IBIT(iシェアーズ・ビットコイン・トラスト)とは?世界最大のBTC ETFと「オプション市場」の読み方

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!
- IBITとは、ブラックロックが運用する現物型ビットコインETF。正式名称はiShares Bitcoin Trust
- 純資産は約679億ドル(2026年9月21日時点)で、現物型ビットコインETFの中で世界最大
- NASDAQ上場・ティッカーはIBIT・運用手数料は年0.25%
- IBITは「最も見られているビットコインのオプション市場」でもある
- 2024年11月にオプションが上場。初日だけで約35.4万枚が取引された
- 建玉やガンマの偏りは、大口の建て付けを読む手がかりになる
- 日本の証券会社ではIBITを直接買えない|値動きを取るなら国内現物、レバやショートなら海外デリバティブという選択肢になる
- ICHIZEN Capitalの公式noteでは、毎回このIBITのオプション(GEX)を主軸に相場を分析している
木田 陽介IBITは「世界最大のビットコインETF」として語られがちですが、僕らが毎週いちばん見ているのは、その裏で動くオプションのほうです。



この記事では、IBITが何かを押さえたうえで、なぜアナリストがIBITのオプションを見るのかまで、順番に解説します。


監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。
IBITとは?30秒でわかる結論
IBITは、ブラックロックが運用する世界最大の現物型ビットコインETF。NASDAQ上場・手数料0.25%。日本の証券会社では基本的に買えません。
IBITとは、世界最大の資産運用会社ブラックロックが運用する現物型ビットコインETFです。正式名称は「iShares Bitcoin Trust」、NASDAQに上場していてティッカーはIBITです。投資家はこのETFを証券口座で売買するだけで、ビットコインを直接保有せずにその値動きへ投資できます。
IBITは2024年1月の設定以来、急速に資金を集め、現物型ビットコインETFの中で最大規模に成長しました。ただIBITが注目されるのは、規模の大きさだけが理由ではありません。2024年11月に上場したIBITのオプションが、ビットコインの大口の動きを読むうえで最も見られる市場の一つになっているからです。ここが、単なる用語解説では触れられないIBITの本当の面白さです。
IBITの基本データ
純資産 約679億ドル(2026年9月時点)・手数料0.25%・2024年1月設定。現物型ビットコインETFで最大規模です。
まずは基本のスペックを押さえておきましょう。数値はブラックロックの公式ページで確認できるものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | iShares Bitcoin Trust |
| 発行体 | ブラックロック(BlackRock) |
| 種類 | 現物型ビットコインETF |
| 上場市場・ティッカー | NASDAQ・IBIT |
| 純資産(AUM) | 約679億ドル(2026年9月21日時点) |
| 運用手数料 | 年0.25%(スポンサーフィー) |
| 設定日 | 2024年1月5日 |
現物型なので、集めた資金で実際にビットコインを買って保有します。そのため価格に素直に連動しやすく、手数料も年0.25%と、従来のビットコイン信託商品に比べて低めに設定されています。ビットコインETF全体の位置づけは、ビットコインETFとは?の記事で解説しています。
なぜIBITは「世界最大」なのか
ビットコインETFへの資金流入をIBIT自身が牽引。2026年9月3日は、ETF全体の流入の約62%をIBIT1本が占めました。
IBITが最大規模まで伸びた背景には、ビットコインETFへの資金流入をIBIT自身が牽引してきたという事実があります。たとえば2026年9月3日には、米国の現物ビットコインETF全体へ約7.31億ドルが流入し、そのうち約4.54億ドル(全体の62%)をIBIT1本が占めました(※2)。大口の資金が動くとき、その多くがIBITに向かっているということです。
規模が大きいほど売買が活発になり、価格やオプションの板も厚くなります。これが「IBITの数字を見ておけば、大口の動きの大枠がつかめる」という状況を作っています。IBITは、いまやビットコイン市場全体の代表的なメーター(計器)になっているのです。
IBITは「最も見られているBTCオプション市場」でもある
IBITには上場オプションがあり(2024年11月上場・初日約35.4万枚)、その建玉やGEXから大口の建て付けを読めます。ここがIBITの本当の価値です。
ここからが、IBITを深く理解するうえで最も大事なポイントです。IBITには上場オプションがあり、それがビットコインの大口の建て付けを読む格好の材料になっています。2024年11月にIBITのオプションが上場すると、初日だけで約35.4万枚が取引され、好発進として大きく報じられました(※3)。
オプションのデータ(行使価格ごとのコール・プットの建玉、出来高、インプライドボラティリティなど)は、無料でも確認できます。たとえばInvesting.comの日本語版では、IBITのオプションチェーンが公開されています(※4)。建玉(OI)の具体的な見方はオプションのOI(建玉)とは?で解説しています。また、ブラックロック自身もIBITのコールを売ってプレミアムを分配する「iシェアーズ・ビットコイン・プレミアムインカムETF(BITA)」を上場させており、IBITのオプションが実際に厚く使われていることがうかがえます。
GEX(ガンマ・エクスポージャー)とは何か


オプションを見るときに、アナリストが特に重視するのがGEX(ガンマ・エクスポージャー)です。おおまかに言うと、これは「オプションの売り手(主にディーラー)が、価格変動に対してどれくらいの買い戻し・売りを迫られるか」の偏りを表します。
ディーラーはオプションを売ると、その分のリスクを打ち消すために現物や先物で反対売買を行います。この動きが、価格の特定の水準で値動きを抑え込んだり(止まりやすい)、逆に増幅したり(走りやすい)する力になります。どの行使価格に建玉が溜まっているかを見れば、価格が「効きやすい・止まりやすい」レンジがどこかを、ある程度推し量れるのです。IBITのオプションは規模が大きいぶん、このGEXの手がかりとして質が高い、というわけです。GEXの仕組みそのものはガンマエクスポージャー(GEX)とは?、上値の「壁」の読み方はコールウォールとは?で詳しく解説しています。



価格チャートだけ見ていると「なぜかこの水準で毎回止まる」が説明できません。GEXは、その「見えない壁」の正体を建玉から読む道具です。
実例|IBITの行使価格で読むビットコインの「壁」
当社がCoinPostに寄稿したオプション分析シリーズでは、ビットコインのGEXをIBITの行使価格をものさし(グリッド)にして読む方法を公開しています(※5)。IBITのオプションが厚いからこそ、BTCの節目を「IBIT $40」「IBIT $43」といったIBIT価格で語れるわけです。


実例が2026年春でした。上値のポジティブガンマの「壁」を価格が実体で抜け、そこに現物ETFの流入などの外部資金が重なると、上昇が一気に加速します。実際、4月8日にIBIT $40(BTC約7万600ドル)の壁を突破して加速し、最終的に5月7日、IBIT $46〜47(約8万1,200〜8万3,000ドル)の”最後の壁”で天井をつけました。逆に、抑制から増幅へ反転する「ガンマフリップ」を下抜けると、今度は下落が増幅されます。価格チャートだけでは見えないこの壁を、IBITのオプションが可視化してくれる——これが「IBITを”計器”として使う」ことの具体例です。
ICHIZEN Capitalの公式noteでは、毎回このIBITのオプションとGEXを主軸に、ビットコイン相場を分析しています。「どの行使価格に壁があり、どちらに走りやすいのか」といった具体的な読みは、そこで継続的に公開しています。本記事で説明したのはGEXの考え方の入口までで、実際の毎週の建て付けはnoteが土台です。
日本からIBITは買えるのか
日本の証券会社では買えません。ただし株価やオプションのデータは日本語でも見られ、「分析の計器」としては日本からでも十分に使えます。
IBITは、日本の証券会社(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)では基本的に買えません。これはIBITに限らず、米国の現物ビットコインETF全般に共通します。日本の制度上、暗号資産をファンドに組み入れられないためです。
株価やオプションチェーンといったデータ自体は、みんかぶやInvesting.comなどの米国株情報サイトで日本語でも確認できます。つまり「分析の材料としてIBITを見る」ことは日本からでも十分にできる一方、実際に売買したい場合は、日本居住者でも口座を開ける海外証券を使うなどの手段が必要になります。海外経由の売買は税区分や為替の扱いが国内取引と変わるため、事前に税理士や公式情報で確認してください。
相場を読む道具としてIBITを使う
IBITを直接買えなくても、流入やGEXは国内現物やレバレッジ取引の判断材料になります。GEXで壁を読み、実際のポジションは取引所で取る、という使い方です。
IBITを直接買えなくても、その価値は十分に活かせます。IBITのオプションや流入データは、ビットコインそのものを取引するときの判断材料になるからです。実際、ビットコインを国内現物で持つ人も、レバレッジやショートで取る人も、大口の建て付けを知っておく意味は大きいです。なお、ビットコインのオプションそのものを取引したい場合の選択肢は、ビットコインのオプション取引ができる取引所で比較しています。
相場の方向に対して機動的にポジションを取りたい場合、レバレッジやショートに対応した分散型デリバティブ取引所Hyperliquidという選択肢があります。IBITのGEXで「走りやすい・止まりやすい」レンジを読み、実際のポジションはこうした場で取る、という組み合わせです。ただしレバレッジ取引は価格が逆に動けば損失も大きくなるため、リスク管理が前提になります。
よくある質問
IBITについて、検索で多く見られる疑問に答えます。
IBITとは何の略ですか?
IBITは、ブラックロックが運用する現物型ビットコインETF「iShares Bitcoin Trust」のティッカー(証券コード)です。NASDAQに上場しており、証券口座を通じてビットコインの値動きに投資できる商品です。
IBITの手数料はいくらですか?
運用手数料(スポンサーフィー)は年0.25%です。現物型ビットコインETFの中でも低めの水準で、従来のビットコイン信託商品より安く設定されています。
IBITは日本から買えますか?
日本の証券会社では基本的に買えません。米国の現物ビットコインETF全般が、日本の制度上、国内では取り扱えないためです。ただし株価やオプションのデータは日本語の米国株情報サイトで確認でき、分析の材料として見ることは可能です。実際に売買するには、日本居住者でも開設できる海外証券などの手段が必要になります。
IBITにオプションはありますか?どこで見られますか?
あります。2024年11月に上場し、初日だけで約35.4万枚が取引されました。行使価格ごとのコール・プットの建玉、出来高、インプライドボラティリティなどは、Investing.comの日本語版などで無料で確認できます。
GEX(ガンマ・エクスポージャー)とは何ですか?
オプションの売り手(主にディーラー)が、価格変動に対してどれくらいの反対売買を迫られるかの偏りを示すものです。建玉が溜まった行使価格の周辺では、ディーラーのヘッジ売買によって値動きが抑えられたり増幅されたりしやすくなります。どこで価格が「止まりやすい・走りやすい」かを推し量る手がかりになります。
IBITとビットコイン現物、どちらを持つべきですか?
日本の個人はそもそもIBITを直接買えないため、値動きを取るなら国内取引所での現物が現実的です。IBITはあくまで、大口の動きやオプションの建て付けを読むための「計器」として活用するのが日本からの実用的な使い方になります。
IBITの株価はどこで見られますか?
みんかぶ(米国株)、Investing.com、moomoo、Bloombergなどの米国株情報サイトで、株価チャートやニュースを日本語でも確認できます。NASDAQのティッカー「IBIT」で検索すれば表示されます。
IBITのオプションや建玉から何が読めるのですか?
大口がどの価格帯にポジションを置いているか、そしてディーラーのヘッジによって価格が止まりやすい・走りやすいレンジがどこかを推し量れます。ICHIZEN Capitalの公式noteでは、このIBITのGEXを毎回の分析の主軸にして、具体的な相場シナリオを公開しています。
まとめ|IBITは「買う対象」であり「読む計器」でもある
- IBIT=ブラックロックの現物型ビットコインETF(iShares Bitcoin Trust)
- 純資産約679億ドルで現物型ETF最大。手数料0.25%・NASDAQ上場
- 2024年11月にオプション上場。GEXから大口の建て付けを読める
- 日本の証券会社では買えないが、分析の計器としては日本からでも使える
- IBITのGEX分析はICHIZEN Capital公式noteで毎回公開
IBITは、ブラックロックが運用する世界最大の現物型ビットコインETFです。純資産は約679億ドルに達し、資金流入の面でもビットコインETF全体を牽引しています。ただIBITの本当の価値は、規模だけではありません。
2024年11月に上場したIBITのオプションは、いまやビットコインの大口の建て付けを読む代表的な市場になりました。GEX(ガンマ・エクスポージャー)を通じて、価格が止まりやすい・走りやすいレンジを推し量れます。日本からIBITそのものは買えなくても、この「計器」としての価値は十分に活かせます。ICHIZEN Capitalの公式noteでは、まさにこのIBITのGEXを毎回の分析の中心に据えています。
参考文献
※1 BlackRock「iShares Bitcoin Trust (IBIT)」(純資産・手数料・設定日、2026年9月21日時点)
※2 The Block「US bitcoin ETFs report the largest inflow day since January, worth $731 million」
※3 SBI VCトレード「ブラックロックのETFオプションが35万4000件の取引で好発進」(2024年11月21日)
※4 Investing.com日本版「IBIT オプション」
※5 当社(ICHIZEN)がCoinPostに寄稿した「オプションの基礎」シリーズより(IBITの行使価格グリッド・ポジティブガンマウォール・2026年春の事例)
※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)や金融商品への投資を勧誘するものではありません。暗号資産取引・レバレッジ取引にはリスクが伴います。数値はいずれも記載時点の報道・公式値であり、その後変動します。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。









