【2023年3月13日】BTCトレード分析・ファンダメンタル情報
USDCとシリコンバレー銀行
先週から土日にかけて、USDCとシリコンバレー銀行に関するトピックがTwitterやニュースで飛び交っていました。
一旦何が起きたかを簡単にまとめます。
①USDCとは
まず初めに前提の知識からです。
USDCとは法定通貨ドルにペグされたステーブルコインで、1USDC=1ドルで取引することができます。
USDCを発行する仕組みはすごく簡単で、USDCを運営しているCircle社が顧客から1ドルを受け取り1USDCを発行します。
また、受け取ったUSDは保管し、顧客が1USDCを持ってきたら1ドルと交換できます。
②今回の問題点
今回USDCの価格が1USDC=0.93ドルまで下落しました。
なぜ下落したのか解説します。
今回の価格下落の理由はUSDCの信用問題です。上記でUSDCの発行の仕組みを解説しましたが、本当にドルを保管しているのか、という疑念が生まれました。
Circle社はUSDCの発行量と保有しているドルの残高をサイト上で公開しています。
この表によると、434億USDCの発行に対して、435億ドルを保管していることがわかります。
問題がないように見えますね。
そこに起こったのがシリコンバレー銀行の破綻です。
シリコンバレー銀行の破綻
10日カリフォルニアに本店を置くシリコンバレー銀行が経営破綻したと報じました。
同行はスタートアップを主な貸出先としており、22年末の総資産額は28兆円ほどでした。
しかし、インフレ対策による急速な利上げにより、新興企業の資金繰りが悪化し、預金の引き出しが加速。
その結果預金額が減少+α保有する有価証券も含み損になるなど信用不安を招きました。
USDCの先ほどの図を見ると、担保のうち111億ドルほどを銀行預金に、そのうち33億ドルを破綻したシリコンバレー銀行に預けていたのです。
こうなると、1USDCに対して、1USDの交換が行えなくなってしまいます。
ただ、Circle社は1USDCを1USDで交換するという契約を結んでいるため、これが実行できないと債務不履行となります。
米財務大臣による預金保護の発表
今朝FRBとFDIC(米連邦預金保険公社)がシリコンバレー銀行に関しての共同声明を公表し、預金者を完全に保護する方法で破綻処理を完了する措置を承認してます。
それに伴い、市場全体が急回復しました。
しかし、今回の件を受け、ステーブルコインのリスクが再度見直され、多くのUSDCがドルへと交換されました。
このまま出金が続き、Circle社が破綻すると仮想通貨市場にとっては大打撃となります。
ビットコイン(BTC)相場分析
BTC/USDT日足チャート
BTC/USDT4時間チャート
上昇のシナリオ
22,500ドルを突破して23,840ドルまで上昇
下落のシナリオ
21,500ドルを割り込んで、19,500ドルまで下落
相場一言アドバイス
シリコンバレー銀行の破綻によるUSDC危機で大きく下落したビットコインですが、今朝下落前の価格まで全戻しする展開となっています。
今後も銀行破綻の連鎖が続く可能性があり、今の相場ではトレードではなく下でビットコイン現物を買い集めるのが得策でしょう。
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