暗号資産の世界では、個人トレーダーが短期間で大きなリターンを出す話は珍しくありません。
でも、それが「会社としての運用実績」となると、少し見え方が変わります。

「HyperLending」を運営する(株)ICHIZEN HOLDINGSの運用実績サマリーに記載されていたのは、累計リターン+430.5%、倍率にして約5.3倍というかなり強い数字。

では、このリターンはどのように生まれたのか。
そして、大きなリターンの裏側で、どのようにリスクを管理しているのか。

今回は、暗号資産アナリストの仮想NISHI氏をお招きし、当社共同代表の木田に、ICHIZENの暗号資産運用の裏側を率直に聞いていただきました。

仮想NISHI

暗号資産アナリスト/ 元SBIHDデジタルスペース室副室長 ←元SBINFT 取締役-SBIVCトレード事業戦略担当 ←元Yahoo!JP←シンクタンク研究員←銀行運用担当 /著書「暗号資産の裏・投資戦略」/将棋アマ三段

木田 陽介

株式会社ICHIZEN HOLDINGS 共同代表/CoinPartner元代表取締役:2020年に東証2部上場企業とM&A。2年間上場子会社の代表として経営。東証スタンダード市場上場企業の役員も兼任/BTC Maximalist

後編はこちら「仮想NISHIが聞く、HyperLendingの仕組み|高い利率の裏側にあるリスクとは【後編】

仮想NISHI

忖度なしでビシバシ運用状況等聞いていきます

木田 – ICHIZEN

なんでも聞いてください!

詳細はこちら→

ICHIZENの運用実績「+430.5%」って本当??

仮想NISHI

ICHIZENさんの運用実績サマリーを見ているんですけど、、、

累計リターンが27ヶ月でプラス430.5%。倍率に直すと約5.3倍ですよね。

これ、本当に合っているんですか????

木田 – ICHIZEN

そうですね(笑)

結構怪しまれるんですけど、この数値は実績として出ています!

仮想NISHI

個人で5倍、6倍になった人は、暗号資産の世界だとよく見ます。

でも、ちゃんと組織で運用して、この数字を出しているところって、日本ではなかなか見ないですよね。

木田 – ICHIZEN

確かにそうですね。
あまり私も聞くことがないので、驚かれることは多いです。

仮想NISHI

やっぱりそうですよね。

じゃあ、知りたいです!

どうやってやっているんですか??

「どうやって5.3倍に?」木田が語ったまずBTCを見るという戦略

木田 – ICHIZEN

もともと僕自身、BTC Maxi的な考え方を持っていました。
ビットコイン(BTC)を最大限持つ、という考え方ですね。

その視点でいうと、ビットコインよりも値動きが大きくなる銘柄、大きく上がる可能性もあるし、大きく下がる可能性もある銘柄を見つけていく。これが一つ目のポイントです。

仮想NISHI

なるほど。BTC Maxiとしての視点がスタートですね。

木田 – ICHIZEN

ただ、いきなり個別銘柄を見るわけではありません。
まずはビットコインの相場を見ます。オプション市場やマクロ市場を中心に、BTCの上下のトレンドを見極めます。

そのうえで、たとえばミームコインがすごく流行っている時期であれば、Solana(SOL)に資金が流れやすいよね、という仮説を立てる。

もしビットコインが上昇トレンドに入ると見ているなら、その局面ではビットコインよりソラナ(SOL)の方がアウトパフォームする可能性がある。そういう銘柄選定をしながら、細かくトレードしていくのが基本戦略です。

仮想NISHI

なるほどですね。

でも、そのやり方ってリスクありますよね??

木田 – ICHIZEN

そうですね。リスクはかなり大きかったと思います。

ただ、基本的には自己勘定でやっていました。
うちはファンドだけではなく、事業からの収入もあったので、一定のリスクは取れていました。

運用の失敗が会社の経営を大きく傾ける、という状況ではなかったので、そこは積極的にリスクを取りにいけたと思います。

木田 – ICHIZEN

あと、インサイダー情報という話ではないんですけど、メディア(暗号資産メディアのCoinPartner)を運営していた経験も大きかったです。

どれくらいの人がメディアを見に来ているのか。
相場が盛り上がっているときに、(暗号資産取引所の)新規登録がどれくらい増えているのか。


そういったデータを、相場とセットで見ることができました。

仮想NISHI

なるほど。
ちょっとだけずるいところがありますね(笑)

木田 – ICHIZEN

確かにそうですね(笑)

相場が本当に盛り上がっているのか。
あるいは、価格は動いているけれど、実際には「あまり人がいないな」という状態なのか。

価格だけでは見えない「相場の温度感」を見られたことは、今の運用にも活きています。

ICHIZENの運用体制は??

仮想NISHI

面白いですね。
ちなみに、ディーラーは何人くらいいるんですか?

木田 – ICHIZEN

ディーラーは僕を含めて3人います。
あとは、システム開発などを行うエンジニアが2人います。
ディーラーの中でも役割は分かれていて、僕が基本的には取引担当です。
残りの2人は、アナリストというか、分析に集中してもらっています。

仮想NISHI

戦略を2人が考えて、木田さんがボタンを押すと。

木田 – ICHIZEN

そうです。ポチッと。

木田 – ICHIZEN

ただ、分析担当の中でも役割を分けています。
クリプト市場だけを見ているメンバーもいれば、米国株、ゴールド、金利動向など、マクロ市場まで含めて見ているメンバーもいます。

オプション市場の毎日の微細な変化を捉えつつ、マクロ全体でどういう流れになっているのかも見る。

そうやってチームを分けて分析することで、日々情報をアップデートしています。

仮想NISHI

つまり、BTCの価格だけではなく、オプション市場やマクロも見ながら判断しているということですね。

木田 – ICHIZEN

そうですね。
ビットコインの相場を見極めたうえで、どの銘柄がビットコインを上回る可能性があるのかを見る。

ミームコイン相場ならソラナに資金が流れるかもしれない。別のテーマが来るなら、また別の銘柄を見る。

そういう形で仮説を立てています。

木田 – ICHIZEN

オプション市場では、投資家がどの価格帯にリスクを置いているのか、どの方向に値動きが出やすいのかを読み取る手がかりがあります。

特に暗号資産市場では、レバレッジポジションやデリバティブの積み上がりによって、価格が一方向に大きく動くことがあります。

どの価格帯を抜けると値動きが加速しやすいのか。
どこで市場参加者のポジションが偏っているのか。
どの局面でボラティリティが生まれやすいのか。

ICHIZENでは、こうした市場構造も見ながらポジションを構築しています。

リスク管理の意識は??

仮想NISHI

なるほど。

ところでポジションを持つときに、どんなリスクを意識したり、管理したりしているんですか?

木田 – ICHIZEN

一番意識しているのは、逆行したときです。
自分たちが思っていた方向と逆に相場が動くことは、どんなトレーダーでも必ずあります。

そのときに、どこで損切りするのか。
逆行したときに、加速に巻き込まれない位置でポジションを持てているのか。
そこが非常に大事です。

仮想NISHI

加速に巻き込まれない、というのは?

木田 – ICHIZEN

暗号資産市場では、ある価格帯を抜けると、清算やヘッジの動きが重なって、値動きが一気に加速することがあります。

なので、僕たちは加速ポイントを事前に見ます。
どこを超えたら相場が走りやすいのか。
どこを割ったら危ないのか。
そのうえで、損切りポイントを明確にして、ポジションを構築します。

仮想NISHI

大事。大事。

木田 – ICHIZEN

オプションの用語でいうと、ガンマエクスポージャー*のような指標も一つの参考になります。

そういったものを見ながら、リスク管理を最初に考えたうえでポジションを作っていく。
これが、自己勘定で運用しているときのリスク管理方法です。

*ガンマエクスポージャー(GEX)とは、オプション市場において「株価が1動いたときに、証券会社などのマーケットメーカーがどれだけ株の売買(ヘッジ)をしなければならないか」を示す感応度・リスク指標です。

トレードだけではない。DAT企業支援で培った実務知見

仮想NISHI

昨年2025年あたりからDAT企業、つまりビットコインなどを財務戦略にする企業が増えていますよね。

ICHIZENは、そうしたDAT企業を支援しているというのも珍しいと思うんですが、どういう支援をしているんですか?

木田 – ICHIZEN

メタプラネットさんを筆頭にどんどん増えましたよね。

ICHIZENでは、DATの初期段階・構想段階から支援させていただくことが多く、、、

初めてビットコインや暗号資産を購入する企業に対して、財務戦略や中期経営計画、どのタイミングで買えばいいかといった戦略面を主に支援します。

木田 – ICHIZEN

それだけではなく、そもそも会計処理や監査に耐えられるように、その企業の内部統制を整える必要もあります。

そういった部分のシステム提供や体制整備、監査法人対応まで支援してきました。(Ex.CRYPTOGovernance

仮想NISHI

運用の支援だけではなく、監査や内部統制の周りまで支援する会社ということですね。

木田 – ICHIZEN

そうです!

もともと、暗号資産メディアの会社を上場企業に売却した経験があり、その会社で暗号資産を保有していたので、上場企業の子会社として内部統制を整える必要がありました。

その経験を活かして、DAT企業の支援ができているというのがあります。

仮想NISHI

企業が暗号資産を保有する際のほとんどの課題に対応できちゃうんですね。すごい。

取引量で日本勢1位・世界4位になったことも

仮想NISHI

運用関連に話が戻りますが、、

資料を見ると、過去には取引量で日本一になったこともあるんですよね?

木田 – ICHIZEN

そうですね!

(あまり大きな声では言えないのですが)海外取引所のBitgetで、通常業務の一環としてトレーディングをしていたんですが、たまたまその期間がトレード大会と重なっていました。

その結果、1ヶ月で約2億ドルの取引量で、取引量部門日本勢1位、世界では4位くらいになりました。

仮想NISHI

2億ドルってなかなかですね(笑)
そしてさらに3人上がいるんですもんね。

木田 – ICHIZEN

担当の方に話を聞いたところ、トップ10のうち僕ら以外は全員中国系の方らしいです。世界は広いです。

これが去年2025年の11月くらいのタイミングで、その後、運用会社やDAT企業、ファンドの方から声をかけられる機会が増えてきました。

仮想NISHI

今は、どれくらいの企業がICHIZENさんに相談しているんですか?

木田 – ICHIZEN

相談ベースでいうと、10社くらいです。

これからDAT企業として活動していきたい企業さんや、すでに保有している暗号資産をどう活用すべきか相談したい企業さんが多いですね。

仮想NISHI

あまり良いとは言えない市況のなか、相談が増えてきているのはすごい。

編集後記:派手な数字の裏側にあったもの

「累計リターン+430.5%」という数字だけを見ると、どうしても“何を買ったのか”が気になります。

でも今回の対談で印象的だったのは、木田がむしろ「どうリスクを取るか」「間違えたときにどうするか」をかなり具体的に話していたことでした。

派手な数字の裏側にあったのは、銘柄選びだけではなく、BTCを基準にした相場の見方と、逆行したときのリスク管理。

次回は、そんなICHIZENが展開する暗号資産レンディングサービス「HyperLending」について、仮想NISHI氏がさらに踏み込んで聞いていきます。


※本記事は、仮想NISHI氏と当社共同代表・木田の対談内容をもとに構成したものです。
※本記事は、特定の暗号資産の売買や投資行動を推奨するものではありません。
※掲載している運用実績は過去の実績であり、将来の成果を保証するものではありません。
※暗号資産には価格変動リスク、流動性リスク、その他各種リスクがあります。