レイヤー2(L2/セカンドレイヤー)とは?仕組み・サイドチェーンとの違い・主要プロジェクトを解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • レイヤー2(L2)とは、メインチェーン(L1)の外で取引を処理し、混雑と高いガス代を解決するスケーリング技術
    • イーサリアムなどの処理を肩代わりし、結果をL1に記録してセキュリティを継承する
    • 主流はOptimistic RollupとZK Rollupという2つのロールアップ技術
  • サイドチェーンとの決定的な違いは「L1のセキュリティを継承するか」
    • L2は取引データや証明をL1に記録するため、L1の堅牢な安全性に守られる
    • サイドチェーンは独立チェーンで自前のセキュリティ。速さは同じでも守られ方が違う
  • 代表例はArbitrum・Base・Optimism。ビットコインではLightningやStacks
    • BaseはCoinbaseがOP Stackで構築、ArbitrumはL2最大級の規模を持つ
    • UniswapやAaveなど主要なDeFiがL2上で稼働している
  • メリットは低ガス代・高速、デメリットはL2間の分断や出金の待ち時間
    • Optimistic Rollupは不正証明の仕組み上、L1への出金確定に最大7日かかる
    • L2で得た利益も原則「雑所得」。L1へ資産を戻す際の課税にも注意
木田 陽介

レイヤー2は「イーサリアム本体の混雑を、外の高速レーンで捌く仕組み」とイメージすると分かりやすいです。ポイントは、処理は外でやっても“最後はL1に記録して守ってもらう”こと。ここがサイドチェーンとの決定的な違いです。実際、いま多くのDeFiやNFTはL2で動いており、ガス代を抑えたい人はL2を使いこなせるかどうかで体験が大きく変わります。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

レイヤー2(L2/セカンドレイヤー)とは?基本情報

レイヤー2(L2/セカンドレイヤー)とは、イーサリアムなどのメインチェーン(レイヤー1)の外側で取引を処理し、L1の混雑や高いガス代といったスケーラビリティ問題を解決する技術の総称です。処理をL1の外(オフチェーン)で行い、その結果や証明だけをL1に記録することで、L1の堅牢なセキュリティを引き継ぎながら、大量の取引を安く速く捌けるのが特徴です。

ビットコインやイーサリアムは、安全性と分散性を重視する代わりに処理能力に限界があり、利用が増えると手数料が高騰します。この「スケーラビリティのトリレンマ」を、L1本体を変えずに解決する現実解としてレイヤー2が広く採用されました。2026年時点では、イーサリアムのスケーリングはレイヤー2が主役という位置づけが定着しています。まずは基本情報を押さえましょう。

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項目内容
名称レイヤー2(Layer2/L2/セカンドレイヤー)
目的L1の混雑緩和・ガス代削減・取引の高速化
処理の場所L1の外(オフチェーン)で処理し、結果をL1に記録
セキュリティL1(イーサリアム等)のセキュリティを継承
主な方式ロールアップ(Optimistic Rollup/ZK Rollup)
代表例(ETH)Arbitrum・Base・Optimism・Polygon zkEVM
代表例(BTC)Lightning Network・Stacks

レイヤー2を理解する土台として、イーサリアム本体の仕組みはイーサリアムとはの記事、L1の外で処理する考え方はオフチェーンの記事もあわせて参考になります。次章から、その心臓部である「ロールアップ」の仕組みを解説します。

レイヤー2の仕組み|主流は2つの「ロールアップ」

現在のレイヤー2の主役はロールアップ(Rollup)という技術です。ロールアップは、L1の外で大量の取引をまとめて処理し、その取引データや正しさの証明を圧縮してL1に書き戻す仕組みです。これによりL1の混雑を避けつつ、L1のセキュリティで最終的な正しさを担保します。ロールアップには、正しさの証明方法が異なる2つの方式があります。

Optimistic Rollup|まず信用し、疑わしければ後で証明

Optimistic Rollup(オプティミスティック・ロールアップ)は、「取引は基本的に正しい」と楽観的(オプティミスティック)に仮定して処理を進める方式です。不正があった場合にだけ、後から「不正証明(フロードプルーフ)」で異議を申し立てられる設計になっています。

この仕組みのため、取引に異議を申し立てられる猶予期間(チャレンジ期間)として通常7日間が設けられており、L2からL1へ資産を戻す(出金する)際にはこの期間を待つ必要があります。実装が比較的容易でイーサリアムとの互換性が高く、ArbitrumやOptimism、Baseがこの方式を採用しています。

ZK Rollup|数学的に正しさを証明する

ZK Rollup(ゼロ知識ロールアップ)は、取引が正しいことをゼロ知識証明という暗号技術で数学的に証明してからL1に記録する方式です。あらかじめ正しさが保証されるため不正が入り込む余地がなく、出金時の長い待機期間が原則不要で、データ圧縮の効率も高いという利点があります。

一方で証明の生成に高度な計算が必要で技術的な難易度が高く、開発が難しいという課題があります。zkSyncやStarknet、Polygon zkEVM、Linea、Scrollなどが代表例で、近年はこのZK Rollupが次世代の主流と目され、開発が加速しています

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比較項目Optimistic RollupZK Rollup
正しさの担保不正証明(疑わしければ異議)ゼロ知識証明(事前に数学的証明)
出金の待ち時間通常7日原則短い
技術的難易度比較的容易高い
代表例Arbitrum・Optimism・BasezkSync・Starknet・Polygon zkEVM

レイヤー2とサイドチェーンの違い

レイヤー2としばしば混同されるのがサイドチェーンです。どちらもメインチェーンの負荷を軽くし、速く安く取引できる点は共通していますが、セキュリティの担保のされ方が根本的に異なります。ここを理解すると、両者の安全性の差が見えてきます。

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比較項目レイヤー2(ロールアップ)サイドチェーン
構造L1の上に構築独立した別のブロックチェーン
取引データL1に記録する自チェーン内で完結(L1に記録しない)
セキュリティL1を継承独自(自前の承認者)
安全性の考え方L1に守られる承認者を信頼できるかに依存

核心は「取引データや証明をL1に記録するかどうか」です。レイヤー2はL1にデータを戻すためL1のセキュリティに守られますが、サイドチェーンは自チェーンで完結し、独自の承認者(バリデータ)が安全性を担います。そのためサイドチェーンは承認者が少ないと攻撃に弱く、過去にはブリッジが狙われた大型の流出事件も起きています。「速い・安い」は似ていても、“何に守られているか”が決定的に違う——これが両者を見分ける最重要ポイントです。

レイヤー2のメリット・デメリット

レイヤー2は万能ではなく、利便性の裏に固有の弱点もあります。導入前に両面を押さえましょう。

レイヤー2のメリット
  • ガス代が大幅に安い(L1の数十分の一になることも)
  • 取引が高速で、送金やスワップの待ち時間が短い
  • L1のセキュリティを継承するため安全性が高い
  • DeFiやNFT、ゲームなど幅広いDAppsが低コストで使える
レイヤー2のデメリット・注意点
  • Optimistic Rollupは出金の確定に最大7日かかる
  • L2が乱立し、資金や流動性が分断される(フラグメンテーション)
  • ブリッジや対応チェーンの選択など、初心者には操作が複雑
  • 運営(シーケンサー)の中央集権性など、発展途上の課題も残る

主要なレイヤー2プロジェクト

実際に使われている代表的なレイヤー2を、イーサリアム系とビットコイン系に分けて紹介します。特にイーサリアム系のロールアップはDeFiやNFTの主戦場になっています。

Arbitrum|L2最大級の規模

Arbitrum(アービトラム)は、Optimistic Rollupを採用するイーサリアムL2の代表格で、預かり資産(TVL)でL2最大級の規模を誇ります。UniswapやGMXなど多くの主要DeFiが稼働しており、L2エコシステムの中心的存在です。詳細はArbitrumとはの記事で解説しています。

Base|Coinbaseが構築したL2

Base(ベース)は、米大手取引所CoinbaseがOptimismのOP Stackを使って構築したOptimistic Rollupです。Coinbaseの豊富なユーザー基盤を背景に急成長し、ミームコインやソーシャル系DAppsのハブとして存在感を高めています。

Optimism・Polygon zkEVM|主要なイーサリアムL2

Optimism(オプティミズム)はOptimistic Rollupの先駆けで、AaveやSynthetix、WorldcoinなどをサポートしOP Stackという共通基盤を各L2へ提供しています。Polygon zkEVMはZK Rollup型で、EVM互換を保ちながら低コストを実現しています。Polygonは従来のPoSチェーン(サイドチェーン的)からZK技術中心へと軸足を移しています。

Lightning Network・Stacks|ビットコインのL2

ビットコインにもレイヤー2があります。Lightning Network(ライトニングネットワーク)は、支払いチャネルを使って少額・高速・低コストの送金を実現する決済特化のL2です。Stacks(スタックス)は、ビットコイン上でスマートコントラクトやDAppsを動かすことを目指すL2で、詳細はStacksとはの記事で解説しています。

レイヤー2の将来性

イーサリアムは、L1本体をシンプルで堅牢な決済・データ層に保ちつつ、スケーリングはレイヤー2に任せる「ロールアップ中心のロードマップ」を明確に掲げています。L1のアップグレード(データ容量の拡張など)もL2の手数料をさらに下げる方向で進んでおり、今後のイーサリアム利用の大半はL2上で行われるという見方が主流です。

技術的には、証明を数学的に行うZK Rollupの進化が最大の焦点です。加えて、実行・決済・データ保存の役割を分担するモジュラーブロックチェーンの考え方が広がり、L2はその中核を担います。一方で、L2が増えすぎたことによる分断や、運営の中央集権性をどう分散化するかは、これから解決すべき課題として残っています。

ICHIZEN Capitalの視点|「どのL2か」より「L1に守られているか」

レイヤー2は種類が多く、初心者はどれを使えばよいか迷いがちです。しかし投資家がまず押さえるべきなのは個別プロジェクトの優劣ではなく、「そのチェーンはL1のセキュリティに守られたロールアップなのか、それとも独自の承認者に依存するサイドチェーンなのか」という区別です。ここを取り違えると、安全性の前提を誤ります。

実務では、出金の待ち時間(Optimisticは最大7日)、公式ブリッジの利用、そして税金の3点に注意すれば大きな事故は避けられます。L2で行ったスワップや、L2からL1へ資産を戻す際の交換は、日本では原則「雑所得」として課税対象になり得ます。日本円にしていなくても損益が確定する点は見落とされがちです。税金の全体像は仮想通貨の税金の記事で確認できます。安さと速さの裏にある「仕組みと税務」を理解して使うのが、レイヤー2と付き合う前提です。

木田 陽介

L2を使うと、イーサリアムの高いガス代が嘘のように安くなります。ただ私が必ず確認するのは「公式ブリッジか」「これはロールアップかサイドチェーンか」の2点。安さに釣られて非公式のブリッジや正体不明のチェーンに大金を移すのが一番危ない。少額で試し、公式の入口だけを使う——これだけでL2は十分に便利で安全な道具になります。

よくある質問

レイヤー2(L2)とは何ですか?わかりやすく教えてください

イーサリアムなどのメインチェーン(L1)の外で取引を処理し、混雑や高いガス代を解決するスケーリング技術です。処理はL1の外で行い、結果をL1に記録することでL1のセキュリティを引き継ぎます。「本体の混雑を外の高速レーンで捌く仕組み」とイメージすると分かりやすいです。

レイヤー2とサイドチェーンの違いは何ですか?

最大の違いはセキュリティです。レイヤー2は取引データをL1に記録しL1のセキュリティを継承しますが、サイドチェーンは独立したチェーンで自前の承認者が安全性を担います。速さや安さは似ていても、「何に守られているか」が根本的に異なります。

Optimistic RollupとZK Rollupの違いは何ですか?

正しさの証明方法が違います。Optimisticは取引を正しいと仮定し、不正があれば後から異議を申し立てる方式(出金確定に約7日)。ZKはゼロ知識証明で事前に数学的に正しさを保証する方式で、出金が速くデータ効率も高い一方、技術的難易度が高いのが特徴です。

レイヤー2を使うとガス代はどのくらい安くなりますか?

チェーンや混雑度によりますが、イーサリアムL1の数分の一から数十分の一程度まで下がることが多く、L1では数ドル以上かかる取引が数セント〜数十セントで済む場合もあります。ガス代を抑えたいなら、対応するL2を使うのが有効です。

代表的なレイヤー2にはどんなものがありますか?

イーサリアム系ではArbitrum、Base、Optimism、Polygon zkEVMなどが代表的です。ビットコイン系では決済特化のLightning Networkや、スマートコントラクトを目指すStacksがあります。用途や方式はさまざまですが、いずれもL1を補完する目的で作られています。

レイヤー2からL1へ出金するのに時間はかかりますか?

方式によります。Optimistic Rollupは不正証明の猶予期間として通常7日ほどかかります。ZK Rollupは原則短時間で出金できます。急ぐ場合は、時間を短縮できる専用のブリッジサービスを使う方法もありますが、手数料や別のリスクが伴います。

レイヤー2は安全ですか?

ロールアップ型のレイヤー2はL1のセキュリティを継承するため、独立したサイドチェーンより安全性の前提が強固です。ただしブリッジの利用や運営(シーケンサー)の中央集権性といった固有のリスクは残ります。公式のブリッジを使い、少額から試すのが安全です。

レイヤー2で得た利益に税金はかかりますか?

はい。L2上でのスワップ益やDeFiの報酬、L2からL1へ戻す際の交換で生じた利益は、日本では原則「雑所得」として課税対象です。日本円に換えていなくても、通貨を交換した時点で損益が確定し得るため、取引記録を残しておくことが重要です。

まとめ|レイヤー2は「L1に守られた高速レーン」

レイヤー2(L2/セカンドレイヤー)とは、メインチェーン(L1)の外で取引を処理し、結果をL1に記録することでL1のセキュリティを継承しながら低コスト・高速を実現するスケーリング技術です。主流はOptimistic RollupとZK Rollupの2つで、Arbitrum・Base・Optimismなどが代表例。ビットコインにもLightning NetworkやStacksがあります。

最も大切なのは、サイドチェーンとの違い=「L1に守られているか」を理解することです。レイヤー2はL1にデータを戻すぶん安全性の前提が強く、これがサイドチェーンとの決定的な差になります。実務では出金の待ち時間・公式ブリッジの利用・税金の3点を押さえれば安全に使えます。イーサリアムのスケーリングはL2が主役という流れは今後さらに強まる見込みで、暗号資産を使いこなすうえでレイヤー2の理解は欠かせないものになっています。

参考文献

1. Ethereum 公式サイト「レイヤー2(L2)ロールアップ」(仕組み・Optimistic/ZK・出金)https://ethereum.org/ja/layer-2/
2. Ethereum 公式「サイドチェーン」(L2との違い・独立したセキュリティ)https://ethereum.org/developers/docs/scaling/sidechains/
3. 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱い(FAQ)」https://www.nta.go.jp/

※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)・サービスへの投資や利用を勧誘するものではありません。レイヤー2の技術・プロジェクトの状況やブリッジの仕様は変化が速く、利用にはハッキングや資産消失のリスクが伴います。最新の情報は各プロジェクトおよび公式の情報でご確認いただき、税務の具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

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