Sei(SEI/セイ)とは?将来性・買い方・SUIとの違い|定番の「12,500 TPS」は公式ドキュメントに存在せず、ブロックの89.8%はEVMの取引ゼロという実測を忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • Sei(SEI)は「取引に特化した高速レイヤー1」を掲げるブロックチェーン
    • Cosmos SDKを基盤にしつつイーサリアム互換(EVM)を備え、DEXやDeFiの土台になることを狙っています
    • 2023年8月15日にメインネットが稼働(JVCEA届出の発行開始日)。現行のコンセンサスはTwin Turboです
  • 誰も書かない現実|速さは本物、ただしブロックの89.8%はEVMの取引ゼロ。「12,500 TPS」の根拠も薄い
    • 5,000ブロックの実測平均は409ミリ秒で公称どおり。一方で処理量は毎秒0.34件、ガス使用率は0.311%でした
    • 日本語記事の定番「12,500 TPS」は現行の公式ドキュメントに存在せず、表記は「約100 MGas/秒」です
  • 現在地は最高値1.14ドルから約95.7%下落。最安値をつけたのは約1か月半前
    • 価格は約0.0485ドル(約7.86円)、時価総額は約529.2億円で127位前後です(2026年7月時点)
    • 過去最安値は2026年6月6日の0.0447ドル。現在はそこから約8.5%上にいるだけです
  • 日本では2社が取り扱い済み。将来の20%分離課税の対象になりうる数少ない銘柄
    • JVCEAの一覧にSEIの記載があり、OKJ(オーケーコイン・ジャパン)とBinance Japanの2社が扱っています
    • ただしOKJの日本円の板は24時間で約17.8万円分しか動いていません(編集部が実測)
木田 陽介

Seiは「爆速のレイヤー1」として紹介されることが多い銘柄です。忖度なく検証するつもりでチェーンに直接聞いてみたところ、意外にも公称の約400msは本物でした。ただし同じ実測から、そのブロックの89.8%にEVMの取引が1件も入っていないという事実も出てきます。速いのに、走らせるものがない状態です。おまけに日本語記事が判で押したように載せる「12,500 TPS」は、公式ドキュメントを全文検索しても出てきませんでした。数字は、出所までさかのぼって初めて使えます。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

Sei(SEI)とは?基本情報

Sei(SEI/セイ)は、暗号資産の「取引」に用途を絞って設計されたレイヤー1ブロックチェーンです。Cosmos SDKを基盤にしながらイーサリアム互換の実行環境(EVM)を備え、分散型取引所(DEX)やDeFiの土台になることを狙っています(※1)。

汎用チェーンであるイーサリアムが「何でも動く広場」だとすれば、Seiは板取引の処理を速くさばくことに寄せた専用線に近い発想になります。注文が集中しても詰まらないことを最優先に据えた設計で、公式は「サブセカンド(1秒未満)のブロック生成」と「100%イーサリアム互換」を掲げています(※2)。

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項目内容(2026年7月時点)
名称Sei(セイ)/ティッカー:SEI
種別レイヤー1ブロックチェーン(Cosmos SDKベース・EVM互換)
チェーンIDpacific-1(Cosmos側)/1329(EVM側)※編集部が実測
コンセンサスTwin Turbo(現行)/Autobahn(Sei Giga・開発中)
メインネット稼働2023年8月15日(JVCEA届出の発行開始日と一致)
ブロックタイム公称 約400ms/実測 409ms(5,000ブロックの平均・編集部が実測)
価格約0.0485ドル(約7.86円)
時価総額約3億2,650万ドル(約529.2億円)/127位前後
24時間出来高約2,302万ドル(時価総額比 約7.0%)
循環供給量約67億3,333万枚(上限の約67.3%)
発行上限100億枚(JVCEA届出では変更「可」)/チェーン上の発行済みは約91億9,066万枚(編集部が実測)
ステーキング約41億8,796万枚が委任済み(循環供給量の約62.2%・編集部が実測)
過去最高値1.14ドル(2024年3月16日)※現在は約95.7%下
過去最安値0.0447ドル(2026年6月6日)※現在は約8.5%上
日本での取扱いあり(OKJ・Binance Japanの2社/JVCEA一覧に記載)
日本での税務上の扱い現時点は雑所得・総合課税(将来の申告分離課税の対象になりうる)

価格・時価総額は日々変動します。ここから先は「掲げている性能」と「実際に出ている数字」を切り分けて見ていきます。Seiは速さを看板にしているぶん、この2つが混同されやすい銘柄だからです。

検証|定番の「12,500 TPS」を、公式ドキュメントとチェーンの両方で確かめた

日本語のSEI解説記事は、ほぼ例外なく「処理速度12,500件/秒・380ミリ秒でブロック確定」という数字を載せています。しかしその数字の出所をたどった記事も、実際のチェーンで出ているのかを確かめた記事も、編集部が確認した限り見当たりません。掲げている以上、調べれば分かるはずです。

そこで編集部は2つの作業をしました。ひとつはSeiの公開ノードへ直接照会して実際の数字を数えること、もうひとつは公式ドキュメントを全文検索して「12,500」という数字の出所を探すことです。結果は、どちらも予想と違うものになりました。

本記事の検証方法

2026年7月、編集部がSeiの公開ノード(rest.sei-apis.com/sei-api.polkachu.com/sei-rest.publicnode.com/sei.api.kjnodes.com/evm-rpc.sei-apis.com/rpc.sei-apis.com)へ直接照会して取得した数値です。処理量・ガス使用率・ブロックタイムは、時間帯を分けた10の区間・計5,000ブロックを実測して集計しました。供給量は4つのノードで小数点以下まで同一の値を確認しています。公式ドキュメントの検索は、Seiが公開する全文ファイル(約192万字)に対して実施しました。各数値に測定日を併記しています。

この章の内容
  • ブロックタイムは実測409ミリ秒|公称は誇張ではなかった
  • ただしブロックの89.8%はEVMの取引ゼロ|実測した処理量は毎秒0.34件
  • 「12,500 TPS」の出所|現行の公式ドキュメントに、その数字はない
  • Sei Gigaと「20万TPS」|まだメインネットには載っていない

ブロックタイムは実測409ミリ秒|公称は誇張ではなかった

まず速さから確認します。編集部が時間帯を分けた10の区間・計5,000ブロックの経過時間を測ったところ、平均は409ミリ秒でした(2026年7月時点・※3)。公式ドキュメントが掲げる「約400ミリ秒のファイナリティ」と、ほぼそのまま一致します(※2)。

測り方を変えても結論は動きません。Cosmos側のノードで149ブロックを測った平均は378ミリ秒で、こちらも0.4秒前後に収まりました。時間帯を変えても、測る場所を変えても、Seiは0.4秒でブロックを積んでいるという結果です。

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測定方法実測したブロックタイム測定日
EVM側 10区間・計5,000ブロックの平均409ミリ秒2026/07/16
Cosmos側 149ブロックの平均378ミリ秒2026/07/16
公式ドキュメントが掲げる目標約400ミリ秒(サブセカンド)

ここは正直に評価すべき点です。暗号資産の世界では、公称値が実測とかけ離れている例が珍しくありません。その中でSeiは、掲げた速さをそのまま出していることが確認できました。技術的な主張については、疑うより先に評価するのが筋でしょう。速さは、本物です。

ただしブロックの89.8%はEVMの取引ゼロ|実測した処理量は毎秒0.34件

問題はここからです。速さは「1秒あたり何件さばけるか」の上限を決めるだけで、実際に何件流れているかは別の話になります。そこで編集部は、同じ5,000ブロックについて中身のトランザクションを数えました。

結果は、5,000ブロック中4,489ブロック(89.8%)にイーサリアム互換の取引が1件も入っていませんでした。処理量は毎秒0.34件です(2026年7月時点・※3)。ガスの使用率は、ブロックの容量に対してわずか0.311%にとどまります。1ブロックの上限が1,250万ガスであるのに対し、実際に使われていたのは平均38,837ガスでした。

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項目実測値(10区間・計5,000ブロック)測定日
EVMの取引が0件のブロック4,489 / 5,000ブロック(89.8%)2026/07/16
区間ごとの割合83.2%〜93.4%(10区間とも8〜9割)2026/07/16
EVM側の処理量毎秒0.34件(693件/2,042秒)2026/07/16
1ブロックのガス上限12,500,000ガス2026/07/16
実際の平均ガス使用量38,837ガス(上限の約0.311%)2026/07/16

さらに踏み込むと、数少ないトランザクションの中身も「利用」とは言いにくい実態が見えてきます。編集部がCosmos側の149ブロックに含まれる取引の種類を復号したところ、79件のうち74件(93.7%)がバリデータによるオラクル価格の投票でした(※3)。残る5件がイーサリアム互換の取引で、ユーザーの操作と呼べるものはそれだけです。

オラクル投票は、チェーンを維持するために検証者が自動で送る内部処理にあたります。つまりブロックを埋めているわずかな中身の大半は、需要ではなくインフラの自動運転ということです。「12,500 TPS」という数字と、実測の毎秒0.34件との差は約3万7,000倍になります。この差は性能の嘘ではなく、需要の不在を示す数字だと理解するのが正確でしょう。

ここを混同しないでください

TPSの数字は性能の上限であって、実績ではありません。高速道路の設計速度が時速120kmであることと、いま何台走っているかが別の話であるのと同じです。Seiの実測が示したのは「道は本当に速いが、走っている車がほとんどいない」という状態でした。レイヤー1の投資判断で見るべきなのは、掲げられた上限値ではなく実際に流れている量のほうです。上限値だけを根拠に「高性能だから将来性がある」と結論づけると、判断を誤りかねません。

「12,500 TPS」の出所|現行の公式ドキュメントに、その数字はない

ここが本記事でいちばんお伝えしたい部分です。そもそも「12,500 TPS」とは、誰が言った数字なのでしょうか。編集部はSeiが公開する公式ドキュメントの全文(約192万字)を取得し、この数字を検索しました。

結果、「12,500」の登場はたった1回。しかもそれはTPSの話ではなく、1ブロックあたりのガス上限が12,500,000であるという記述でした(2026年7月時点・※2)。編集部がチェーンから実測したガス上限12,500,000ガスと、完全に一致する数字です。処理速度としての「12,500 TPS」は、現行の公式ドキュメントのどこにも書かれていません

では公式は何と書いているのか。現行ドキュメントがSeiの現在の性能として掲げているのは「約100 MGas/秒のスループット」と「400ミリ秒のファイナリティ」です(※2)。TPSという単位ではなく、ガス処理量で説明しています。さらに並列実行エンジンの性能も、取引の種類ごとに1,500〜15,000 TPSとばらつくものとして提示されています。

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公式ドキュメントが示す並列実行の性能逐次実行並列実行
単純な送金3,000 TPS15,000 TPS超
ERC-20の送金2,200 TPS9,500 TPS超
DEXでのスワップ800 TPS2,800 TPS超
複雑なコントラクト500 TPS1,500 TPS超

この表を見れば分かるとおり、「Seiは何TPS出るのか」に単一の答えはありません。DEXのスワップなら2,800件、複雑なコントラクトなら1,500件です。取引に特化したチェーンを謳いながら、その本丸であるスワップの数字は単純送金の5分の1という構造になります。12,500という一つの数字で語れるものではないということです。

ただしこの数字が誰かの捏造だと言いたいわけではありません。編集部が調べた限り、Seiの公式Xアカウントが2024年9月に「12,500 Transactions Per Second/380MS Time To Finality」と発信した投稿が確認できます(※10)。出所そのものは公式の発信だと考えるのが自然でしょう。

問題はその後です2024年に公式が発信したマーケティング上の数字が、2026年のいまも「Seiの仕様」として日本語記事に書き写され続けている——これが実態になります。現行のドキュメントは、すでにその数字を引き継いでいません2年前の宣伝文句を最新スペックとして読まされていると考えたほうが正確でしょう。

Sei Gigaと「20万TPS」|まだメインネットには載っていない

Seiの将来性を語るとき、必ず出てくるのが「Sei Giga」という大型アップグレードです。Autobahnという新しいコンセンサスを採用し、20万TPS・毎秒5ギガガスを目標に掲げています(※2)。ここも事実関係を整理しておく必要があります。

Sei Gigaは、2026年7月時点でメインネットに実装されていません。公式ドキュメントは、Autobahnコンセンサス・マルチプロポーザ構成・5ギガガスの目標について「開発中(in development)」と明記しており、現行のメインネットで動いているのは従来のTwin Turboです(※2)。20万TPSは目標値であり、実際の経済活動が乗った公開ネットワークで証明された数字ではありません

編集部が実測したチェーンIDがpacific-1、EVM側が1329であることも、現行メインネットが従来構成のまま動いていることと整合します。Gigaは単一の公開日を設けず段階的に展開される方針とされており、Autobahnの本番投入に確定した日付は公表されていません。期待値として織り込むのは自由でも、すでに実現した性能として扱うのは事実と異なります

木田 陽介

実務の感覚で言うと、いまのSeiは「空いている高速道路」です。速さは本物なので、大量の注文をさばく用途が来れば強い。でも来ていない。ここで大事なのは、89.8%のブロックにEVMの取引が入っていないという数字を「終わった証拠」と読むか「伸びしろ」と読むかで、投資判断が真逆になるという点です。どちらが正しいかは誰にも断言できません。ただ、判断の材料として「12,500 TPS」ではなく「実測0.34件/秒」を置いてほしいのです。数字の置き換えだけで、見える景色は変わりますよ。

SEIの現在地|最高値から約95.7%下落し、最安値をつけたのは約1か月半前

技術の話は魅力的ですが、投資判断に必要なのは現在の数字です。SEIの価格は約0.0485ドル(約7.86円)、時価総額は約3億2,650万ドル(約529.2億円)で、CoinGecko基準の順位は127位前後です(2026年7月時点・※1)。

過去最高値は2024年3月16日の1.14ドルでした。現在はそこから約95.7%下落しており、最高値へ戻るには約23.5倍が必要な計算になります。しかも下落は過去の話ではありません。直近1年だけで約87.0%を失っています

そして、この銘柄を見るうえで最も重要な数字がこれです。SEIの過去最安値は2026年6月6日の0.0447ドル。現在の価格はそこから約8.5%上にいるだけです(※1)。最安値は3年前の出来事ではなく、わずか40日ほど前の出来事だということになります。

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時点価格現在との比較
過去最高値(2024年3月16日)1.14ドル約95.7%下/回復には約23.5倍
1年前(2025年7月時点)約0.374ドル約87.0%下
過去最安値(2026年6月6日)0.0447ドル現在は約8.5%上
現在(2026年7月時点)約0.0485ドル

この表が示すのは、SEIが「調整局面にある成長銘柄」ではなく、下落トレンドの底値圏で推移している銘柄だという事実です。時価総額100位台を保っている点は評価できますが、2024年3月の高値を知る保有者にとっては資産が20分の1以下になった計算になります。「今が底値」という判断が正しいかどうかは、誰にも断言できません。確かなのは、40日ほど前に最安値を更新したばかりの水準にいるということだけです。

SEIのトークノミクス|情報サイトの「100億枚」はチェーンの実数と8.09%ずれる

SEIの供給量は、ほぼすべての情報サイトが「総供給量100億枚」と表示しています。編集部はこの数字をチェーンに直接確かめました。きりの良すぎる数字は、実データとずれていることがあるためです。

結果として、チェーン上で実際に発行されているSEIは9,190,658,308.65枚でした。情報サイトが総供給量として掲げる100億枚とは、約8.09億枚(8.09%)の開きがあります(2026年7月時点・※3)。4つの独立したノードに同じ照会を投げ、すべて小数点以下まで同一の値が返っています。

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項目枚数上限に対する割合
発行上限(設計上の最大)10,000,000,000枚100%
チェーン上の発行済み(実測)9,190,658,308.65枚91.91%
まだ発行されていない分809,341,691.35枚8.09%
循環供給量(市場に出ている分)6,733,333,333枚67.33%
発行済みだが未流通(ロック中)2,457,324,975.65枚24.57%

この差は「情報サイトが間違っている」という単純な話ではありません。100億枚は設計上の上限であり、チェーンは時間をかけてその上限へ近づいていくという構造だからです。ただし表示の上では「総供給量100億枚」と書かれるため、すでに100億枚が存在するかのように読めてしまいます。実際に発行済みなのは約91.9%にとどまります。

そしてもう1点、日本の投資家にとって見逃せない事実があります。日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)へのSEIの届出には、発行可能数10,000,000,000 SEIに対して「発行可能数の変更可否:可」と記載されています(※6)。100億枚という上限は、変更できないものとして届け出られてはいないということです。

同じ届出には、今後の発行について「ブロック報酬(年率5%程度)が発行」とも記されています(※6)。ビットコインの2,100万枚のような、プログラムで硬く固定された上限とは性質が違うと理解しておくのが安全でしょう。「上限があるから希少」という理解だけで止まると、判断を誤りかねません

投資判断として重要なのは、ここから導かれる将来の売り圧のほうです。上限100億枚に対し、いま市場に出ているのは67.33%。残る約32.7億枚は、現在の循環供給量の約48.5%に相当する量が将来的に市場へ出うるという計算になります(編集部が算出)。価格が横ばいでも、供給が増えれば1枚あたりの希薄化は進みます。ミームコインのように「全量が流通済み」という銘柄とは、この点が決定的に違うところです。

ステーキングは循環供給量の約62%|売りたくても21日かかる

供給のもう一方の側面がステーキングです。編集部が実測したところ、約41億8,796万枚のSEIがバリデータへ委任されていました。これは循環供給量の約62.2%に相当します(2026年7月時点・※3)。

この数字は両面から読む必要があります。委任された分はすぐに売れないため、市場に出回る実質的な流通量を絞る効果があります。一方で解除(アンボンディング)には21日かかることをチェーンのパラメータで確認しました。暴落しても即座には逃げられないという制約が、保有者側にはあるということです。

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項目実測値意味
委任済みのSEI約41億8,796万枚循環供給量の約62.2%
バリデータ数40(上限も40)参加できる検証者の枠が固定されている
解除にかかる期間21日(1,814,400秒)すぐには売却できない
上位10者の合計シェア約40.3%最大でも1者5.57%と、偏りは小さい
中村係数8ネットワークを止めるには8者の結託が必要
最低手数料率5%バリデータが取る報酬の下限

分散の度合いは悪くありません。最大のバリデータでもシェアは5.57%にとどまり、ネットワークの停止に必要な結託者数(中村係数)は8でした。ただしバリデータの枠が40に固定されている点は、数千の検証者を持つチェーンと比べれば限定的な分散だと言えます。速さを取るために検証者を絞った設計であり、引き換えに生じた制約として受け止めるべき部分でしょう。

Seiのエコシステム|TVLはピークから約92.9%減、支えているのは米国債のトークン化

チェーンの実力を測るもう1つの指標がTVL(そのチェーンに預けられている資産の総額)です。DefiLlama基準のSeiのチェーンTVLは約4,465万ドルで、全458チェーン中39位でした(2026年7月時点・※4)。

問題は推移です。Seiのチェーンにおけるピークは2025年7月18日の約6億2,835万ドルでした。そこから約92.9%減っていることになります。1年前(2025年7月)の約5億8,451万ドルと比べても約92.4%減で、この1年でエコシステムの資金が10分の1以下に縮んだという計算です。前章で見た「89.8%のブロックにEVMの取引がない」という数字と、この数字は同じ方向を指しています。

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時点チェーンTVL現在との比較
ピーク(2025年7月18日)約6億2,835万ドル約92.9%減
1年前(2025年7月14日)約5億8,451万ドル約92.4%減
現在(2026年7月時点)約4,465万ドル—/458チェーン中39位

一方で、Seiの上で最も大きな存在感を放っているものは別にありますOndo Financeが展開する「トークン化された米国債(RWA)」で、DefiLlama上のSeiでの規模は約2億5,739万ドルです(※4)。Ondoは2025年7月17日、Sei初のトークン化米国債商品としてUSDYを立ち上げました。短期米国債と銀行預金を裏付けとし、年率約4.25%の利回りを想定した商品です(※5)。

ここで数字の読み方に注意が必要です。この約2億5,739万ドルは、先ほどのチェーンTVL約4,465万ドルには含まれていません。DefiLlamaはRWA(現実資産のトークン化)をチェーンTVLとは別枠で集計しているため、Ondo単体の数字がチェーン全体のTVLを上回るという、一見あべこべな並びになります(※4)。両者は別の物差しであり、単純に足したり比べたりはできません

ここは評価の分かれ目になります。実需のある資産がSei上に載っていること自体は、明確な前進だと言えるでしょう。ただしそれは「Seiが取引チェーンとして使われている」ことを意味しません。米国債のトークンは置かれているだけでも成立するためです。掲げた「取引特化」という看板と、実際にチェーンを支えている中身にはズレがある——これが実測から見える姿になります。

Xiaomiとの提携|好材料は本物、ただしまだチェーンの数字には表れていない

Seiの将来性を語るとき、TVLの縮小と並んで必ず挙がるのがXiaomi(シャオミ)との提携です。忖度なく言えば、これは実体のある好材料になります。2025年12月の発表によると、Sei Labsのウォレットと探索アプリが、中国本土と米国を除く地域で販売されるXiaomiの新型スマートフォンに2026年から標準搭載される予定です(※11)。

規模も小さくありません。Xiaomiの世界シェアは約13%とされ、あわせて同社の20,000店舗超でのステーブルコイン決済を香港とEUから展開する構想、開発者向けの500万ドルのプログラムも公表されています(※11)。取引に特化したチェーンにとって、端末側に入口を持てることの意味は大きいでしょう。

ただしここでも数字の切り分けが要りますこの提携は2025年12月の発表で、標準搭載は2026年からの予定。編集部が2026年7月に実測した時点では、ブロックの89.8%にEVMの取引が入っていない状態が続いています好材料が発表されたことと、チェーンに人が来ていることは別だということです。期待として織り込むのは自由でも、すでに需要へ転換したかのように読むのは早すぎます。展開が始まったあとに、この記事と同じ実測をもう一度あてれば、答え合わせができるはずです。

日本でSEIを買う方法|国内2社がすでに取り扱っている

ここは多くの銘柄記事と結論が変わる部分です。2026年7月時点、SEIは日本の暗号資産交換業者2社が取り扱っています。海外取引所を使わなくても、日本円で購入できます

編集部は日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が公表する取扱暗号資産の一覧(2026年7月15日更新)を直接取得し、「SEI」の行に取扱会員数2と記載があることを確認しました(※6)。該当する会員番号を協会の会員一覧と突き合わせた結果、Binance Japan株式会社(関東00031号)とオーケーコイン・ジャパン株式会社(関東00020号)の2社だと特定できています。

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国内取引所SEIの取扱い確認方法(2026年7月時点)
OKJ(オーケーコイン・ジャパン)あり(SEI/JPY)公開APIの全47ペアにSEI-JPYを確認
Binance JapanありJVCEA一覧に取扱いの記載あり
bitbankなし公開APIの全62ペアに該当なし
GMOコインなし公開APIの全30銘柄に該当なし
bitFlyerなし公開APIの全マーケットに該当なし
Coincheckなし公開APIのレート照会が不可(BTC等は取得可)

OKJがSEIの取扱いを始めたのは2025年7月です。入出庫が2025年7月8日17時、取引所・販売所での取引開始が2025年7月11日17時と公表されています(※7)。国内取引所の選び方は国内取引所ランキングもあわせてご覧ください。

見落とされがちな論点|日本円の板は24時間で約17.8万円しか動いていない

「国内で買える」という事実は、「十分な流動性がある」ことを意味しません。編集部はOKJの公開APIから、SEI/JPYの板の実態を取得しました。

OKJのSEI/JPYの24時間出来高は、22,630.22 SEI=日本円にして約17万7,646円でした(2026年7月時点・※8)。世界全体のSEIの24時間出来高(約2,302万ドル)に対し、約0.005%にすぎません(編集部が算出)。

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項目実測値測定日
OKJ SEI/JPY 直近値7.82円2026/07/16
最良の売り気配/買い気配7.86円/7.84円2026/07/16
24時間出来高(金額)約17万7,646円2026/07/16
24時間出来高(数量)22,630.22 SEI2026/07/16
世界の24時間出来高に占める割合約0.005%2026/07/16

これが意味するのは明確です。数十万円単位の売買でも、板を動かしてしまう可能性があるということ。まとまった金額を扱う場合、想定した価格で約定しないリスクを織り込む必要があるでしょう。「国内で買える」ことと「国内で自由に売買できる」ことは、この銘柄については別問題だと考えたほうが安全です。少額であれば、国内で完結する手軽さのほうが勝ります。

まとまった金額を動かすなら海外取引所という選択肢

結論を先に言えば、少額なら国内のOKJで十分、まとまった金額なら板の厚い海外取引所という使い分けになります。前述のとおりOKJの日本円の板は24時間で約17.8万円しか動いていません。ここに数十万円の注文を出せば、自分の注文で価格が動くという規模感です。

海外取引所であればUSDT建てでSEIの板に厚みがあり、想定した価格で約定させやすいという利点があります。当メディアでは、総合力とサポートのバランスからBitgetを主軸の候補として挙げています。

ただし忖度なく付け加えておくべき点があります。海外取引所を使うと、後述する「将来の20%分離課税」の議論では不利になりうるということです。国内で完結させる手軽さと税制上の位置づけ、板の厚さ。この3つはトレードオフの関係にあります。金額の規模で選び分けるのが現実的でしょう。

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OKJのSEIステーキング|想定年率1.88〜3.88%

OKJはSEIのステーキングに対応しています。編集部がOKJの公式ページで確認した条件は次のとおりです(※9)。

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プランステーキング期間報酬(推定年率)
フレキシブル定めなし1.88%
定期30日2.88%
定期60日3.88%

最小の申請数量は50 SEI(約390円相当)と低く、始めやすい設計になっています。ただし注意点が2つあります。アンロックの処理に18日かかること、そして定期プランを中途解除すると、受け取った報酬の100%が手数料として引かれることです(※9)。

忖度なく言えば、年率1.88〜3.88%という利回りは、SEIの価格変動に対してあまりに小さいという評価になります。直近1年でSEIは約87.0%下落しました年3.88%の報酬を受け取っても、円換算の資産が目減りする可能性のほうが構造的に大きいということです。ステーキングは「価格が下がらない保証」ではありません。この点は誤解されやすいところでしょう。

SEIの注意点・よくある誤解

ここまでの実測を踏まえ、SEIを検討するうえで押さえておきたい論点を整理します。良い面と悪い面を並べて出すのが、当メディアの方針です。

SEIの評価できる点
  • 速さは実測でも本物|5,000ブロックの平均409ミリ秒は、公称の約400msとほぼ一致した
  • 国内2社が取扱い済み|日本円で買える数少ないアルトコイン。将来の20%分離課税の議論では有利な位置にいる
  • 実需のあるRWAが載っている|Ondoのトークン化米国債は約2億5,739万ドル規模
  • Xiaomiとの提携|2026年から、中国本土と米国を除く新型端末にウォレットが標準搭載される予定
  • バリデータの偏りは小さい|最大でも5.57%、中村係数8。40者という枠の中では分散している
SEIのリスク・弱点(忖度なし)
  • 需要の不在|ブロックの89.8%にEVMの取引がない。実測の処理量は毎秒0.34件で、中身の9割超はオラクル投票だった
  • 底値圏での推移|最高値から約95.7%下落。最安値の更新はわずか40日ほど前で、直近1年も約87.0%減
  • エコシステムの縮小|チェーンTVLはピークから約92.9%減。1年で10分の1以下になった
  • 将来の売り圧|上限100億枚に対し流通は67.33%。しかも上限はJVCEA届出上「変更可」とされている
  • 国内の板が薄い|OKJのSEI/JPYは24時間で約17.8万円。数十万円の注文で価格が動きうる
  • 解除に21日|ステーキング中は暴落しても即座に逃げられない

よくある誤解|「SEI」と「SUI」は別物です

検索の現場で頻繁に起きているのが、SEIとSUIの取り違えです。名前が3文字で似ているだけで、両者はまったく別のプロジェクトになります。SUIはMeta(旧Facebook)のDiem開発陣が立ち上げたMove言語のチェーンで、SeiはCosmos SDKベースのEVM互換チェーンです。基盤も言語も開発元も違います

取引所で銘柄を選ぶ際、ティッカーの1文字違いで別の資産を買ってしまう事故は実際に起きています。購入前に必ず銘柄名(Sei/Sui)まで確認するようにしてください。この2つは、どちらもJVCEAの一覧に別銘柄として掲載されています(※6)。

ICHIZEN Capitalの視点|数字の出所をたどると、評価は変わる

今回の検証で、編集部がいちばん重要だと考えているのは「12,500 TPS」という数字の扱われ方です。公式ドキュメントを全文検索しても出てこない数字が、2026年のいまも日本語記事の定番スペックとして書き写され続けています誰も出所を確かめていないということです。

これはSeiという銘柄に固有の問題ではありません。暗号資産の解説記事は、二次情報が二次情報を引用して増殖する構造を抱えています。プロジェクト側が2年前に発信した宣伝文句が、時間の経過とともに「仕様」に格上げされていく——今回はその過程を、公式ドキュメントとチェーンの実データという2つの一次情報で挟み撃ちにして可視化できました。

そのうえで、Seiの評価を歪めないために言い添えておくべきことがあります。速さは本物でした。公称約400msに対して実測409ミリ秒。技術的な主張について、Seiは嘘をついていません。批判すべきは「性能の上限値」を「実績」であるかのように語る記事の側であって、Seiの技術ではないでしょう。

税金の視点|SEIは「20%分離課税」の対象になりうる数少ない銘柄

事業者の立場から付け加えると、SEIには日本の投資家にとって見逃せない位置づけがあります。SEIは国内2社が取り扱う「JVCEA一覧掲載銘柄」であり、議論が進む暗号資産の20%申告分離課税において、対象になりうる側にいます(※6)。

ただし誤解のないように、現時点の事実を正確に書きます2026年7月時点、暗号資産の利益は原則として雑所得・総合課税です。分離課税は制度設計の議論段階にあり、適用の開始時期も対象の細目も確定していません「SEIを買えば20%になる」という理解は誤りです。正確には「国内未上場の銘柄より、対象になりうる側にいる」にとどまります。暗号資産の税金の全体像は暗号資産の税金で詳しく解説しています。

実務的な注意も1つ。OKJのステーキング報酬は、受け取った時点の時価で所得になります年率3.88%を受け取りながら価格が87%下がれば、含み損を抱えたまま報酬分だけ課税されるという事態が起こりえます。「利回りがあるから安心」ではなく、税金まで含めて損益を見る必要があるでしょう。

水野 倫太郎

税務と事業者の視点で補足します。SEIは国内2社が扱うJVCEA一覧の銘柄なので、20%の申告分離課税が実現した場合には対象へ入りうる側にいます。国内で買えない銘柄と比べれば、ここは素直に有利な位置です。ただし現時点では雑所得・総合課税のままで、適用時期も対象の細目も決まっていません。制度を先取りして買う理由にはならない、というのが実務の感覚です。もう1点、ステーキング報酬は受け取った時点の時価が所得になります。価格が下がっても課税は先に立つので、利回りだけを見て判断しないでください。

木田 陽介

最後に、投資判断としての本音を書いておきます。いまのSEIは「速いが誰も走っていない道」で、価格は最安値のすぐ上。これを割安と見るか、需要がないだけと見るかは、正直わかれます。ただ1つ言えるのは、判断の材料を「12,500 TPS」や「Xiaomiと提携」といった見出しに置くのではなく、実測0.34件/秒・TVL92.9%減・国内の板17.8万円という数字に置いてほしいということです。そのうえで買うなら、それは納得のある投資になります。

よくある質問

仮想通貨SEIとは何ですか?

Sei(SEI/セイ)は、暗号資産の「取引」に用途を絞って設計されたレイヤー1ブロックチェーンと、その手数料やステーキングに使われるトークンです。Cosmos SDKを基盤にしつつイーサリアム互換(EVM)を備え、2023年8月15日にメインネットが稼働しました。編集部の実測では、公称どおり約0.4秒でブロックが確定します。

SEIはどこで買えますか?日本の取引所で買えますか?

買えます。2026年7月時点、日本ではOKJ(オーケーコイン・ジャパン)とBinance Japanの2社が取り扱っており、日本円で購入できます。JVCEAの取扱一覧でSEIの取扱会員数が2と記載されていることを編集部が確認しました。bitbank・GMOコイン・bitFlyer・Coincheckでは取り扱いがありません。

SEIとSUIの違いは何ですか?

名前が似ているだけで、まったく別のプロジェクトです。SEIはCosmos SDKを基盤にしたEVM互換のチェーンで、取引特化を掲げています。SUIはMeta(旧Facebook)のDiem開発陣が立ち上げたMove言語のチェーンです。基盤も言語も開発元も異なるため、購入時はティッカーだけでなく銘柄名まで必ず確認してください。

SEIの処理速度は本当に12,500 TPSですか?

「12,500 TPS」は、現行の公式ドキュメントには記載がありません。編集部が公式ドキュメントの全文(約192万字)を検索したところ、12,500の登場は1回のみで、それは1ブロックあたりのガス上限12,500,000を指すものでした。現行ドキュメントの表記は「約100 MGas/秒」です。なお実測した処理量は毎秒0.34件で、上限値とは桁が違います。

SEIの将来性はどうですか?

断言はできませんが、判断材料は明確です。プラス面は速さが実測でも本物だったこと、国内2社が扱うこと、Ondoのトークン化米国債など実需の資産が載っていること、Xiaomiとの提携で2026年から端末側の入口ができる予定であること。マイナス面はブロックの89.8%にEVMの取引がなく需要が乏しいこと、チェーンTVLがピークから約92.9%減ったこと、最安値の更新が約1か月半前であることです。好材料の発表と、チェーンに需要が来ていることは切り分けて見る必要があります。「高性能だから将来性がある」という理由づけは、実測の数字とは噛み合いません。

SEIのステーキング報酬率はどのくらいですか?

OKJの場合、想定年率はフレキシブルで1.88%、定期30日で2.88%、定期60日で3.88%です(2026年7月時点)。最小申請数量は50 SEIと少額から始められますが、アンロックの処理に18日かかり、定期プランを中途解除すると受け取った報酬の100%が手数料として引かれます。直近1年でSEIが約87.0%下落したことを踏まえると、利回りより価格変動の影響がはるかに大きい点に注意が必要です。

SEIの税金はどうなりますか?

2026年7月時点、SEIを含む暗号資産の利益は原則として雑所得・総合課税です。議論が進む20%の申告分離課税については、SEIは国内2社が取り扱うJVCEA一覧掲載銘柄であるため、対象になりうる側にいます。ただし適用時期も対象の細目も確定しておらず、「SEIを買えば20%になる」という理解は誤りです。ステーキング報酬は受け取った時点の時価で所得になります。

SEIは少額から購入できますか?

できます。SEIは1枚あたり約7.86円(2026年7月時点)と単価が低く、数百円から購入可能です。チェーン上の最小単位は0.000001 SEIです。ただしOKJの日本円の板は24時間で約17.8万円しか動いていないため、数十万円規模の注文では想定した価格で約定しない可能性があります。少額なら国内、まとまった金額なら板の厚い海外取引所という使い分けが現実的です。

Sei Giga(20万TPS)はいつ実装されますか?

確定した日付は公表されていません。公式ドキュメントは、Autobahnコンセンサスや5ギガガスの目標について「開発中(in development)」と明記しており、2026年7月時点のメインネットで動いているのは従来のTwin Turboです。単一の公開日を設けず段階的に展開する方針とされています。20万TPSは目標値であり、実現済みの性能ではありません。

SEIの発行上限は100億枚で固定ですか?

固定とは言い切れません。JVCEAへの届出には発行可能数10,000,000,000 SEIと記載される一方、「発行可能数の変更可否:可」とされ、今後の発行は「ブロック報酬(年率5%程度)」と記されています。編集部がチェーンを実測した発行済みは約91億9,066万枚で、上限とは約8.09%の開きがありました。ビットコインの2,100万枚のようにプログラムで硬く固定された上限とは性質が異なります。

まとめ|SEIは「速い道」、ただし走っている車はまだ少ない

Sei(SEI)は、暗号資産の取引に用途を絞って設計されたレイヤー1ブロックチェーンです。Cosmos SDKを基盤にイーサリアム互換の実行環境を備え、2023年8月15日にメインネットが稼働しました。今回の検証で最初に確かめたのは速さですが、ここは公称どおりでした。5,000ブロックの実測平均は409ミリ秒で、公式が掲げる約400ミリ秒とほぼ一致しています。技術的な主張について、Seiは誇張していません。

問題は需要のほうにありました。実測した5,000ブロックのうち89.8%にはイーサリアム互換の取引が1件も入っておらず、処理量は毎秒0.34件。Cosmos側まで含めても、流れている取引の93.7%はバリデータが自動で送るオラクル価格の投票でした。そして日本語記事の定番である「12,500 TPS」は、公式ドキュメントの全文を検索しても出てきません。唯一の「12,500」は1ブロックのガス上限12,500,000を指すもので、実測したガス上限とも一致しました。出所は2024年9月の公式Xの投稿であり、2年前の宣伝文句が現在の仕様として書き写され続けている、というのが実態になります。

投資判断の材料としては、価格が最高値から約95.7%下、最安値の更新は40日ほど前、チェーンTVLはピークから約92.9%減という現在地を押さえておく必要があります。日本ではOKJとBinance Japanの2社が扱うため日本円で買えますが、OKJの板は24時間で約17.8万円しか動いていません。発行上限100億枚も、JVCEAへの届出では「変更可」とされています。「12,500 TPS」ではなく「実測0.34件/秒」を材料に置く——それだけで、この銘柄の見え方は変わるはずです。そのうえで納得できるなら、それは根拠のある投資になるでしょう。

参考文献

1. CoinGecko「Sei(SEI)」価格・時価総額・過去最高値/最安値・循環供給量(2026年7月時点)https://www.coingecko.com/en/coins/sei
2. Sei 公式ドキュメント(400msファイナリティ/約100 MGas/s/並列実行の性能/Sei Giga・Autobahnの開発状況/ガス上限12,500,000。全文ファイル llms-full.txt を含む)https://docs.sei.io/
3. 編集部によるSei公開ノードへの直接照会(rest.sei-apis.com/sei-api.polkachu.com/sei-rest.publicnode.com/sei.api.kjnodes.com/evm-rpc.sei-apis.com。ブロックタイム・空ブロック率・処理量・ガス使用率・発行済み数量・ステーキング状況を2026年7月16日に実測)
4. DefiLlama「Sei」チェーンTVL・プロトコル別TVL(RWAはチェーンTVLと別集計)https://defillama.com/chain/Sei
5. Ondo Finance「Ondo Finance To Bring First Tokenized Treasury Bills, USDY, to Sei Network」(2025年7月17日・USDYの想定年率4.25%)https://ondo.finance/
6. 一般社団法人日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)「取扱暗号資産及び暗号資産概要説明書」(2026年7月15日更新。SEIの取扱会員数2・発行可能数10,000,000,000 SEI・発行可能数の変更可否「可」・今後の発行「ブロック報酬(年率5%程度)」・発行開始2023年8月15日)https://jvcea.or.jp/statistics/document/assets/
7. OKJ(オーケーコイン・ジャパン)「『セイ(SEI)』の取扱いに関するお知らせ」(2025年7月1日。入出庫2025年7月8日17時/取引所・販売所2025年7月11日17時)https://support.okcoin.jp/hc/ja/articles/48008887997721
8. OKJ 公開API(SEI-JPY ティッカー。24時間出来高・最良気配を2026年7月16日に取得)https://www.okcoin.jp/
9. OKJ「ステーキング|対象暗号資産とルール」(SEIの推定年率1.88%/2.88%/3.88%・最小申請数量50 SEI・アンロック処理時間18日・定期プランの中途解除手数料)https://www.okcoin.jp/pages/products/staking.html
10. Sei 公式X(@SeiNetwork、2024年9月18日投稿「12,500 Transactions Per Second/380MS Time To Finality」)https://x.com/SeiNetwork/status/1836503980064805259
11. CoinDesk「Sei Wallets to Come Pre-Installed on Millions of Xiaomi Phones」(2025年12月10日。中国本土・米国を除く新型端末へのプリインストール/20,000店舗超でのステーブルコイン決済構想/500万ドルの開発者プログラム)https://www.coindesk.com/business/2025/12/09/sei-wallets-to-come-pre-installed-on-millions-of-xiaomi-phones

※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)・取引所への投資を勧誘するものではありません。価格・時価総額・出来高・TVL・ステーキングの利率は日々変動し、チェーンの実測値も測定した時点・区間によって変わります。取扱状況や税制の扱いも変更される場合があるため、最新の情報は各公式サイトおよび金融庁・国税庁の情報でご確認ください。税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。暗号資産取引にはリスクが伴い、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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