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プライベートブロックチェーンとは?メリット・デメリットや応用事例を解説!

「プライベートブロックチェーンって何?」「ブロックチェーンって何種類あるの?」

そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

今回は、まずブロックチェーンの種類について説明したうえで、プライベートブロックチェーンに焦点を当てて説明していきます!

これを読めば、プライベートブロックチェーンのメリットやデメリット、そしてその将来性まで理解して頂けると思います!

目次

​​プライベートブロックチェーンとは​

​プライベートブロックチェーンについて理解してもらうために、まずはブロックチェーンについて軽く説明しておきます!

ブロックチェーンとは、一言で言うと、

「およそ10分ごとにトランザクション(取引記録)を区切って1つのブロックとして書き込み、それを前のブロックとチェーン(鎖)のようにつないだもの」です!

ブロックチェーンの仕組みを厳密に説明するととても長くなってしまうので、ここでは簡潔に済ませます。

もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!

それでは、ブロックチェーンをいくつかの種類に分けて説明していきます!

ブロックチェーンは下の図のように分類されます。

それでは一つずつ見ていきましょう。

​パーミッションブロックチェーンとパブリックブロックチェーン​

まずはブロックチェーンを「参加者を限定するかどうか」で分類します。

ここで、「参加者」とは「取引の確認やブロックの生成に参加する者」を指します。

・参加者が限定されている→参加が管理者から許可されている→パーミッション型

​金融機関などの組織の内部で運用されやすいブロックチェーンです。

​パーミッション型はさらに2つに分かれます。

・参加者が限定されていない→誰でも参加できる→パブリック型

​一般的に「非中央集権」と呼ばれるブロックチェーンはパブリック型に分類されます。

代表的なのはビットコインやイーサリアムのブロックチェーンです。

​プライベートブロックチェーンとコンソーシアムブロックチェーン​

次に、パーミッション型ブロックチェーンは「管理主体が単独か複数か」でさらに2つに分かれます。

・管理主体が単独→プライベート型

管理主体が単独なので、自社内の既存のデータベースの性能を高める「情報システム」としての運用がメインです。

技術開発や検証が自社の組織内で完結するので、深く性能を追求することが可能です。

詳しいメリット・デメリット、応用事例はこれから詳しく説明します!

・管理主体が複数→コンソーシアム型(コンソーシアムは英語で協会という意味)

メリット・デメリットは基本的にプライベート型と似ています。

管理主体が複数なので、プライベート型よりもデータの改ざんは起こりにくくなっています。

コンソーシアム型が使われている例として、Hyperledgerプロジェクトの「Hyperledger Fabric」や「Hyperledger Iroha」が挙げられます。

プライベートブロックチェーンまとめ

参照:Fujitsu 金融ソリューション ~ブロックチェーン技術への取り組み~

パブリックブロックチェーン

​・管理者がいない

・誰でもネットワークに参加できる

・ビットコインのブロックチェーンが代表的である

パーミッションブロックチェーン①コンソーシアム型

​・管理者が複数存在する

・グループ内で利用される

・パブリック型とプライベート型の中間と言える

パーミッションブロックチェーン②プライベート型

​・管理者が単独である

・組織内でのみ利用される

・リップルが代表的である

以上より、プライベートブロックチェーンは、

「中央管理者が限定されていて、かつそれが単独なブロックチェーン」

ということになります。

プライベートブロックチェーンのメリット​

​プライベートブロックチェーンのメリット①プロトコルを変更しやすい

​ブロックチェーンを運営している中央管理者はブロックチェーンのルールや過去に承認されたトランザクションを簡単に変更することができます。

企業がブロックチェーンを活用したプロジェクトを行う場合、上記のようなデータの変更を行う必要が生じるので、大きなメリットとなります。

一方、中央管理者がいないパブリックブロックチェーンでは、プロトコルの変更は一切できません。

​​プライベートブロックチェーンのメリット②プライバシーが守られている

​​プライベートブロックチェーンでは、ブロックチェーン上の情報公開を中央管理者が制限することができます。

よって、プライバシーを保護することが可能です。

企業がブロックチェーンを活用してプロジェクトを行う際、プライベートブロックチェーンを使えば、顧客情報の外部流出を防ぐことができ、大きなメリットをもたらすこととなります。

​プライベートブロックチェーンのメリット③​取引承認が早い

匿名の1万人の中での合意形成よりも、お互い顔の知れた10人の中での合意形成の方が圧倒的に早い、というのはイメージできますよね!

それと同じような話です。

パブリックブロックチェーンでは不特定多数のノードがトランザクションの検証を行うのに対し、プライベートブロックチェーンでは​中央管理者によってあらかじめ許可された少数の信頼性の高いノードがトランザクションの検証を行います。ですので、取引の承認も非常に早く行うことができます。

このメリットは「ファイナリティ(決済完了)までにかかる時間が短い」と呼ばれることもあります。

ここでノードという暗号資産(仮想通貨)用語が出てきましたが、ノードについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

​​プライベートブロックチェーンのメリット④手数料が安い

​取引承認の早いことを、送金の際の手数料の面から捉えたときのメリットです。

「取引承認が簡単だから、手数料も安い」という程度の理解で大丈夫です!

​​プライベートブロックチェーンのメリット⑤マイニング報酬などのインセンティブがいらない

​​ビットコインにはマイニングと呼ばれる仕組みがあります。

マイニングを一言で言うと、「取引記録が書き込まれたブロックを、ブロックチェーンに繋ぐための作業」です。

中央管理者がいないビットコインネットワークを維持する経済的インセンティブとして、マイニング報酬が存在するのです。

ですが、プライベートブロックチェーン内の取引は信頼のあるメンバー同士で行われることが前提となっています。

したがって、プライベートブロックチェーンでは承認行為に対して報酬を出す必要はありません。

マイニングについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!

​プライベートブロックチェーンのデメリット​​

プライベートブロックチェーン​​のデメリット①中央管理者によるデータ改ざんのリスクがある

​プライベートブロックチェーンは、中央管理者への信頼で成り立っているシステムです。

中央管理者は勝手に、台帳を書き換えて不正に暗号資産(仮想通貨)を入手することも可能です。

先ほどメリットとして紹介した「プロトコルの変更がしやすい」は良いようにも、悪いようにも作用してしまうということです。

中央管理者の裁量がすべてです。

プライベートブロックチェーン​​のデメリット②カウンターパーティーリスクがある​

​カウンターパーティーリスクとは、「取引の仲介者が機能しないことによって取引が停滞してしまうこと」を言います。

プライベートブロックチェーンには中央管理者がいますが、これは取引の仲介者的存在だと言えます。

このような状況では、従来の取引で生じていたようなカウンターパーティリスクが生じるリスクがあります。 

​プライベートブロックチェーン​​のデメリット③データの永続性や可用性が低い

先ほどメリットとして挙げたようにプライベートブロックチェーンではプロトコルの変更が簡単です。ですので、永続的なデータの保存には向いていません。

また、プライベートブロックチェーンでは中央管理者に制限されたネットワーク内でのみ有効な暗号資産(仮想通貨)(トークン)しか作ることができません。よって、データの可用性が低いと言えます。

​3種類のブロックチェーンのメリット・デメリットを比較​

プライベート
ブロックチェーン
パブリック
ブロックチェーン
​メリット​・プロトコルの変更がしやすい
・プライバシーが守られている
・取引承認が早い
・手数料が安い
・マイニング報酬などのインセンティブがいらない
​・改ざんや二重承認がされにくい
・カウンターパーティーリスクが低い
・データの永続性や可用性が高い
​デメリット​・中央管理者によるデータ改ざんのリスクがある
・カウンターパーティーリスクがある
・データの永続性や可用性が低い
​・プロトコルの変更が困難
・プライバシーが守られていない
・取引承認が遅い
・手数料が高い

コンソーシアムブロックチェーンはプライベート型とパブリック型の中間です。

コンソーシアムブロックチェーンは複数の組織で団体で運用されてるため、プライベート型よりもデータ改ざんのリスクが低く、パブリック型よりも取引承認が速い、と理解しておきましょう。

​プライベートブロックチェーンを使った応用事例​

​プライベートブロックチェーン応用例①リップル​

​プライベートブロックチェーンを採用している暗号資産(仮想通貨)としてリップルが有名です。

リップルは、Ripple社独自の分散型台帳システム「XRP Ledger」を使用することにより、迅速な決済・送金を実現しました。

リップルについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!

​プライベートブロックチェーン応用例②Mijin

​Mijinはネムのデベロッパーである3人が、暗号資産(仮想通貨)取引所「Zaif」を運営するテックビューロ社の専属となり、共同開発した技術です。

金融機関から個人デベロッパーまで、すべての人がプライベートなブロックチェーンを構築するためのプラットフォームです。

​Enterprise Ethereum Alliance(EEA)

EEAは、2017年2月に、プライベートなシステムを必要とする取引を行う金融機関や企業のニーズを満たすために、イーサリアムによって発足されました。

パブリックチェーンとプライベートチェーン間で相互互換性を持たせる取り組みです。

Enterprise Ethereum Alliance 公式サイトはこちら

​Hyperledger Burrow​

Hyperledgerとは、ブロックチェーンの技術を暗号資産(仮想通貨)に限らず最大限に利用することを目的として生まれたコミュニティです。

Hyperledger Burrowは、世界中のIT企業が協力して立ち上げたHyperledgerプロジェクトの傘下で、​Ethereumから派生したパーミッション型のスマートコントラクトマシンの実現を目指しています。

Hyperledger Burrow 公式サイトはこちら

​MultiChain​

​MultiChainはビットコインからフォークしたブロックチェーンです。

参加できるノードを制限すれば、プライベートブロックチェーンとして使うことができます。

MultiChain 公式サイトはこちら

​​プライベートブロックチェーンまとめ

​​プライベートブロックチェーンについて理解して頂けましたか?

中央管理者を存在していることで、金融機関や企業等に非常に親和性が高いブロックチェーンです。

ブロックチェーンは中央管理・分散型管理のバランスをうまくとりながら日々改良が重ねられています。

今後もブロックチェーンの技術改良から目が離せませんね!

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この記事を書いた人

水野倫太郎のアバター 水野倫太郎 Ichizenholdings代表

慶應義塾大学経済学部。
2017年米国留学時にブロックチェーンと出会い、Web3の業界に足を踏み入れる。
2018年には、日本有数の仮想通貨メディアCoinOtakuに入社。
2019年には同社のCMOに就任し、2020年に東証二部上場企業とM&Aを行い、様々なクリプト事業を展開する。
2022年に現在代表取締役社長を務めるICHIZEN HOLDINGSを立ち上げ様々なWeb3事業を手がける。
複数のWeb3系事業に出資を行いながら有識者として活動。

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