LPトークンとは?価格の計算・仕組み・運用戦略からおすすめDEXまで徹底解説

DeFi(分散型金融)を使い始めてから「LPトークンとはなんだ?
という疑問を抱いたことはありませんか?

この記事では、LPトークンとはそもそも何か、なぜ収益を生むのかという基本的な仕組みから、2025年最新のUniswap V4時代における具体的な運用戦略、さらには目的別のおすすめDEXまで、専門家が徹底的に解説します。

この記事を読めば、あなたもLPトークンを使いこなし、DeFiで賢く稼ぐための一歩を踏み出せるはずです!

目次

そもそもLPトークンとは?【DeFi資産運用の心臓部】

LPトークン(Liquidity Provider Token)は、分散型取引所(DEX)の流動性プールに資産を預け入れた際、その「流動性提供に対する所有権の一部を示すトークン」として発行されます。
これは、あなたがプール全体の資産のうち、どれだけの割合を所有しているかを示すデジタルな権利証のようなものです。

ただし、銀行預金と大きく異なるのは、LPトークンを保有しているだけで継続的に収益が得られる点です。これが「流動性提供」による収益の基本的な仕組みであり、DeFiにおける資産運用の根幹をなしています。

LPトークンは「流動性提供の証明書」

LPトークンは、あなたがDEXの特定の「流動性プール」に、どのくらいの資産を、どのくらいの割合で提供したかを記録しています。

このトークンをウォレットで保有している限り、あなたは流動性提供者として認識され、後述する収益を受け取る権利を持ちます。

なぜ必要?DEX(分散型取引所)を支えるAMMの仕組み

LPトークンを理解するには、まずDEXの心臓部である「AMM(Automated Market Maker:自動マーケットメーカー)」の仕組みを知る必要があります。

【専門用語】AMM(自動マーケットメーカー)とは?
AMMは、売り手と買い手を直接マッチングさせる従来の取引所とは異なり、「流動性プール」と呼ばれる資産のプールを介して自動的に取引を成立させる仕組みです。ユーザーはこのプールから直接トークンを交換でき、24時間365日いつでも取引が可能です。

流動性プールには、2種類のトークン(例: ETHとUSDC)が一定の比率で蓄えられています。
トレーダーがETHをUSDCに交換したい場合、プールからUSDCを受け取り、代わりにETHをプールに預けます。
このAMMの仕組みがあるからこそ、LPトークンが必要となるのです。

LPトークンが生み出す2つの収益

LPトークンを保有する(流動性を提供する)ことで得られる収益は、主に以下の2種類です。
この2つの収益を組み合わせることで、従来の金融商品では考えられないような高い利回りが期待できます。

収益①:DEXの取引手数料(スワップ手数料)

LPトークン保有者が得られる最も基本的な収益が、DEXで行われる取引の手数料です。

トレーダーが流動性プールを使ってトークンを交換(スワップ)するたびに、手数料(通常0.05%〜0.3%)が発生します。この手数料が、プールの流動性に貢献しているLPトークン保有者に、その貢献度(プール全体の流動性に対する自分の提供分の割合)に応じて分配されます。

取引が活発なプールほど、より多くの手数料収益が期待できるため、どのプールに流動性を提供するかが重要になります。

収益②:DEXからのインセンティブ報酬(トークン報酬)

多くのDEXは、より多くの流動性を集めるために、取引手数料に加えて独自のガバナンストークンを「インセンティブ報酬」として配布しています。これは、DEXが流動性提供者をより多く集めるために設計した追加的な報酬であり、全てのDEXで提供されているわけではありません。

例えば、PancakeSwapやCurveなどの主要なDEXでは、取引手数料に加えて独自のガバナンストークンが報酬として配布されることが一般的です。ただし、これらの報酬体系はプロジェクトの方針や時期によって変更される可能性があるため、流動性を提供する前には必ず公式サイトで最新の情報を確認しましょう。

これらのトークンは市場で売却して利益を確定させることも、さらに別の運用に回して複利効果を狙うことも可能です。このインセンティブ報酬こそが、DeFiで高い利回りを実現する鍵となります。

LPトークンで稼ぐための実践戦略と始め方

LPトークンで利益を得るための具体的な戦略と、そのために必要な手順を解説します。ご自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて、最適な戦略を選びましょう。

LPトークンで稼ぐための3つの戦略
  • 【王道戦略】イールドファーミングで高い利回りを狙う
  • 【上級戦略】LPトークンを担保に新たな資金を借りる
  • 【堅実戦略】戦略③ ステーブルコインペアで低リスクに運用する

【王道戦略】イールドファーミングで高い利回りを狙う

イールドファーミングは、LPトークンをDEXやイールドアグリゲーターに預け入れる(ステーキングする)ことで、取引手数料に加えて追加の報酬トークンを獲得し、収益の最大化を狙う最も一般的な戦略です。

この戦略のポイントは、どのDEXのどのプールで、どのようなインセンティブ報酬が提供されているかをリサーチすることにあります。

【上級戦略】LPトークンを担保に新たな資金を借りる

LPトークンはそれ自体が資産価値を持つため、AaveやCompoundといったレンディングプロトコルで担保として利用できます。

LPトークンを担保にステーブルコイン(USDCなど)を借り入れ、その資金でさらに別のLPトークンを購入・運用することで、レバレッジをかけた取引が可能です。
ただし、担保にしたLPトークンの価値が下落すると、借り入れた資金が強制的に清算されるリスクを伴います。そのため、これはリスクが高い取引であり、慎重な運用が求められる戦略です。

【堅実戦略】戦略③ ステーブルコインペアで低リスクに運用する

高い利回りは魅力的ですが、価格変動による損失(インパーマネントロス)が心配な方には、ステーブルコイン同士のペア(例: USDC/USDT)での運用がおすすめです。

価格がほとんど変動しないため、インパーマネントロスのリスクを最小限に抑えながら、取引手数料とインセンティブ報酬を着実に得ることができます。2025年現在、主要なDEXではステーブルコインペアでも年利5%〜15%程度の利回りが期待できます。

【目的別】LPトークン運用におすすめのDEX(分散型取引所)

数多くのDEXが存在する中で、どのプラットフォームを選ぶかは収益を大きく左右します。
ここでは、2025年現在の最新データに基づき、目的別におすすめのDEXを紹介します。

DEX名TVL (総ロック価値)主要チェーン特徴こんな人におすすめ
Uniswap V4約50億ドルEthereum, Base, Arbitrum他業界最大手。集中流動性による高い資本効率と信頼性。資本効率を最大化したい中〜上級者
PancakeSwap約38億ドルBNB ChainUIが分かりやすく低手数料。CAKEファーミングで高利回り。DeFiが初めての初心者、高利回りを狙いたい人
Curve Finance約30億ドルEthereum, Polygon他ステーブルコイン特化。スリッページ(価格のズレ)が極小。インパーマネントロスを避け、安定運用したい人
Aerodrome約10億ドルBaseBaseチェーン最大のDEX。ve(3,3)モデルで高い手数料収益。Baseエコシステムで運用したい人、新しいDEXを試したい人
https://defillama.com/

初心者でも使いやすいおすすめDEX:PancakeSwap

LPトークンを用いたDeF運用iをこれから始める方には、PancakeSwapは入門に最適な1つです。

UI/UXが直感的で分かりやすく、日本語にも対応しています。
また、BNBチェーンを基盤としているため、取引手数料(ガス代)がイーサリアムベースのDEXに比べて格段に安く、少額からでも気軽に始められるのが大きな魅力です。

ステーブルコインの運用に強いおすすめDEX:Curve Finance

価格変動リスクを避け、米ドルなどの法定通貨に価値が連動するステーブルコインで安定的に運用したい方には、Curve Financeがおすすめです。

ステーブルコイン同士の交換に特化した独自のアルゴリズムにより、スリッページ(取引時の価格のズレ)を最小限に抑え、インパーマネントロスをほとんど気にすることなく、取引手数料とCRVトークンの報酬を得ることができます。

高い利回りが期待できるおすすめDEX

リスクを取ってでも高いリターンを狙いたい方には、PancakeSwapやAerodrome Financeが選択肢となります。

PancakeSwapはCAKEトークンのファーミングによって高いAPRを提供しているプールが多く存在します。

一方、Coinbaseが支援するBaseチェーン上のAerodromeは、ve(3,3)と呼ばれる新しいトークン経済モデルを採用しており、プロトコルの手数料収益をAEROトークン保有者に効率的に分配することで、高い利回りを実現しています。

どの通貨ペアを選ぶかが最も重要です。

集中流動性:Uniswap V4でLPトークンの収益を最大化

2025年以降のDeFi市場を語る上で欠かせないのが、Uniswap V3で導入されV4でも継承された「集中流動性(Concentrated Liquidity)」という革命的な技術です。

従来のAMM(Uniswap V2など)では、提供された流動性は価格が0から無限大までの全範囲に均等に分散されていました。
しかし、実際の取引は常に現在の価格周辺の狭い範囲で行われます。そのため、提供した資金の大部分は全く使われることがなく、「資本効率が悪い」という大きな課題がありました。

少ない資金で大きなリターンを狙える「集中流動性」とは?

集中流動性は、この資本効率を解決するために生まれました。
集中流動性では、「この価格範囲でのみ自分の資金を取引に使う」と指定できます。
例えば、ETHの現在価格が3,000USDCの場合、「2,800USDC〜3,200USDC」という狭い範囲に流動性を集中させることができます。

これにより、自分の資金が取引に利用される頻度が劇的に高まり、同じ資金量でも従来のAMMに比べて数倍から数千倍もの取引手数料を稼ぐことが可能になります。

メリットとデメリット:ハイリターンには相応のリスクも

集中流動性のメリットは、前述の通り資本効率の劇的な向上です。
少ない資金でより多くのリターンを狙えるため、DeFi運用の可能性を大きく広げました。
これまでは幅広い価格で流動性を提供しなければいけなかった為、その分流動性提供による手数料獲得の効率が悪かったのです。

一方で、デメリットは、価格が指定したレンジを外れると、手数料収益が一切得られなくなる点です。さらに、レンジを外れた状態ではインパーマネントロスが拡大しやすくなるため、従来のLP運用よりも積極的な管理(リバランス)が求められます。このため、集中流動性は非常に強力なツールである一方、ある程度相場を予測し、ポジションを管理できる中〜上級者向けの機能と言えるでしょう。

LPトークン運用に潜む3つのリスクと対策

高いリターンが期待できるLPトークン運用ですが、その裏には必ずリスクが存在します。
資産を失わないために、以下の3つのリスクを必ず理解しておきましょう。

リスク① 価格変動による損失「インパーマネントロス」

【専門用語】インパーマネントロス(変動損失)とは? 流動性プールに預けた2種類のトークンの価格比率が変動することにより、一時的に損失が発生する可能性がある状態を指します。これは、資産を預けずにウォレットで保有し続けた場合と比較した際の潜在的な損失であり、価格が元の比率に戻れば損失は回避できるため「インパーマネント(非永続的)」と呼ばれます。

価格変動が大きいほどインパーマネントロスは拡大します。取引手数料やインセンティブ報酬がこの損失を上回って初めて、LP運用は利益が出ることになります。

  • 対策方法
    • ステーブルコインペアや、価格が連動しやすいペア(例: ETH/stETH)を選ぶことで、リスクを最小限に抑えられます。
    • DeFiLlamaなどのサイトには、インパーマネントロスを計算できるツールがあるので、定期的に損益を確認する習慣をつけましょう。

リスク② 資産が盗まれる「スマートコントラクトリスク」

DeFiプロトコルは、スマートコントラクトというプログラムによって自動で実行されています。このプログラムのコードに脆弱性(バグ)があると、ハッカーに悪用されて資産が盗まれる可能性があります。

最新事例:2025年11月、大手DEXの一つであるBalancerがハッキングされ、約1億1,600万ドル相当の資産が流出しました。これは、信頼性が高いとされていたプロトコルでもリスクはゼロではないことを示しています。

  • 対策方法
    • 監査レポートを確認する:CertiKやTrail of Bitsといった信頼できる監査会社による監査を受けているかを確認しましょう。
    • 実績のあるプロトコルを選ぶ:UniswapやCurveなど、長期間ハッキング被害なく運営されている、実績豊富なプロトコルを優先的に利用しましょう。

H3: リスク③ 運営が資金を持ち逃げする「ラグプル」

「ラグプル(Rug Pull)」とは、プロジェクトの運営者が意図的に流動性を引き抜き、投資家から集めた資金を持ち逃げする詐欺行為です。
特に、誕生したばかりの無名なプロジェクトや、異常に高い利回りを謳うプロジェクトで発生しやすいため、注意が必要です。

  • 対策方法
    • プロジェクトの透明性を確認:開発チームの身元が公開されているか、コードはオープンソースか、コミュニティは活発かなどを確認しましょう。
    • 流動性のロック状況を確認:信頼できるプロジェクトは、運営が勝手に流動性を引き出せないように、LPトークンを一定期間ロックしている場合があります。

LPトークン運用と税金

2025年時点では、LPトークン運用で得た利益は、日本の税制に基づいて雑所得として扱われる可能性が高いです。

しかし、DeFiや暗号資産に関する税制は年々変化しており、明確なガイドラインが定まっていない部分も多いため、常に最新の税法を確認することが極めて重要です。
確定申告で慌てないために、課税のタイミングと計算方法の基本を理解しておきましょう。

利益が確定し、課税対象となる3つのタイミング

  • インセンティブ報酬を受け取った時:ファーミングなどで得たトークンは、受け取った時点の時価で所得として計上されます。
  • LPトークンを解除した時:流動性の提供をやめ、LPトークンを元の2種類のトークンに戻した際、預け入れ時と価値が変動していれば、その差額が損益として認識されます。
  • 報酬として得たトークンを売却した時:報酬として得たトークンを日本円や他の仮想通貨に交換した際、受け取り時の時価と売却時の価格差が損益となります。

複雑な損益計算の方法・計算ツール

LPトークンの損益計算は、取引手数料、インセンティブ報酬、インパーマネントロスなどが複雑に絡み合うため、手動での計算は非常に困難です。

そのため、暗号資産専門の損益計算ツールを利用するのが一般的です。

  • Cryptact(クリプタクト)
  • Gtax

これらのツールは、ウォレットアドレスを連携するだけで、DeFi取引の履歴を自動で取得し、損益を計算してくれます。

DeFiの税務は非常に専門性が高く、税理士によっても見解が異なる場合があります。不安な点や取引量が多い場合は、必ず暗号資産に精通した税理士に相談しましょう。SNSのコミュニティや、暗号資産関連の協会などを通じて探すのがおすすめです。

LPトークン まとめ

LPトークンで稼ぐための仕組みから具体的な戦略、リスク、税金に至るまでを網羅的に解説しました。

LPトークンは、DEXに流動性を提供することで「取引手数料」と「インセンティブ報酬」という2つの収益源を得られる、DeFi資産運用の根幹です。2025年現在、Uniswap V4の「集中流動性」のような技術革新により、その収益性はさらに高まっています。

しかし、その裏には「インパーマネントロス」「スマートコントラクトリスク」「ラグプル」といった無視できないリスクが存在します。高いリターンを追求しつつも、ステーブルコインペアでの安定運用や、信頼できるDEXの選定など、自身のリスク許容度に合わせた賢明な判断が求められます。

DeFiの世界は日々進化しており、新たなチャンスとリスクが常に生まれています。この記事を羅針盤として、ぜひあなたもLPトークンを使いこなし、DeFiでの資産運用の第一歩を踏み出してみてください。

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