Virtuals Protocol(VIRTUAL)とは?AIエージェントのトークン化の仕組み・将来性・買い方|看板指標aGDPの9割超は「通過しただけの資金」だった事実を忖度なく解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • Virtuals Protocol(VIRTUAL)はAIエージェントを「トークン化」して共同保有できるようにする基盤
    • VIRTUALは全エージェントトークンの基軸通貨です。買い注文が42,000 VIRTUAL集まると「卒業」し、Uniswap V2へ自動移行します
    • 価格は約0.619ドル(約100.4円)、時価総額は約660.5億円で114位前後です(2026年7月時点)
  • 誰も書かない現実|看板指標「aGDP」は、その大半が”通過しただけの金額”である
    • 公式ホワイトペーパー自身の計算例では、aGDP5,010ドルのうち手数料はわずか10ドル(約0.2%)です
    • 残りはエージェントが預かって動かした資金であり、生み出した付加価値とは別物になります
  • 看板エージェントは母体より深く沈んでいる。ただし増刷は「二重ロック」で不可能だと実測できた
    • VIRTUAL本体は最高値5.07ドルから約87.8%下落。一方でaixbt・GAME・Lunaは揃って約-98%です
    • 増刷用の関数は残っていますが、権限放棄と上限到達の二重で塞がれていました(チェーンへ直接照会して実測)
  • 日本の取引所での取扱いはゼロ。韓国ではウォン建てで買えるという対比がある
    • JVCEAの取扱一覧に記載がなく、国内主要5社いずれも未上場でした(公開データで実測)
    • 国内未上場のため雑所得・総合課税のまま。話題の20%分離課税の対象になりません
木田 陽介

Virtuals Protocolは「AIエージェントの経済圏」を掲げる銘柄で、2024年末から2025年初にかけての熱狂を象徴した存在です。忖度なく言うと、日本語の解説記事は当時の景色で止まっているものが目立ちます。公式ドキュメントを最後まで読むと、看板にしている経済指標の中身が意外に薄いことも、増刷が構造的に塞がれていることも書いてあります。熱狂の記憶ではなく、いま公式が何を書いているのかを一緒に見ていきましょう。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

Virtuals Protocol(VIRTUAL)とは?基本情報

Virtuals Protocol(バーチャルズ プロトコル)は、AIエージェントをトークン化し、誰でも共同で保有・出資できるようにする基盤プロジェクトです。公式ホワイトペーパーは自らを「AIエージェントの社会(a society of AI agents)」と定義しています(※2)。

VIRTUALはその経済圏の基軸通貨にあたるトークンです。ミームコインのように単体で存在するのではなく、この基盤で生まれる全てのエージェントトークンが、VIRTUALと組んで流動性プールを作るという構造を持ちます。イーサリアムにおけるETHに近い役割だと考えると理解しやすいでしょう(※2)。

スクロールできます
項目内容(2026年7月時点)
名称Virtuals Protocol(バーチャルズ プロトコル)/ティッカー:VIRTUAL
チェーンEthereum(トークンの正本)/Base(主戦場)・Solanaはブリッジ版
分野AIエージェントのトークン化基盤(ローンチパッド)
誕生2024年/ゲーム系DAO「PathDAO」から転換したと伝えられています(※1)
コントラクト(Ethereum)0x44ff8620b8cA30902395A7bD3F2407e1A091BF73
価格約0.619ドル(約100.4円)
時価総額約4億739万ドル(約660.5億円)/114位前後
24時間出来高約9,430万ドル(時価総額比 約23.1%)
循環供給量/総供給量約6億5,748万枚/10億枚(約65.75%が流通)
発行上限10億枚(公式は「今後のインフレなし」と明記・※2)
追加発行不可(権限放棄と上限到達の二重ロック・オンチェーンで実測)
過去最高値5.07ドル(2025年1月2日)※現在は約87.8%下
Binanceでの扱い現物あり(USDT・USDC・TRY・IDRの4ペア)/無期限先物もあり
日本での取扱い国内取引所は取扱いなし(海外取引所で購入)
日本での税務上の扱い暗号資産(雑所得・総合課税/20%分離課税の対象外)

細かい点ですが、チェーン上に記録されたトークン名は「Virtual Protocol」と単数形でした。公式表記の「Virtuals Protocol」とは1文字違います。検索で迷いやすい部分なので、先に触れておきます(※3)。

AIエージェントのトークン化とは?42,000 VIRTUALで「卒業」する仕組み

Virtuals Protocolを理解する最短ルートは、「エージェントが生まれてから市場に出るまでの流れ」を追うことです。ここが分かると、VIRTUALというトークンに需要が生まれる理由も同時に説明できます。

この章の内容
  • 作成から「卒業」まで|42,000 VIRTUALという明確な閾値
  • VIRTUALが基軸通貨である理由|買うたびに需要が生まれる構造
  • 1%の取引税と10年のLPロック|収益はどこへ流れるのか

作成から「卒業」まで|42,000 VIRTUALという閾値

エージェントの立ち上げは、専門知識がなくても進められる設計になっています。作成されたエージェントのトークンはボンディングカーブ(購入が増えるほど価格が上がる仕組み)で売買が始まり、買い注文が42,000 VIRTUALに達すると「卒業(graduation)」し、Uniswap V2の流動性プールへ自動的に移行します(※2)。

公式が定める共通ルールは明快です。エージェントトークンの供給量は一律10億枚に固定され、卒業時に作られる流動性プールのLPトークンは10年間ロックされます。運営や作成者が流動性を引き抜いて逃げる、いわゆるラグプルを構造的に防ぐための設計です(※2)。

スクロールできます
項目公式ホワイトペーパーの規定
エージェントの作成無料(一部の任意モジュールのみ有料)
卒業の閾値42,000 VIRTUAL
卒業後の移行先Uniswap V2のプールへ自動移行
エージェントトークンの供給量一律10億枚で固定
LPトークンのロック期間10年
取引手数料1%(作成者70%/Virtualsトレジャリー30%)

ここで1つ注意点があります。日本語・英語を問わず、多くの解説記事は「エージェントの作成に100 VIRTUALが必要」と書いています。しかし現行のホワイトペーパーは「エージェントの作成は無料」と明記しており、100 VIRTUALは任意モジュールの利用料として説明されています(※2)。もっとも、同じ公式ドキュメント内には旧仕様の「作成に100 VIRTUAL」という記述も残っており、公式の中でも記述が統一されていないのが実情です。金額を前提に判断せず、実際の作成画面で確認することをおすすめします。

VIRTUALが基軸通貨である理由|エージェントを買うたびに需要が生まれる

VIRTUALの価格を考えるうえで、ここが最も重要な構造になります。この基盤で生まれるエージェントトークンは、すべてVIRTUALとペアを組んで流動性プールを作ります(※2)。

結果として、特定のエージェントトークンを買いたい人は、まずVIRTUALを手に入れる必要が出てきます。エージェントが人気を集めるほどVIRTUALへの需要も連動して増える、という設計です。この構造は「フライホイール(好循環)」と呼ばれ、強気材料として語られてきました

ただし歯車は逆にも回ります。新しいエージェントが生まれなくなれば、VIRTUALを経由する必要そのものが減っていくためです。後述するとおり、2025年に実際に起きたのはこの逆回転でした。フライホイールは上りでも下りでも同じ強さで働く、という点は押さえておく必要があるでしょう。

1%の取引税と10年のLPロック|収益はどこへ流れるのか

エージェントトークンの売買には一律1%の手数料がかかります。内訳は公式に明記されており、70%がエージェントの作成者、30%がVirtualsのトレジャリー(運営の金庫)へ配分されます(※2)。

この設計には、投機を抑えるための仕掛けも用意されています。「アンチスナイパー保護」を有効にすると、買い注文にかかる税率が99%から始まり、設定した時間をかけて1%まで下がっていくという仕組みです(※2)。立ち上げ直後に大口が買い占める行為を、経済的に割に合わなくさせる狙いがあります。

公式ドキュメントを読む限り、仕組みそのものは丁寧に作られているという印象を受けます。第三者による監査もCode4renaで実施されており、報告書が公開されています(※7)。問題は仕組みの精巧さではなく、その上で実際に何が起きたかです。次章から数字で見ていきます。

VIRTUALの現在地|最高値5.07ドルから約87.8%下落という現実

仕組みは魅力的ですが、投資判断に必要なのは現在の数字です。VIRTUALの価格は約0.619ドル(約100.4円)、時価総額は約4億739万ドル(約660.5億円)で、CoinGecko基準の順位は114位前後です(2026年7月時点・※1)。

過去最高値は2025年1月2日の5.07ドルでした。現在はそこから約87.8%下落しています。最高値の水準へ戻るには約8.2倍が必要な計算です。この日付には意味があります。2024年末から2025年年初は、AIエージェント関連トークンに資金が集中した時期であり、VIRTUALはその象徴的な銘柄でした。最高値は、その熱狂のピークとほぼ同じ日に記録されているのです。

スクロールできます
時点価格現在との比較
過去最高値(2025年1月2日)5.07ドル約87.8%下/回復には約8.2倍
1年前(2025年7月時点)約61.3%下(直近1年の下落率)
現在(2026年7月時点)約0.619ドル
過去最安値(2024年1月23日)約0.00749ドル約82.7倍上

注目したいのは下落が過去の話で終わっていない点です。直近1年でも約61.3%を失っています(※1)。一方で、最安値0.00749ドルからは約82.7倍の水準にあり、時価総額100位台を維持しているのも事実でしょう。熱狂の名残と、その剥落が同時に進んでいるというのが正確な現在地です。

流動性については、むしろ良好な部類に入ります。24時間出来高は約9,430万ドルで、時価総額に対して約23.1%(2026年7月時点・※1)。時価総額比で数%にとどまる銘柄が珍しくないなかで、この水準は「売りたいときに売れる」板が確保されていることを示しています。

公式指標「aGDP」を額面どおり受け取れない理由|計算例が語っていること

ここからは、日本語の解説記事がほとんど触れていない論点を扱います。Virtuals Protocolは、経済圏の規模を示す独自指標として「aGDP(Agentic GDP=エージェントの国内総生産)」を掲げています。AIエージェントがどれだけの経済的成果を生んだかを示す数字として紹介されることの多い指標です(※2)。

本記事の検証方法

2026年7月、編集部がイーサリアム・Base・Solanaの公開ノード、および各取引所の公開APIへ直接照会して取得した数値です。供給量・発行権限・ブリッジの保管残高はチェーンの実データ、上場の有無は各取引所が自ら公開するシンボル一覧、仕組みと配分は公式ホワイトペーパーの原文に基づいています。倍率・比率は各公表値をもとに編集部が算出しました。各数値に取得時点を併記しています。

この指標の定義を、公式ホワイトペーパーは次のように定めています。「aGDP=エージェントが仕事をする過程で処理した総額(取引額+サービス手数料)」(※2)。ポイントは「処理した総額」であって「稼いだ額」ではないという点にあります。

抽象的に思えるかもしれませんが、公式ドキュメントには具体的な計算例がそのまま載っています。これが実に雄弁です。例として挙げられているのは、ユーザーがエージェントに5,000ドルを預けて運用させ、エージェントが1,000ドルの取引を5回おこなうケースです(※2)。

スクロールできます
公式の計算例(ホワイトペーパー原文)金額aGDPに占める割合
取引額(1,000ドル×5回)5,000ドル約99.8%
サービス手数料(2ドル×5回)10ドル約0.2%
aGDP合計5,010ドル100%

この例でエージェントが実際に稼いだのは10ドルです。それでもaGDPには5,010ドルが計上されます。つまり約99.8%は「預かって動かしただけの資金」であり、生み出した付加価値ではありません(編集部が公式の計算例をもとに算出)。同じ5,000ドルを10回動かせば、aGDPは5万ドルに膨らむ計算になります。

誤解のないように書き添えると、これは隠された数字ではありません。公式は定義も計算例も堂々と公開しており、その点はむしろ誠実だと言えるでしょう。問題は、この指標が紹介記事の中で「AIが生み出した経済規模」として一人歩きしがちな点にあります。一般的なGDPが付加価値の合計を指すのに対し、aGDPは取引総額に近い概念です。名前は似ていても中身が違う、と理解しておく必要があります。

木田 陽介

実務の感覚で言うと、aGDPは「売上」ですらなく「取扱高」に近い数字です。証券会社に例えるなら、預かった資金を売買した総額を自社の経済規模として発表しているようなもの。手数料10ドルと取扱高5,010ドルでは、意味がまったく違いますよね。公式が計算例まで公開しているのは立派ですが、紹介する側がそこを読まずに数字だけ引用してしまうと、読者は規模を10倍にも100倍にも誤解します。指標を見たら定義を読む——これはVirtualsに限らず全銘柄で効く習慣です。

VIRTUALのトークノミクス|チェーンに直接聞いて分かったこと

ここからは供給量まわりを実測で確認します。暗号資産で最も警戒すべきは、運営が勝手にトークンを増刷して価値を薄める行為です。VIRTUALにその余地があるのかを、編集部はイーサリアムの公開ノードへ直接照会して調べました。

まず配分から確認します。公式ホワイトペーパーは総供給10億枚を「今後のインフレなしで発行される」と明記したうえで、次の3つに配分しています(※2)。合計はちょうど100%になり、編集部の検算とも一致しました。

スクロールできます
配分先割合枚数
一般流通(Public Distribution)60%600,000,000枚
流動性プール5%50,000,000枚
エコシステム・トレジャリー35%350,000,000枚
合計100%1,000,000,000枚

この配分は実際の流通量ときれいに整合します循環供給量は約6億5,748万枚(65.75%)。一般流通60%と流動性プール5%を足した65%とほぼ一致します(※1)。裏を返せば、市場に出ていない約3億4,252万枚は、ほぼそのままエコシステム・トレジャリーの35%(3億5,000万枚)にあたるという計算です。公表値と実データがここまで噛み合う銘柄は、実のところ多くありません。

増刷は「二重ロック」で塞がれている|関数は残っているのに呼べない

ここが今回の実測で最も興味深かった部分です。VIRTUALのコントラクトには、増刷に使われる標準的な関数(mint)が今も残っています。関数が存在しない銘柄と比べると、一見すると不安要素に見えるでしょう。しかし実際に呼び出せるかを試した結果、増刷は二重に塞がれていました(※3)。

編集部は公開ノード上でmint関数の呼び出しをシミュレーションし、条件を変えて挙動を確かめました。結果は次のとおりです。

スクロールできます
呼び出し元増刷する量結果意味
任意のアドレス0枚失敗(revert)所有者以外は、量を問わず呼べない
所有者(ゼロアドレス)0枚成功権限の判定自体は通る
所有者(ゼロアドレス)1枚未満(最小単位)失敗(revert)発行上限に到達済みで増やせない
所有者(ゼロアドレス)1枚失敗(revert)同上

読み解くと、ロックは2つ重なっています。第1に所有者以外は増刷関数を呼べません。任意のアドレスからは、増刷量をゼロにしても拒否されました。第2にその所有者はゼロアドレス=権限が放棄済みであり、対応する秘密鍵はこの世に存在しません。つまり所有者として呼び出せる人間が誰もいないということです(※3)。

さらに念のため、仮に所有者として呼べたとしても増刷できるのかまで確かめました。ゼロアドレスから最小単位の増刷を試すと拒否されます発行上限10億枚にすでに到達しているため、1枚も追加できないという設計でした。この結果はpublicnode・drpc・blastapiの独立した3つのノードで同一だったため、特定のノードの挙動ではありません(※3)。

実務上の意味は明確です。「増刷関数が残っている=危険」とは限らないということ。権限が放棄され、かつ上限に到達していれば、関数は事実上の化石になります。コントラクトの安全性は、関数の有無ではなく実際に呼べるかどうかで判断するべきでしょう。

「バーンでデフレになる」は誤り|焼却された形跡はほぼない

もう1つ、広く流通している誤解を訂正しておきます。VIRTUALについて「バーン(焼却)によって供給が減りデフレになる」と説明する記事があります。しかし公式ホワイトペーパーの全文を確認しても、VIRTUALを焼却する仕組みは記載されていません(※2)。

実データでも裏付けが取れました。イーサリアム上の焼却用アドレスに送られているVIRTUALは、わずか1,498枚でした(※3)。総供給10億枚に対して0.0002%未満であり、仕組みとしての焼却が働いた痕跡とは言えません

では供給が締まる要素が皆無かというと、そうではありません。エージェントが作られるたびにVIRTUALが流動性プールへ投入され、そのLPトークンは10年ロックされます(※2)。これは「焼却」ではなく「固定」です。取り出せる可能性が残る点で、燃やして消すこととは意味が違います。デフレ圧力があるとすれば、その正体はバーンではなくロックだと理解するのが正確でしょう。

3チェーン展開の落とし穴|供給量を足し算すると二重計上になる

VIRTUALはEthereum・Base・Solanaで取引できます。ここで各チェーンの供給量を足すのは誤りです。編集部が3チェーンへ照会した実測値を見ると、理由がすぐ分かります。

3チェーンを単純合算すると約15億2,338万枚となり、発行上限の10億枚を超えてしまいます(※3)。存在しえない数字です。正解は、Ethereumが正本で、BaseとSolanaにあるのは本家をロックして発行された「預かり証」にあたるブリッジ版だということになります。

根拠は数字の一致です。Base版の供給量は約4億9,688万枚。これに対し、Ethereum上のBase公式ブリッジが約4億9,689万枚を保管しており、差はわずか0.0022%でした(※3)。ロックと発行が1対1で対応していることを示す数字であり、わずかな差は送金処理中の分と考えられます。

スクロールできます
チェーン実測した供給量位置づけ
Ethereum10億枚ちょうど正本。この中にブリッジ分も含まれる
Base約4億9,688万枚ブリッジ版(本家をロックして発行)
Solana約2,650万枚ブリッジ版
Ethereum上のBaseブリッジ保管残高約4億9,689万枚Base版の供給量と0.0022%差で一致
3チェーンの単純合算約15億2,338万枚発行上限10億枚を超過=二重計上

つまりVIRTUALの総量はあくまで10億枚です。マルチチェーン展開の銘柄で供給量を検証するときは、その版が「本家」なのか「預かり証」なのかを必ず確認する必要があります。ここを取り違えると、時価総額の計算そのものが狂います。なお主戦場はBaseですが、トークンの戸籍上の本籍地はEthereumである点も、あわせて押さえておきたいところです。

看板エージェントの現況|aixbt・GAME・Lunaが揃って約98%下落

Virtuals Protocolを評価するうえで避けて通れないのが、この基盤から生まれたエージェントトークンが、その後どうなったかという点です。日本語の解説記事には「実用的なAIエージェントの実績がある」と書いて、その現況に触れないものが見られます。編集部が実際の数字を照会しました。

スクロールできます
エージェント時価総額過去最高値(日付)最高値からの下落
aixbt(看板格の相場分析エージェント)約1,890万ドル0.9426ドル(2025年1月16日)約98.0%下
GAME by Virtuals約476万ドル0.3918ドル(2025年1月2日)約98.8%下
Luna by Virtuals約503万ドル0.2518ドル(2024年10月27日)約98.0%下
VIRTUAL(母体)約4億739万ドル5.07ドル(2025年1月2日)約87.8%下

数字が示す構図は明快です。看板とされる3つのエージェントは、揃って約98%下落しています。母体VIRTUALの約87.8%より、はるかに深い下げ幅です(2026年7月時点・※1)。エージェントトークンは母体よりもハイリスクであることが、定量的に確認できます。

この差には理由があります。VIRTUALは全エージェントの基軸通貨として、どのエージェントが人気でも需要が発生する立場にあります。対して個別のエージェントトークンは、そのエージェント1つの人気にすべてが左右されます指数と個別株の関係に近いと考えると分かりやすいでしょう。この基盤に興味を持った方が最初に押さえるべきは、「どのレイヤーのリスクを取るのか」という選択です。

あわせて2025年に何が起きたかも押さえておきます。報道によれば、Virtuals Protocolの日次収益は2025年1月上旬の約102万ドルから、同年2月下旬には約3万4,792ドルまで落ち込んだとされます。1日あたりの新規エージェント作成数も、2024年11月のピーク約1,300件から2025年2月には10件未満まで減少したと報じられました(※6)。前述したフライホイールが、実際に逆回転したということです。数値はいずれも2025年前半時点のものであり、現在は時価総額約4億ドルで推移しています。

VIRTUALの将来性|評価できる点と、割り引くべき点

将来性を断定することはできません。できるのは、構造面の良し悪しを事実で並べることだけです。実測と公式ドキュメントから確認できた内容を整理します。

評価できる点
  • 増刷が二重に塞がれている|所有者権限は放棄済みで、かつ発行上限に到達済み(オンチェーンで実測・3ノードで一致)
  • 公表値とチェーンの実データが整合する|配分60/5/35の合計はちょうど100%で、循環供給量とも噛み合う
  • 流動性が厚い|24時間出来高は時価総額比 約23.1%。売買の場が確保されている
  • 大手取引所を幅広く網羅|Binance・Coinbase・Kraken・OKX・Bybit・Bitgetの現物に上場(各社APIで実測)
  • ラグプル対策が設計に組み込まれている|LPトークンの10年ロック、アンチスナイパー保護、第三者監査の公開
  • 基軸通貨という立ち位置|個別エージェントの当たり外れに左右されにくく、実際に下落幅も浅い
割り引くべき点
  • 看板指標が誇張されやすい|aGDPは公式の計算例でも約99.8%が「通過しただけの資金」で、付加価値ではない
  • 下落が続いている|最高値から約87.8%下落し、直近1年でも約61.3%を失っている
  • 看板エージェントが総崩れ|aixbt・GAME・Lunaは揃って約98%下落。エコシステムの実績として語りにくい
  • フライホイールは逆回転する|新規エージェントが生まれなければ、VIRTUALを経由する需要も縮む構造
  • 35%がトレジャリー保有|年10%以内・ガバナンス承認という制約はあるものの、放出は将来の売り圧になりうる
  • ガバナンスは未稼働|veVIRTUALの投票機能は公式に「Coming Soon」と表記されたまま
  • 日本では税制上不利|国内未上場のため20%分離課税の対象外。雑所得のまま最大約55%

整理すると、「トークンの構造は堅いが、掲げている物語と実績のあいだに距離がある」というのがVIRTUALの姿です。増刷もできず、公表値はチェーンの実データと噛み合い、取引の場も厚い。ここは多くの銘柄が抱える弱点を持たない部分だと言えるでしょう。一方で、AIエージェントが実際に稼いだ金額はaGDPが示すほど大きくなく、看板エージェントは軒並み9割超下落しています技術と設計を評価することと、いま買うかどうかは別の判断だと切り分ける必要があります。

日本でVIRTUALを買う方法|国内取引所の取扱いはゼロ

2026年7月時点、日本の暗号資産交換業者でVIRTUALを取り扱っているところはありません。編集部は日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が公表する取扱暗号資産の一覧(2026年7月15日付)を直接取得し、「VIRTUAL」「Virtuals」のいずれも銘柄としての記載がないことを確かめました(※5)。あわせて主要5社の公開データも実測しています。

スクロールできます
国内取引所VIRTUALの取扱い確認方法(2026年7月時点)
Coincheckなし公開APIのレート照会が不可(BTC等は取得可)
bitbankなし公開APIの全62ペアに該当なし
GMOコインなし公開APIの全30銘柄に該当なし
bitFlyerなし公開APIの全マーケットに該当なし
BitTradeなし公開APIの全93銘柄に該当なし

一覧の検索では紛らわしい一致にも注意が必要でした。「VIRTUAL」で1件ヒットしますが、中身は別銘柄の説明文にある「Ethereum Virtual Machine(イーサリアム仮想マシン)」という技術用語です。VIRTUALとは無関係でした。同じ一覧にBTC・ETH・XRP・DOGE等が正しく含まれることを確認したうえでの「記載なし」ですので、検索漏れではありません(※5)。

対比として示唆的なのが韓国です。韓国最大手のUpbitでは、ウォン建て(KRW-VIRTUAL)を含む3ペアが稼働しています(※4)。アジアの主要市場で法定通貨ペアが用意されている一方、日本では1社も扱っていない——この差は、後述するとおり税率の分岐点にもなります。

VIRTUALの現物が買える取引所|大手はひととおり揃っている

国内にはありませんが、海外の大手取引所であれば、VIRTUALの現物はひととおり揃っています。編集部が各社の公開APIを一つずつ照会した結果は次のとおりです(2026年7月時点・※4)。

スクロールできます
取引所VIRTUAL現物備考(2026年7月時点)
BinanceありUSDT・USDC・TRY・IDRの4ペア。無期限先物もあり
BitgetありVIRTUAL/USDT。無期限先物は最大25倍
Coinbaseあり(USD建て)米国の規制下の大手
Krakenあり(USD・EUR・USDC・USDT建て)米国の規制下の大手
OKXあり(USDT・USDC・USD・EUR建て)法定通貨ペアが豊富
Bybitあり(USDT・USDC・MNT建て)
Upbitあり(KRW・USDT・BTC建て)韓国最大手。ウォン建てあり

ここで価格形成の実態にも触れておきます。Binanceの無期限先物VIRTUALUSDTの24時間出来高は約3,270万ドル。同じBinanceの現物VIRTUAL/USDT(約756万ドル)の4倍を超えます(※4)。値動きを主導しているのは保有目的の買いではなく、レバレッジをかけた短期の売買だということです。

もう1つ、この銘柄ならではの特徴があります。出来高の約44%が分散型取引所(DEX)で発生しているという点です(CoinGecko集計のペア別出来高の合計を分母に編集部が算出・※1)。Base上のAerodromeやUniswapが、単体ではBinanceの現物を上回る規模で動いています。VIRTUALがエージェント経済圏の基軸通貨としてチェーン上で使われていることの裏返しであり、中央集権取引所だけを見ていると実態を捉えそこねます。

VIRTUALの買い方|基本の3ステップ

日本からVIRTUALを買う場合、次の3ステップが基本の流れになります。

  1. 国内取引所で暗号資産を購入|日本円でビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、送金しやすい銘柄を買う
  2. 海外取引所へ送金|VIRTUALを扱う海外取引所の自分の口座へ送る。初回は必ず少額でテスト送金する
  3. VIRTUALへ交換|USDTなどに替えたうえで、VIRTUAL/USDTのペアで購入する

海外取引所の口座開設が前提になるため、VIRTUALのペアがあり、日本語に対応している取引所が現実的な選択肢になります。国内取引所の選び方は国内取引所ランキングを、送金に使うUSDTの入手手順はUSDTの買い方もあわせてご覧ください。AIエージェント以外の注目銘柄を探している方は2026年に注目の仮想通貨10選も参考になるはずです。

海外取引所Bitgetの紹介画像

\VIRTUALの現物・無期限先物(最大25倍)に対応/

公式サイトはこちら

ただし買う前に、次章の税金の話を必ず読んでおくことをおすすめします。海外取引所で買う銘柄は、国内上場銘柄と比べて税務上の扱いも手続きの負担も重くなるためです。ここを知らずに始めると、利益が出たときに想定外の税額に直面しかねません。

ICHIZEN Capitalの視点|税金と「AIエージェント」という言葉の読み方

ここからは、上位の解説記事がほとんど触れていない論点を扱います。「VIRTUALの利益にいくら課税されるのか」と「AIエージェントという説明をどう読むか」です。どちらも手を出す前に知っておくべき内容でありながら、日本語の情報がほぼ存在しない領域になります。

VIRTUALの税金|話題の「20%分離課税」の対象にならない

「暗号資産の税金が20%になる」という話を耳にした方は多いはずです。しかしVIRTUALは、その20%分離課税の対象にならない公算が大きい銘柄です。ここは手取り額が倍近く変わりうるポイントなので、正確に押さえておく必要があります。

令和8年度税制改正により、「特定暗号資産」の譲渡による所得に対する申告分離課税(所得税15%)が創設されました。ただし対象となる「特定暗号資産」には、次の2つの要件があります(措法38の2①・※8)。

  • (a) その名称が金融商品取引業者登録簿に登録されていること
  • (b) 譲渡が暗号資産取引業者への売委託、または暗号資産取引業者に対するものであること

VIRTUALは国内で1社も取扱いがないため(a)を満たしません。さらに売買の場が海外取引所やDEXになるため、(b)も満たしません。つまり2つの要件を両方とも外すことになり、従来どおり雑所得・総合課税の対象です。他の所得と合算して5〜45%、住民税を含めると最大約55%の税率が適用されます。

スクロールできます
項目VIRTUALの場合
(a) 金商業者登録簿への登録✕(国内取扱いゼロ)
(b) 暗号資産取引業者への譲渡✕(海外取引所・DEXで売買)
適用される課税方式雑所得・総合課税
税率5〜45%+住民税(最大約55%)
20%申告分離課税対象外の公算が大きい

ここから導かれる示唆は明確です。国内取引所に上場しているかどうかが、税率の分岐点になりうるということ。韓国ではウォン建てで買えるのに、日本では1社も扱っていないという差が、そのまま手取りの差として表れます。なお適用開始時期は未確定で、金融商品取引法等改正法の施行日が政令に委ねられているため、「◯年から20%」と断定できる段階にはありません。海外取引所やDeFiの具体的な線引きも政令・通達待ちです。暗号資産の税金の全体像は仮想通貨の税金の記事で詳しく解説しています。

DEXで買うと重くなる実務負担|取引の記録が誰も残してくれない

税率以外にも、見落とされがちな負担があります。国内取引所が発行する「年間取引報告書」に相当する書類が、海外取引所では基本的に用意されていないという点です。損益は自分で計算する必要があります。

VIRTUALを買うまでの導線を思い出してください。円→BTC購入→海外送金→USDTへ交換→VIRTUAL購入という流れでした。この途中にある「BTC→USDT」の交換も、日本の税務では課税対象の取引に当たります。VIRTUALをまだ売っていなくても、その時点で利益が確定していれば課税されうるということです。

この銘柄では負担がさらに重くなりやすい事情があります。出来高の約44%がDEXで発生しているとおり、VIRTUALはチェーン上で使われることを前提としたトークンだからです。エージェントトークンを買うためにVIRTUALを経由すれば、その交換も課税対象になりえます。取引所の履歴すら残らないため、記録は完全に自己責任です。雑所得は株式のような損益通算や翌年への繰越しもできません最高値から約87.8%下落した実績が示すとおり、値動きの荒い銘柄ほど、この非対称性は重く効いてきます

「AIエージェント」という言葉を、そのまま受け取らない

最後に、この分野全体に共通する読み方の話をします。AIエージェント関連の銘柄は「AIが自律的に稼ぐ」という物語で語られがちです。しかし投資判断で見るべきは、物語ではなく検証できる数字になります。

本記事で確認できたことを並べると、輪郭が見えてきます。公式の経済指標は約99.8%が通過しただけの資金であり、看板エージェントは軒並み約98%下落し、ガバナンス機能は「Coming Soon」のままでした。いずれも公式ドキュメントと実データから確認できる事実です。一方で、増刷が二重に塞がれ、配分が公表どおりに整合していることも同じく事実でした。良い面と悪い面が、どちらも検証可能な形で存在しているのがこの銘柄の特徴でしょう。

「AIエージェントが実際に何をして、いくら稼いだのか」を確認する——それだけで判断の質は変わります。物語に投資するのか、検証できた構造に投資するのかを、自分の中で切り分けておくことが大切です。

水野 倫太郎

税務・事業者の視点で見ると、VIRTUALは「税制上いちばん不利な条件が揃った銘柄」です。国内未上場なので20%分離課税の対象にならず、雑所得のまま最大約55%。損益通算も繰越しもできません。しかもこの銘柄は性質上DEXでの取引が多く、エージェントトークンを買うためにVIRTUALを挟むたびに課税対象の交換が発生します。取引所の年間報告書も出ないため、計算はすべて自力です。韓国ではウォン建てで買えるのに日本では1社も扱っていない、という差がそのまま税率の差になって表れます。少額なら影響は限定的ですが、取引回数が増えるほど記録の負担が効いてくる構造だという点は、買う前に知っておいてください。判断に迷う場合は税理士へのご相談をおすすめします。

よくある質問

Virtuals Protocol(VIRTUAL)とは何ですか?

AIエージェントをトークン化し、誰でも共同で保有・出資できるようにする基盤プロジェクトです。公式ホワイトペーパーは自らを「AIエージェントの社会」と定義しています。VIRTUALはその経済圏の基軸通貨にあたり、この基盤で生まれる全てのエージェントトークンがVIRTUALとペアを組んで流動性プールを作る仕組みです。主戦場はBaseですが、トークンの正本はEthereum上にあります。

VIRTUALは日本の取引所で買えますか?

買えません。2026年7月時点で、JVCEAが公表する取扱暗号資産の一覧(2026年7月15日付)にVIRTUALの記載はなく、Coincheck・bitbank・GMOコイン・bitFlyer・BitTradeのいずれも取り扱っていません。入手するには、国内取引所でビットコイン等を購入し、海外取引所へ送金してVIRTUALに交換する流れになります。国内上場の予定は公表されていません。

VIRTUALはどこで買えますか?Binanceで買えますか?

買えます。編集部が各社の公開APIを照会したところ、Binanceの現物にはUSDT・USDC・TRY・IDRの4ペアがありました(2026年7月時点)。ほかにBitget・Coinbase・Kraken・OKX・Bybit・Upbitの現物でも取引されています。韓国のUpbitにはウォン建てのペアもあります。なお出来高の約44%は分散型取引所(DEX)で発生しており、Base上のDEXも主要な取引の場になっています。

VIRTUALの発行枚数はいくつですか?追加発行やバーンはありますか?

総供給量は10億枚で、公式は「今後のインフレなし」と明記しています。追加発行は実測でも不可能でした。増刷用の関数は残っていますが、所有者権限がゼロアドレスへ放棄済みで誰も呼び出せず、かつ発行上限に到達しているため1枚も追加できません(3つの独立したノードで確認)。一方でバーン(焼却)の仕組みは公式ドキュメントに記載がなく、焼却用アドレスの残高も1,498枚とごくわずかです。「バーンでデフレになる」という説明は正確ではありません。

Virtuals ProtocolでAIエージェントを作るにはいくら必要ですか?

現行のホワイトペーパーでは、エージェントの作成自体は無料とされています。100 VIRTUALはLaunch Radarなど一部の任意モジュールを使う場合の費用として説明されています。ただし同じ公式ドキュメント内に「作成に100 VIRTUALが必要」という旧仕様の記述も残っており、公式の中でも表記が統一されていません。金額を前提に判断せず、実際の作成画面でご確認ください。作成後は買い注文が42,000 VIRTUALに達すると「卒業」し、Uniswap V2へ自動移行します。

VIRTUALの現在価格と最高値はいくらですか?今後上がりますか?

価格は約0.619ドル(約100.4円)、時価総額は約4億739万ドル(約660.5億円)で114位前後です(2026年7月時点・CoinGecko基準)。過去最高値は2025年1月2日の5.07ドルで、現在はそこから約87.8%下落しています。元の水準へ戻るには約8.2倍が必要な計算です。上昇を断定はできません。価格は新しいAIエージェントが生まれ続けるかどうかに強く依存する構造で、直近1年でも約61.3%下落しています。

Virtuals Protocolの将来性はありますか?危険ではありませんか?

構造面と実績面を分けて考える必要があります。構造は堅く、増刷が二重に塞がれ、配分(一般流通60%・流動性5%・トレジャリー35%)は合計100%で循環供給量とも整合し、LPは10年ロック、第三者監査も公開されています。一方で実績面は厳しく、看板エージェントは軒並み約98%下落し、ガバナンス機能は「Coming Soon」のままです。詐欺的な仕組みは確認できませんでしたが、価格を支える実需が育っているとも言い切れません。

aixbtとは何ですか?Virtuals Protocolとの関係は?

aixbtはVirtuals Protocol上で生まれた相場分析系のAIエージェントで、この基盤の看板格として知られてきました。ただし現況は厳しく、時価総額は約1,890万ドル、過去最高値0.9426ドル(2025年1月16日)から約98.0%下落しています(2026年7月時点)。GAMEやLunaも同様に約98%下落しており、母体VIRTUALの約87.8%より深い下げ幅です。個別のエージェントトークンは母体よりハイリスクだと理解しておく必要があります。

VIRTUALの利益にかかる税金はどうなりますか?20%の分離課税になりますか?

雑所得・総合課税で、最大約55%です。令和8年度税制改正で創設された申告分離課税(所得税15%)の対象は「特定暗号資産」に限られ、①名称が金融商品取引業者登録簿に登録されていること、②譲渡が暗号資産取引業者に対するものであること、という2要件が必要になります。VIRTUALは国内取扱いがなく売買も海外取引所・DEXのため、どちらも満たしません。損益通算や翌年への繰越しもできない点に注意が必要です。

VIRTUALのコントラクトアドレスはどれですか?各チェーンの供給量は足すのですか?

正本はEthereumの0x44ff8620b8cA30902395A7bD3F2407e1A091BF73です。BaseとSolanaにもありますが、これらは本家をロックして発行されたブリッジ版のため、供給量を足してはいけません。3チェーンを単純合算すると約15億2,338万枚となり、発行上限の10億枚を超えてしまいます。実際、Base版の供給量約4億9,688万枚に対し、Ethereum上のBase公式ブリッジが約4億9,689万枚を保管しており、0.0022%差で一致していました。

まとめ|構造は堅い。ただし看板指標の9割超は「通過しただけの資金」だった

Virtuals Protocol(VIRTUAL)は、AIエージェントをトークン化して共同保有できるようにする基盤です。VIRTUALはその経済圏の基軸通貨にあたり、生まれた全てのエージェントトークンがVIRTUALとペアを組みます。買い注文が42,000 VIRTUAL集まると「卒業」してUniswap V2へ移り、LPは10年ロックされる——公式ドキュメントに明記された、丁寧な設計です。

本記事で最も伝えたいのは、看板指標「aGDP」の約99.8%が、エージェントが預かって動かしただけの資金だという点です。公式の計算例では、5,010ドルのaGDPに対し、実際に稼いだ手数料は10ドルでした。これは隠された数字ではなく、公式が計算例まで公開しています。問題は、紹介記事がその定義を読まずに規模だけを引用してしまうことにあるのです。

一方で、トークンの構造は堅いというのが実測の結論でした。増刷用の関数は残っているものの、所有者権限がゼロアドレスへ放棄済みで誰も呼び出せず、さらに発行上限に到達済みで1枚も増やせません。3つの独立したノードで同じ結果を確認しています。配分は一般流通60%・流動性5%・トレジャリー35%で合計ちょうど100%、循環供給量とも整合しました。ただしそれは「不正に薄められない」というだけで、「下がらない理由」にはなりません

現在地は最高値5.07ドルから約87.8%下落し、直近1年でも約61.3%を失っています。さらに看板エージェントのaixbt・GAME・Lunaは揃って約98%下落しており、個別のエージェントトークンは母体よりハイリスクだという構図が数字で表れています。3チェーンに存在しますが供給量は足し算しないという点も、検証時の落とし穴として押さえておきたいところです。

日本の投資家にとって決定的なのは国内取扱いがゼロという事実です。韓国ではウォン建てで買えるのに、日本では1社も扱っていません。購入は海外取引所が前提になり、税制面では話題の20%申告分離課税の対象にならず、雑所得・総合課税で最大約55%のままになる公算が大きいと考えられます。AIエージェントという物語に投資するのか、検証できた構造に投資するのか——この2つを切り分けたうえで、リスクの取り方を決めることが大切です。

参考文献

1. CoinGecko「Virtuals Protocol (VIRTUAL)」価格・時価総額・順位・供給量・過去最高値/最安値・取引所別出来高(DEXシェアは全300ペアの合計出来高を分母に編集部が算出。aixbt/GAME by Virtuals/Luna by Virtuals の各データを含む。前身PathDAOからの転換・創業者に関する記述も同ページ。2026年7月16日にAPIで取得)https://www.coingecko.com/en/coins/virtual-protocol
2. Virtuals Protocol 公式ホワイトペーパー(「a society of AI agents」の定義/5つの柱/卒業閾値42,000 $VIRTUAL・Uniswap V2への自動移行・エージェントトークンの固定供給10億枚・LPトークンの10年ロック・取引手数料1%(作成者70%/トレジャリー30%)・アンチスナイパー保護(買い税99%→1%)/「Free to create agent」とLaunch Radar等モジュールの100 $VIRTUAL・および旧仕様「creator pays 100 $VIRTUAL」の併存/トークン配分 Public 60%・Liquidity 5%・Ecosystem 35%=合計100%・年10%以内の放出とガバナンス承認・「minted without any future inflation」/aGDPの定義「Total value an agent processes while doing its job (trading value + service fees)」と計算例(取引額5,000ドル+手数料10ドル=aGDP 5,010ドル)/veVIRTUALのGovernance Power「Coming Soon」。全文Markdown版を2026年7月16日に取得・確認)https://whitepaper.virtuals.io/llms-full.txt
3. Ethereum/Base/Solana の各JSON-RPC(eth_call:Ethereum totalSupply=1,000,000,000/decimals=18/name()=”Virtual Protocol”/owner()=ゼロアドレス、Base totalSupply=496,876,707.91、Solana getTokenSupply=26,501,746.40/balanceOf:Base L1StandardBridge 0x3154Cf16…=496,887,728.12・バーンアドレス0x…dEaD=1,498、eth_getCode:mint関数のセレクタ存在。mint呼び出しシミュレーションは ethereum-rpc.publicnode.com・eth.drpc.org・eth-mainnet.public.blastapi.io の3ノードで同一結果を確認。いずれも公開ノードへ2026年7月16日に直接照会して実測)https://ethereum-rpc.publicnode.com
4. 各取引所の公開API(Binance `api/v3/exchangeInfo`=現物VIRTUALUSDT・VIRTUALUSDC・VIRTUALTRY・VIRTUALIDR/`fapi/v1/ticker/24hr`=無期限VIRTUALUSDTの24時間出来高約3,269万ドル/Bitget `api/v2/spot/public/symbols`=VIRTUALUSDT online・`api/v2/mix/market/contracts`=USDT-M先物 最大25倍/Bybit `v5/market/instruments-info`/Coinbase `products`=VIRTUAL-USD online/Kraken `AssetPairs`/OKX `api/v5/public/instruments`/Upbit `v1/market/all`=KRW-VIRTUAL・USDT-VIRTUAL・BTC-VIRTUAL/国内はbitbank `tickers`・GMOコイン `v1/ticker`・bitFlyer `v1/markets`・Coincheck `api/rate`・BitTrade `v1/common/symbols` に該当なし。2026年7月16日実測)https://api.binance.com/api/v3/exchangeInfo
5. 日本暗号資産取引業協会(JVCEA)「取扱い暗号資産に関する情報」(2026年7月15日付の取扱暗号資産及び暗号資産概要説明書を直接取得し、全6,047セルを走査してVIRTUAL/Virtualsの銘柄としての記載が無いこと、唯一の「VIRTUAL」一致が別銘柄の説明文中の「Ethereum Virtual Machine」であること、およびBTC・ETH・XRP・DOGE・SHIB・PEPE等の記載があることを2026年7月16日に確認)https://jvcea.or.jp/statistics/document/assets/
6. Decrypt「Virtuals Protocol Revenue Crashes as AI Agent Demand Sinks」(日次収益が2025年1月上旬の約102万ドルから2025年2月下旬に約3万4,792ドルへ減少した旨、1日あたりの新規エージェント作成数が2024年11月の約1,300件から2025年2月に10件未満へ減少した旨の報道。いずれも2025年前半時点の値。2026年7月16日確認)https://decrypt.co/309495/virtuals-protocol-revenue-crashes-as-ai-agent-demand-sinks
7. Code4rena「Virtuals Protocol Competitive Audit」(2025年4月実施の第三者による競争型監査の報告書。公式ホワイトペーパーのSecurityページに掲載。2026年7月16日確認)https://code4rena.com/reports/2025-04-virtuals-protocol
8. 財務省「令和8年度税制改正の解説」租税特別措置法等(所得税関係)の改正(P.329〜「二 特定暗号資産の譲渡による所得に係る申告分離課税制度等の創設」/特定暗号資産の意義・譲渡の意義=措法38の2①、適用関係=改正法附則39①、金商法等改正法の施行日=同法附則1)https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/explanation/PDF/p0210-0436.pdf
9. 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」https://www.nta.go.jp/

※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)・取引所への投資を勧誘するものではありません。価格・時価総額・出来高・各取引所の取扱い銘柄は日々変動し、制度・税務の取扱いは変更される場合があるため、最新の情報は公式サイトおよび金融庁・国税庁の情報でご確認ください。税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。暗号資産取引にはリスクが伴い、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

目次