ゼロカットシステムとは?追証なしの仕組み・国内にない理由・注意点を解説

ICHIZEN Capitalのイチ押しポイント!


  • ゼロカットは「口座のマイナス分を業者が補填し、追証(借金)を負わせない」仕組み
    • 相場急変で残高がマイナスになっても、最大損失は入金した証拠金までに限定される
    • 採用しているのは海外取引所のみ。国内取引所には原則ない
  • 国内にない理由は「損失補填の禁止」|海外は金融庁の管轄外だから採用できる
    • 国内の登録業者は金融商品取引法により顧客の損失を肩代わりできない(要確認)
    • 海外業者は日本の規制の外にあり、各社の判断でゼロカットを採用している
  • 「必ず発動する」わけではない|ボーナス残・悪用時は執行されないことも
    • スプレッドが広めになりやすく、両建て等の悪用は執行拒否・口座凍結の対象
    • 無登録の海外業者の利用は自己責任。ゼロカットの有無だけで選ばない
  • 税金|証拠金取引の利益は雑所得で総合課税、最大約55%
    • 暗号資産のデリバティブ・証拠金取引はFXと違い申告分離課税の対象外(国税庁FAQ)
    • 2028年前後の分離課税化は「予定・未施行」。開始年・対象は要確認
木田 陽介

海外取引所の高いレバレッジが「借金にならない」と言われるのは、このゼロカットがあるからです。忖度なく言うと、便利な仕組みですが「必ず発動する魔法」ではありません。仕組みと、国内にない理由、そして落とし穴までを、税金も含めて正確に整理します。

木田 陽介
(株)ICHIZEN HOLDINGS

代表取締役

この記事の執筆者/監修者

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

監修 木田 陽介
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役

2016年から仮想通貨トレードを開始。2017年に株式会社CoinOtakuを共同で創業。同年CoinOtakuの代表に就任。2020年に東証二部上場企業に6億円でM&A。bitgetの月間取引高で世界4位を獲得。2025年にCoinOtaku代表を退任し、同年5月に株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役に就任。

目次

ゼロカットシステムとは?基本情報

ゼロカットシステムとは、相場の急変で強制ロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになった場合に、そのマイナス分を取引所が補填し、トレーダーに追証(借金)を負わせない仕組みです。結果として、トレーダーが失う最大額は、入金した証拠金までに限定されます。主にレバレッジ取引で、想定外の急落・急騰が起きたときに効いてきます。

この仕組みを採用しているのは海外の取引所のみで、日本国内の登録取引所には原則ありません。まずは全体像を早見表で押さえましょう。

スクロールできます
項目内容(2026年7月時点)
仕組み口座残高がマイナスになった分を取引所が補填し、残高を実質0に戻す
最大損失入金した証拠金まで(それ以上の借金・追証は原則なし)
採用しているのは海外取引所のみ(国内の登録業者には原則なし)
暗号資産の採用例Bitget・MEXC・BingX 等(採用有無・条件は取引所依存/要確認)
注意ボーナス残や規約違反時は発動しないことがある。無登録業者は自己責任

ポイントは、ゼロカットが「損失を減らす」仕組みではなく「損失の上限を証拠金までに固定する」仕組みだという点です。負けるときは証拠金を失いますが、それ以上の借金は負わない——ここが国内取引所との決定的な違いです。レバレッジ取引そのものの仕組みは仮想通貨のレバレッジ取引の記事で解説しています。

追証・ロスカットとの違い|証拠金取引の3段階

ゼロカットを理解するには、証拠金取引で損失が膨らむときの「3つの段階」を押さえると分かりやすくなります。多くの取引所では、次の順で進みます。

  1. マージンコール(警告)|証拠金維持率が基準(多くは50%前後)を下回ると出る警告。まだ強制決済ではなく、追加入金や決済を促す段階
  2. ロスカット(強制決済)|維持率がさらに下がると、損失拡大を防ぐためポジションが強制的に決済される
  3. ゼロカット(マイナス補填)|急変でロスカットが間に合わず残高がマイナスになった分を、取引所が肩代わりして残高0で止める

国内取引所には3つ目のゼロカットがありません。そのため、相場急変でロスカットが間に合わず残高がマイナスになると、その不足分を入金する義務=「追証(おいしょう)」が発生します。これが「FXや暗号資産で借金になる」典型例です。一方、ゼロカットを採用する海外取引所では、このマイナス分を業者が補填するため、追証・借金は原則発生しません。ここが両者の決定的な差です。

なぜ国内取引所にはゼロカットがないのか

「借金にならないなら国内でも採用すればいい」と思うところですが、そうならない理由があります。ここは誤解も多いので、正確に整理します。

各社の解説で共通して挙げられるのが、日本の金融商品取引法が「損失補填」を禁止しているという点です。国内の金融庁登録業者は、顧客のマイナス分を業者が肩代わりする行為ができないため、ゼロカットを提供できないと説明されます。ただし、この「金商法の損失補填禁止がゼロカット不可の直接の根拠」という説明は、FX系メディアで繰り返される通説であり、条文の解釈を含みます。正確な根拠は一次条文での確認が望ましい点は、忖度なくお伝えしておきます。

一方、海外の取引所は日本の金融商品取引法の管轄外(=金融庁に登録していない)であるため、各社の判断でゼロカットを採用できます。なお国内の暗号資産の証拠金取引は、自主規制で個人のレバレッジが最大2倍に制限されており、そもそも急激にマイナスへ振れにくい設計になっている点も背景にあります。

ゼロカットのメリット・デメリット

「借金にならないなら最高」と考えたくなりますが、良い面と注意すべき面の両方があります。忖度なく整理します。

メリット
  • 入金した証拠金以上を失わない=追証・借金のリスクがない
  • 最大損失が読めるため、高いレバレッジでも精神的な安心感がある
  • 想定外の暴落・暴騰でも、失う額が入金分で確定する
デメリット・注意点
  • スプレッドや手数料が広めになりやすい(補填コストの転嫁。程度は取引所依存)
  • 「借金にならない」安心感から、リスク管理が甘くなり無謀な取引をしやすい
  • 執行のタイミング・ルールが取引所ごとに異なる(即時〜数営業日、申請制の場合も)
  • 両建てや指標発表狙いのハイレバなど「悪用」と判断されると、執行拒否・利益取消・口座凍結の対象
  • 無登録の海外業者は金融庁の監督外。出金トラブル等は自己責任

ゼロカットは「必ず発動する」わけではない

最も誤解されやすいのがここです。ゼロカットは、どんな状況でも自動で必ず発動する保証はありません。次のようなケースでは発動しない、または制限されることがあります。

  • ボーナス・クレジットが残っている|有効証拠金がマイナスにならず、補填の対象にならないことがある
  • 含み益のある別のポジションを保有している|口座全体ではマイナスにならず、発動条件を満たさない場合がある
  • 規約違反・悪用と判断された|意図的な両建てや、指標発表を狙ったハイレバ取引などは執行拒否の対象になり得る
  • 相場急変時のサーバー状況や各社規約|執行が遅延・制限される可能性があり、「即時・確実」とは言い切れない

過去には「ゼロカットがあるはずなのに追証を請求された」という指摘もあります。ゼロカットの有無や条件は取引所ごとに異なり、規約で最終確認するのが鉄則です。そして何より、ゼロカットを当てにして無謀な倍率で取引しないこと。倍率を抑えることが、結局いちばんの防御になります。

\ゼロカットを採用する総合型の大手/

公式サイトはこちら

ICHIZEN Capitalの視点|証拠金取引の利益と税金

ゼロカットは損失側の話ですが、利益が出たら必ず関わるのが税金です。ここは誤解が多いので、事業者視点で正確に整理します。

ゼロカットのある海外取引所の証拠金取引で得た利益も、日本の居住者であれば原則「雑所得」として総合課税されます。給与などと合算され、税率は住民税を含めて最大で約55%(概算)です。誤解が多いのが、FX(外国為替証拠金取引)が申告分離課税なのに対し、暗号資産のデリバティブ・証拠金取引は申告分離課税の対象外という点です。国税庁のFAQ(令和7年12月版)でも、暗号資産の証拠金取引には先物取引の申告分離課税の特例は適用されず、総合課税で申告すると整理されています。ゼロカットで損失が出た年も、暗号資産の雑所得の損失は給与など他の所得と通算できず、翌年への繰越もできません。海外取引所は損益計算が自己責任になりやすいので、取引履歴は最初から保存しておきましょう。税金の全体像は仮想通貨の税金の記事で詳しく解説しています。

なお税制は変わろうとしています。令和8年度税制改正で、一定の暗号資産取引の利益を税率約20%(住民税等込みで約20.315%)の申告分離課税とする方針が示されました。ただし適用開始は金融商品取引法の改正の施行が前提で、2028年前後とされるものの開始年は未確定・要確認です。対象も限定される見込みで、詳細は今後の法令で確定します。現時点では、証拠金取引の利益は従来どおり雑所得・総合課税で申告します。

水野 倫太郎

ゼロカットで「借金にならない」のは事実ですが、税金は別問題です。利益が出れば総合課税で最大約55%、しかも暗号資産は分離課税ではありません。さらに損失が出ても他の所得と相殺できないので、勝った年の納税資金は必ず円で確保を。ハイレバで大きく動く取引ほど、税務の管理が効いてきます。判断に迷えば税理士へ。

よくある質問

ゼロカットシステムとは何ですか?

相場の急変で強制ロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになった場合に、そのマイナス分を取引所が補填し、追証(借金)を負わせない仕組みです。トレーダーが失う最大額は入金した証拠金までに限定されます。採用しているのは海外取引所のみです。

ゼロカットとロスカットの違いは何ですか?

ロスカットは、損失拡大を防ぐためにポジションを強制決済する仕組みです。ゼロカットは、そのロスカットが間に合わず残高がマイナスになった分を取引所が補填する仕組みです。順番としては、マージンコール(警告)→ロスカット(強制決済)→ゼロカット(マイナス補填)の流れになります。

なぜ日本の国内取引所にはゼロカットがないのですか?

国内の登録業者は、日本の金融商品取引法が「損失補填」を禁止しているため、顧客のマイナス分を肩代わりできないと各社が説明しています(法解釈を含む通説で、正確な根拠は一次条文の確認が望ましい点は留意)。海外業者は日本の規制の管轄外のため、各社の判断で採用できます。

ゼロカットは必ず発動しますか?されない原因は?

必ず発動するとは限りません。ボーナスやクレジットが残っていて有効証拠金がマイナスにならない場合、含み益のある別ポジションがある場合、規約違反・悪用と判断された場合などは発動しないことがあります。相場急変時のサーバー状況にも左右されるため、規約で条件を確認してください。

ゼロカットがあるとスプレッドが広くなるって本当ですか?

一般論として、ゼロカットで補填リスクを負う分、スプレッドや手数料にコストが転嫁され広めになりやすい傾向があるとされます。ただし程度は取引所によって異なるため、実際のスプレッド・手数料は各取引所で比較して確認しましょう。

ゼロカットを悪用するとどうなりますか?

意図的な両建てや、経済指標の発表を狙ったハイレバレッジ取引など、ゼロカットを前提にした取引が「悪用」と判断されると、ゼロカットの執行拒否、利益の取消、口座凍結などのペナルティ対象になり得ます。規約の禁止事項を必ず確認しましょう。

どの海外取引所がゼロカットを採用していますか?

暗号資産ではBitget・MEXC・BingXなどが採用しているとされます(採用有無・条件は取引所依存で要確認)。なおBybitもゼロカットを採用してきましたが、日本市場から撤退を進めており、日本居住者は2026年7月時点で実質利用できません。最新の対応は各取引所の公式規約で確認してください。

ゼロカットで損失が出たら確定申告で使えますか?

暗号資産の証拠金取引の損失は雑所得の損失にあたり、給与など他の所得と損益通算できず、翌年への繰越もできません。利益側は総合課税で最大約55%課税される一方、損失はこのように扱いが厳しい点に注意が必要です。判断に迷う場合は税理士に相談しましょう。

まとめ|ゼロカットは「借金を防ぐ」仕組み、当てにしすぎない

ゼロカットシステムは、相場急変で口座がマイナスになった分を取引所が補填し、追証(借金)を負わせない仕組みです。採用しているのは海外取引所のみで、国内は損失補填の禁止などを理由に原則ありません。最大損失が入金した証拠金までに限定されるのは、大きな安心材料です。

ただし、ボーナス残や規約違反時には発動しないことがあり、「必ず・確実」ではありません。スプレッドが広めになりやすく、無登録の海外業者は自己責任という点も忘れないでください。利益には雑所得・総合課税で最大約55%の税金がかかり、損失は他の所得と通算できません。ゼロカットを当てにして無謀な倍率で取引せず、仕組みとリスク、税金まで理解したうえで、無理のない範囲で活用しましょう。

参考文献

1. 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和7年12月)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/
2. 金融商品取引法(損失補填の禁止・第39条/条文は e-Gov 法令検索を参照)
3. 令和8年度税制改正大綱(暗号資産の申告分離課税化の方針、2025年12月)
4. 各海外取引所の公式ヘルプ・利用規約(ゼロカットの採用有無・執行条件、2026年7月時点/要確認)

※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の取引所・取引手法を勧誘するものではありません。ゼロカットの採用有無・執行条件・上限・スプレッドは取引所により異なり、変更される場合があるため、最新情報は各取引所の公式規約でご確認ください。「国内でゼロカットがない理由=金商法の損失補填禁止」は各社解説に基づく通説で、法解釈を含みます。暗号資産の証拠金取引はリスクが高く、ゼロカットは常に確実に発動するとは限りません。税制は今後変更される可能性があり、分離課税化の適用開始年・対象範囲は要確認です。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

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