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オフチェーンとは?意味や仕組み、実装例、問題点を初心者向けに解説!

「オフチェーンってなに?」

と悩んでいる方も多いかと思います。

確かにブロックチェーンに関する技術ってなんだか難しそうですよね。

そこでこの記事では、オフチェーンの仕組みやメリット、デメリットなどを詳しく解説しています。

この記事を読めば、オフチェーンについて理解でき、さらにはオフチェーンを利用した最新技術についても知ることができます!

この記事をざっくりまとめると
  • ブロックチェーンの外側で取引を行う
  • スケーラビリティ問題を解決する
  • 安い手数料で高速な送金を行える
  • セキュリティに不安がある
目次

ブロックチェーンのオフチェーンとは

ブロックチェーンのオフチェーンとは

​オフチェーンとオンチェーンの違い

オフチェーンとは、ブロックチェーンの外側を意味します。

オフチェーン取引では、幾つかの取引をまとめ、取引の最初と最終的な結果だけをブロックチェーンに記録します。

一方でオンチェーン取引では、ブロックチェーンを利用して取引を行い、すべての取引をブロックチェーンに記録します。

そのためオフチェーンとオンチェーンでは、「必要な情報量」が決定的に異なり、オフチェーンの取引はスケーラビリティ問題を解決する技術として注目を浴びています。

​サイドチェーンとの違い

​オフチェーンと似た言葉で、勘違いしやすいものとして、サイドチェーンというものがあります。

サイドチェーンとオフチェーンはよく並べて語られることが多いのですが、全く別のものなので注意してください。

オフチェーンが「オンチェーンと対をなし、メインチェーンに記載されない取引」という概念的なものです。

それに対して、サイドチェーンは「メインチェーンから分岐して、メインチェーンの働きを助けたり、独自のシステムを導入したりするためのブロックチェーン」というチェーンそのものを指します。

​オフチェーンの仕組み

​ブロックチェーンと、オフチェーン取引の関係を図で示すと上のようになります。​

オフチェーン取引の部分は、種類によって大きく異なるため一概には示せませんが、以下のような流れが共通するものとしてのあります。

  1. メインチェーンに存在するコインをオフチェーン取引用に確保する(デポジット)
  2. オフチェーンで取引を繰り返す
  3. ​最終的な結果だけをメインチェーンに記録する

図ではオフチェーンでの取引は2回しか行われていませんが、実際は数十回取引を行ったとしても、最終的なブロックチェーンへの記録回数は全く変わりません

このことが、オフチェーンでの取引を採用している最も重要な理由です。

​オフチェーンのメリット

​スケーラビリティ問題を解決する

ビットコインはスケーラビリティ問題と呼ばれる「トランザクション数が多すぎることによる送金詰まり」と言う問題を抱えています。

具体的には送金に時間がかかり、手数料が上がってしまします。

オフチェーンを利用したライトニングネットワークなどの技術では、トランザクション自体を極力まとめて数を減らす方法を取っています。

そうすることで、単純にトランザクションの数が減り、ブロックサイズがそのままであっても数多くの取引を行うことができるようになります。

​手数料を大幅に削減する

オンチェーン取引に比べオフチェーンでの取引はトランザクション数が少ないため、マイニングの回数を少なく抑えることができます。

結果として、一回の取引でユーザーが負担する手数料を大幅に削減することができます。

​超高速の取引を実現する

​オンチェーン取引においては、1回1回のトランザクションがブロックチェーンに記載されるまで取引が完了せず、コインを動かすことができません。

それに対してオフチェーン取引においては、マイニング作業がないため一瞬で送金を完了することができます

ブロックチェーンに記載されるのは通常通りですが、オフチェーンのネットワーク内に限っては、高速で送金を繰り返すことができます

オフチェーンのデメリット​

​セキュリティが脆弱になる​

オフチェーンでの取引はオンチェーンとは異なり、一時的にブロックチェーンから切り離されたところで取引を行います。

そのため、その移動の途中で攻撃を受けやすくなってしまいます。

オンチェーンはブロックチェーンを利用しているため、オフラインで通貨が保管できたり、マイニングが安定したりなど、そのセキュリティは極めて強固なものとなっています。

何でもかんでもオフチェーンとするのではなく、オンチェーンの問題点を補完するという形でオフチェーン取引を利用することが求められます。

取引がブラックボックス化する

オフチェーンでの取引が行われると、他の人の取引がどのように行われているかを知ることが難しくなっています。

そのため、オンチェーンの時は可能な相互監視がしづらくなります。

オンチェーンではブロックチェーンに記録されている取引履歴を誰でも見ることができ、相互監視ができるようになっています。

中央集権化する

​オフチェーンでの取引はものによっては完全に一部の管理者に管理された閉じたネットワークとなります。

そのため、中央集権化してしまう可能性があります。

オンチェーン取引では、取引の承認などをユーザー間で分担することで非中央集権を実現しています。

​オフチェーンの利用例

暗号資産(仮想通貨)取引所での取引

​暗号資産(仮想通貨)取引所で行っている、ビットコインの購入、交換、売却などにはオフチェーン取引が利用されています。

マイニングの承認作業に時間を取られ、相場の変化によって取引のタイミングを逃すということが起きるのを防いでいます。

取引所内のネットワークで金額の移動だけをデータとして扱いオフチェーンで管理して、本物のコインの移動はその裏でブロックチェーンに記録するという形を取っています。

​ライトニングネットワーク 

ライトニングネットワークは​、ビットコインにおけるスケーラビリティ問題を解決する注目されている技術です。

ライトニングネットワークは、安い手数料で少額の決済を可能にしています。

既存のペイメントチャンネルを経由することで、中継の人を知らなくても無駄なトランザクションを減らし、より効率的に取引するシステムです。

​ライデンネットワーク

​ライトニングネットワークが、ビットコインに最適化されたオフチェーン取引の技術であるのに対して、ライデンネットワークはイーサリアムに最適化したものです。

ライデンネットワークも、ライトニングネットワーク同様、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する可能性を持ったプロジェクトです。

大きく異なる点として、RDNという独自トークンを発行し、ICOを行ったところです。

​オフチェーンまとめ

この記事をざっくりまとめると
  • ブロックチェーンの外側で取引を行う
  • スケーラビリティ問題を解決する
  • 安い手数料で高速な送金を行える
  • セキュリティに不安がある

オフチェーンの技術はビットコインのスケーラビリティ問題を解決する可能性を秘めています。

その一方で、セキュリティや取引の透明性が失われるといったデメリットもあります。

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この記事を書いた人

水野倫太郎のアバター 水野倫太郎 Ichizenholdings代表

慶應義塾大学経済学部。
2017年米国留学時にブロックチェーンと出会い、Web3の業界に足を踏み入れる。
2018年には、日本有数の仮想通貨メディアCoinOtakuに入社。
2019年には同社のCMOに就任し、2020年に東証二部上場企業とM&Aを行い、様々なクリプト事業を展開する。
2022年に現在代表取締役社長を務めるICHIZEN HOLDINGSを立ち上げ様々なWeb3事業を手がける。
複数のWeb3系事業に出資を行いながら有識者として活動。

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