コインチェックがレバレッジ取引を開始|BTC/ETH/XRPの3銘柄に対応、約6年ぶり再開の中身とほか取引所との比較を忖度無しで教えます

「忙しい人向け」ニュース要約
- コインチェックが2026年9月24日にレバレッジ取引「Coincheckレバレッジ」を開始した(iOSアプリ先行)
- 最大2倍・BTC/ETH/XRPの3ペア・CFD(差金決済)で、空売り(売建て)もできる
- 同社は2020年にレバレッジ取引を終了しており、約6年ぶりの再開。第一種金融商品取引業の登録が土台
- 国内は法律で個人の上限が2倍。GMO・bitFlyer・SBI VC・楽天ウォレット・bitbank・BitTradeも2倍で提供中
※相場やニュースの日々の見方は、水野のX(@mizuno_ichizen)で発信中です。
水野 倫太郎「最大2倍」は各社の弱気ではなく法律の上限です。
選ぶ基準は倍率ではなく、扱う銘柄とコスト(手数料・建玉のコスト)になります。


監修 水野 倫太郎
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役
慶應義塾大学経済学部。2017年米国留学時にブロックチェーンと出会い、Web3の業界に足を踏み入れる。2018年には、日本有数の仮想通貨メディアCoinOtakuに入社。2019年には同社のCMOに就任し、2020年に東証二部上場企業とM&Aを行い、様々なクリプト事業を展開する。2022年に現在代表取締役社長を務めるICHIZEN HOLDINGSを立ち上げ様々なWeb3事業を手がける。複数のWeb3系事業に出資を行いながら有識者として活動。
コインチェックが何を始めたのか|Coincheckレバレッジの概要
コインチェックは2026年9月24日、暗号資産のレバレッジ取引サービス「Coincheckレバレッジ」の提供を始めました(※1)。Coincheckアプリの中で現物取引とレバレッジ取引をワンタップで切り替えられるのが特徴で、別アプリのダウンロードは不要です。まずはiOSアプリから始まり、Android版とWeb版は2026年内、法人向けは2027年以降の予定とされています。


取引の中身は、暗号資産の値動きだけをやり取りするCFD(差金決済取引)です。実際の暗号資産を保有するのではなく、価格の差額で損益が決まる仕組みで、これにより「持っていない通貨を売る」空売り(売建て)もできます。注文方式は成行・指値・逆指値に加え、スピード注文や全決済注文が用意されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供開始 | 2026年9月24日(iOS先行)/Android・Web版は2026年内予定/法人は2027年以降 |
| 対象通貨ペア | BTC/JPY・ETH/JPY・XRP/JPY(3ペア) |
| 最大レバレッジ | 最大2倍(個人の必要証拠金率50%) |
| 取引方式 | CFD(差金決済取引)。空売り(売建て)可 |
| 対象顧客 | 現物口座を開設済みで、所定の適合性確認を完了した個人 |
| 制度上の根拠 | 第一種金融商品取引業の登録(2026年8月26日・関東財務局長(金商)第3540号) |
あわせて、開始を記念した10,000円のキャッシュバックキャンペーンも告知されています。適用の条件や期間は公式のキャンペーンページで確認してください(※2)。
なぜ「約6年ぶりの再開」なのか
今回のニュースは「新規開始」というより「再開」です。コインチェックは2020年3月13日にレバレッジ取引の提供を一度終了していました(※3)。当時は暗号資産デリバティブへの規制強化(後述の改正金融商品取引法)が進む局面で、多くの国内取引所がレバレッジ倍率の引き下げやサービス見直しに動いた時期です。
そこから約6年、コインチェックは第一種金融商品取引業の登録(関東財務局長(金商)第3540号)を土台に、CFDという形でレバレッジ取引に戻ってきました。暗号資産のデリバティブは資金決済法ではなく金融商品取引法の枠組みで扱われるため、この登録がサービスの前提になります。金融庁が暗号資産全体を金商法へ移していこうとしている流れ(※4)とも重なる動きです。
最大2倍はなぜか|日本のレバレッジ規制
「最大2倍」はコインチェックが弱気なわけではなく、日本では個人のレバレッジ上限が法律で2倍に定められているためです。単なる業界の自主ルールではなく、改正金融商品取引法(2020年5月施行)と金融商品取引業等に関する内閣府令にもとづき、預ける証拠金は取引金額の50%以上(=レバレッジ2倍以下)と決められています。だからどの国内取引所を選んでも、個人の上限は一律2倍です。
この2倍は、段階的に絞られてきた結果でもあります。かつては最大25倍のサービスもありましたが、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の自主規制で上限4倍(2019年)へ下がり、改正金商法の施行を経て現在の2倍(2021年適用)に落ち着きました。なお法人向けは一律2倍ではなく、JVCEAが毎週公表する「暗号資産リスク想定比率」にもとづいて銘柄ごとに倍率が変わります。
- かつては最大25倍のサービスも存在
- JVCEA自主規制で上限4倍へ(2019年)
- 改正金商法・府令で現在の2倍に(2021年適用)
- 法人は銘柄別(リスク想定比率で変動)
国内でレバレッジ取引ができる取引所【比較】
コインチェックの参入で、国内でレバレッジ取引ができる主要な取引所は次のとおりです。倍率は全社2倍で横並びのため、選ぶ基準は「扱う銘柄数」と「コスト(手数料・建玉を持ち続ける費用)」になります。金額の具体値は変動制のものが多く、最終的には各社の取引ルールで確認が必要です。
| 取引所 | 最大倍率(個人) | 対象 | 方式 | コストの目安 |
|---|---|---|---|---|
| Coincheck(今回開始) | 2倍 | 3ペア(BTC/ETH/XRP) | CFD | 取引ルールで要確認 |
| GMOコイン | 2倍 | 12銘柄 | 証拠金・差金決済 | 取引手数料無料/レバレッジ手数料 建玉に日次でかかる |
| bitFlyer(Crypto CFD) | 2倍 | BTC/JPYのみ | 店頭CFD | 売買手数料無料/ファンディングレート |
| SBI VCトレード | 2倍 | 13銘柄 | 証拠金・差金決済 | スプレッド制/ファンディングレート(変動) |
| 楽天ウォレット | 2倍 | 9ペア | 証拠金・差金決済 | 建玉管理料0.00%と記載/スプレッド等は要確認 |
| bitbank(信用取引) | 2倍 | 3ペア(BTC/ETH/XRP) | 板(信用)・差金決済 | 建玉金利が日次でかかる |
| BitTrade | 2倍 | BTC/JPYのみ | 差金決済 | 売買手数料無料/ポジション管理費は要確認 |
一方で、レバレッジ取引ができない(現物のみ)取引所もあります。かつてレバレッジが主力だったDMM Bitcoinは2024年の不正流出をきっかけに事業を終了し、口座・資産はSBI VCトレードへ移管されました。ほかにBITPOINT(2021年終了)、Zaif(2026年に信用取引を廃止)、OKJ(提供なし)などは現物中心です。同じ「取引所」でもレバレッジの有無は分かれます。現物と販売所の使い分けは国内・海外取引所の比較でも整理しています。
現物取引と何が違うのか|CFD・空売り・ロスカット
レバレッジ取引(CFD)は現物取引と仕組みが異なります。現物は暗号資産そのものを買って保有しますが、CFDは価格の差額だけをやり取りするため、実際の暗号資産は持ちません。この違いから、使い方とリスクの両方が変わります。
| 比較 | 現物取引 | レバレッジ取引(CFD) |
|---|---|---|
| 持つもの | 暗号資産そのもの | 価格差の損益(現物は持たない) |
| 使える資金 | 入金額まで | 証拠金の最大2倍まで |
| 下落局面 | 買いのみ(値下がりは損) | 空売りで下落から利益を狙える |
| 持ち続けるコスト | 基本かからない | 建玉を持つ間、日次でコストがかかる場合がある |
| 強制決済 | なし | ロスカット(証拠金維持率が基準を割ると強制決済) |
とくに注意したいのがロスカットです。相場が予想と逆に動いて証拠金維持率が各社の基準(おおむね50〜100%)を割ると、ポジションが強制的に決済されます。2倍でも、値動きの2倍の速さで損益が動くため、現物より損失が膨らみやすい点は理解しておく必要があります。



2倍は「控えめ」に見えて、下落局面で空売りできる意味は大きいです。
ただし建玉を持ち続けるコストとロスカットは、現物にはない別物のリスクです。
ICHIZEN Capitalの視点|倍率でなく「コストと銘柄」で選ぶ
今回のニュースで最も見落とされやすいのは、倍率での差別化がもう起きないという点です。国内は法律で個人2倍に固定されているため、コインチェックが「2倍」で参入しても、それは他社と同じ土俵に並んだというだけです。だから利用者が実際に比べるべきは、倍率ではなく①扱う銘柄(自分が取引したい通貨があるか)②建玉を持ち続けるコスト(手数料・ファンディング・建玉金利)の2点になります。
もう1つの読みどころは、コインチェックが第一種金融商品取引業の登録を取り直してCFDで再参入したことです。暗号資産のデリバティブを金商法の枠組みで提供する事業者が国内で増えることは、金融庁が進める暗号資産の金商法移行の流れと同じ方向を向いています。国内が2倍で頭打ちなのに対し、海外取引所ではより高いレバレッジが提供されていますが、その場合は国内の登録・保護の枠組みの外になる点は分けて理解しておく必要があります。
- 倍率は全社2倍で横並び=倍率で選ぶ意味は薄い
- 選ぶ基準は「扱う銘柄」と「建玉を持つコスト」
- 第一種金商登録でのCFD再参入=金商法移行の流れと同方向
- 海外の高レバは国内の保護枠組みの外である点は別で理解
よくある質問
Coincheckレバレッジはいつから使えますか?
2026年9月24日からです。まずはiOSアプリで提供が始まり、Android版とWeb版は2026年内、法人向けは2027年以降の予定とされています。既存のCoincheckアプリの中で現物と切り替えて使えます。
レバレッジは何倍までですか?
個人は最大2倍です(必要証拠金率50%)。これはコインチェック独自の設定ではなく、改正金融商品取引法にもとづき日本の暗号資産レバレッジの上限が個人2倍に定められているためで、他の国内取引所も同じ2倍です。
どの通貨で取引できますか?
提供開始時点ではBTC/JPY・ETH/JPY・XRP/JPYの3ペアです。将来的な銘柄追加は公式の案内で確認してください。銘柄数だけで見ると、GMOコインやSBI VCトレードのほうが対応通貨は多くなっています。
手数料はいくらですか?
プレスリリースには具体的な手数料・スプレッドの記載がなく、正確な数値は取引ルールでの確認が必要です。一般にレバレッジ取引(CFD)では、売買手数料が無料でもスプレッドや、建玉を持ち続ける間のコスト(ファンディングレート等)がかかる点に注意してください。
空売り(ショート)はできますか?
できます。CFD(差金決済)なので、実際の暗号資産を持たずに「売りから入る」ことが可能で、価格が下がる局面でも利益を狙えます。ただし予想と逆に上がれば損失になり、現物にはないロスカット(強制決済)のリスクがあります。
現物取引と何が違いますか?
現物は暗号資産そのものを買って保有しますが、レバレッジ取引(CFD)は価格差の損益だけをやり取りし、実際の通貨は持ちません。証拠金の最大2倍まで取引でき、空売りもできる反面、建玉を持つコストとロスカットという別のリスクが加わります。
ほかにレバレッジ取引ができる国内取引所は?
GMOコイン・bitFlyer・SBI VCトレード・楽天ウォレット・bitbank・BitTradeが個人向けに最大2倍で提供しています。いずれも倍率は2倍で同じため、扱う銘柄数と建玉を持つコストで比較するのが現実的です。
なぜコインチェックは一度やめて再開したのですか?
同社は2020年3月にレバレッジ取引を終了していました。暗号資産デリバティブへの規制が金融商品取引法へ移り強化された時期にあたります。今回は第一種金融商品取引業の登録を土台に、CFDという形で約6年ぶりに再開した形です。
まとめ|「2倍」より銘柄とコストで選ぶ
- コインチェックが9/24にレバレッジ取引を開始(約6年ぶり再開)
- 最大2倍・BTC/ETH/XRP・CFD・空売り可
- 国内は法律で個人2倍が上限=全社横並び
- 選ぶ基準は倍率でなく銘柄数とコスト
- CFDは建玉コストとロスカットのリスクあり
コインチェックのレバレッジ取引再開は、国内でレバレッジができる取引所がもう1社増えたという事実である一方、倍率は全社2倍で並ぶため、それ自体が大きな差別化になるわけではありません。利用者にとって効いてくるのは、自分が取引したい銘柄があるか、そして建玉を持ち続けるコストがどれだけかかるかです。
制度の面では、第一種金融商品取引業の登録にもとづくCFDでの再参入という点が、金融庁が進める暗号資産の金商法移行の流れと重なります。レバレッジは下落局面でも利益を狙える一方、ロスカットという現物にはないリスクを伴います。使う場合は最大2倍でも損失が現物より膨らみやすいことを踏まえ、余裕を持った証拠金で扱うのが前提になります。


ニュースの速報や、相場・トレンドの日々の見方をXで発信しています。フォローで最新情報をチェックできます。
※1 コインチェック「Coincheck、暗号資産レバレッジ取引サービス『Coincheckレバレッジ』を提供開始」(2026年9月24日)https://corporate.coincheck.com/press/v3BFNGtR
※2 コインチェック「レバレッジ取引開始記念10,000円キャッシュバックキャンペーン」https://coincheck.com/ja/campaigns/leverage
※3 コインチェック「『レバレッジ取引』のサービス提供終了について」(2020年3月13日)https://corporate.coincheck.com/news/8548
※4 金融庁の暗号資産制度・金商法移行に関する公表資料。各社レバレッジの仕様はGMOコイン・bitFlyer・SBI VCトレード・楽天ウォレット・bitbank・BitTradeの各公式ページ(2026年9月時点)による
※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)への投資を勧誘するものではありません。レバレッジ取引は預けた証拠金を超える損失が生じるおそれがあります。暗号資産取引にはリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。









