位置: 第7部 第69回 / 前提: 第64回、第65回、第67回 / 数学編: M5、M15、M16 / この回でできるようになること: リスク中立測度のもとで期待値を積分して、ブラック・ショールズ式を自分で導くことができる
目次
0. 物語 ― 現実の確率で期待値を取ると価格が合わない
ここまでの道のりを振り返ります。第64回でギルサノフの定理を学び、第60回で株価が対数正規分布に従うことを見ました。第67回では仮定を整理し、第68回ではデルタヘッジの議論から偏微分方程式を導きました。方程式を立てて、境界条件を当てはめて、解を求める。正しい手順ですが、手間がかかります。
もっと直接的な道はないでしょうか。満期に受け取れる金額がわかっているなら、その「平均」を計算して、利息の分を割り引くだけで価格が出そうな気がします。
ところが、この「平均」の取り方に落とし穴があります。株が1年後にどれだけ成長するかについて、投資家ごとの見通しがあります。年10%で成長すると見込む人、15%と見込む人、20%と見込む人。同じコールオプションの「平均的な価値」をそれぞれに計算させると、10%の人は約14円、15%の人は約18円、20%の人は約23円と答えます。しかし、正しい値段はたったの約10.5円です。
3人の答えはてんでバラバラで、しかもどれも高すぎます。見通しの数字が大きいほど、過大評価の幅も膨らみます。もし15%と見込む人が約18円で買ってくれるなら、その人にコールを売り、約10.5円で同じ支払いを複製しておけば、差の約7.6円がそのまま無リスクの利益になります。自分の見通しを値段に混ぜた人は、予想が当たろうが外れようが、混ぜた分だけ損をする仕組みになっているのです。
では、どの確率を使えばよいのか。答えは、投資家の見通しとはまったく別の確率です。その確率のもとで平均を取り、利息の分を割り引く。たったこれだけで、偏微分方程式を解いたのと同じ値段が出ます。この回では、その仕組みを一から導きます。
1. 動機 ― 方程式を解かずに価格を出せるか
この回を読み終えると、リスク中立測度のもとで期待値を積分して、ブラック・ショールズ式を自分で導くことができます。
第68回で、デルタヘッジから偏微分方程式を導きました。ブラック・ショールズ方程式は正しい、しかし偏微分方程式を解くのは手間がかかります。方程式の形に依存せず、もっと直接的に価格を得る道はないでしょうか。
あります。リスク中立測度 Q のもとで満期のペイオフの期待値を取り、無リスク金利で割り引く。これだけで価格が出ます。方程式を解く必要はありません。
この「期待値の道」がうまくいく理由は2つあります。ひとつは、ギルサノフの定理によって測度を P から Q に変換すると、原資産のドリフトが μ から r に変わること。もうひとつは、ファインマン・カッツの公式によって、この期待値がちょうど第68回の偏微分方程式の解に一致することです。
今回はこの2つの道具を使い、ブラック・ショールズの公式を期待値の計算として 導きます。そして最後に、モンテカルロ・シミュレーションで閉じた式の値を数値的に再現します。
この記事で証明すること
THM-RND-1 デリバティブの価格は、リスク中立測度のもとでの満期ペイオフの期待値を無リスク金利で割り引いたものに等しいです。
THM-RND-2 ファインマン・カッツの公式により、この期待値は第68回の偏微分方程式の解に一致します。
THM-RND-3 原資産が対数正規分布に従うため、コールの期待値は正規分布の分布関数2つで書けます。
2. 設定と仮定 ― リスク中立測度に移る
第67回の仮定をすべて使います。改めて書き出します。
原資産は幾何ブラウン運動に従います。d S t = μ S t d t + σ S t d W t (P のもとで)。
ボラティリティ σ は一定です。
取引コスト・税がなく、空売りに制約がありません。
連続的に取引でき、任意の量を売買できます。
無リスク金利 r は一定で、借入と貸出の金利が等しいです。
原資産は配当を払いません。
ギルサノフの定理により測度変換が可能であることを使います。
期待値の計算にはガウス積分の結果を使います。
ギルサノフの定理の帰結. 測度 P のもとで W t が標準ブラウン運動であるとき、
と定義すると、ある同値な測度 Q のもとで W t が標準ブラウン運動になります(第64回)。ここで σ μ − r は市場リスクの価格と呼ばれる量です。
W t = W t − σ μ − r t を原資産の確率微分方程式に代入します。
d S t = μ S t d t + σ S t d W t = μ S t d t + σ S t ( d W t − σ μ − r d t ) = μ S t d t − ( μ − r ) S t d t + σ S t d W t = r S t d t + σ S t d W t ( 1.2 )
ドリフトが μ から r に置き換わりました。Q のもとでは原資産のドリフトは無リスク金利 r に等しくなります。ボラティリティ σ は変わりません。
割引株価がマルチンゲール. (1.2) の解は
S T = S 0 exp ( ( r − 2 1 σ 2 ) T + σ W T ) ( 1.3 )
です(第60回)。割引株価 e − r T S T の Q のもとでの期待値を取ると
E Q [ e − r T S T ] = S 0 E Q [ exp ( − 2 1 σ 2 T + σ W T ) ] = S 0
となります。最後の等号は、W T ∼ N ( 0 , T ) のモーメント母関数 E [ e θ X ] = e θ 2 T /2 を θ = σ で使っています。割引株価が Q のもとでマルチンゲールであることが確認できました。
ギルサノフの定理により、P で見ると μ で成長する原資産が、Q で見ると r で成長するように変換されます。
3. 主張 ― 価格は割引期待値で書ける
3つの定理を正確に述べます。
定理 THM-RND-1(リスク中立評価の公式)
満期 T のペイオフ h ( S T ) を持つデリバティブの時刻0における無裁定価格は
である。ここで Q はリスク中立測度、S T は (1.3) に従う。
定理 THM-RND-2(2つの導出の一致)
ファインマン・カッツの公式により、(3.1) で定まる V 0 は、第68回のブラック・ショールズ方程式
∂ t ∂ V + 2 1 σ 2 S 2 ∂ S 2 ∂ 2 V + r S ∂ S ∂ V − r V = 0 の終端条件 V ( T , S ) = h ( S ) を持つ解に一致する。
定理 THM-RND-3(積分の計算)
コールオプション h ( S T ) = max ( S T − K , 0 ) の場合、(3.1) は
C 0 = S 0 N ( d 1 ) − K e − r T N ( d 2 ) ( 3.2 ) と書ける。ここで
d 1 d 2 = σ T ln ( S 0 / K ) + ( r + 2 1 σ 2 ) T , = d 1 − σ T であり、N ( ⋅ ) は標準正規分布の分布関数である。
(3.2) がブラック・ショールズの公式です。2つの N の意味は次回(第70回)で掘り下げます。
証明を読む(読まなくても記事は完結します)
4. 証明 ― 測度変換して積分を計算する
この節は読まなくても記事は完結します。
この証明を追いたい人は、数学編 第5回「積分の技法とガウス積分」 、数学編 第15回「変数変換とヤコビアン」 、数学編 第16回「条件付き期待値は射影である」 へ。
THM-RND-1 の証明
第64回で、割引された資産価格が Q のもとでマルチンゲールであることを見ました。無裁定であれば、任意のペイオフ h ( S T ) を持つデリバティブの割引価格もマルチンゲールでなければなりません。もしそうでなければ、デリバティブと原資産を組み合わせて裁定が構成できるからです。
したがって、時刻0の価格 V 0 は割引ペイオフの Q のもとでの期待値に等しくなります。
V 0 = E Q [ e − r T h ( S T ) ] = e − r T E Q [ h ( S T ) ] ( 4.1 )
2番目の等号では e − r T が定数であることを使って期待値の外に出しました。r と T は確定した値なので、これは正当です。
この結果は離散モデル(第45回)の連続版です。離散モデルでは V 0 = E Q [ X ] / ( 1 + r ) でした。連続時間では ( 1 + r ) が e r T に変わっただけで、構造は同じです。 ∎
THM-RND-2 の証明
ファインマン・カッツの公式(第66回)は次のように述べています。確率微分方程式
の解に対し、
u ( t , x ) = E [ e − r ( T − t ) g ( X T ) ∣ X t = x ]
と定義すると、u は偏微分方程式
∂ t ∂ u + b ( x ) ∂ x ∂ u + 2 1 σ ( x ) 2 ∂ x 2 ∂ 2 u − r u = 0
を終端条件 u ( T , x ) = g ( x ) のもとで満たします。
これを今の問題に当てはめます。Q のもとで S t の確率微分方程式は (1.2) ですから、b ( S ) = r S 、σ ( S ) = σ S です。ペイオフを g ( S ) = h ( S ) とします。すると
V ( t , S ) = E Q [ e − r ( T − t ) h ( S T ) ∣ S t = S ]
は
∂ t ∂ V + r S ∂ S ∂ V + 2 1 σ 2 S 2 ∂ S 2 ∂ 2 V − r V = 0
を満たします。これは第68回で導いたブラック・ショールズ方程式そのものです。
つまり、「期待値を取る」という操作と「偏微分方程式を解く」という操作は、ファインマン・カッツの公式を介して同じ問題の2つの表現 であることがわかりました。 ∎
THM-RND-3 の証明
コールオプション h ( S T ) = max ( S T − K , 0 ) の期待値を計算します。(1.3) より Q のもとで
S T = S 0 exp ( ( r − 2 1 σ 2 ) T + σ T Z )
です。ここで Z = W T / T ∼ N ( 0 , 1 ) と標準化しました。
ステップ1: 行使される条件. S T > K となるのは
S 0 exp ( ( r − 2 1 σ 2 ) T + σ T Z ) > K
のときです。両辺の対数を取ると
( r − 2 1 σ 2 ) T + σ T Z > ln ( K / S 0 )
Z について解くために、σ T > 0 で割ります。
Z > σ T ln ( K / S 0 ) − ( r − 2 1 σ 2 ) T = − d 2
符号を確認します。d 2 の定義より
d 2 = σ T ln ( S 0 / K ) + ( r − 2 1 σ 2 ) T
ですから、− d 2 は上の右辺に一致します。したがって
Q ( S T > K ) = Q ( Z > − d 2 ) = N ( d 2 ) ( 4.2 )
です。最後の等号は標準正規分布の対称性 Q ( Z > − a ) = N ( a ) を使いました。
ステップ2: 期待値の分割. 求めるべき期待値は
E Q [ max ( S T − K , 0 )] = E Q [ S T 1 S T > K ] − K Q ( S T > K ) ( 4.3 )
です。第2項は (4.2) より K ⋅ N ( d 2 ) です。第1項を計算します。
ステップ3: 第1項の計算. 標準正規密度を φ ( z ) と書きます。
E Q [ S T 1 S T > K ] = ∫ − d 2 ∞ S 0 exp ( ( r − 2 1 σ 2 ) T + σ T z ) φ ( z ) d z
被積分関数の指数部分を整理します。φ ( z ) = 2 π 1 e − z 2 /2 を代入すると、指数の中身は
です。平方完成を行います。z を含む項を集めると
− 2 1 z 2 + σ T z = − 2 1 ( z − σ T ) 2 + 2 1 σ 2 T
です。これを代入すると
( r − 2 1 σ 2 ) T + 2 1 σ 2 T − 2 1 ( z − σ T ) 2 = r T − 2 1 ( z − σ T ) 2
となります。− 2 1 σ 2 T と + 2 1 σ 2 T が打ち消し合って r T だけが残りました。したがって
E Q [ S T 1 S T > K ] = S 0 e r T ∫ − d 2 ∞ 2 π 1 e − ( z − σ T ) 2 /2 d z
変数置換 w = z − σ T を行います。d w = d z で、積分の下限は z = − d 2 のとき w = − d 2 − σ T = − d 1 です。d 1 = d 2 + σ T の定義を使いました。
E Q [ S T 1 S T > K ] = S 0 e r T ∫ − d 1 ∞ 2 π 1 e − w 2 /2 d w = S 0 e r T N ( d 1 ) ( 4.4 )
ステップ4: 合わせる. (4.3) に (4.4) と (4.2) を代入します。
E Q [ max ( S T − K , 0 )] = S 0 e r T N ( d 1 ) − K N ( d 2 ) (4.1)
C 0 = e − r T ( S 0 e r T N ( d 1 ) − K N ( d 2 ) ) = S 0 N ( d 1 ) − K e − r T N ( d 2 )
これが (3.2) のブラック・ショールズの公式です。 ∎
証明を振り返ります。ステップ1で行使条件を Z > − d 2 に書き換え、ステップ3で平方完成により d 1 を生み出しました。d 1 と d 2 の差 σ T は、平方完成で積分変数をずらした幅にほかなりません。
5. 反例 ― 現実の確率で取ると矛盾する
CEX-RND-1: 現実の確率で期待値を取る誤り
「コールの価格は、満期ペイオフの期待値を割り引いたもの」という説明から、Q ではなく P (現実の確率)で期待値を取ってしまう誤りを検証します。
P のもとでは S T のドリフトが μ なので
S T ( P ) = S 0 exp ( ( μ − 2 1 σ 2 ) T + σ T Z )
となり、期待値を取って r で割り引くと μ に依存する「価格」が出ます。
S 0 = 100 、K = 100 、T = 1 、r = 0.05 、σ = 0.20 で、μ を変えた結果をモンテカルロ(100万本)で計算しました。
μ
誤った価格
正しい価格
差
5%
10.4592
10.4506
+ 0.0086
10%
13.9588
10.4506
+ 3.5082
15%
18.0852
10.4506
+ 7.6346
20%
22.8144
10.4506
+ 12.3638
μ = 5% = r のときだけ、現実の確率がリスク中立確率に一致するので正しい値になります。μ = 10% で既に3.5の過大評価、μ = 20% では2倍以上の価格がつきます。
この「価格」で取引すると裁定されます。第45回の CEX-RNM1-1 と同じ構造です。相手が期待収益率 μ = 15% で計算した 18.0852 でコールを買ってくれるなら、その相手にコールを売り、受け取った代金のうち 10.4506 で複製ポートフォリオを組めば、差額 7.6346 が無リスク利益になります。期待収益率への依存は「正しい確率がわからない」という問題ではなく、どの μ を使っても無裁定と矛盾する という構造的な問題です。
CEX-RND-2: 割引を忘れる誤り
Q で期待値を取っても、e − r T による割引を忘れると価格が高くなりすぎます。
これは割引前の値です。正しくは e − r T = 0.951229 を掛けて
C 0 = 0.951229 × 11.0109 = 10.4739
です(モンテカルロによる近似値。閉じた式では 10.4506 )。割引を忘れた 11.0109 は正しい値より 0.5603 (約 5.36% )高くなっています。
割引を忘れるということは、満期に受け取るキャッシュフローを現在価値に直さずに使うということです。r > 0 であれば必ず過大評価になります。
CEX-RND-3: リスク中立行使確率と現実の行使確率の違い
N ( d 2 ) = 0.5596 はリスク中立測度 Q のもとでの行使確率です。これを「コールが行使される確率」と読むのは正確ではありません。現実の測度 P での行使確率は、d 2 のドリフトが r から μ に変わるため
d 2 ( P ) = σ T ln ( S 0 / K ) + ( μ − 2 1 σ 2 ) T
です。μ が大きいほど d 2 ( P ) が大きくなり、行使確率も上がります。
μ
d 2 ( Q )
d 2 ( P )
Q での行使確率
P での行使確率
差
5%
0.15
0.15
0.5596
0.5596
0
10%
0.15
0.40
0.5596
0.6554
+ 0.0958
15%
0.15
0.65
0.5596
0.7422
+ 0.1825
20%
0.15
0.90
0.5596
0.8159
+ 0.2563
μ = 10% のとき、現実にはコールが行使される確率は 65.54% ですが、N ( d 2 ) = 55.96% はそれより10ポイント近く低い値です。μ = 20% では 81.59% 対 55.96% と、25ポイント以上の差が開きます。N ( d 2 ) は価格を計算するための「リスク中立の重み」であって、実際に行使される見込みとは別物です。
6. 数値例 ― モンテカルロと閉じた式を突き合わせる
S 0 = 100 、K = 100 、T = 1 、r = 0.05 、σ = 0.20 のコールで数値検証します。
閉じた式の値.
d 1 d 2 = 0.20 × 1 ln ( 100/100 ) + ( 0.05 + 0.02 ) × 1 = 0.20 0.07 = 0.35 = 0.35 − 0.20 = 0.15
N ( d 1 ) = 0.6368 , N ( d 2 ) = 0.5596
C 0 = 100 × 0.6368 − 100 × 0.9512 × 0.5596 = 63.6831 − 53.2325 = 10.4506
公式の構造. S 0 N ( d 1 ) = 63.6831 は「原資産を N ( d 1 ) 単位持つ」部分、K e − r T N ( d 2 ) = 53.2325 は「行使価格の割引現在価値を N ( d 2 ) 倍した」部分です。コール価格はこの差です。
モンテカルロとの比較. リスク中立測度のもとで S T を生成し、割引ペイオフの標本平均を計算します。
標本数 N
モンテカルロ価格
標準誤差
閉じた式との差
1 , 000
10.5166
0.4727
+ 0.0660
10 , 000
10.4502
0.1478
− 0.0004
100 , 000
10.4739
0.0466
+ 0.0233
1 , 000 , 000
10.4342
0.0147
− 0.0164
標本数を10倍にするたびに標準誤差がおよそ 1/ 10 ≈ 0.316 倍に縮んでいます。N = 1 , 000 では標準誤差 0.47 で振れが大きいですが、N = 1 , 000 , 000 では標準誤差 0.015 まで下がり、閉じた式の 10.4506 との差は 0.02 未満です。
ファインマン・カッツの確認. モンテカルロで得た値 10.4342 (N = 1 , 000 , 000 )と、ブラック・ショールズ方程式の解である閉じた式の値 10.4506 の差は − 0.0164 です。モンテカルロの標準誤差 0.0147 の約 1.11 倍で、標準誤差の2倍(おおよそ95%の信頼区間の幅)の範囲内であり、両者は統計的に一致しています。期待値の道と偏微分方程式の道が同じ答えに到達することを、数値的に確認できました。
7. 次回へ ― 2つの N が何を意味するか
ブラック・ショールズの公式 C 0 = S 0 N ( d 1 ) − K e − r T N ( d 2 ) に現れる2つの N は、N ( d 2 ) がリスク中立測度のもとでの行使確率、N ( d 1 ) がデルタ(原資産の保有量)です。しかしこの2つには、もっと深い意味があります。次回(第70回)で、N ( d 1 ) と N ( d 2 ) がそれぞれ何者なのかを掘り下げます。
次のマイルストーンまであと 8 本です。
よくある質問
なぜ2通りも導出するのですか
道具が違うからです。方程式を解く道と期待値を取る道は、商品によって使いやすさが変わります。
どちらが本質的ですか
同じ内容です。ファインマン・カッツの公式が両者を結んでいます。
モンテカルロは必要ですか
閉じた式がある場合は不要です。複雑な商品では期待値を数値で求めることになります。
参考文献
Harrison J. M. and Kreps D. M.、Martingales and Arbitrage in Multiperiod Securities Markets、Journal of Economic Theory、1979年、DOI 10.1016/0022-0531(79)90043-7
Shreve S. E.、Stochastic Calculus for Finance II ― Continuous-Time Models、Springer、2004年
数値例は compute.py により float 演算で検算済み。乱数のシード42を固定。本文中の小数は4桁で丸めている。