。
仮想通貨に効く4つの経路
- 法律:市場構造法案の行方
- 人事:SEC・CFTC委員の承認
- 調査:大統領一家の暗号資産事業
- 財政:減税や予算を通じた金利・ドル
1つ目の法律は、仮想通貨を「株のような証券」と「金や原油のような商品」に分けて、どの役所が管理するかを決める市場構造法案です。2026年9月に上院で止まったCLARITY法がこれにあたります。
2つ目の人事は、仮想通貨のルールを作るSEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)の委員の承認です。委員の任命には上院の承認が必要なため、上院の多数派がそのまま人事に響きます。
3つ目の調査は、民主党が下院を取った場合に、大統領一家が関わる暗号資産事業が公聴会などで取り上げられる可能性です。4つ目の財政は、減税や予算をめぐる議会と政権のやりとりが、金利やドルを通じてビットコインに波及する経路を指します。
中間選挙の予想はビットコインに織り込み済み?


- 予測市場は「民主党が両院」を6割強
- オプション市場が見込む値幅は上下5%前後
- 世論調査が外れる余地
結論から言うと、「民主党が上下両院を取る」という一番ありそうな結果は、すでにかなり価格に織り込まれているとトレーダーチームは見ています。根拠は、予測市場とオプション市場の2つの数字です。
予測市場は「民主党が両院」を6割強
| 結果 | 確率 |
|---|---|
| 上下両院とも民主党 | 63% |
| 上院は共和党・下院は民主党 | 28% |
| 上下両院とも共和党 | 10% |
| 上院は民主党・下院は共和党 | 1%未満 |
※Polymarket「Balance of Power: 2026 Midterms」の2026年10月17日時点の確率
予測市場は、選挙の結果などに実際のお金を賭けて取引する市場です。代表的なPolymarketでは、10月17日時点で「上下両院とも民主党」が63%と、最も高い確率がついています(Polymarketとは)。
ここまで高い確率がついているということは、市場参加者の多くがすでに「民主党が勝つ」前提でお金を動かしているということです。相場では、みんなが予想していた結果が出ても価格はあまり動きません。
逆に大きく動くのは、予想が外れたときです。確率の低い「共和党が両院を守る」が実現した場合の方が、価格は大きく動きやすいと言えます。
オプション市場が見込む値幅は上下5%前後


- IV:市場が予想する値動きの大きさ
- 11月満期は最大0.387
- 前後の満期は0.37〜0.375前後
オプションは「決めた値段で売り買いできる権利」のことで、その取引価格から、市場が予想している値動きの大きさ(IV:予想変動率)を計算できます。IVが高いほど「大きく動きそうだ」と身構えている状態です(IVの見方はこちら)。
ビットコインETFのIBITのオプションを見ると、選挙をまたぐ11月満期のIVは最大0.387と、前後の満期(0.37〜0.375前後)より少しだけ高くなっています。その差は0.01程度で、選挙を「相場を大きく動かすイベント」として強く警戒しているわけではないと読めます。
IVの0.387は年率の数字です。これを1週間あたりに直すと、市場が見込む値幅は上下5%前後になります。ビットコインが8.2万ドルなら、上下に4,000ドル強動く程度の幅です。開票のある週にこの幅を大きく超えて動けば、市場にとって「予想外」だったと考えられます。
オプションの残高を見ても、下落に備える保険(プット)はあまり積み上がっていません。上昇を抑えやすい売りの積み上がりも、10月16日以降の満期では薄くなっています。下を強く警戒しておらず、上に動いたときの抵抗が少ない形で、予測市場の「サプライズは共和党の健闘」という見立てと重なります。
世論調査が外れる余地
第一生命経済研究所が10月6日に出したレポートでは、物価高(ガソリン価格など)への不満が共和党の逆風になり、下院は民主党が優勢、上院も9月以降の世論調査で民主党が優勢との見方が強まっていると整理しています。
一方で同レポートは、トランプ支持層の一部が世論調査に協力しないため、直前の世論調査と実際の投票結果がずれる可能性も指摘しています。選挙区割りの変更(ゲリマンダー)で、下院の議席差が小さくなる可能性もあります。
2026年9月以降の全米の広告予定額は共和党が16.3億ドル、民主党が11.9億ドルと、資金面では共和党が上回っています(AP通信の集計をもとにした同レポートより)。予測市場の6割強は「ほぼ確実」ではないため、残りの4割弱が実現したときの値動きにも備えておく必要があります。
中間選挙の結果別に見るビットコインの値動き
- 上下両院とも民主党のケース
- 上院は共和党・下院は民主党のケース
- 上下両院とも共和党のケース
| 結果(確率) | ビットコイン | アルトコイン |
|---|---|---|
| 両院とも民主党(63%) | 短期は小動き | じわじわ重い |
| 上院共和・下院民主(28%) | 小動き | 方向感なし |
| 両院とも共和党(10%) | 上に振れやすい | 大きく上に振れやすい |
※確率はPolymarketの2026年10月17日時点の値
3つの結果ごとに、ビットコインとアルトコインがどう動きやすいかを、トレーダーチームの見立てで整理しました。ここからは1つずつ、その理由を説明します。
上下両院とも民主党のケース
一番ありそうな結果で、ビットコインは短期ではあまり動かないとトレーダーチームは見ています。予想どおりの結果なので驚きが小さく、むしろ「結果が決まって不安が消えた」安心感から、少し戻る可能性もあります。
影響が出やすいのはアルトコインです。新しい議会(2027年1月から)でも、民主党は大統領一家の暗号資産事業をめぐる倫理条項を法案の条件にするとみられ、市場構造法案の成立は遠のきます。ルールの明確化を期待されていた取引所トークンやDeFi、米国関連の銘柄ほど重くなりやすいでしょう。
上院も民主党が握るため、SECやCFTCの空席を埋める人事の承認も進みにくくなります。下院の民主党が大統領一家の事業を公聴会や調査で取り上げれば、ニュースのたびに下押しの材料になりえます。
ただし、大統領令や役所の規則づくりは、議会を通さなくても進められるのも事実です。効いてくるのは選挙直後ではなく、法律が来ない期間が延びることによる中長期の重さです。
上院は共和党・下院は民主党のケース
上院と下院で多数派が分かれる「ねじれ議会」になると、大きな法律はほとんど進まなくなります。良くも悪くも動きが止まるため、相場への影響は小さめです。
このケースでは、規制当局の人事を承認する上院は共和党が握り続けます。SECやCFTCが主導する規制の見直しはそのまま続く一方で、法案を通すには下院の民主党との合意が必要です。短期も中期も、はっきりした方向は出にくいでしょう。
上下両院とも共和党のケース
確率は1割前後ですが、大きく上に動く可能性があるのはこのパターンだけです。6割強の予想が外れるため、予想の巻き戻しで短期的に跳ねやすくなります。法律の整備への期待が戻り、値動きの大きいアルトコインはビットコイン以上に反応する可能性があります。
ただし、上院で法案を前に進めるには60票が必要です。9月の採決で「49対50」で止まった壁は、共和党が両院を守っても変わりません。期待先行で上げたあとに反動が出る可能性も残ります。
減税や財政拡大への思惑から長期金利が上がり、ドルが強くなれば、ビットコインには逆風です。上昇が続くかどうかは、結局のところ金利とETFの資金の流れ次第になります。



一番ありそうな結果では相場はあまり動かず、確率の低い結果が出たときだけ大きく動く。選挙のようなイベントではこの形が基本です。結果が出る前に方向を決め打ちするより、予想が外れたときにどちらへ動くかを先に考えておく方が、判断を誤りにくくなります。
中間選挙後にビットコインは急落する?


- 同じ基準でそろえた過去3回の値動き
- 「4回とも急落」の数字の正体
- 中間選挙と4年サイクルの重なり
- 今回の市場の形の違い
「過去4回の中間選挙の後、ビットコインはすべて急落した」という話を目にすることがあります。実際の値動きを、ビットコインに十分な取引データがある2014年・2018年・2022年の3回で、同じ基準にそろえて確かめました。
同じ基準でそろえた過去3回の値動き
| 選挙 | 1か月後 | 1年後 |
|---|---|---|
| 2014年 | +12% | +25% |
| 2018年 | −46% | +45% |
| 2022年 | −7% | +92% |
※投票日の終値(2014年は約330ドル、2018年は約6,461ドル、2022年は約18,541ドル)を起点にしたドル建ての騰落率
投票日から1か月後は、2018年が約46%、2022年が約7%下げていました。2018年は投票日からわずか1か月で、価格が半分近くになっています。3か月後で見ても、2014年が約31%、2018年が約46%の下落です。
一方で、投票日から1年後の価格は、3回ともプラスでした。下げだけを見て「中間選挙の後は下がる」と覚えると、その後の回復を見落とすことになります。
「4回とも急落」の数字の正体
SNSや一部の記事では、海外アナリストの集計として「2010年に72%、2014年に65%、2018年に52%、2022年に27%下落」という数字が紹介されています。トレーダーチームが同じ相場を測り直したところ、この数字は投票日を起点にしたものではありませんでした。
投票日の前後1か月の高値から、その後の安値までを終値で測ると、2014年は約58%、2018年は約51%、2022年は約26%の下落になります。2018年と2022年は紹介されている数字とほぼ一致し、2014年も近い水準になるため、「高値から底まで」の一番悪い区間を切り取った数字だと考えられます。
2010年のビットコインは1ドルにも満たない価格で、取引できる場所もごく限られていました。今の相場と同じ物差しで比べられるデータではないため、この記事では2014年以降の3回で検証しています。
中間選挙と4年サイクルの重なり


| 中間選挙 | その前の天井 | その後の底 |
|---|---|---|
| 2014年11月 | 2013年12月 | 2015年1月 |
| 2018年11月 | 2017年12月 | 2018年12月 |
| 2022年11月 | 2021年11月 | 2022年11月 |
| 2026年11月 | 2025年10月 | 未定 |
ビットコインには、約4年ごとに新しく発行される量が半分になる「半減期」があり、価格も4年前後のリズムで上げ下げを繰り返してきました。半減期の1〜1年半後に天井を付け、その約1年後に底を付けるという流れです。
この底が、過去3回はいずれも中間選挙の直後に来ていました。「選挙の後に下げ、1年後に上がった」のは、選挙の力ではなく4年サイクルの底と時期が重なったからと見る方が自然です。
今回のサイクルの天井は2025年10月です。同じリズムなら、底は2026年の秋から冬ごろに来る計算になります。ただし、6月末の安値(約5.9万ドル)が今回の底だったのか、まだ先があるのかは、まだわかりません。
今回の市場の形の違い
| 相場の局面 | 最高値からの最大下落 |
|---|---|
| 2018年(中間選挙の年) | −83% |
| 2022年(中間選挙の年) | −77% |
| 今回(2026年10月まで) | −53% |
※ドル建て終値。2018年は2017年12月の高値から、2022年は2021年11月の高値から、今回は2025年10月の高値から、それぞれその後の最安値まで
今回の相場は、2025年10月の最高値(終値で約12.5万ドル)から2026年6月末の約5.9万ドルまで、最大で約53%下げました。過去の中間選挙の年の下落(77〜83%)と比べると、かなり浅い下げです。
背景には、2024年に米国でビットコインの現物ETFが始まり、年金基金のような大きな投資家が買い手に加わったことがあります。市場の仕組みそのものが変わっているため、過去のパターンをそのまま当てはめるのは危険です。
株の中間選挙アノマリーはビットコインにも効く?


- 中間選挙の後に上がりやすい米国株
- 3回とも株を上回ったビットコイン
- ビットコインに当てはめるときの注意
株の世界には「中間選挙の後は株価が上がりやすい」というアノマリー(理屈では説明しきれない経験則)があります。ビットコインにも同じことが言えるのかを、同じ期間の米国株と並べて比べました。
中間選挙の後に上がりやすい米国株
| 期間 | S&P500の平均 | 上昇した割合 |
|---|---|---|
| 選挙前(7〜10月) | +1.7% | 55% |
| 選挙後(11月〜翌年末) | +20.3% | 100% |
※JPモルガン・アセット・マネジメントが2026年7月に公表した、第2次世界大戦後20回の中間選挙の集計
JPモルガン・アセット・マネジメントの集計では、第2次世界大戦後の20回の中間選挙で、選挙後(11月から翌年末まで)のS&P500は平均20.3%上がり、20回すべてで上昇していました。
三井住友DSアセットマネジメントの集計(1982年以降の11回)でも、選挙後3か月のS&P500は平均5.9%上がり、11回中9回で上昇しています。
選挙が終わると「議会がどうなるか」という不確実性が晴れることや、大統領が2年後の選挙に向けて景気を重視しやすいことが、理由として挙げられています。
3回とも株を上回ったビットコイン
同じ3回の中間選挙で投票日から1年後を比べると、ビットコインは2014年が+24.5%、2018年が+44.9%、2022年が+92.3%でした。S&P500(+4.5%、+11.7%、+14.5%)も、ハイテク株の多いNASDAQ100(+13.5%、+17.3%、+38.5%)も、3回とも上回っています。
一方で、投票日から3か月後で比べると、S&P500が+1.9%、−0.6%、+8.8%だったのに対し、ビットコインは2014年と2018年に3割以上下げていました。短い期間では株よりずっと荒く、1年で見ると株より大きく戻ったというのが、過去3回の姿です。
ビットコインに当てはめるときの注意
株のアノマリーは20回分のデータがありますが、ビットコインは3回しかありません。しかも前の章で見たとおり、その3回はすべて4年サイクルの底と重なっていました。3回の結果だけで「中間選挙の後は上がる」と考えて、資金を一度に入れるのは危険です。
ただ、ここ数年のビットコインは米国株、とくにハイテク株と似た動きをする場面が増えています。株のアノマリーどおりに選挙後の株価が堅調なら、ビットコインにとっても追い風になりやすいでしょう。
中間選挙よりビットコインに効く金利とETF


- FRBの約3年ぶりの利上げ
- イベントの日に動きにくいETFの資金
- 選挙の前後に重なる金利の日程
- 選挙前に見ておく4つの指標
トレーダーチームの見立ては、選挙そのものより、アメリカの金利とETFの資金の流れの方がずっと大きく効くというものです。選挙は「金利という大きな流れ」の上に乗る、一時的な波にすぎません。
FRBの約3年ぶりの利上げ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 政策金利 | 3.75〜4.00% |
| 米10年債利回り | 5.28% |
| 9月の消費者物価 | 前年比3.7% |
| ビットコイン | 約8.1万ドル |
※政策金利は2026年9月16日の決定後、利回りは10月2日、消費者物価は10月14日の発表、ビットコインは10月17日時点
アメリカの中央銀行にあたるFRBは、2026年9月16日に政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%にしました。利上げは2023年7月以来、約3年ぶりです。米10年債の利回りも、9月初めの4.7%台から10月初めには5.2〜5.3%台まで上がっています。
10月14日に発表された9月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.7%で、値動きの大きい食品とエネルギーを除いた数字は予想を上回りました。翌日の生産者物価の発表後には、ビットコインが一時8万ドルを割り込んでいます。
金利が上がると、預金や国債に置いておくだけで得られる利回りが増えるため、ビットコインのような値動きの大きい資産からはお金が抜けやすくなります。ビットコインは10月17日時点で約8.1万ドル(約1,290万円)と、最高値から約35%低い水準にとどまっています。
ただし、9月は利上げの決定後にビットコインがむしろ上がった場面もありました(利上げでも上がった背景)。金利だけで毎日の値動きが決まるわけではありませんが、相場全体の重さを決めているのは選挙より金利だと言えます。
イベントの日に動きにくいETFの資金
トレーダーチームが2024年1月から2026年9月までのビットコインETFの資金の出入りを調べたところ、FRBの会合の日も、物価指標の発表日も、ETFへの資金の出入りにはほとんど影響していませんでした。ETFのお金は、1日のイベントではなく、もっと大きな流れで動いているということです。
2026年9月の米国のビットコイン現物ETFは、月間で約26.5億ドルの資金が入りました(ビットコインETFの資金流入)。その一方で、利上げが意識され始めた9月第2週には約4.6億ドルが流出しており、流出と流入が週ごとに入れ替わっています。
選挙の前後に重なる金利の日程
| 日本時間 | 出来事 |
|---|---|
| 10月29日(木)早朝 | FOMCの結果発表 |
| 11月4日(水)朝〜 | 中間選挙の開票 |
| 11月4日(水)夜 | 米財務省の国債発行計画 |
| 12月10日(木)早朝 | FOMCの結果発表 |
| 12月11日(金) | つなぎ予算の期限 |
金利の先物市場では、10月のFOMCは据え置き、12月は利上げという見方が中心です(CME FedWatchで10月16日時点、10月の据え置きが約85%、12月までの利上げが約89%)。中間選挙は、この2つのFOMCのちょうど間にあります。
特に注意したいのは11月4日です。米財務省は8月に、長期国債を買い戻して長期金利の上昇を抑える措置(バイバック)の規模を、1回あたり20億ドルから40億ドル以上に増やしました。この拡大は11月4日までで、続けるかどうかは同じ日の国債発行計画で示されます。
措置が続けば、長期金利の上昇は抑えられやすいでしょう。やめる場合は、10年債の利回りが再び上を試しやすくなり、株や仮想通貨の重しになりえます。開票の反応と長期金利の材料が同じ日に重なるため、選挙の結果で動いた相場が、日本時間の夜にもう一度動く可能性があります。
選挙前に見ておく4つの指標
- 予測市場の確率
- 11月満期のオプションのIV
- ETFの資金の出入り
- 米10年債の利回り
1つ目の予測市場の確率は、世論調査より速く結果の見通しを映すと言われています。今は「民主党が両院」が6割強で、この数字が大きく動いたときが相場の動くサインです。
2つ目は、選挙をまたぐ11月満期のオプションのIVです。前後の満期との差が今の0.01程度から広がれば、市場が選挙への警戒を強めているとわかります。
3つ目のETFの資金は、1日の出入りが運用資産の0.3%を超えるかどうかを、トレーダーチームは目安にしています。4つ目の米10年債の利回りは、ここまで説明したとおり、相場全体の重さを決める一番大きな流れです。
中間選挙の後に効いてくる法律と人事
- 1票差で止まったCLARITY法
- 上院が埋めるSECとCFTCの空席
- 業界の選挙資金と年末の予算期限
選挙の結果が仮想通貨に効いてくるのは、投票日の翌日ではなく、半年から1年かけてです。ここでは、中間選挙の後に効いてくる法律と人事を整理します。
1票差で止まったCLARITY法
仮想通貨の市場のルールを定めるCLARITY法(H.R.3633)は、下院を294対134で通過したあと、2026年9月15日の上院の採決で49対50となり、審議に入るのに必要な60票に届きませんでした(クラリティ法案とは)。
止まった理由は、大統領が暗号資産で利益を得ることを防ぐ倫理条項が不十分だという民主党側の反対と、ステーブルコインの利回りに対する地方銀行の反発だとされています。
実は、この法律が目指していた「証券か商品か」の線引きは、2026年3月17日にSECとCFTCが共同で出した解釈として、すでに示されています。ビットコイン・イーサリアム・ソラナ・XRPなど16銘柄が、名指しで「デジタル商品」と整理されました。
ただし、これは役所の解釈にすぎず、政権が変われば覆る可能性があるため、法律で固定する意味があったのです。
中間選挙のあとに法律を通す道は、新しい議員が就任する前の残り会期か、2027年からの新しい議会のどちらかです。民主党が勝てば再挑戦は遠のき、共和党が踏みとどまれば息を吹き返します。
上院が埋めるSECとCFTCの空席
| 規制当局 | 委員の在籍 |
|---|---|
| SEC | 5席のうち2人 |
| CFTC | 5席のうち1人 |
※2026年10月中旬時点
仮想通貨のルールを作るSECの委員は2人、CFTCは委員長1人だけで、どちらも本来の5人体制を大きく欠いています。この空席を誰で埋めるかは、大統領が指名し、上院が承認して決まります。
法案が止まった後、CFTCは10月5日に暗号資産の取引ルールの検討(規則案の前段階)を始め、60日間の意見募集に入りました。ただし、少人数で作ったルールは、政権交代や訴訟で覆されやすいという弱さがあります。上院の多数派がどちらになるかは、人事を通じてこの規制の持続性にも響きます。
業界の選挙資金と年末の予算期限
暗号資産業界の政治団体Fairshakeは、10月5日にCLARITY法に賛成した下院議員32人(共和党19人・民主党13人)の支援を発表しました。オハイオ州の上院選では、民主党のシェロッド・ブラウン氏に対抗して3,000万ドルを投じる計画も伝えられています。
もう1つの節目が予算です。9月に成立したつなぎ予算の期限は12月11日で、それまでに次の予算が決まらなければ政府閉鎖の可能性が出てきます。選挙後の議会と政権の対立が強まれば、財政の先行きが読みにくくなり、金利を通じて相場に波及するでしょう。
中間選挙の開票は日本時間でいつ?
- 日本時間の開票スケジュール
- 結果が出るまで時間がかかるケース
- 開票中に気をつけたい値動き
ビットコインは24時間取引されているため、開票の途中経過がそのまま価格に反映されます。日本時間で何時に何が起きるかを、先に押さえておきましょう。
日本時間の開票スケジュール
| 日本時間(11月4日) | 投票が締め切られる主な州 |
|---|---|
| 9:00 | ジョージアなど |
| 9:30 | オハイオ・ノースカロライナ |
| 10:00 | メイン・ペンシルベニアなど |
| 11:00 | ミシガン・テキサスなど |
| 13:00 | カリフォルニアなど西海岸 |
※各州で最後の投票所が締め切られる時刻。米国は11月1日に夏時間が終わるため、米東部時間に14時間を足した時刻
開票は日本時間11月4日(水)の朝から始まり、東部の州から順に結果が出てきます。昼すぎには西海岸の投票も締め切られますが、接戦の州は集計が続きます。
仮想通貨との関係で注目されているのが、Fairshakeが3,000万ドルを投じるとされるオハイオ州の上院選です。第一生命経済研究所のレポートは、カナダとの貿易が多いミシガン州とメイン州、農業州のアイオワ州の結果を、関税政策の行方を見る材料に挙げています。
結果が出るまで時間がかかるケース
一番の注意点は、結果が11月4日のうちに決まらないかもしれないことです。接戦の州が残ると、開票に数日かかります。2020年の大統領選挙でも、勝者が報じられたのは投票日から4日後でした。
さらにジョージア州では、過半数を取る候補がいなければ12月1日に決選投票が行われます。上院の議席差が小さいと、上院の多数派が12月まで決まらない可能性も残るのです。
開票中に気をつけたい値動き
接戦の州の途中経過が出るたびに予想が揺れ、価格も揺れます。日本時間の深夜から早朝のように取引が少ない時間帯は、値段が急に飛ぶこともあります。正式な結果が出るまでは、途中のニュースに飛びついて売買しないことが大切です。
結果が決まると、選挙という不安が消えて、オプションのIVは急に下がりやすくなります。開票中の荒い値動きも、通過した瞬間に落ち着く可能性があるのです。開票速報に合わせてレバレッジをかけた取引をすると、短い時間の上下で強制決済されるおそれがあります。選挙の夜は、レバレッジを軽くしておくのが一番の備えです。
中間選挙をまたいでビットコインを持つなら
- 中間選挙のジンクスとの付き合い方
- 持ち続ける間のレンディング
ここまでの内容を踏まえて、中間選挙をまたいでビットコインを持ち続ける場合の考え方を整理します。
中間選挙のジンクスを鵜呑みにしない
トレーダーチームが一番伝えたいのは、「中間選挙の後はビットコインが下がる」という話を鵜呑みにしないでほしいということです。過去に下がって見えたのは、4年サイクルの底と選挙の時期が重なっただけで、1年後は3回とも上がっていました。
選挙を理由に慌てて売るのは、過去の偶然の一致に賭けるようなものです。本当に見るべきは、FRBが利上げを続けるのか、利下げに戻るのかという金利の行方です。選挙は1日のイベントですが、財政と金利の材料は12月まで続きます。
持ち続ける間にレンディングで利息を得る
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ビットコインと中間選挙のよくある質問
中間選挙の結果は日本時間の何時にわかりますか?
投票日は2026年11月3日(火)で、日本時間では11月4日(水)の朝9時ごろから各州の投票が順に締め切られ、開票結果が出始めます。
接戦の州が残ると結果の確定まで数日かかり、ジョージア州のように12月1日の決選投票までもつれる州もあります。
中間選挙の後はビットコインが下がるというのは本当ですか?
2014年・2018年・2022年は、いずれも投票日のあとに一度下げた時期がありました。ただし、投票日から1年後の価格は3回ともプラスでした。
過去の下げは4年サイクルの底と時期が重なったもので、選挙そのものが原因とは言えません。サンプルも3回しかありません。
株の中間選挙アノマリーはビットコインにも当てはまりますか?
過去3回は、投票日から1年後のビットコインがS&P500やNASDAQ100を上回りました。ただし3回分しかデータがなく、4年サイクルとも重なっているため、株と同じ経験則として扱うのは危険です。
共和党が勝つとビットコインは上がりますか?
共和党が上下両院を守る確率は予測市場で1割前後です。実現すれば予想外の結果になるため、短期的には上に振れやすいとトレーダーチームは見ています。
ただし上院で法案を進めるには60票が必要で、上昇が続くかどうかは金利とETFの資金の流れ次第です。
中間選挙の前にビットコインを売った方がいいですか?
この記事は売買を勧めるものではありません。トレーダーチームの見立てでは、選挙は数日間の値動きを荒くするイベントで、相場の方向を決めているのは金利です。
選挙前後の値動きが気になる場合は、売るかどうかより先に、レバレッジをかけたポジションを軽くしておくことを検討してください。
中間選挙で大統領は変わりますか?
変わりません。中間選挙は議会の選挙で、トランプ大統領の任期は2029年1月までです。変わるのは、上院と下院でどちらの党が多数を握るかという点になります。
まとめ
- 主役は選挙より金利とETFの資金
- 「民主党が両院」は6割強で織り込み済み
- 大きく動くのは共和党が両院を守った場合
- 「4回とも急落」は高値から底を測った数字
- 過去3回は1年後にすべて上昇、株も上回った
- 開票は日本時間11月4日朝から、夜は金利材料
2026年11月3日の米中間選挙は、仮想通貨のルールを決める議会の顔ぶれが変わる大事な選挙です。ただし、予測市場では「民主党が上下両院」が6割強と見られており、一番ありそうな結果はすでにかなり価格に織り込まれています。
ビットコインが大きく動きやすいのは、予想が外れて共和党が両院を守った場合です。それ以外の結果では、選挙の影響は法律や人事を通じて半年から1年かけてじわじわ効いてきます。
「中間選挙の後は急落」という話は、高値から底までを切り取った数字で、過去3回は1年後にすべて上昇していました。その背景には4年サイクルの底との重なりがあり、選挙だけで説明できるものではありません。
相場全体の方向を決めているのは、選挙よりもFRBの金利とETFの資金の流れです。10月29日のFOMC、11月4日の開票と国債発行計画、12月のFOMCと予算期限まで、金利の材料が続きます。選挙で一喜一憂せず、金利を見ながら、開票の夜はレバレッジを軽くしておきましょう。
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参考文献
1. Federal Reserve「FOMC statement」2026年9月16日(2026年10月17日確認)https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20260916a.htm
2. U.S. Department of the Treasury「Treasury Announces Increased Sizes of Nominal Long-End Liquidity Support Buybacks Beginning September 9」2026年8月19日(2026年10月17日確認)https://home.treasury.gov/news/press-releases/sb0607
3. U.S. Securities and Exchange Commission「SEC Clarifies the Application of Federal Securities Laws to Crypto Assets」2026年3月17日(2026年10月17日確認)https://www.sec.gov/newsroom/press-releases/2026-30-sec-clarifies-application-federal-securities-laws-crypto-assets
4. Commodity Futures Trading Commission「Release Number 9307-26」2026年10月5日(2026年10月17日確認)https://www.cftc.gov/PressRoom/PressReleases/9307-26
5. Congress.gov「H.R.3633 – Digital Asset Market Clarity Act」(2026年10月17日確認)https://www.congress.gov/bill/119th-congress/house-bill/3633
6. Federal Reserve Bank of St. Louis「Market Yield on U.S. Treasury Securities at 10-Year Constant Maturity(DGS10)」(2026年10月17日確認)https://fred.stlouisfed.org/series/DGS10
7. U.S. Bureau of Labor Statistics「Consumer Price Index」(2026年10月17日確認)https://www.bls.gov/cpi/
免責事項:本記事は2026年10月17日時点の公開情報・市場データにもとづく情報提供を目的としたもので、特定の暗号資産の売買や投資を勧めるものではありません。予測市場の確率、オプションのIV、価格は日々変動します。過去の騰落率はYahoo Financeのドル建て終値から編集部が計算したものです。円換算は1ドル=158円で計算しています。HyperLendingは当メディアを運営する株式会社ICHIZEN HOLDINGSのサービスです。投資判断はご自身の責任でお願いします。









